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【発明の名称】 低圧供給水予熱器又はヒータ
【発明者】 【氏名】ヘルベルト ヴェルニッヒ

【氏名】ムスタファ ヨウセフ

【要約】 【課題】仕切壁を備えた管束支持体の製造に要する大きな費用を回避すると共に、管束支持体の製造が可能な限り簡単かつコスト的に有利となるばかりでなく、特に溶接作業を可能な限りわずかにしか必要としないような又は全く必要としないような管束支持体のための構造を見いだす。

【解決手段】個々の支持板8がそれぞれ1部分から製作されかつ連続しており、かつ、仕切壁11が、支持板8に結合された個々の薄板部分から成る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発電所プラント内で抽出蒸気により加熱される低圧供給水予熱器又はヒータであって、蒸気胴(1)に取付けられた少なくともそれぞれ1つの蒸気入口(2)及び凝水出口(3)と、冷たい脚及び熱い脚を有するシート形構造の1つの2流路式管束(5)と、管束軸線に対して直角に配置された少なくとも1つの支持板(8)と、管束軸線に対して平行に延びるサイドプレート(9)とが設けられており、かつ、管束(5)の中央部には熱い管束脚と冷たい管束脚との間に仕切壁(11)が管束脚の全長に沿って配置されている形式のものにおいて、個々の支持板(8)がそれぞれ1部分から製作されかつ連続しており、かつ、仕切壁(11)が、支持板(8)に結合された個々の薄板部分から成ることを特徴とする低圧供給水予熱器又はヒータ。
【請求項2】 サイドプレート(9)がそれぞれ1部分から製作されかつ連続しており、かつ、支持板(8)に設けたスリット開口(14)を通して案内されている請求項1記載の低圧供給水予熱器又はヒータ。
【請求項3】 仕切壁(11)の個々の薄板部分が、支持板(8)に面したその両側のいずれにも単数又は複数の歯(16)を備えており、かつ、それぞれの支持板(8)がこれらの歯に適合する開口(17)を備えている請求項1記載の低圧供給水予熱器又はヒータ。
【請求項4】 管束支持体の支持板(8)がそれらの間のタイロッド(10)と隔てスリーブ(19)とを介して締合わされている請求項1から3までのいずれか1項記載の低圧供給水予熱器又はヒータ。
【請求項5】 管束(5)が熱膨張にもとづき水平方向に自由に運動するように、管束(5)を備えた支持板(8)が、蒸気胴(1)の内壁に配置された2つのアングル部材(15)上に支持されている請求項1記載の低圧供給水予熱器又はヒータ。
【請求項6】 支持板(8)が少なくとも4つの支持舌片(21)を備えており、これらの支持舌片が蒸気胴(1)の内壁から、縦方向及び横方向での管束支持体の自由な移動を許容するように間隔をおいて配置されている請求項1記載の低圧供給水予熱器又はヒータ。
【請求項7】 仕切壁(11)の両側には、最も低圧の帯域内に、凝縮されないガスの吸出のための吸込管(12)が延在している請求項1記載の低圧供給水予熱器又はヒータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発電所プラントのための、チューブシート形構造の2流路式管束を備えていて抽出蒸気により加熱される低圧供給水予熱器又はヒータ及び特に管束支持体のための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】低圧供給水予熱器は一般に公知である。この低圧供給水予熱器は発電所プラント内でコンデンサと脱気装置との間に配置され、蒸気・水回路内の供給水を、管内を流れる供給水と蒸気との間の熱交換により予熱するのに役立てられる。このことのために、蒸気は低圧タービンから抽出されて予熱器内へ誘導され、この予熱器内で管上で凝縮して供給水を加熱する。地域加熱プラント内では地域加熱回路内を流れる加熱水の再加熱のためにヒータが役立てられる。
【0003】特に真空領域内で運転される予熱器では、抽出された蒸気と一緒に、かつ大気から、熱伝達を妨げる空気(凝縮されないガス)が予熱器内へ侵入する。この熱伝達の妨げは、この凝縮されないガスを吸出することで装置を脱気することにより排除されるゆえに、ガスを可能な限り完全に排出するために種々の手段が講じられなければならない。
【0004】供給水は、予熱器の一端に配置されていて2部分に分割された1つの水室から2流路システムを介して流される。この2流路システムは変向室と共に直状に設計された管束又はU字形に設計された管束から成る。水は水室の第1の部分から管を通って変向室もしくはU部を介して方向転換されて水室の第2の部分内へ戻される。その場合、管の冷たい方の半部が冷たい脚(もしくは冷脚)、熱い方の半部が熱い脚(もしくは熱脚)と標記される。このチューブシート形構造の供給水予熱器では、管束が、水室に続いて配置されたそれぞれ1つのプレートに固定的に取付けられる。さらに、管束はそれぞれ支持板と長手支持体とから成る管束支持体によって保持されかつ支持される。
【0005】タービンから抽出された蒸気は蒸気入口を通して低圧供給水予熱器内へ流入し、バッフルプレートにより分配され、その結果、まず最初にケーシング胴と管束との間の環状の蒸気室内へ流入し、次いで管束全長に沿って半径方向で管束へ進入し、管束表面上で凝縮する。管束の中央部には自由スペース、いわゆる管束レーンが設けられている。この管束レーン内への蒸気の直接的な流入は、外側にサイドプレートを配置することにより阻止されている。管束レーン内には単数又は複数の脱気管が配置されている。これらの脱気管は多数の吸込孔を備えており、この吸込孔を介して、凝縮できないガスが吸出される。このガスは、圧力が最も低い帯域内に集積する。この最低圧帯域は、管に対して平行に管束レーンの中央に沿って延在せずに、むしろ管束の中央から逐次管束の冷脚へ向かってずれている。要するにこの帯域は管の方向転換側の中央から、水室のところの管の流入側へ向かって斜めに延びている。吸込管を理想的にこの最低圧帯域内に配置することは不可能である。その理由はこの種の吸込管はチューブシート側で冷脚上又は冷脚内に配置されなければならないからである。
【0006】ドイツ連邦共和国特許第2820736号明細書に記載された供給水予熱器は管束の冷脚と熱脚との間の管束レーン内に、管束の全長に沿って延びる仕切壁を備えている。この仕切壁によって、管束レーン内には仕切壁の近くでその両側に、管束内へ延びていないそれぞれ1つの最低圧帯域が生じている。仕切壁のそれぞれの側には、脱気開口を備えた吸込管が配置されており、この脱気開口を通して、凝縮されないガスが吸出される。このことにより、熱い管束半部並びに冷たい管束半部内のいずれにおいても最低圧領域内に脱気管が配置されることが保証される。
【0007】管束全長にわたり延在する仕切壁は管束支持体のサイドプレートに溶接されている。2つの半部から成る多孔性の支持板も同様にサイドプレート及び仕切壁に溶接されている。この溶接結合はこの種の予熱器に技術的に著しく適しているが、しかし管束支持体の製造はこの溶接構造により時間的、作業的かつコスト的な大きな費用を要する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、仕切壁を備えた管束支持体の製造に要する大きな費用を回避すると共に、管束支持体の製造が可能な限り簡単かつコスト的に有利となるばかりでなく、特に溶接作業を可能な限りわずかにしか必要としないような又は全く必要としないような管束支持体のための構造を見いだすことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によれば、請求項1に記載されているように、発電所プラント内で抽出蒸気により加熱される低圧供給水予熱器又はヒータであって、蒸気胴に取付けられた少なくともそれぞれ1つの蒸気入口及び凝水出口と、冷たい脚及び熱い脚を有するシート形構造の1つの2流路式管束と、管束軸線に対して直角に配置された少なくとも1つの支持板と、管束軸線に対して平行に延びるサイドプレートとが設けられており、かつ、管束の中央部には熱い管束脚と冷たい管束脚との間に仕切壁が管束脚の全長に沿って配置されている形式のものにおいて、個々の支持板がそれぞれ1部分から製作されかつ連続しており、かつ、仕切壁が、支持板に結合された個々の薄板部分から成ることにより解決される。
【0010】本発明の別の1構成では仕切壁の薄板部分が機械的に噛合い係合により支持板内で案内されている。このことのために、仕切壁の薄板部分は支持板に面したそれぞれの側に、支持板に設けた開口に適合した少なくとも1つの歯を備えている。サイドプレートは支持板と同様に1部分から製作され、かつ連続しており、かつ支持板を貫通して案内されている。
【0011】
【発明の効果】管束支持体のこの構造が有する利点とするところは、個々の部分、要するに支持板、仕切壁の薄板部分及びサイドプレートがそれぞれ1部分から機械的に製作され、かつ可能な限りその他の機械作業工程なしに組立てられることにある。その上、大きな費用を要する溶接作業は不要となり、かつ管束支持体の著しく簡単な製造が可能となり、時間が節約され、かつコストが著しく削減される。
【0012】
【発明の実施の形態】次に図示の実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0013】図1の(a)、(b)及び図2に示された供給水予熱器はその蒸気胴1のところに蒸気入口2と凝水出口3とを備えている。この蒸気胴1は蒸気室4と管束5とを囲んでいる。蒸気入口2のところには円筒形に湾曲したバッフルプレート13が配置されており、このバッフルプレートによって、流入した蒸気が蒸気室4内へ変向され、かつ管束5が流入する蒸気に直にさらされない。予熱器の一端に、入口18及び出口18を備えた分割された水室6が配置されており、この水室から供給水が管束5の両方の脚を通り、再び水室へ戻される。管束5はチューブシート7内に取付けられており、かつ支持板8及びサイドプレート9を備えた管束支持体によって支持されている。支持板8はさらに、隔てスリーブ19とナット20とを備えたタイロッド10によってまとめて保持されている。両方の管脚の間には管束レーン内に仕切壁11が配置されており、その両側には蒸気の脱気のための吸込管12が配置されている。すでに説明したように、この場合、このところに最低圧帯域が形成されており、従って、凝縮されないガスがこの帯域内に集合し、吸込管12に設けた開口を通して排出される。図2は、吸込管12およびタイロッド10のための穿孔された開口と、サイドプレート9のためのフライス加工されたスリット開口14とを備えた支持板8のプロフィールを示す。管束のためのパーフォレーションのアウトラインが破線で示されている。支持板8はさらに蒸気胴1の内壁に配置された2つのアングル部材15上に支持されており、管束5を備えた支持板8はこのアングル部材上で、管束の熱い脚と冷たい脚との熱膨張の不均一にもとづき縦方向及び横方向に自由に運動することができる。支持板8はさらに、蒸気胴1の内壁に管束支持体を側方案内する目的で翼の形状の4つの支持舌片21を備えている。これらの支持舌片21はそれぞれ、それらの縁が蒸気胴1の内壁に対して平行に延びるように成形されている。支持舌片21は直には蒸気胴1の内壁に接しておらず、これらの支持舌片21と蒸気胴1との間には、管束の熱膨張にもとづく支持板8のずれ動きのための自由スペース又は遊びスペースが設けられている。要するに、支持板8は管束5の熱膨張にもとづき、支持舌片21が蒸気胴1の内壁に接触してそこに支持されるまで摺動することが許される。
【0014】図3はフライス加工されていてサイドプレート9を挿入することのできるスリット開口14と、吸込管12及びタイロッド10のための孔とを備えた支持板8を再度示す。仕切壁11の個々の薄板部分は例えば都合4つの角隅と、支持板8に面した縁の中央とに、図4にもとづく歯16を備えている。これらの歯16は組立時に、それらに適合するように支持板8に設けられた開口17内へ挿入される。支持板8内での仕切壁11の固定及び案内は、支持板に面したそれぞれの側に設けた歯によって保証される。もちろん、直角に成形された歯を備えた図示の歯16の他にも別の歯形、例えば三角形の歯が考えられる。
【0015】支持板8はタイロッド10、隔てスリーブ19及びナット20によってまとめて緊定されている。タイロッド10及び隔てスリーブ19は加熱により膨張して、支持板8と一緒に長手方向に摺動する。管は同様に長手方向にではあるが異なる量だけ、それも冷脚と熱脚との温度の相違により不均一に摺動する。この異なる量の膨張は支持板8内での管の自由な摺動により保証される。本発明にもとづく管束支持体の全構成部材すなわち支持板、仕切壁、サイドプレート、隔てスリーブ、及びタイロッドは工場において完全に予め製作され、かつ溶接作業なしに(又はわずかな溶接作業で)迅速にかつコスト的に有利に組立てられる。
【出願人】 【識別番号】390032296
【氏名又は名称】アセア ブラウン ボヴエリ アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】ASEA BROWN BOVERI AKTIENGESELLSCHAFT
【出願日】 平成10年10月7日(1998.10.7)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−240903(P2000−240903A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平10−285266