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【発明の名称】 熱交換器のドレン回収システム
【発明者】 【氏名】瀬戸 俊之

【要約】 【課題】排ガス再加熱器から脱気器へ流入されるドレンの量を調整可能にすることにより脱気器の正常化を図り、ボイラー水の損失を防止すると共に熱効率のよい熱交換器のドレン回収システムを提供する。

【解決手段】ボイラー11から発生する蒸気を分配管12を介して排ガス再加熱器13に供給し、排ガス再加熱器13からの排蒸気をスチームトラップ14を介して脱気器15に入れて、ボイラー11に供給し、更に脱気器15には復水タンク16からの水が供給可能な熱交換器のドレン回収システム10において、スチームトラップ14の下流側に、自動開閉弁17を介して復水タンク16に接続される分岐管18を設け、自動開閉弁17を脱気器15の圧力に応じて開閉し、脱気器15の圧力を一定範囲に保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボイラーから発生する蒸気を分配管を介して排ガス再加熱器に供給し、該排ガス再加熱器からの排蒸気をスチームトラップを介して脱気器に入れて、前記ボイラーに供給し、更に前記脱気器には復水タンクからの水が供給可能な熱交換器のドレン回収システムにおいて、前記スチームトラップの下流側に、自動開閉弁を介して前記復水タンクに接続される分岐管を設け、前記自動開閉弁を前記脱気器の圧力に応じて開閉し、該脱気器の圧力を一定範囲に保持することを特徴とする熱交換器のドレン回収システム。
【請求項2】 ボイラーから発生する蒸気を分配管を介して排ガス再加熱器に供給し、該排ガス再加熱器からの排蒸気をスチームトラップを介して脱気器に入れて、前記ボイラーに供給し、更に前記脱気器には復水タンクからの水が供給可能な熱交換器のドレン回収システムにおいて、前記分配管と前記排ガス再加熱器の間に蒸気調整弁を設け、該蒸気調整弁の開度を前記脱気器の圧力に応じて調整し、該脱気器の圧力を一定範囲に保持することを特徴とする熱交換器のドレン回収システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱気器の圧力を制御することを可能とした熱交換器のドレン回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】図3に示すように、従来より、溶融炉51から発生する排ガスは、燃焼室52において900℃程度の温度で完全燃焼された後、ボイラー53で冷却され、更に排ガス温度調節器54で冷却された後、バグフィルタ55を通過して煙突56から排出されている。しかし、このように冷却された排ガスは、あまり低温であると煙突56から排出する際に可視白煙となる。また、最近では、ダイオキシン等の問題のため煙突56から排出する前に排ガスを触媒反応塔57において処理している場合もあり、この触媒が作用するのに適した温度が200℃程度となっている。従って、バグフィルタ55を通過した排ガスを再び200℃程度に加熱することが望ましく、この加熱処理は、前記ボイラー53から発生する蒸気を利用して行われている。
【0003】そして、この際発生するドレンは、図4に示す熱交換器のドレン回収システム58によって回収されている。以下、説明する。ボイラー53から発生した蒸気は分配管59において分配され、所定量が前記排ガスを再加熱するための排ガス再加熱器60に、残りの蒸気のうち必要量は後述する脱気器61に、残りは蒸気タービン等の熱利用設備62に送られて利用されている。ここで、排ガス再加熱器60に送られる所定量とは、排ガスを200℃程度まで加熱するのに必要な量をいう。排ガス再加熱器60を通過した蒸気は、250℃程度の加圧状態の飽和水(以下、ドレンAとする。)となって、スチームトラップ63で一旦トラップされ、連続的に脱気器61へ送られる。一方、熱利用設備62で使用された蒸気は、80℃程度の水(以下、ドレンBとする。)となって復水タンク64に貯められ、レベル制御弁65で流入量を調整されながら脱気器61へ送られる。
【0004】脱気器61では、圧力検出器66及びレベル検出器67によって脱気器61の圧力及びレベル(ドレン量)が検出されており、脱気器61が2.7kg/cm2(140℃程度)となるように調整される。すなわち、通常の運転時におけるこの調整は、ドレンAとドレンBの混合、及び分配管59から圧力制御弁68を介して過熱蒸気を適当量流入することによって行われている。そして、この脱気器61で脱気されたドレン(水)は、再びボイラー53に回収されている。なお、符号69はボイラー給水ポンプを示し、符号70は脱気器給水ポンプを示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の熱交換器のドレン回収システム58においては、脱気器61が無条件に排ガス再加熱器60からのドレンを受け入れるので、脱気器61の圧力制御に不具合が生じることがあった。すなわち、通常の状態においては排ガス再加熱器60から脱気器61に送られるドレンの量は脱気器61の必要蒸気より少ないので問題ないが(このときは分配管59から直接蒸気が送られる)、ボイラーの低負荷時、及び休風時等は、排ガス再加熱器60から脱気器61に送り込まれるドレンの量が必要蒸気より多くなるため、脱気器61の圧力制御が不能となって脱気器61の圧力が上昇するという問題があった。
【0006】このような場合においては、ボイラー給水ポンプ69に設けられた逃がし弁71を作動するか、脱気器61に設けられた安全弁72を作動することにより脱気器61の圧力の低下を図っていたが、これではボイラー水を損失して水をドレン回収システム58に補給する手間が必要となると共に熱効率的にも望ましくないものとなっていた。本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、排ガス再加熱器から脱気器へ流入されるドレンの量を調整可能にすることにより脱気器の正常化を図り、ボイラー水の損失を防止すると共に熱効率のよい熱交換器のドレン回収システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発明に係る熱交換器のドレン回収システムは、ボイラーから発生する蒸気を分配管を介して排ガス再加熱器に供給し、該排ガス再加熱器からの排蒸気をスチームトラップを介して脱気器に入れて、前記ボイラーに供給し、更に前記脱気器には復水タンクからの水が供給可能な熱交換器のドレン回収システムにおいて、前記スチームトラップの下流側に、自動開閉弁を介して前記復水タンクに接続される分岐管を設け、前記自動開閉弁を前記脱気器の圧力に応じて開閉し、該脱気器の圧力を一定範囲に保持している。本発明に係る熱交換器のドレン回収システムにおいては、排ガス再加熱器で発生するドレンの回収先が脱気器のみの一系統から復水タンクを加えた二系統になる。従って、脱気器の圧力制御に不具合を生じた場合(脱気器の圧力が制御範囲を外れ、(高位)異常値を示した場合)、復水タンクに接続された分岐管の自動開閉弁に制御信号を送ってこの自動開閉弁の開閉操作を行うことにより、排ガス再加熱器で発生するドレンの全量、若しくは一部を復水タンクに逃がすことができる。
【0008】また、前記目的に沿う第2の発明に係る熱交換器のドレン回収システムは、ボイラーから発生する蒸気を分配管を介して排ガス再加熱器に供給し、該排ガス再加熱器からの排蒸気をスチームトラップを介して脱気器に入れて、前記ボイラーに供給し、更に前記脱気器には復水タンクからの水が供給可能な熱交換器のドレン回収システムにおいて、前記分配管と前記排ガス再加熱器の間に蒸気調整弁を設け、該蒸気調整弁の開度を前記脱気器の圧力に応じて調整し、該脱気器の圧力を一定範囲に保持している。本発明に係る熱交換器のドレン回収システムにおいては、分配管と前記排ガス再加熱器の間に蒸気調整弁を設けているので、脱気器の圧力制御に不具合を生じた場合(脱気器の圧力が制御範囲を外れ、(高位)異常値を示した場合)、蒸気調整弁の開度を脱気器の圧力に応じて調整して、排ガス再加熱器から脱気器に流入されるドレンの全量、若しくは一部を減じることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る熱交換器のドレン回収システムの説明図、図2は本発明の第2の実施の形態に係る熱交換器のドレン回収システムの説明図である。
【0010】図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る熱交換器のドレン回収システム10は、ボイラー11から発生する蒸気を分配管12を介して排ガス再加熱器13に供給し、排ガス再加熱器13からの排蒸気(ドレン)をスチームトラップ14を介して脱気器15に入れて再びボイラー11に供給するものであって、更に、脱気器15には復水タンク16からの水が供給可能となっている。また、熱交換器のドレン回収システム10においては、スチームトラップ14の下流側に、自動開閉弁17を介して復水タンク16に接続される分岐管18を設けているところに特徴を有する。なお、本実施の形態における熱交換器のドレン回収システム10は、図3に示すものと同様の施設に適用される。
【0011】以下、通常運転時の熱交換器のドレン回収システム10の動作について説明するが、通常運転時は従来例に係る熱交換器のドレン回収システム58の動作と同様であるので簡単に説明する。ボイラー11から発生した蒸気は、分配管12を介して排ガス再加熱器13に供給される。排ガス再加熱器13を通過した排蒸気(ドレン)はスチームトラップ14で一旦トラップされて一定量ずつ連続的に脱気器15に送られる。一方、熱利用設備19で利用されたボイラー11からの蒸気は、復水タンク16に貯められ、レベル制御弁20で流入量が制御されて脱気器15に送られる。また、脱気器15では、圧力検出器21及びレベル検出器22によって脱気器15の圧力及びレベル(ドレン量)が検出されており、脱気器15が所定圧力、及び所定温度となるように調整されている。通常の運転時におけるこの調整は、排ガス再加熱器13及び復水タンク16から脱気器15に流入されるドレンの混合のみでは脱気器15が所定の圧力及び温度にならないために、分配管12から過熱蒸気を圧力制御弁23を介して適当量流入することにより行われている。なお、通常運転時においては、自動開閉弁17は閉じた状態を保持している。
【0012】以下、ボイラーの低負荷時、休風時等のボイラーの通常運転時とは異なる場合の熱交換器のドレン回収システム10の動作について説明する。この場合においては、排ガス量に対してボイラー11から発生する蒸気量は少なく、ボイラー11に脱気器15から流入できるドレンの量は少なくなる。従って、脱気器15に流入できるドレンの量も必然的に少なくなり、排ガス再加熱器13からの高カロリーのドレンの流入量は排ガス量に対して一定であると、復水タンク16から脱気器15に送られる低カロリー(低温)のドレンの量は少ないため、脱気器15においては圧力が上昇することとなる。
【0013】本発明においては、こういった場合に自動開閉弁17を介して復水タンク16に接続された分岐管18に排ガス再加熱器13を通過したドレンを流すようにする。この自動開閉弁17は脱気器15の圧力に応じて開閉され(脱気器15の圧力が高い場合は開き、脱気器15の圧力が低い場合は閉じる)、脱気器15の圧力を一定範囲(例えば、2.5〜3.5kg/cm2 程度)に保持する。これによって、脱気器15に送られる高カロリーのドレンの量が減少し、脱気器15の圧力の異常上昇を抑制することができる。なお、緊急時(自動開閉弁が作動しなかった場合等)に備えて、安全弁24及び逃がし弁25が設けられている。また、符号26はボイラー給水ポンプ、符号27は脱気器給水ポンプ、符号28は逆止弁を示す。
【0014】次に、図2を参照して、第2の実施の形態に係る熱交換器のドレン回収システム29について説明する。なお、第1の実施の形態で説明したものと同様の構成のものについては同一の符号を付して説明を省略する。熱交換器のドレン回収システム29は、分配管12と排ガス再加熱器13の間に蒸気調整弁30を設け、この蒸気調整弁30の開度を脱気器15の圧力に応じて調整し、脱気器15の圧力を一定範囲に保持することを特徴とする。蒸気調整弁30は、脱気器15に設けられた圧力検出器21で検出される圧力によってその開度を調整され、例えば、ある一定圧力以上になった場合に、圧力の上昇に比例して弁の開度を低くする(弁を閉じる)ようにする。これによって、排ガス再加熱器13に送る蒸気の減少を最小限に抑えつつ、脱気器15に送られる高カロリーのドレンの量を調整することが可能となり、脱気器15の圧力の異常上昇を抑制することができる。
【0015】以上、本発明を幾つかの実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、第1の実施の形態において、復水タンク16に接続された分岐管18に、タービン等の熱利用設備を繋いでその後に復水タンク16に流すようにすることもでき、これによって熱のより有効な利用を図ることが可能となる。
【0016】
【発明の効果】請求項1記載の熱交換器のドレン回収システムにおいては、スチームトラップの下流側に、自動開閉弁を介して復水タンクに接続される分岐管を設け、自動開閉弁を脱気器の圧力に応じて開閉するので、ドレンの全量又は一部を復水タンクに逃がして排ガス再加熱器から脱気器へのドレン流入量を調整可能にして、脱気器の正常化を図り、安全弁又は逃がし弁が作動することを防止し、安定した排ガス再加熱器の運転とボイラー水の損失回避、熱エネルギーの有効利用が可能となる。また、請求項2記載の熱交換器のドレン回収システムにおいては、分配管と排ガス再加熱器の間に蒸気調整弁を設け、蒸気調整弁の開度を脱気器の圧力に応じて調整するので、脱気器に流入されるドレンの全量、若しくは一部を減じて脱気器の正常化を図り、安全弁又は逃がし弁が作動することを防止し、ボイラー水の損失回避、熱エネルギーの有効利用が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
【出願日】 平成11年3月8日(1999.3.8)
【代理人】 【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男 (外1名)
【公開番号】 特開2000−257806(P2000−257806A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−60294