| 【発明の名称】 |
光軸調整装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】二宮 裕二郎
【氏名】木野 朝男
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| 【要約】 |
【課題】不用意な光軸ズレを招くことなく光軸の手動調整を適正に行うことができる光軸調整装置を提供する。
【解決手段】ステッピングモータ2では、励磁コイル16への通電に伴いマグネットロータ17が回転され、その回転に応じてマグネットロータ17に螺合された出力軸7が軸線方向に移動する。この出力軸7の移動量がコントローラ30により制御されてヘッドライト1の光軸が自動で調整される。コントローラ30により励磁コイル16が励磁された状態で、出力軸7の後端側に配設された可動軸受け12を手動操作することで出力軸7が回転されヘッドライト1の光軸が調整される。これにより出力軸7とマグネットロータ17との相対位置を良好に保ちつつ、手動光軸調整が行われる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】励磁コイルへの通電に伴いマグネットロータを回転させ、その回転に応じてマグネットロータに螺合された出力軸を軸線方向に移動させるステッピングモータを備え、前記出力軸の一端には光源装置が、他端には出力軸の移動量を手動調整するための手動調整機構が取り付けられ、前記出力軸の移動量に応じて光源装置の光軸の向きを調整する光軸調整装置において、前記手動調整機構の操作による光軸調整に際し、前記励磁コイルを通電状態とすることを特徴とする光軸調整装置。 【請求項2】励磁コイルへの通電に伴いマグネットロータを回転させ、その回転に応じてマグネットロータに螺合された出力軸を軸線方向に移動させるステッピングモータを備え、前記出力軸の一端には光源装置が、他端には出力軸の移動の初期位置を手動調整するための手動調整機構が取り付けられ、前記出力軸を初期位置を基準に軸線方向に移動させ、この移動量に応じて光源装置の光軸の向きを調整する光軸調整装置において、前記手動調整機構の操作による光軸調整に際し、前記励磁コイルを通電状態とすることを特徴とする光軸調整装置。 【請求項3】前記手動調整機構による光軸調整時において、励磁コイルの通電は、少なくとも1相通電により実施される請求項1又は2に記載の光軸調整装置。 【請求項4】前記手動調整機構による光軸調整が実施可能な条件下であることを判断し、その条件下では前記励磁コイルを通電状態とする請求項1〜3の何れか一項に記載の光軸調整装置。 【請求項5】請求項4に記載の光軸調整装置において、前記手動調整機構の操作による光軸調整に際し、その操作を行う旨の信号を取り込み、それに従い前記励磁コイルを通電状態とする光軸調整装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ステッピングモータにより車両用ヘッドライト等の光軸を調整する光軸調整装置に関するものである。 【0002】 【従来技術】従来、ステッピングモータには、マグネットロータの回転運動を出力軸の直線運動に変換して出力するものがある。この種のステッピングモータは、例えば車両用ヘッドライトの自動光軸調整装置に使用されている。自動光軸調整装置とは、路面の傾斜等に応じて自動に光軸を上下に動かし、常に運転者の視野を確保するための装置であって、ステッピングモータは車両用ヘッドライトに備えられた反射鏡の向きを変化させるアクチュエータとして使用されている。 【0003】この自動光軸調整装置において手動で光軸を調整する、いわゆるエーミング機能を有するものがある。手動光軸調整機能とは、手動でエーミングノブを操作することにより車両用ヘッドライトの光軸を上下に動かす機能であり、この機能により前記反射鏡の向きが変更される。これにより自動で光軸を調整する際の反射鏡の初期位置角度が任意に設定される。 【0004】また、手動光軸調整機能を併せ持つ自動光軸調整装置として、ステッピングモータの出力軸とエーミング用の調整軸とを共通化し、エーミングノブの操作により直接出力軸を回転させ、その軸線方向の移動量を調整する技術も提案されている。以下には、こうした手動光軸調整機能を併せ持つ自動光軸調整装置について、ステッピングモータの構造とともに簡単に説明する。 【0005】図5のステッピングモータ41において、マグネットロータ43は、モータ41のケース44内に回転可能かつ軸線方向に移動不能に支持されている。マグネットロータ43の内周面には雌ネジが形成され、その雌ネジには、雄ネジを外周面に形成した出力軸42が螺合されている。出力軸42は、その後端が可動軸受け47に嵌合し、同可動軸受け47に対して回転不能かつ軸線方向に移動可能に支持されている。可動軸受け47にはエーミングノブ48が設けられている。また、出力軸42の先端にはジョイント部49が設けられ、そのジョイント部49にランプボディ50が連結される。 【0006】マグネットロータ43が回転すると、該マグネットロータ43の雌ネジと螺合している出力軸42が前後方向(図5において左右方向)に移動する。そして、その移動距離に応じてランプボディ50の位置が変化し、反射鏡が上下方向に傾いてヘッドライトの光軸が自動で調整される。 【0007】一方、光軸の手動調整に際し、エーミングノブ48を手動で回転させると、それとともに出力軸42が回転し、出力軸42が前後方向(図5において左右方向)に移動する。このとき、ランプボディ50の位置が変化し、ヘッドライトの光軸が調整される。これにより、光軸の自動調整前において、出力軸42とマグネットロータ43との相対位置が変わり、自動調整による光軸の調整角度範囲が変化されることとなる。なおこのとき、マグネットロータ43はディテントトルク(無励磁保持トルク)によりその回転が停止されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところが、エーミングノブ48を回転させる際に、ディテントトルクが不足すると、マグネットロータ43が連れ回りしてしまう。詳しくは、例えば、出力軸42のジョイント部49に出力軸42と直交する図のF方向に荷重がかかると、出力軸42がしなってネジ部に対するマグネットロータ43の摩擦トルクが増加する。この摩擦トルクが、ディテントトルク(無励磁保持トルク)よりも大きくなると、エーミング時にマグネットロータ43が回転してしまう。つまり、マグネットロータ43の位置が不用意に変化し、結果として自動調整時における光軸ズレを招く。 【0009】本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、不用意な光軸ズレを招くことなく光軸の手動調整を適正に行うことができる光軸調整装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、励磁コイルへの通電に伴いマグネットロータを回転させ、その回転に応じてマグネットロータに螺合された出力軸を軸線方向に移動させるステッピングモータを備え、前記出力軸の一端には光源装置が、他端には出力軸の移動量を手動調整するための手動調整機構が取り付けられ、前記出力軸の移動量に応じて光源装置の光軸の向きを調整する光軸調整装置において、前記手動調整機構の操作による光軸調整に際し、前記励磁コイルを通電状態とするようにした。 【0011】請求項2に記載の発明では、励磁コイルへの通電に伴いマグネットロータを回転させ、その回転に応じてマグネットロータに螺合された出力軸を軸線方向に移動させるステッピングモータを備え、前記出力軸の一端には光源装置が、他端には出力軸の移動の初期位置を手動調整するための手動調整機構が取り付けられ、前記出力軸を初期位置を基準に軸線方向に移動させ、この移動量に応じて光源装置の光軸の向きを調整する光軸調整装置において、前記手動調整機構の操作による光軸調整に際し、前記励磁コイルを通電状態とするようにした。 【0012】請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の光軸調整装置において、前記手動調整機構による光軸調整時において、励磁コイルの通電は、少なくとも1相通電により実施される。 【0013】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3の何れか一項に記載の光軸調整装置において、前記手動調整機構による光軸調整が実施可能な条件下であることを判断し、その条件下では前記励磁コイルを通電状態とするようにした。 【0014】請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の光軸調整装置において、前記手動調整機構の操作による光軸調整に際し、その操作を行う旨の信号を取り込み、それに従い前記励磁コイルを通電状態とするようにした。 【0015】請求項1に記載の発明によれば、励磁コイルの通電に伴いマグネットロータが回転され、同回転に応じた出力軸の移動量に基づいて光源装置の光軸が自動で調整される。また、手動による光軸調整に際し、励磁コイルが通電された状態で手動調整機構が操作されて、光源装置の光軸が調整される。つまり、励磁コイルが励磁されることで保持トルクが発生し、マグネットロータの回転が停止された状態で出力軸が回転されて、光源装置の光軸が調整される。従って、出力軸とマグネットロータとの相対位置を良好に保ち、ひいては不用意な光軸ズレを招くことなく光軸の手動調整が行われる。 【0016】請求項2に記載の発明によれば、出力軸を初期位置を基準に軸線方向に移動させ、この移動量に基づいて光源装置の光軸が自動で調整される。また、手動による光軸調整に際し、励磁コイルが通電された状態で手動調整機構が操作されて、出力軸の移動の初期位置が変位される。つまり、励磁コイルが励磁されることで保持トルクが発生し、マグネットロータの回転が停止された状態で出力軸が回転されて、出力軸の移動の初期位置が変位される。その結果、光源装置の光軸の正確な作動範囲が設定される。従って、出力軸とマグネットロータとの相対位置を良好に保ち、ひいては不用意な光軸ズレを招くことなく光軸の手動調整が行われる。 【0017】請求項3に記載の発明によれば、手動による光軸調整に際し、マグネットロータを回転不可状態とするための必要最小限の保持トルクが付与される。従って、無駄な電力消費を防止できる。 【0018】請求項4に記載の発明によれば、光軸の手動調整時には常に励磁コイルが通電され、不用意な光軸ズレがより一層確実に防止できる。手動調整機構による光軸調整が実施可能な条件としては、例えば車両用ヘッドライトの光軸調整装置において、・車両が停止状態にあること、・車両ボンネットが開放されてその内の光軸調整装置が操作可能になること、・ヘッドライトがオン状態にあること、などが挙げられ、それらの組み合わせ或いは少なくとも一つの条件が満たされた時、手動で光軸調整される可能性があるとみなして、励磁コイルを通電状態とする。 【0019】請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の実施条件に加え、手動調整機構の操作を行う旨の信号に従い励磁コイルを通電状態とするので、そのコイル通電時には、光軸調整を行う作業者の意図が反映される。この場合、請求項4に比べて励磁コイルの通電条件がより限定されるため、不要な電力消費が抑制される。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明を車両用ヘッドライトの光軸を調整する自動光軸調整装置に具体化した実施の形態を図面に従って説明する。なお、本実施の形態における自動光軸調整装置は、手動操作で光軸を調整する手動光軸調整機能を有している。 【0021】図1は、光源装置としての車両用ヘッドライト1の断面図である。図1に示すように、車両用ヘッドライト1の光軸を調整するためのアクチュエータとして4相ステッピングモータ2が適用されている。 【0022】詳しくは、ヘッドライト1は、反射鏡3、光源バルブ4及び取付カバー5等を備えている。反射鏡3は、縦側断面が横U字型に形成されている。反射鏡3の上方側は、取付カバー5に固定された支持部材6にて揺動可能に連結されている。また、反射鏡3の下方側は、取付カバー5に固定されたステッピングモータ2の出力軸7にて揺動可能に連結されている。従って、ステッピングモータ2の出力軸7が図1において左右方向に移動すると、その移動距離に応じて反射鏡3が上下方向に傾き、光源バルブ4の光軸が上下に動く。 【0023】次に、ステッピングモータ2の構造について図2を用いて詳述する。図2は、ステッピングモータ2の縦側断面を示す。ケース8は、ハウジング9とハウジングカバー10とから構成されている。ハウジング9は有底筒状に形成され、その底部中央には円筒状に後方に延出し、ケース8の外部と内部を連通する円筒部9aが形成されている。ハウジング9はその一側(図2において上側)が切りかかれていて、その切りかかれた箇所にコネクタハウジング11が装着される。 【0024】前記円筒部9aの内周面には、環状の凸部9bが形成されている。円筒部9aの内周面には手動調整機構としての可動軸受け12が、周方向に摺動回転可能に、軸方向に移動不能に取着されている。詳述すると、可動軸受け12には、略円柱形状のメタル軸受部13と円柱形状のエーミングノブ14が形成されている。メタル軸受部13の外周面は円筒部9aの内周面と同径に形成され、その外周面には前記環状の凸部9bと係合する環状の凹部13aが形成されている。そして、環状の凸部9bと環状の凹部13aとが係合した状態で、エーミングノブ14は前記円筒部9aの開口面に内側の面が当接するようになっている。即ち、エーミングノブ14を手動で回転させると、メタル軸受部13が円筒部9aの内周面に対して回転する。又、メタル軸受部13には、その外周面から軸中心を通って反対側の外周面まで貫通する2面幅凹部13bが形成されている。 【0025】ハウジングカバー10は、前記ハウジング9と対向する側に大径凹部10aが凹設され、その大径凹部10aの中央部に小径凹部10bが凹設されている。小径凹部10bの壁面であって前記可動軸受け12に相対向する位置には、貫通孔10cが形成されている。小径凹部10bには、前記貫通孔10cを囲むようにガイド筒10dが前記可動軸受け12側に向かって延出形成されている。ガイド筒10dの内周面は6角形の案内溝10eが所定の長さに渡って形成されている。ガイド筒10dの先端には、ナット係止部10fが該ガイド筒10dの内周面から軸中心方向に向かって延出形成されている。 【0026】前記ハウジング9と前記コネクタハウジング11との内周面側には、円環状に形成されたステータ15が配設される。ステータ15は励磁コイル16を有しており、同励磁コイル16により回転磁界が発生される。 【0027】前記ステータ15の内周側には、マグネットロータ17が回転可能に配設されている。詳述すると、マグネットロータ17は、公知の方法で磁極が形成された略筒状のマグネット部18と該マグネット部18の内周面に固着された合成樹脂製のカラム部19とから構成されている。そして、マグネット部18の先端から前方(図中、左方)に突出したカラム部19は、転がり軸受20の内輪と連結固定されている。転がり軸受20の外輪は前記ハウジングカバー10の大径凹部10aの内側面に対して固定されている。又、前記カラム部19の後端部内周面には軸受凹部19aが形成され、その軸受凹部19aは前記メタル軸受部13の外周面に対して摺動回転可能に支持されている。従って、マグネットロータ17は転がり軸受20及び可動軸受け12に対して回転可能且つ軸線方向に移動不能に支持される。 【0028】前記出力軸7は、その中央部分にネジ部7aが所定の長さに渡って形成され、その一基端部に2面幅部7bが形成されている。前記出力軸7は、前記ハウジングカバー10の貫通孔10cから嵌挿され、その2面幅部7bが前記メタル軸受部13の2面幅凹部13bに嵌合されている。従って、出力軸7は前記可動軸受け12に対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持されている。前記ネジ部7aは前記カラム部19の内周面に形成された雌ネジ19bに螺合されている。又、前記ネジ部7aの前記ガイド筒10dと対応した位置には、規制部材としての位置決め用ナット21が螺合されている。位置決め用ナット21は6角形のナットであって、前記6角形の案内溝10eに対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持される。また、出力軸7の先端には、球面状のジョイント部7cが形成され、同ジョイント部7cにて前記反射鏡3が揺動可能に連結される。 【0029】可動軸受け12の摩擦トルクはネジ部7aに対するカラム部19の摩擦トルクより大きくなっている。従って、マグネットロータ17が正逆回転すると、該カラム部19と螺合している出力軸7は、可動軸受け12にて回転が規制され、位置決め用ナット21と一体的に前後方向(図2において左右方向)に移動する。又、出力軸7の軸線上に設けられた可動軸受け12が手動操作で正逆回転されると、ケース8に回転不能に支持された位置決め用ナット21に対して出力軸7が回転し、出力軸7が位置決め用ナット21に対して前後方向(図2において左右方向)に移動する。 【0030】コネクタハウジング11には、給電ターミナル22が設けられており、その給電ターミナル22にステータ15の励磁コイル16が公知の方法で接続される。給電ターミナル22には、コントローラ30が接続され、同コントローラ30により励磁コイル16の励磁が制御されてマグネットロータ17を回転させるための回転磁界が発生する。 【0031】また、コントローラ30には、図示しないキーシリンダにイグニッションキーが挿入されたか否かを検出するためのキースイッチ31と、自動変速機のシフトレバーが少なくともパーキングレンジ(Pレンジ)にあることを検出するためのシフトスイッチ32と、前後の車輪付近に配設されて車高を検出するための車高センサ33とが接続されている。 【0032】ここで、上記のように構成されたステッピングモータ2の自動光軸調整機能を説明する。コントローラ30は、車高センサ33の検出値に基づいて車両の前後の傾きを演算し、その傾きに応じてパルス駆動電源をステッピングモータ2の給電ターミナル22に供給する。すると、励磁コイル16がそのパルス駆動電源に基づいて回転磁界を発生し、その回転磁界に応じてマグネットロータ17が回転する。このとき、マグネットロータ17のカラム部19と螺合している出力軸7は、可動軸受け12にて回転が規制されるため、位置決め用ナット21と一体的に前後方向(図2において左右方向)に移動する。つまり、コントローラ30からのパルス駆動電源に基づいて出力軸7が自動で図1の左右に移動する。この移動距離に応じて反射鏡2が上下方向に傾き、光源バルブ3の光軸が上下に動く。尚、このときの出力軸7の初期位置、即ち反射鏡2の初期位置は、図2に示すように位置決め用ナット21が案内溝10eのナット係止部10fに当接している位置であって、出力軸7は案内溝10eの長さに応じた距離を移動することができる。 【0033】次に、ステッピングモータ2の手動光軸調整機能について説明する。エーミングノブ14を回転させる際に、例えば、出力軸7のジョイント部7cに出力軸7と直交する方向に荷重がかかると、出力軸7がしなってネジ部7aに対するカラム部19の摩擦トルクが増加する。この摩擦トルクが、ディテントトルク(無励磁保持トルク)よりも大きくなると、マグネットロータ17が回転してしまい、出力軸7の初期位置がずれてしまうこととなる。このため、本実施の形態における手動光軸調整は、図3に示すように、4つの励磁コイル16a,16b,16c,16dのうち1相の励磁コイル16aを通電させた状態で実施される。 【0034】具体的には、仮にディーラ等で作業マニュアルに従い光軸が手動調整される場合、図示しないキーシリンダにイグニッションキーが挿入され、かつシフトレバーがPレンジに操作される。このとき、コントローラ30は、キースイッチ31及びシフトスイッチ32の出力に基づいて、手動操作による光軸調整を行う準備があり、更に車両が停止状態にあり手動操作による光軸調整が実施可能な条件下であることを判断する。そして、コントローラ30は、その状態で1相の励磁コイル16aにバッテリ電源Bを供給する。 【0035】次に、作業者は、可動軸受け12のエーミングノブ14を手動にて回転させる。すると、ケース8に回転不能に支持された位置決め用ナット21に対して出力軸7が回転するため、位置決め用ナット21に対して出力軸7が前後方向(図2において左右方向)に移動する。このとき、1相の励磁コイル16aを流れる保持電流により保持トルクが発生しているので、マグネットロータ17がステータ15に対して所定の回転位置で保持される。 【0036】従って、可動軸受け12の動きに連れてマグネットロータ17が回転することが防止され、可動軸受け12の回転に応じて位置決め用ナット21に対する反射鏡3の位置が変更される。つまり、位置決め用ナット21が案内溝10eのナット係止部10fに当接している状態での出力軸7の初期位置が前後方向(図2において左右方向)に変位する。これにより、反射鏡2の初期位置が正確に設定され自動光軸調整時において出力軸7が移動する範囲が同様に変位する。その結果、反射鏡2の正確な作動範囲が設定される。 【0037】その後、シフトレバーがPレンジ以外のシフト位置に操作されたことが検出されると、車両が走行状態又はその準備状態に入り、光軸の手動調整が実施されることがないとみなされて、ステッピングモータ2の1相通電が終了される。 【0038】以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。 (1)手動操作にてヘッドライト1の光軸を調整する際に、励磁コイル16を通電するようにしたので、可動軸受け12の動きに連れてマグネットロータ17が回転することを防止できる。つまり、出力軸7とマグネットロータ17との相対位置を良好に保ちつつ、手動光軸調整を行うことができる。従って、自動光軸調整のための初期位置を正確に設定できる。また、ディテントトルクを増加させるべくマグネットロータ17の体格を大きくする必要がない。 【0039】(2)光軸の手動調整時には、1相の励磁コイル16aを通電するようにしたので、マグネットロータ17を回転不可状態とするための必要最小限の保持トルクが付与され、無駄な電力消費を防止できる。 【0040】(3)キースイッチ31及びシフトスイッチ32の出力を基に、励磁コイル16aを通電状態としたので、手動調整時には常に励磁コイル16aが通電され、不用意な光軸ズレがより一層確実に防止できる。 【0041】尚、上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。 ○上記実施形態では、図3に示すように1相の励磁コイル16aを通電するものであったが、例えば、1相の励磁コイル16aに代えて、2相,3相,4相の何れかの励磁コイル16b,16c,16dを通電するようにしてもよい。また、1相通電に限定することなく、図4に示すように、1相の励磁コイル16aに加えて2相の励磁コイル16bを通電する2相通電によりマグネットロータ17を保持するようにしてもよい。この場合、1相通電時に比べて保持トルクが増加するので、より確実にマグネットロータ17の回転を防止できる。要は、少なくとも1相通電を実施するものであればよい。 【0042】つまり、通電する相数が少なければ消費電力を低減できる。また、通電する相数が多ければ保持トルクを増加させることができる。従って、手動光軸調整に際し、マグネットロータ17を回転不能状態とするための必要最小限の保持トルクが発生するように通電する相数を決めれば、無駄な電力消費を防止できる。 【0043】○手動光軸調整時の励磁コイル16への通電は、チョッパ制御により実施してもよい。この場合、保持電流をより正確に励磁コイル16に供給できる。従って、マグネットロータ17を保持するために必要な保持トルクを的確なものとすることができ、消費電力を抑制できる。 【0044】○上記実施の形態では、シフトスイッチ32の出力を基に、手動による光軸調整が実施可能な条件下であることを判断したが、これを変更する。例えばシフトレバーがニュートラルレンジにあり、かつ車両速度が0km/hであれば、車両停止状態にある、すなわち、手動による光軸調整が実施可能な条件下であることを判断する。また、サイドブレーキが作動状態にあるとき、手動による光軸調整が実施可能な条件下であることを判断する。また、一般的に、光軸調整装置は車両ボンネット内に配設され、手動光軸調整は車両ボンネットを開けた状態で実施されるので、車両ボンネットの開閉動作に連動してオン・オフ信号を出力する開閉センサを設け、その信号を基に、手動による光軸調整が実施可能な条件下であることを判断する。更に、ヘッドライト1がオン状態のとき、手動による光軸調整が実施可能な条件下であることを判断する。これら何れの場合にも、各条件が満たされた時に、励磁コイル16を通電状態とする。これにより、光軸の手動調整時には常に励磁コイル16が通電されることとなり、不用意な光軸ズレがより一層確実に防止できる。なお、上記手動光軸調整の実施可能な条件の組み合わせにより、手動で光軸調整される可能性があるとみなして励磁コイル16を通電状態とするようにしてもよい。 【0045】○上記実施の形態では、キースイッチ31の出力を基に、励磁コイル16を通電状態としたが、これを変更する。例えば、手動光軸調整用スイッチを別に設け、このスイッチがオンに操作されたとき、励磁コイル16aを通電状態とし、手動で光軸を調整した後にスイッチがオフに操作されたとき、励磁コイル16aへの通電を停止する。このようにすれば、手動光軸調整を実施するときにのみ励磁コイル16に保持電流を流すことが可能となり消費電力を低減できる。 【0046】また、キースイッチ31を省略し、上記手動光軸調整の実施可能な条件下であることが判断されたときのみに、励磁コイル16を通電状態としてもよい。この場合、作業者は、手動での光軸調整に際し、その手動光軸調整を行うための準備操作を行う必要がない。さらに、ステッピングモータ2の停止状態において、励磁コイル16a〜16dの全てを通電状態としてもよい。この場合、手動光軸調整の実施可能な条件下であるか否かの判断が不要となる。 【0047】○上記実施の形態では、位置決め用ナット21がナット係止部10fに当接している状態を、自動光軸調整時の初期位置としていたが、位置決め用ナット21が貫通孔10c側に当接する状態を初期位置としてもよい。 【0048】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、出力軸とマグネットロータとの相対位置を良好に保ち、ひいては不用意な光軸ズレを招くことなく光軸の手動調整を適正に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000101352 【氏名又は名称】アスモ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月25日(1999.3.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣
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| 【公開番号】 |
特開2000−276927(P2000−276927A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月6日(2000.10.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−81191 |
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