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【発明の名称】 照明器具
【発明者】 【氏名】森 豊

【氏名】林 茂樹

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 取付け面に埋め込まれて設置され、内部にランプが収容される箱形のケースと、該ケースに着脱可能に取付けられてケースの前面開口部を覆う透光板とを備えており、該透光板は、その外縁部が前記ケースの開口縁部によって後面側から保持されることにより、前面枠を使用せずに前記ケースの前面開口部に装着されることを特徴とする照明器具。
【請求項2】 前記透光板は、後面側へ弾性的に引っ張られて前記ケースに固定されることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】 前記ケースの開口縁部には、外側へフランジ状に張出し、前記取付け面に前方から係合する張出し部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】 前記張出し部には、張出し部の前面と前記透光板の前面がほぼ面一となるように透光板の外縁部が嵌合する段差部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】 前記張出し部の外縁部が後面側へ折り曲げられており、且つその折り曲げ部が内側へ傾斜していることを特徴とする請求項3又は4に記載の照明器具。
【請求項6】 取付け面とケースの開口縁部の間、及び該開口縁部と透光板の外縁部の間がパッキンによりシールされることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の照明器具。
【請求項7】 前記ケースは、開口縁部が他の部分から分離独立したセパレート構造であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の照明器具。
【請求項8】 他の部分から分離独立した開口縁部は耐食性金属からなることを特徴とする請求項7に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬品、食品、半導体等の製造室や塗装ブース等に気密構造で使用するのに適した照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品、食品、半導体等の製造室や塗装ブース等には気密構造の照明器具が使用されている。気密構造の照明器具の従来例を図5に示す。図5に主要部を示された気密構造の照明器具は、取付け面である天井面に埋め込まれて設置されるケース1と、ケース1の前面開口部を覆うガラス板2と、ガラス板2を保持する前面枠3とを備えている。
【0003】ケース1は長方形の浅い箱形であって、その内部に複数本の蛍光灯を並列して収容する。ケース1の開口縁部は外側へフランジ状に張出しており、この張出し部4は天井面に前方から係合する。張出し部4と天井面の間はパッキン5によりシールされる。ガラス板2は前面枠3の内側にパッキン6を介して保持される。前面枠3はバネ蝶番9により後面側へ弾性的に引っ張られて着脱可能に天井面に固定される。
【0004】天井面への前面枠3の取付けにより、ガラス板2はケース1の前面開口部に装着される。また、ケース1の張出し部4は前面枠3により覆い隠される。前面枠3と天井面の間は、室内を室外及び器具内から確実に隔離するために、パッキン7とコーキングタイプのシール材8により二重にシールされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような気密構造の照明器具には以下の問題がある。ガラス板2の保持固定に前面枠3が使用されるため、主要部品としてケース1、ガラス板2及び前面枠3の3部品が必要となる。その結果、部品点数が多く、重量も嵩む。
【0006】シール箇所として、取付け面とケース1の間、ガラス板2と前面枠3の間及び前面枠3と取付け面の間の合計3箇所が必要となり、パッキンの個数も嵩む。
【0007】前面枠3でケース1の張出し部4を覆い隠す構造のため、室内への突出量が必然的に大きくなる。その結果、クリーンルームのような気流を伴う室内を照明する場合は、その突出によって室内の気流が乱されるという問題が発生する。
【0008】この突出量を抑えるために、ケース1の張出し部4とガラス板2の重なりを避けて、ケース1の開口部の内側にガラス板2が嵌合される。その結果、ケース1の開口部面積よりガラス面積が小さくなり、ケース1の開口部が前面枠3によって部分的に覆われるため、照度が制限される。
【0009】ランプ交換時のようにケース1を開放する場合、前面枠3を取り外す必要があり、開放毎にシール材8のコーキングをやり直す必要がある。このため、保守に手数がかかる。
【0010】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたものであり、部品点数が少なくて軽量であり、しかも室内への突出量が小さく、前面枠による照度制限も生じず、保守も容易な照明器具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る照明器具は、取付け面に埋め込まれて設置され、内部にランプが収容される箱形のケースと、該ケースに着脱可能に取付けられてケースの開口部を覆う透光板とを備えており、該透光板は、その外縁部が前記ケースの開口縁部によって後面側から保持されることにより、前面枠を使用せずに前記ケースの前面開口部に装着されることを特徴とする。
【0012】本発明に係る照明器具では、ケースに直接透光板が取付けられ、透光板の外縁部がケースの開口縁部により後面側から保持される。即ち、ケースの開口縁部が室内に露出し、透光板の受け部を兼ねる。このようにして、透光板を保持する前面枠が省略されることにより、部品点数が少なくなり、重量も軽くなる。また、室内への突出量が小さくなる。更に、前面枠による照度制限も回避される。
【0013】気密構造の場合、取付け面とケースの開口縁部の間、及び該開口縁部と透光板の外縁部の間の2箇所がパッキンによりシールされる。この2箇所のシールにより、室内が室外及び器具内から確実に隔離される。
【0014】ケースを開放するときは、透光板がケースから取り外されるが、ケースと取付け面の間は恒久的にシールされる。このため、ケースと取付け面のシールにコーキングタイプのシール材を併用した場合にも、ケース開放時にコーキングをし直す必要がない。
【0015】透光板は、後面側へ弾性的に引っ張られて前記ケースに固定される構成が好ましい。この構成によると、ケースと透光板の間のシール性が向上する。また、透光板の着脱作業が容易になる。
【0016】ケースは、開口縁部が他の部分から分離独立したセパレート構造であることが好ましい。なぜなら、本発明に係る照明器具では、ケースの開口縁部が透光板の受け部を兼ねることに関係して、開口縁部が室内に露出する。即ち、従来のように開口縁部が前面枠にて覆われることはなく、ケースの一部が室内に露出する。美観や耐薬品性を確保するためケース全体をステンレス鋼、アルミ合金等の耐食性金属により構成することが考えられるが、その場合はコストが嵩む。しかるに、開口縁部が他の部分から分離独立したセパレート構造であれば、開口縁部のみに高価な材料を使用することができるので、コストを抑えつつ美観や耐薬品性が確保される。
【0017】ケースの構造としては、開口縁部に、外側へフランジ状に張出して取付け面に前方から係合する張出し部を設けるのが好ましい。張出し部を設ければ、開口縁部が平面的に取付け面に係合する。また、開口縁部により透光板の外縁部が平面的に支承される。これらのため、シール性の確保が容易となる。また、組立強度が向上する。
【0018】張出し部を設ける場合、その張出し部には、張出し部の前面と透光板の前面がほぼ面一となるように透光板の外縁部が嵌合する段差部を設けるのが好ましい。これにより、室内への突出量がより小さくなる。
【0019】また、張出し部の外縁部を後面側へ折り曲げ、その折り曲げ部を内側へ傾斜させるのが好ましい。こうすることにより、取付け面とケースの開口縁部の間のシールにコーキングタイプのシール材を併用する場合のコーキング作業が容易になる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係る照明器具の縦断正面図、図2は同照明器具の縦断側面図、図3は同照明器具の主要部の縦断面図である。
【0021】本発明の実施形態に係る照明器具は、医薬品等の製造に使用されるクリーンルームの照明に用いられる気密構造の照明器具である。この照明器具は、図1及び図2に示すように、取付け面である天井面に前面開口部を下にして取付けられる埋め込み型のケース10と、ケース10の前面開口部を覆う透光板20とを備えている。
【0022】ケース10は開口縁部を分離したセパレート構造である。このケース10は、長方形の浅い箱形に形成されたケース本体11と、ケース本体11の開口縁部にねじ止めされた分離部としての本体保持枠12とを備えている。
【0023】ケース本体11は通常の鋼板からなる。ケース本体11内には中段に位置して反射板13が取付けられている。反射板13の上方には安定器14等が設けられている。反射板13の下方には複数本の蛍光灯30がソケット15により並列して取付けられる。
【0024】本体保持枠12は、耐食性金属としてのステンレス鋼からなる。額縁状の本体保持枠12は、図3に示すように、ケース本体11の開口縁部外面に当接する取付け部12aと、取付け部12aの下端部から外側へフランジ状に突出した張出し部12bとからなる。取付け部12aはケース本体11の開口縁部外面に複数のネジ16により固定されている。張出し部12bの内縁部近傍は後方へ凹み、透光板20の外縁部が嵌合する段差部12cを形成している。張出し部12bの外縁部は後方へ折れ曲がっており、その折れ曲がり部12dは内側へ傾斜している。
【0025】このケース10は、天井面への埋め込みのために、天井の造営材40に設けられた角形の開口部41に下方から挿入される。具体的には、ケース本体11、本体保持枠12の段差部12c及びその内側部分が開口部41に挿入され、張出し部12bの段差部12cより外側部分は、造営材40の縁部下面に下方から係合する。造営材40と張出し部12bの間は、この間に介在するパッキン17と、折れ曲がり部12dの外側に充填されたコーキングタイプのシール材18とによりシールされる。
【0026】透光板20は、ケース本体11の前面開口部より大きい長方形の強化ガラス板であり、外縁部がケース10の段差部12cに嵌合した状態でケース10に直接取付けられる。この取付けのために、透光板20の両側部には取付け金具21がネジ22により取付けられている。そして、取付け金具21に取付けられたバネ蝶番23をケース本体11の側面部に取付けられたバネ受け19に引っ掛けることにより、透光板20は後面側へ弾性的に引っ張られた状態でケース10に固定される。
【0027】ケース10に固定された透光板20は、外縁部がケース10の段差部12cに嵌合することにより、ケース10の張出し部12bとほぼ面一となる。また、ケース10と透光板20の間は、透光板20の外縁部がパッキン24を介してケース10の段差部12cに押し付けられることによりシールされる。
【0028】次に、本発明の実施形態に係る照明器具の機能について説明する。
【0029】本発明の実施形態に係る照明器具では、透光板20が直接ケース10に取付けられ、前面枠が省略されている。このため、前面枠を使用する従来の照明器具と較べて、部品点数が少ない。
【0030】前面枠を省略したことにより、透光板20の厚みは若干増大するが、この点を考慮しても、重量の軽減が可能になる。
【0031】前面枠を省略したことにより、ケース10の張出し部12bに透光板20の外縁部が重なる。これに加え、張出し部12bには、透光板20の外縁部が嵌合する段差部12cが設けられ、張出し部12bと透光板20の前面がほぼ面一となっている。これらのため、取付け面である天井面からの突出量が小さい。従って、気流を伴うクリーンルームでは、室内への突出に伴う気流の乱れが抑制される。
【0032】ケース10の前面開口部より透光板20が大きい。このため、ケース10の前面開口部全体が照明面として活用され、前面枠による照度制限が回避されるので、照度の増大が可能になる。
【0033】ケース10の開口縁部である本体保持枠12が透光板20の保持部を兼ね、室内に露出するが、この部分がステンレス鋼からなるので、美観や耐薬品性が高い。また、ケース本体11を通常の鋼板とし、本体保持枠12のみを限定的にステンレス鋼としているので、美観や耐薬品性に優れるにもかかわらず、経済性が良好である。
【0034】天井面とケース10の間が、造営材40と張出し部12bの間に介在するパッキン17と、折れ曲がり部12dの外側に充填されたコーキングタイプのシール材18とによりシールされる。ケース10と透光板20の間は、段差部12cと透光板20の外縁部の間に介在するパッキン24によりシールされる。これらにより、室内は室外(天井裏)及び器具内から確実に隔離される。
【0035】前面枠の省略に伴ってシール箇所が3箇所から2箇所に減るため、パッキンの個数が減り、この点からも部品点数が少なくなる。
【0036】折れ曲がり部12dを内側に傾斜させ、コーキングタイプのシール材18を充填する空間を折れ曲がり部12dの外側に形成したことにより、コーキング作業ではマスキング等が不要になり、その作業が容易となる。
【0037】ケース10内の蛍光灯30を交換する場合、透光板20を取り外すが、取り外し部分は天井面に対してシールされておらず、コーキングによるシールを用いていない。このため、透光板20の取り外し時にコーキングをし直す必要がない。従って、ランプ交換等の保守が容易である。
【0038】図4(a)(b)は本発明の他の実施形態に係る照明器具の主要部の縦断面図である。
【0039】図4(a)では、透光板20の外縁部が金属性の保護枠25により保護されている。保護枠25は断面コ字形で、透光板20の外縁部に外嵌する。透光板20と枠体25の間にはパッキン26が介装されている。図4(b)では、ケース10と透光板20の間をシールするパッキン24が透光板20の外縁部に外嵌することにより、その外縁部が保護される。この場合、保護枠を兼ねるパッキン24は透光板20に取付けられ、透光板20と共にケース10に装着される。
【0040】金属性の保護枠25やパッキン24によって透光板20の外縁部を保護することにより、外縁部の欠けが防止される。また、安全性が向上すると共に使用者に対する不安感が取り除かれる。
【0041】なお、パッキンの材質としては耐薬品性のあるゴムや樹脂等が適当である。
【0042】上記実施形態は、医薬品等の製造に使用されるクリーンルーム用の照明器具であるが、食品や半導体を製造するクリーンルーム等の照明に使用することが可能であり、塗装ブースの照明等にも使用可能である。
【0043】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明に係る照明器具は、前面枠を使用せずにケースの前面開口部に透光板を装着する構成であるので、部品点数を低減できる。また、重量を軽減できる。更に、室内への突出量を小さくでき、突出による気流の乱れを抑制できる。更に又、前面枠による照度制限も回避できる。更に又、ケースの開放時に取付け面からの部材取り外しを必要としないので、保守も容易である。
【0044】気密構造の場合はシール箇所が少なく、シール性を改善できる。また、使用するパッキンの種類が減る点から部品点数を低減できる。
【0045】ケースを、開口縁部が他の部分から分離独立したセパレート構造とした場合は、その開口縁部のみに高価な材料を使用できるので、コストを抑えつつ美観や耐薬品性を確保できる。
【0046】ケースの開口縁部に張出し部を設け、その張出し部に、透光板の外縁部が嵌合する段差部を設けた場合は、室内への突出量を特に小さく抑制できる。
【出願人】 【識別番号】000195029
【氏名又は名称】星和電機株式会社
【出願日】 平成11年1月25日(1999.1.25)
【代理人】 【識別番号】100085936
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 孝治 (外1名)
【公開番号】 特開2000−215724(P2000−215724A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−15663