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【発明の名称】 透視観察用照明装置
【発明者】 【氏名】井田 浩三

【氏名】小田 雅春

【要約】 【課題】薄型化が可能で、被観察面の前面側からの均一照明が可能な照明装置を提供する。

【解決手段】被観察面20に密着配置される被観察面側光出射面12−3と観察側光出射面12−4とを有する導光体12の光入射端面12−1,12−2に沿ってY方向の線状光源14,14’が配置されている。導光体12は線状光源14,14’から光入射面12−1,12−2を経て入射する光を被観察面側光出射面12−3から出射させる光出射機構を有し、導光体12のX−Z面内における被観察面側光出射面法線方向からの角度に対する出射光光度の分布で最大光度値を示す角度が55度〜85度であり0度における光度値が最大光度値の5%以下である。光出射機構は被観察面側光出射面12−3または観察側光出射面12−4に形成された平均傾斜角2〜10度の微小凹凸構造からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被観察面に配置され該被観察面を照明する照明装置であって、該照明装置により照明された前記被観察面を前記照明装置の前方から透視観察するのに用いられる透視観察用照明装置において、一方の主面を前記被観察面に対し配置される被観察面側光出射面とし他方の主面を観察側光出射面とし且つ少なくとも1つの端面を光入射面とする板状の導光体と、該導光体の前記光入射面に沿って延在するように配置された線状光源とを備えており、前記導光体は前記線状光源から前記光入射面を経て入射する光を前記被観察面側光出射面から出射させる光出射機構を有しており、該光出射機構は前記導光体の前記光入射面及び前記被観察面側光出射面の双方と直交する面内における該被観察面側光出射面法線方向からの角度に対する出射光光度の分布において最大光度値を示す角度が55度〜85度であり且つ0度における光度値が前記最大光度値の5%以下である、ことを特徴とする透視観察用照明装置。
【請求項2】 前記光出射機構は前記被観察面側光出射面及び/または前記観察側光出射面に形成された微小凹凸構造を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の透視観察用照明装置。
【請求項3】 前記微小凹凸構造は平均傾斜角が2〜10度であることを特徴とする、請求項2に記載の透視観察用照明装置。
【請求項4】 前記光出射機構は前記導光体を構成する基礎材料の屈折率と異なる屈折率をもつ微小な光拡散材を該基礎材料中に分散したものを含んでなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の透視観察用照明装置。
【請求項5】 前記導光体の前記光入射面以外の端面の少なくとも一部には光反射部材が付設されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の透視観察用照明装置。
【請求項6】 前記導光体は、前記光入射面と反対側の端面であって光入射面とされていない一端面の部分が薄く且つ該一端面と反対側の前記光入射面の部が厚い楔形状をなしていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の透視観察用照明装置。
【請求項7】 前記導光体の前記観察側光出射面上には光透過性板状体が重ね配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の透視観察用照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明の技術分野に属するものであり、特に被観察面に配置され該被観察面を照明しながら透視観察する照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】反射照明式の液晶表示装置では、液晶表示素子の前面側からの光で該表示素子の表示画面(被観察面)を照明している。この、前面側からの光としては、簡便には外光が利用されるが、その場合、夜間や暗所における表示観察ができないという難点がある。そこで、夜間や暗所における観察を可能となすため、液晶表示素子の前面側に照明光源を組み込むことがなされている。
【0003】従来の反射照明式の液晶表示装置では、表示素子の前面側であって該表示素子の被観察面の外方において、1つまたは複数の光源を配置し、該光源から発せられる光により観察面を斜め前方から照明するようにしたものが知られている。
【0004】しかし、以上のような斜め照明では、画面の寸法が大きくなるに従い、光源を表示画面から高い位置へと移動させないと画面の中央部に対する照明光の入射角が大きくなって該中央部を十分に照明できなくなる。このため、近年、液晶表示装置に要求されている大画面化及び薄型化の双方を同時に満足させることができない。このような事情は、液晶表示装置のみならず、他の反射照明式の表示手段においても同様である。
【0005】そこで、本発明は、薄型化が可能で、しかも、被観察面の前面側からの均一照明が可能な照明装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、被観察面に配置され該被観察面を照明する照明装置であって、該照明装置により照明された前記被観察面を前記照明装置の前方から透視観察するのに用いられる透視観察用照明装置において、一方の主面を前記被観察面に対し配置される被観察面側光出射面とし他方の主面を観察側光出射面とし且つ少なくとも1つの端面を光入射面とする板状の導光体と、該導光体の前記光入射面に沿って延在するように配置された線状光源とを備えており、前記導光体は前記線状光源から前記光入射面を経て入射する光を前記被観察面側光出射面から出射させる光出射機構を有しており、該光出射機構は前記導光体の前記光入射面及び前記被観察面側光出射面の双方と直交する面内における該被観察面側光出射面法線方向からの角度に対する出射光光度の分布において最大光度値を示す角度が55度〜85度であり且つ0度における光度値が前記最大光度値の5%以下である、ことを特徴とする透視観察用照明装置、が提供される。
【0007】本発明の一態様においては、前記光出射機構は前記被観察面側光出射面及び/または前記観察側光出射面に形成された微小凹凸構造を含んでなる。
【0008】本発明の一態様においては、前記微小凹凸構造は平均傾斜角が2〜10度である。
【0009】本発明の一態様においては、前記光出射機構は前記導光体を構成する基礎材料の屈折率と異なる屈折率をもつ微小な光拡散材を該基礎材料中に分散したものを含んでなる。
【0010】本発明の一態様においては、前記導光体の前記光入射面以外の端面の少なくとも一部には光反射部材が付設されている。
【0011】本発明の一態様においては、前記導光体は、前記光入射面と反対側の端面であって光入射面とされていない一端面の部分が薄く且つ該一端面と反対側の前記光入射面の部が厚い楔形状をなしている。
【0012】本発明の一態様においては、前記導光体の前記観察側光出射面上には光透過性板状体が重ね配置されている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0014】図1は本発明による透視観察用照明装置の第1の実施形態の構成を示す模式的断面図であり、図2はその模式的平面図である。
【0015】図1及び図2において、符号12は矩形状の板状導光体を示し、符号14,14’は線状光源を示す。符号16,16’はそれぞれ線状光源14,14’に付されたリフレクタを示す。尚、図1においては、本実施形態の照明装置の使用時における液晶表示素子や写真や書物などの被観察面20及び観察者22が図示されている。
【0016】導光体12は、Y方向に延びている一端面12−1を第1光入射面とし、該第1光入射面12−1と対向する端面12−2を第2光入射面としている。これら2つの端面12−1,12−2と略直交するX−Y面内の第1主面たる下面12−3を被観察面側光出射面としており、2つの端面12−1,12−2と略直交するX−Y面内の第2主面たる上面12−4を観察側光出射面としている。図1では被観察面側光出射面12−3と被観察面20との間の隙間が示されているが、実際には、リフレクタ16,16’の厚さは十分に薄くすることができるので、光出射面12−3と被観察面20とは密着配置されているとみなすことができる。
【0017】線状光源14は、導光体端面12−1に隣接して該端面12−1に沿ってY方向に延びた状態で配置されている。線状光源14から発せられた光は、その一部が直接且つ他の一部がリフレクタ16により反射された後に光入射端面12−1から導光体12内へと入射せしめられる。線状光源14’は、導光体端面12−2に隣接して該端面12−2に沿ってY方向に延びた状態で配置されている。線状光源14’から発せられた光は、その一部が直接且つ他の一部がリフレクタ16’により反射された後に光入射端面12−2から導光体12内へと入射せしめられる。導光体12内への光入射の向きは、線状光源14と線状光源14’とで逆である。尚、線状光源としては、熱陰極管、冷陰極管、管状白熱ランプ、複数の発光ダイオードの配列(3色以上の発光ダイオードの混色配置のものを含む)、ライトガイドの光出射端配列などが例示される。
【0018】導光体12内に入射した光は、被観察面側光出射面12−3と観察側光出射面12−4とにより全反射等の反射を繰り返し受け、入射した端面と対向する端面の方へと伝達される。この光伝達の途中で、被観察面側光出射面12−3から一部の光が出射する。この出射光は被観察面20に照射され、反射される。尚、観察側光出射面12−4からも一部の光が出射する。
【0019】被観察面側光出射面12−3からの光出射は、主として導光体12に形成されている光出射機構の作用に基づきなされる。この光出射機構は、光を或る程度斜め下向きに揃った指向性をもって出射させるものである。図3に基づき光出射機構を説明する。被観察面側光出射面12−3から出射する光は、X−Z面内において被観察面側光出射面法線Nの方向からの角度に対する光度の分布を持つ。この分布は法線Nに関してほぼ対称である。主として線状光源14からの入射光に基づく最大光度出射光Mは法線Nに対して右方に角度θをなしており、主として線状光源14’からの入射光に基づく最大光度出射光M’は法線Nに対して左方に角度θをなしている。この角度θは55度〜85度の範囲内にある。また、法線Nの方向の出射光mの光度値は最大光度出射光M,M’の光度値の5%以下である。
【0020】以上のような光出射機構は、被観察面側光出射面12−3及び/または観察側光出射面12−4に形成された微小凹凸構造により構成することができる。この微小凹凸構造としては、平均傾斜角2度〜10度程度のものを用いるのが好ましい。微細な凹凸構造をもつ粗面の平均傾斜角(θa)は、ISO4287/1−1984に従って、触針式表面粗さ計を用いて粗面形状を測定し、測定方向の座標をxとして、得られた傾斜関数f(x)から次式Δa=(1/L)∫0L|(d/dx)f(x)|dxθa=tan-1(Δa)
を用いて求めることができる。ここで、Lは測定長さである。
【0021】平均傾斜角θaが小さすぎると、導光体12からの光の出射率が小さく輝度が低くなりやすい。また、平均傾斜角が大きすぎると、線状光源に近い位置で大部分の光が出射し、導光体中で線状光源から離れるに従い光の減衰が著しくなり、光出射面からの出射光も線状光源から離れるに従って急に減衰し、光出射面内での輝度の均斉度が低下しやすい。
【0022】微細な凹凸形状のピッチは、例えば1μm〜2000μm程度とすることができる。
【0023】また、導光体12の光出射機構としては、導光体12を構成する基礎材料の屈折率と異なる屈折率をもつ微小な光拡散材を該基礎材料中に分散してなるものを用いることができる。この微小光拡散材としては、例えば、プラスチック等の有機物またはガラス等の無機物からなる粒径2〜100μm例えば4〜30μmの透光性粒子を用いることができる。このような光拡散材は、被観察面側光出射面12−3または観察側光出射面12−4の近傍における層状領域に分散されていてもよいし、導光体全体に分散されていてもよい。
【0024】導光体12の材料としては、光透過率の高い合成樹脂、例えばメタクリル樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂が例示できる。特に、メタクリル樹脂が、光透過率の高さ、耐熱性、力学的特性、成形加工性に優れており、最適である。このようなメタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチルを主成分とする樹脂であり、メタクリル酸メチルが80重量%以上であるものが好ましい。
【0025】以上のようにして被観察面側光出射面12−3から出射した光により被観察面20が照明される。この被観察面20による反射光は該被観察面20に形成された画像の情報を担持しており、これが観察者22による導光体12の透視により観察される。上記のように、導光体端面12−1,12−2から入射する線状光源14,14’からの光の一部は被観察面側光出射面12−3から出射されずに観察側光出射面12−4から出射するが、そのX−Z面内における光度分布もほぼ図3と上下反転した形態となるので、法線N及びその近傍の方向の光度は小さく、即ち観察者22から見た被観察面20の視角(例えば法線Nの方向を中心として50度)内の光は比較的少ない。従って、被観察面20により反射され導光体12内を上記視角内で進行する画像情報担持光は、観察者22により良好に透視観察される。
【0026】本実施形態では、線状光源14,14’が隣接配置されていない導光体端面12−5,12−6(図2参照)は、単なる平面であってもよいし、照明光の有効利用の観点から光反射部材を付設してもよい。更には、これらの導光体端面12−5,12−6に隣接して、これら端面に沿ってX方向に延びた状態で線状光源を配置してもよい。この場合には、Y−Z断面において、上記図3に関し説明したような機能が発揮される。
【0027】以上のように、本実施形態においては、導光体12のX−Y面内寸法の如何によらず、被観察面側光出射面12−3の全面から面法線Nに対して同等の角度で光が出射するので、画面が大面積化しても、薄型を維持したままで、良好な透視観察用密着型照明を行うことができる。
【0028】図4は本発明による透視観察用照明装置の第2の実施形態の構成を示す模式的断面図である。本図において、上記図1〜3におけると同様の機能を有する部材または部分には同一の符号が付されている。
【0029】本実施形態においては、上記図1〜3で説明した装置の一方の線状光源14’及びリフレクタ16’を省略して、その代わりに、導光体端面12−2に光反射部材18を付設している。この場合、線状光源14から導光体12に入射した光の一部が導光体端面12−2に付設された光反射部材18により反射され2次光源として機能する。光反射部材18としては、例えば表面に金属蒸着反射層を有するプラスチックシートを用いることができる。この光反射部材18は、正反射機能を有するものや拡散反射機能を有するものを用いることができる。
【0030】図5は本発明による透視観察用照明装置の第3の実施形態の構成を示す模式的断面図である。本図において、上記図1〜4におけると同様の機能を有する部材または部分には同一の符号が付されている。
【0031】本実施形態では、導光体12は、光入射面12−1と反対側の端面12−2の部分が光入射面12−1の部分より薄い楔形状をなしている。端面12−2には光反射部材18が付設されている。
【0032】図6は本発明による透視観察用照明装置の第4の実施形態の構成を示す模式的断面図である。本図において、上記図1〜5におけると同様の機能を有する部材または部分には同一の符号が付されている。
【0033】本実施形態では、導光体12の観察側光出射面12−4上にアクリル樹脂などからなる光透過性板状体24が重ね配置されている。このように光透過性板状体24を配置することで、観察側光出射面12−4から出射される光のうちで比較的大きな入射角をもって光透過性板状体24に入射する光を反射させて観察側光出射面12−4から導光体12へと再入射させ、被観察面側光出射面12−3から出射させて、被観察面の照明に寄与させることができる。一般に、導光体12を介しての被観察面の透視観察は、導光体12の主面の法線方向を中心として比較的小さい視角でなされるので、本実施形態によれば画像情報担持光の観察に寄与する光量を低減することなく、照明光量の一層の増大を図ることが可能である。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、光出射機構をもつ導光体と該導光体の端面に隣接配置された線状光源との組み合わせを採用することで、薄型化が可能で被観察面の前面側からの均一な照明が可能な透視観察用照明装置が提供される。
【出願人】 【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
【出願日】 平成11年1月25日(1999.1.25)
【代理人】 【識別番号】100065385
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 穣平
【公開番号】 特開2000−215720(P2000−215720A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−15441