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【発明の名称】 配光制御部材、及び照明装置
【発明者】 【氏名】田中 渉

【氏名】野口 晋治

【要約】 【課題】形状の自由度が優れると共に、生産性が優れ、且つ、軽量性に優れた反射板やルーバー等を提供する。

【解決手段】マグネシウム合金等を用いて射出成形により、反射板2やルーバー等を形成する。反射板2は、マグネシウム合金を射出成形することによって反射板2の内側の光源の近くに、ヒダ状のファセット2aが部分的に形成され、光源から出力された光Lが、所定の方向に配光される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属射出成形品よりなることを特徴とする照明装置用配光制御部材。
【請求項2】 金属射出成形品が、マグネシウム合金を射出成形した金属射出成形品であることを特徴とする請求項1記載の配光制御部材。
【請求項3】 マグネシウム合金100重量部中に、アルミニウムを1〜10重量部含有すると共に、亜鉛を0.1〜2重量部含有することを特徴とする請求項2記載の配光制御部材。
【請求項4】 配光制御部材の光源からの光を配光制御する部分に、光反射膜が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の配光制御部材。
【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載の配光制御部材を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射板等の照明装置用配光制御部材、及びその配光制御部材を備えた照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光灯や白熱灯等の光源から出力された光を、所定の方向に配光するために、反射板、ルーバー等の配光制御部材を照明装置に設けることが行われている。この配光制御部材としては、その優れた耐熱性や強度を生かして、金属製のものが一般的に用いられており、この金属製の配光制御部材の製造方法としては、鋼板やアルミニウム板等の薄板を用いて、打ち抜き、板金、プレス、絞り、スピニング等の方法で加工することが一般的に行われている。
【0003】しかし、薄板を加工して得られる配光制御部材は、その製法上、限られた形状のものにしか加工することが困難なため、形状の自由度が低いという問題や、工程が多岐にわたっており生産性が低いという問題があった。
【0004】そのため、金属材料を用いてダイキャスト法や鋳造法で製造することにより、複雑な形状に対応させることが検討されている。しかしこの方法の場合、薄肉成形が困難なため、形状によっては重量が非常に重くなるという問題があった。また、この方法の場合も、連続生産に適さないため生産性が低いという問題があった。
【0005】また、耐熱性の比較的優れたPBT樹脂やABS樹脂等のプラスチックを用いて射出成形で製造することにより、複雑な形状に対応することも検討されている。しかし、金属と比較してプラスチックは強度が低いため、得られる配光制御部材の強度を確保しようとすると、厚みを厚くする必要があり、形状等によっては金属を用いて製造した場合と同等、又はそれ以上の重さになってしまう場合があるという問題があった。更に、厚みを厚くした場合、形状や金型の設計によっては、ヒケ、反り等の外観不良が発生しやすくなるため、それを防ぐために成形の冷却時間を伸ばすと、成形サイクルが長くなってしまい生産性が低いという問題があった。更に、点灯時の温度が比較的高いHID系ランプや白熱灯等の光源に用いる配光制御部材の場合、耐熱性が特に優れたプラスチックを用いる必要があり、成形が困難であるという問題や、価格面で問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点を改善するために成されたもので、その目的とするところは、形状の自由度が優れると共に、生産性が優れ、且つ、軽量性に優れた配光制御部材を提供することにある。また、形状の自由度が優れると共に、生産性が優れ、且つ、軽量性に優れた配光制御部材を備えた、照明装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る配光制御部材は、金属射出成形品よりなる照明装置用配光制御部材であり、本発明に係る照明装置は、金属射出成形品よりなる配光制御部材を備える照明装置である。
【0008】上記金属射出成形品は、マグネシウム合金を射出成形した金属射出成形品であると好ましく、このマグネシウム合金100重量部中に、アルミニウムを1〜10重量部含有すると共に、亜鉛を0.1〜2重量部含有すると好ましい。また、配光制御部材の光源からの光を配光制御する部分に、光反射膜が形成されていると好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る配光制御部材及び照明装置を図面に基づいて説明する。本発明に係る照明装置の第一の実施の形態は、図1に示すような、配光制御部材2としての反射板(本発明に係る配光制御部材の第一の実施の形態)を備えた照明装置1である。なお、この反射板2は、マグネシウム合金を射出成形することによって反射板2の内側の光源の近くに、図1(b)に示すような、ヒダ状のファセット2aが部分的に形成されており、図1(c)に示すように、光源(図示せず)から出力された光Lが、所定の方向に配光されるようになっている。
【0010】この反射板2は、金属材料を射出成形することによって形成されているため、ダイキャスト法や鋳造法で製造した場合には実現が困難な複雑に配光設計された形状を、プラスチックで製造した場合とほぼ同等の精度で実現することが可能になっており、形状の自由度が優れた配光制御部材2であると共に、薄肉成形を実現することができるため、ダイキャスト法や鋳造法で製造した場合と比較して、軽量性に優れた配光制御部材2になっている。更に、溶融させた金属材料を加圧して型に注入するため、ダイキャスト法や鋳造法の場合と比較して注入時間を短くすることができ、生産性に優れた配光制御部材2になっている。
【0011】なお、従来のダイキャスト法や鋳造法の場合、ほとんど加圧されずに溶融した金属材料が型に注入される。そのため、溶融した金属材料を型内に完全充填させるためには、注入するための開口部分を大きく取らざるをえず、薄肉成形は困難であった。
【0012】更に、金属材料を射出成形することによって形成されているため、薄肉でも所望の強度が確保でき、プラスチックで製造した場合と比較して、安定した軽量化が可能になっている。
【0013】なお、照明装置1を使用する環境によっては、光源等から発生する電磁波を遮蔽する必要があるため、プラスチックで配光制御部材2を製造した場合には、メッキ等を行って配光制御部材2の表面に導電性を付与する必要があるが、金属射出成形品によって形成された配光制御部材2は、電磁波遮蔽性が優れているためメッキ等の工程が不要になるという効果も得られる。
【0014】本発明に係る配光制御部材2としては、光源から出力された光を、所定の方向に配光するために、光源の近くに設けたものであれば特に限定するものではなく、例えば、図1及び図2に示すようなダウンライト型の照明装置1に用いる反射板2や、図3に示すような天井埋め込み型の照明装置1に用いるルーバー2や、図示しないが、投光器や道路灯として使用される照明装置1に用いる反射板や、車両前照灯として使用される照明装置1に用いる反射板や、液晶プロジェクターの投光用として使用される照明装置1に用いる反射板等、各種のものが挙げられる。
【0015】上記配光制御部材2を形成する金属射出成形品は、射出成形が可能な金属を用いた射出成形品であれば特に限定するものではないが、マグネシウム合金を射出成形した金属射出成形品であると好ましい。マグネシウムは、比較的融点が低い金属であると共に、比較的比重が低い金属であるため、マグネシウム合金を用いると、容易に射出成形して生産性に優れた配光制御部材2を得ることができると共に、軽量性に優れた配光制御部材2を得ることができる。更に、マグネシウムは、比較的熱伝導率が優れた金属であると共に、比較的電磁波遮蔽性が優れた金属であるため、放熱性に優れた配光制御部材2を得ることができ、配光制御部材2を小型化することが容易になると共に、電磁波遮蔽性が優れた照明装置1を得ることが可能になる。更に、マグネシウムは、リサイクルが容易であると共に、地球上に資源が豊富にあるため、環境にやさしいという効果も得られる。
【0016】なお、マグネシウム合金100重量部中には、アルミニウムを1〜10重量部含有すると共に、亜鉛を0.1〜2重量部含有すると好ましい。このアルミニウム及び亜鉛を含有するマグネシウム合金は、軽量かつ高強度な配光制御部材2を容易に得ることが可能になる。マグネシウム合金の例としては、例えば、日本サーモケミカル社製のグレード名:AZ91D(成分:アルミニウム8.3〜9.7重量%、亜鉛0.35〜1.0重量%、残マグネシウム)や、日本サーモケミカル社製のグレード名:AM60B(成分:アルミニウム5.5〜6.5重量%、亜鉛0.22重量%以下、残マグネシウム)等が挙げられる。
【0017】配光制御部材2は、所要の配光制御が可能な曲面形状、段形状等に形成されていれば良いが、図4に示すように、配光制御部材2の光源からの光を配光制御する部分に、光反射膜22が形成されていると、光源から出力された光の反射率を高めて、狙った配光を確実に実現でき好ましい。この光反射膜22としては、例えば、図4(a)に示すような、金属射出成形品20の表面に有機塗料を塗布することによって密着性が優れたアンダーコート層23を形成した後、そのアンダーコート層23の表面に金属を蒸着して金属層24を形成し、次いで、その金属層24の表面に、有機系又は無機系のオーバーコート層25を形成したものや、図4(b)に示すような、金属射出成形品20の表面に白色塗料を塗布することによって反射率が優れた白色塗膜層27を形成したものや、図示しないが、樹脂製接着層を有するシートにアルミニウム膜又は銀膜を形成した光反射シートを、金属射出成形品の表面に接着したもの等が挙げられる。
【0018】上記アンダーコート層23は、所要の密着性、耐熱性が得られる有機塗料を金属射出成形品20の表面に塗布することによって形成されたものであり、この有機塗料としては、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリブタジエン樹脂系等の有機塗料が挙げられる。なお、アクリル樹脂系又はウレタン樹脂系又はアクリルウレタン樹脂系の有機塗料の場合、鏡面性が優れた配光制御部材2が得られ好ましい。このアンダーコート層23の形成方法しては特に限定するものではなく、スプレー法、浸漬法、静電塗装法等が挙げられるが、静電スプレー塗装法を用いると、塗料のロスが少ないと共に、むらが少なく均一な塗膜が得られ好ましい。このアンダーコート層23の厚みとしては、所要の光学特性、平滑性、密着性が得られる厚みであれば特に限定するものではなく、10μm程度が一般的である。
【0019】また、金属層24は、アルミニウムや銀及びこれらの合金等を用いて、所定の光学特性が得られるように形成したものであれば特に限定するものではなく、その形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、ビーム法等が挙げられる。この金属層24の厚みとしては、所定の光学特性が得られる厚みであれば特に限定するものではなく、100〜300nm程度が一般的である。
【0020】また、オーバーコート層25は、所要の耐熱性、耐候性、密着性が得られる塗料を金属層24の表面に塗布することによって形成されたものであり、この塗料としては、アクリル樹脂系、シリコン変性アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリブタジエン樹脂系等の有機塗料や、シリコーン等の無機塗料が挙げられ、その形成方法としては、アンダーコート層23の場合と同様の方法が挙げられる。なお、シリコン変性アクリル樹脂系の塗料を用いると、特に耐熱性、耐候性が優れた配光制御部材2が得られ好ましい。このオーバーコート層25の厚みとしては、所要の光学特性、平滑性、密着性、硬度が得られる厚みであれば特に限定するものではなく、10μm程度が一般的である。
【0021】なお、オーバーコート層25は、二酸化ケイ素、二酸化チタン等の単層膜を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、ビーム法等により、形成するようにしても良い。また、二酸化ケイ素と二酸化チタンの膜を交互に形成することにより多層膜としても良い。
【0022】また、白色塗膜層27は、所要の耐熱性、耐候性、密着性が得られる白色塗料を金属射出成形品20の表面に塗布することによって形成されたものであり、この白色塗料としては、ポリエステル樹脂系、メラミン樹脂系等の白色塗料が挙げられ、その形成方法としては、アンダーコート層23の場合と同様の方法が挙げられる。この白色塗膜層27の厚みとしては、所要の光学特性、平滑性、密着性が得られる厚みであれば特に限定するものではなく、60μm程度が一般的である。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る配光制御部材は、金属射出成形品よりなるため、形状の自由度が優れると共に、生産性が優れ、且つ、軽量性に優れた配光制御部材である。また、本発明に係る照明装置は、この配光制御部材を備えるため、形状の自由度が優れると共に、生産性が優れ、且つ、軽量性に優れた配光制御部材を備えた、照明装置となる。
【0024】本発明の請求項2に係る配光制御部材は、上記の効果に加え、射出成形が容易になり生産性に優れた配光制御部材となると共に、軽量性に優れた配光制御部材となる。
【0025】本発明の請求項4に係る配光制御部材は、上記の効果に加え、光源から出力された光の反射率を高めて、狙った配光を確実に実現可能な配光制御部材となる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成11年1月25日(1999.1.25)
【代理人】 【識別番号】100111556
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外3名)
【公開番号】 特開2000−215718(P2000−215718A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−16088