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【発明の名称】 車両用装置
【発明者】 【氏名】箕川 彰一

【氏名】鈴木 章

【要約】 【課題】確実なシール性。

【解決手段】パッキン5が、断面中央部に設けられた中空部50と、中空部50から断面外面にかけて設けられた幅を有する切り溝51とから構成されており、パッキン5の切り溝51の外面側がシール溝部10の底部側に圧接されている。この結果、シール脚部20でパッキン5を圧縮する際、パッキン5の反発力が小である。このために、シール脚部20をシール溝部10中に挿入すると、パッキン5が簡単に弾性変形するので、シール脚部20がパッキン5の中間に正確に位置しなくても、シール脚部20がパッキン5の弾性変形した部分に入り込む。従って、パッキン5のシール性が完全であり、確実なシール性が得られることとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジング及びレンズにより室が画成され、前記ハウジング、前記レンズには、シール溝部、シール脚部が設けられており、前記シール溝部の内面と前記シール脚部の外面との間には、パッキンが押圧密着されていて、前記室がシールされている車両用装置において、前記パッキンは、断面中央部に設けられた中空部と、前記中空部から断面外面にかけて設けられた幅を有する切り溝とから構成されており、前記切り溝の外面側が前記シール溝部の底部側に圧接されている、ことを特徴とする車両用装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シール溝部の内面とシール脚部の外面との間に押圧密着されたパッキンにより、ハウジング及びレンズで画成された室がシールされている車両用装置に係り、特に、確実なシール性が得られる車両用装置に関するものである。ここで、車両用装置とは、車両用灯具や車両用装飾具等を言う。上述の車両用灯具とは、例えば、ターンシグナルランプやクリアランスランプ等の所謂スモールランプ、リヤーコンビネーションランプ、フロントコンビネーションランプ、ヘッドランプ、フォグランプ等を言う。また、上述の車両用装飾具とは、例えば、リヤーフィニッシャーやガーニッシュ等を言う。
【0002】
【従来の技術】以下、この種の車両用装置を図4乃至図9を参照して説明する。この例は、車両用灯具のターンシグナルランプやクリアランスランプ等の所謂スモールランプについて説明する。図においては、1は例えば、PP(ポリプロピレン)やABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂))等の樹脂製のハウジング(ランプハウジング)である。このハウジング1の周縁部にはシール溝部10が一体に設けられている。このシール溝部10は前面(又は後面)から見てほぼロ字形状(環状形状)をなす。2は例えば、PC(ポリカーボネート)やPMMA(ポリメタクリル酸メチル(メタクリル樹脂))等の光透過性の樹脂製、若しくはガラス製のレンズである。このレンズ2の後面の周縁部にはシール脚部20が後方に一体に突設されている。このシール脚部20は前記シール溝部10と対応し前面(又は後面)から見てほぼロ字形状(環状形状)をなす。このシール脚部20の外側面には、前記ハウジング1のシール溝部10の外側壁11の先端が当接するリブ21が一体にかつ全周に亘って設けられている。なお、このリブ21は必ずしも設ける必要はない。3はパッキンである。このパッキン3は、例えば、ホットメルト型ゲル性パッキングや発泡EPDM等の紐パッキングや粘着性のパッキン等のパッキングが使用されている。
【0003】前記パッキン3を前記ハウジング1のロ字形状のシール溝部10中に図4中の矢印のようにセットし、かつ、そのシール溝部10中に前記レンズ2のシール脚部20を図4及び図7中の矢印方向に挿入する。すると、前記ハウジング1及び前記レンズ2により室(灯室)4が画成されると共に、前記パッキン3が前記シール脚部20の挿入方向に圧縮されて前記シール溝部10の内面と前記シール脚部20の外面との間に押圧密着される。この結果、前記シール溝部10の内面と前記シール脚部20の外面との間が封止されて前記室(灯室)4がシールされることとなる。そして、上述の室4内には光源バルブ40が配置されている。
【0004】なお、図6に示すように、上述のハウジング1のシール溝部10の外側壁11の先端が上述のレンズ2のシール脚部20のリブ21に当接して、パッキン3がシール溝部10から外側にはみ出すのを防止している。また、前記ハウジング1と前記レンズ2とは、クリップ、相互に係合するランス形状の係合凸部及び係合凹部、スクリュウ、ビス等の機械的締結手段(図示せず)により、機械的に締結される場合がある。さらに、前記シール溝部10の内面及び前記シール脚部20の外面と前記パッキン3の表面との間を剥離可能とすることにより、前記ハウジング1と前記レンズ2との間は分解可能となるので、前記ハウジング1、前記レンズ2のリサイクルが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来の車両用装置は、図7の断面中実のパッキン3、又は、図9の断面中央部に中空部30が設けられたパッキン31を使用するので、シール脚部20でパッキン3、31を圧縮する際には、そのパッキン3、31の反発力が大であり、また、シール脚部20をパッキン3、31の中間(パッキン3のうちシール脚部20の開口部側の中間)に正確に位置させることが難しい。このために、シール脚部20をシール溝部10中に挿入した際に、図8の実線及び二点鎖線にて示すように、シール脚部20がシール溝部10の内面とパッキン3(31)の表面との間に入り込む場合がある。この場合には、パッキン3のシール性が完全ではなく、確実なシール性が得られない等の課題がある。
【0006】本発明の目的は、確実なシール性が得られる車両用装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明は、パッキンが断面中央部に設けられた中空部と、その中空部から断面外面にかけて設けられた幅を有する切り溝とから構成されており、そのパッキンの切り溝の外面側がシール溝部の底部側に圧接されていることを特徴とする。
【0008】この結果、本発明の車両用装置は、パッキンの断面中央部の中空部から断面外面にかけて設けられた幅を有する切り溝により、シール脚部でパッキンを圧縮する際には、そのパッキンの反発力が小である。このために、シール脚部をシール溝部中に挿入すると、パッキンが簡単に弾性変形するので、シール脚部がパッキンの中間に正確に位置しなくても、シール脚部がシール溝部の内面とパッキンの表面との間に入り込むようなことはなく、シール脚部がパッキンの弾性変形した部分に入り込む。従って、シール脚部の外面がパッキンの表面に確実に当接するので、パッキンのシール性が完全であり、確実なシール性が得られることとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用装置の一実施の形態を図1乃至図3を参照して説明する。この例は、車両用灯具のターンシグナルランプやクリアランスランプ等の所謂スモールランプに使用した例について説明する。図中、図4乃至図9と同符号は同一のものを示す。
【0010】図中、5はこの実施の形態における本発明の車両用装置に使用されるパッキンである。このパッキン5は、図1に示すように、断面四角形(4角部がほぼ4分の1の円弧形状に角取りされている)をなし、かつ、断面中央部に設けられた断面円形形状の中空部50と、その中空部50から断面外面にかけて設けられた幅を有する切り溝51とから構成されている。このパッキン5は、シール溝部10中にセットされていると共に、このパッキン5の切り溝51の外面側(切り溝51が開口する外面側)がシール溝部10の底部側に対向して圧接されている。このパッキン5の中空部50及び切り溝51は、ほぼ鍵穴形状をなす。
【0011】この実施形態における本発明の車両用装置は、パッキン5の断面中央部の中空部50から断面外面にかけて設けられた幅を有する切り溝51により、シール脚部20でパッキン5を圧縮する際には、そのパッキン5の反発力が小である。このために、図2に示すように、シール脚部20をシール溝部10中に挿入すると、パッキン5が簡単に弾性変形するので、シール脚部20がパッキン5の中間に正確に位置しなくても、シール脚部20がシール溝部10の内面とパッキン5の表面との間に入り込む(図8参照)ようなことはなく、シール脚部20がパッキン5の弾性変形した部分に入り込む(図3参照)。従って、シール脚部20の外面がパッキン5の表面に確実に当接するので、パッキン5のシール性が完全であり、確実なシール性が得られることとなる。上述の切り溝51の幅を変えることにより、パッキン5の反発力を変えることができる。
【0012】なお、この実施の形態においては、車両用灯具のターンシグナルランプやクリアランスランプ等の所謂スモールランプに使用した例について説明したが、本発明はその他の車両用灯具や車両用装飾具等の車両用装置にも適用できる。また、この実施の形態において、パッキン5は断面四角形状をなすが、断面円形形状、断面台形形状、断面多角形形状等をなしても良い。かつ、中空部50は断面円形形状をなすが、断面四角形形状、断面多角形形状等をなしても良い。さらに、この実施の形態においては、ハウジング1側にシール溝部10を、レンズ2側にシール脚部20を、それぞれ設けたものであるが、その逆に、ハウジング1側にシール脚部を、レンズ2側にシール溝部を、それぞれ設けたものであっても良い。
【0013】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の車両用装置は、パッキンの断面中央部の中空部から断面外面にかけて設けられた幅を有する切り溝により、シール脚部でパッキンを圧縮する際には、そのパッキンの反発力が小である。このために、シール脚部をシール溝部中に挿入すると、パッキンが簡単に弾性変形するので、シール脚部がパッキンの中間に正確に位置しなくても、シール脚部がシール溝部の内面とパッキンの表面との間に入り込むようなことはなく、シール脚部がパッキンの弾性変形した部分に入り込む。従って、シール脚部の外面がパッキンの表面に確実に当接するので、パッキンのシール性が完全であり、確実なシール性が得られることとなる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成11年1月14日(1999.1.14)
【代理人】 【識別番号】100059269
【弁理士】
【氏名又は名称】秋本 正実
【公開番号】 特開2000−207932(P2000−207932A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−7943