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【発明の名称】 表示板の照明装置
【発明者】 【氏名】渡部 陽次郎

【氏名】岸川 龍広

【氏名】上野 敦靖

【要約】 【課題】表示板面を明るくて均一に照明し、表示板の文字や図形の視認性や判読性を向上させること。

【解決手段】光ファイバーを用いた表示板の照明装置において、光ファイバー束の光出射端5に角形ロッド6を設ける。角形ロッド6は底部から頂部に向かうにつれて幅の狭まった断面形状とする。光ファイバー束の光出射端5では底部から頂部に向かうにつれて本数または面積が増加するように光ファイバーを配列する。角形ロッド6と光ファイバー束の光出射端5とを、それぞれの端面の底部が一致するように配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源と、該光源が光入射端に接続され照明光を出射する光ファイバ束と、該光ファイバ束の光出射端に取りつけられた角形ロッドと、該角形ロッドに対し照射方向前方に配置された焦点距離が正のレンズとを備えた出射部が、表示板の手前の位置に配置されてなる表示板の照明装置であって、前記角形ロッドは底部から頂部に向かうにつれて幅の狭まった横断面形状を有し、前記光ファイバ束の光出射端では底部から頂部に向かうにつれて本数または面積が増加するように光ファイバが配列されており、前記角形ロッドと前記光ファイバ束の光出射端とは、それぞれの端面の底部と底部が一致し、頂部と頂部が一致するように配置されたことを特徴とする表示板の照明装置。
【請求項2】 前記角形ロッドの横断面形状は底部が頂部よりも長い台形状の形状であり、前記光ファイバ束の光出射端における断面形状は頂部が底部よりも長い台形状の形状であって、前記角形ロッドと前記光ファイバ束の光出射端とは、それぞれの端面の底部と底部が一致するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の表示板の照明装置。
【請求項3】 前記角形ロッドは、2枚以上の板状透明体からなる請求項1または2に記載の表示板の照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型看板や、道路案内板等の表示板の照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】屋外に設置している大型看板や、高速道路の道路案内用の表示板には、夜間の視認性や判読性を高めるために、表示板の手前に蛍光灯やハロゲンランプ等の光源を設置して表示板を照明している。
【0003】通常表示板の形状は四角形をしており、照射形状をこれに合わせるため、これまでにも台形の短辺が上側になった角形透明ロッド(実際はレンズにより反転されるため短辺を下側にする)を配置した照明装置が提案されている(特開平8−329717号公報)。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】このような照明装置においては、光源から表示板に向かって斜めに照射されるため、照度は距離の二乗に反比例して、光源に近いほどより明るく、光源から遠くなるほどより暗くなって、表示板を均一に照明することが困難であるという問題があった。
【0005】また、通常、大型看板や道路案内板等は高所に設置されるため、これらを照明する光源も高所となる。このためランプが寿命切れなどをしたときに行うランプ交換が高所作業となり、ランプ交換作業をするのに、高所作業専用車を用いたり、足場を組んで行っていた。特に高速道路の道路案内板においては、道路案内板の約1Km先から交通規制をするなど、大がかりな事前準備が必要となって、多額の費用と時間を要するといった問題があった。
【0006】本発明は、表示板面を明るくて均一に照明し、表示板の文字や図形の視認性や判読性を向上させることを目的とする。
【0007】また本発明は、大がかりな事前準備を必要としないでランプ交換作業が可能な照明装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、光源と、該光源が光入射端に接続され照明光を出射する光ファイバ束と、該光ファイバ束の光出射端に取りつけられた角形ロッドと、該角形ロッドに対し照射方向前方に配置された焦点距離が正のレンズとを備えた出射部が、表示板の手前の位置に配置されてなる表示板の照明装置であって、前記角形ロッドは底部から頂部に向かうにつれて幅の狭まった横断面形状を有し、前記光ファイバ束の光出射端では底部から頂部に向かうにつれて本数または面積が増加するように光ファイバが配列されており、前記角形ロッドと前記光ファイバ束の光出射端とは、それぞれの端面の底部と底部が一致し、頂部と頂部が一致するように配置されたことを特徴とする表示板の照明装置が提供される。
【0009】また本発明によれば、上記表示板の照明装置において、前記角形ロッドの横断面形状は底部が頂部よりも長い台形状の形状であり、前記光ファイバ束の光出射端における断面形状は頂部が底部よりも長い台形状の形状であって、前記角形ロッドと前記光ファイバ束の光出射端とは、それぞれの端面の底部と底部が一致するように配置されたことを特徴とする表示板の照明装置が提供される。
【0010】上記発明において、角形ロッドは、たとえば、2枚以上の板状透明体からなるがものとすることが好ましい。
【0011】以下、本発明の作用について図1を参照して説明する。図1は、光出射部を表示板の手前下方の位置に配置した例である。ここで、光出射部から単に斜め上に向かって照射すると、照射領域は上部が広い台形状となる。そこで、台形の短辺が上側になった角形透明ロッド(実際はレンズにより反転されるため短辺を下側にする)を配置することにより、照射領域の形状を表示板3と同一の形状に合わせることができる。
【0012】ところがこの場合、出射部から表示板3の距離が表示板の下部から上部にいくほど遠くなるため、照度は距離の二乗に半比例して、表示板上の下部が明るく、上部に向かって暗くなり表示板3が均一に照明されない。これを解決するには上部にいくほど明るく照射する必要がある。
【0013】そこで本発明では、以下のような構成をとることによって、均一な照明を実現している。
■角形ロッドは、底部から頂部に向かうにつれて幅の狭まった横断面形状を有し、光ファイバ束の光出射端におけるファイバの配列状態は、底部から頂部に向かうにつれてファイバ本数またはファイバ面積が増加するように配列した構成。
【0014】ここで、「底部から頂部に向かうにつれて幅の狭まった形状」とは、たとえば底部が頂部よりも長い台形状の形状をいい、多角形や、曲線により囲まれた形状も含む。
【0015】■角形ロッドの横断面形状を、底部が頂部よりも長い台形状の形状とし、光ファイバ束の光出射端におけるファイバの配列状態を、頂部が底部よりも長い台形状の形状とする構成。上記の構成において、角形ロッドは、その「底部」が、表示板3中の光出射部からの距離が短い領域の照射に対応するように、配置される。これにより照射領域の形状を表示板3と同一の形状に合わせることができる。
【0016】また本発明においては、角形ロッドと光ファイバ束の光出射端とは、それぞれの端面の底部が一致するように配置される(図4)。これにより、光ファイバ束の光出射端におけるファイバの配列状態は、角形ロッドの底部と対応する部分においてファイバ本数が少なく、角形ロッドの上部に対応する部分においてファイバ本数が多くなる。このようにすることによって、表示板3中の光出射部からの距離が長い領域についてはより多くのファイバにより照明されることとなり、表示板全面にわたり均一な照度を実現することができる。
【0017】なお、図1は光出射部を表示板の手前下方の位置に配置した例であるが、光出射部を表示板の手前上方に配置してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0019】図1に示すように光源1A、1Bは、ランプ交換が容易にできる高さの位置に設置される。
【0020】照明装置の出射部は、表示板3の上部、下部、右または左の側部、またはこれらの組み合わせの位置に設置されるが、例えば表示板3のサイズ、周辺の障害物、希望する明るさ等の諸条件によりその位置と数が決まる。
【0021】以下、照明装置の出射部2A、2Bを表示板3の手前の下部に設置した場合を例にとって説明する。
【0022】光源の数は1個または2個以上である。光ファイバ束4を構成するファイバの数は通常、数十本〜数百本程度である。
【0023】単に斜め上に向かって照射すると照射形状は、光出射部の形状が円の時は上が広くなった楕円状となり、四角形の時は上が広い台形となる。
【0024】本発明においては、光ファイバ束4の光出射端5におけるファイバの配列状態は、図5に示すように底部から上方(Y方向)に向かうにつれてファイバ本数が増加するように配列されている。これに角形ロッド6を密着させて接続する(図4)。
【0025】なお角形ロッド6は、例えば厚さ(Y方向)0.1〜10mm程度、幅(X方向)5〜50mm程度、長さ(Z方向)5〜200mm程度の板状透明体6a、6b、6c、6dを台形状に整列したものからなる。
【0026】板状透明体6a、6b、6c、6dにはポリメチルメタクリレート等の材質のものが使用される。1枚の板状透明体において長さを厚み×幅の0.5倍以上にすると、光出射面で均一な照度が得られるが、角形ロッド6にするには一番長いサイズに合わせるのが理想である。これを整列すると光出射側において底辺から上にいくほど順に明るい角形ロッド6が得られる。
【0027】光ファイバ束4のファイバの配列状態や角形ロッド6の形状は、表示板3のサイズや、出射部2A、2Bを設置する位置から適した形にすればよい。
【0028】次いでこの角形ロッド6の光出射端(Z方向の先端)側に、焦点距離が正のレンズ7がその焦点距離の間隔をもたせて配置される。このようにすることにより、表示板上における照射光を四角形にし、さらに表示板上で均一な照度が得られる。
【0029】焦点距離が正のレンズ7には、一般の凸レンズのように光を有効に集める働きをするものであれば、他に例えば、フレネルレンズ、球レンズ等が使用でき、通常焦点距離20〜200mm程度のものが使用される。
【0030】なお一つの出射部から照射される照射光のサイズは、つなぎ目がでないようにするため、表示板3と同サイズが望ましいが、横長の表示板については、出射部を横へ間隔を開けて設置してももちろんかまわない。また表示板上の照度をあげるには、出射部の数を2個以上用いて重ねて照射すればよい。
【0031】
【実施例】実施例1縦2.5m、横3.5mの交通案内用の表示板3において、出射部を2個使用し、出射部■2Aは表示板3の横方向の中心、表示板3の下端より0.3m下、前方2.0mの位置へ、また出射部■2Bは出射部■2Aより更に0.1m上で、0.5m手前に配置した。
【0032】光源1A及び1Bとして155Wメタルハライドランプを用い、出射部■2A用と出射部■2B用の光入射端をそれぞれの光源に接続した。光源1A、1Bはポールに取りつけた光源ボックス内に収納した。
【0033】光ファイバ束4としては1つの出射部に対して、外径0.75mmのプラスチック製の光ファイバ(三菱レイヨン(株)製エスカGK−30)を588本束ねたものを用いた。
【0034】光ファイバの光出射端5の形状は、上底29.6mm、下底5mm、高さ20mmの台形とした。
【0035】角形ロッド6は厚さ1mm、長さ50mmの透明アクリル板を、上底の幅が29.5mm、下底の幅が5mmとなるように20枚積層した構造とした。
【0036】光ファイバ束4の光出射端面5とこの角形ロッド6を、お互いに台形が逆向きになるようにして密着させた。
【0037】焦点距離が正のレンズ7として焦点距離40mmのフレネルレンズ((株)光洋製の品番:PF−3)を用い、角形ロッド6の光出射面から、焦点距離が正のレンズ7の焦点距離と同じ40mmの位置に配置した。
【0038】なお、照射光の形状において、角形ロッド6の形状がそのまま照射されるため、左右の辺が階段状となる。これを解決するため、角形ロッド6の光出射端面に0.2mmの鉄板でマスキングをした。
【0039】出射部■2Bも出射部■2Aと同様にして設置した。
【0040】表示板3の中央、その左右0.35mの位置において、表示板3の上端から0m、1.0m、1.5m及び2.5mの位置における照度を測定したところ、表1に示すように良好な結果が得られた。
【0041】
【表1】

【0042】
【発明の効果】本発明の照明装置によれば、光ファイバ束の光出射端におけるファイバの配列状態を特定の配列状態としているため、表示板全面にわたり均一に照明することができる。すなわち、光ファイバ束からの光を有効に利用できるため、大型看板や道路案内板などの表示板を明るくしかも均一に照射して、表示板の文字や図形の視認性や判読性を向上させることができる。
【0043】また本発明の照明装置によれば、ランプ交換作業を、作業のための大がかりな事前準備をすることなく行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
【出願日】 平成10年8月6日(1998.8.6)
【代理人】 【識別番号】100070219
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 忠 (外4名)
【公開番号】 特開2000−57828(P2000−57828A)
【公開日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【出願番号】 特願平10−223057