| 【発明の名称】 |
導光板およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】樋口 勝
【氏名】武藤 哲夫
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| 【要約】 |
【課題】側方から入射する光を前面側に出射するとともに、前方から入射する光を前方に反射することができる導光板を提供する。
【解決手段】側方から入射する光を取り込む入射端面13と、複数の段面14aおよびこれらの段面14aをつなぐ複数の段差面14bとからなる階段形状に形成された前面とを有し、前記入射端面から取り込まれた光を前記複数の段差面から出射する導光板本体11の前記複数の段面14a上に、前方から入射する光を反射する反射膜15を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】側方から入射する光を取り込む入射端面と、照明光を出射する前面とを備え、前記前面は、前記入射端面から入射した光を導いて所定の方向に向けて出射する出射面と、前面に向けて入射する外光を反射させるための、前記出射面とは異なる反射面とから形成されていることを特徴とする導光板。 【請求項2】前記前面は、複数の段面およびこれらの段面をつなぐ複数の段差面とからなる階段形状に形成され、前記段面は反射膜が設けられて反射面を形成し、前記段差面は前記入射端面から入射した光を出射する出射面を形成することを特徴とする請求項1に記載の導光板。 【請求項3】側方から入射する光を取り込む入射端面と、複数の段面およびこれらの段面をつなぐ複数の段差面とからなる階段形状に形成された前面とを有し、前記入射端面から取り込まれた光を前記複数の段差面から出射する導光板本体と、この導光板本体の前記複数の段面上に設けられ、前方から入射する光を反射する反射膜とからなることを特徴とする導光板。 【請求項4】前記複数の段面上に、前記導光板本体と前記反射膜との両方に対する密着性が高い下地膜が設けられ、この下地膜の上に前記反射膜が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の導光板。 【請求項5】前記反射膜の上に透明なオーバーコート膜が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の導光板。 【請求項6】請求項1に記載の導光板を製造する方法であって、側方から入射する光を取り込む入射端面と、複数の段面およびこれらの段面をつなぐ複数の段差面とからなる階段形状に形成された前面とを有する導光板本体の前記複数の段面上に、その段面の法線に対し前記入射端面側に所定角度傾いた方向から反射材を蒸着またはスパッタして前記反射膜を成膜することを特徴とする導光板の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、側方から入射する光を前面側に出射する機能と、前方から入射する光を前方に反射する機能とを兼ね備えた導光板に関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば液晶表示装置等の表示装置として、自然光や室内光等の外光を利用する反射型表示と、一般にバックライトと呼ばれる照明手段が備えている光源部からの光を利用する透過型表示との両方の表示を行なう、いわゆる2ウエイ表示型のものがある。 【0003】この2ウエイ表示装置は、充分な明るさの外光が得られるときは外光を利用する反射型表示を行ない、充分な明るさの外光が得られないときは、前記照明手段の光源部を点灯させて、前記光源部からの光を利用する透過型表示を行なうものであり、この2ウエイ表示装置は、従来、例えば液晶表示素子等のような透過型表示手段の背後に照明手段を配置するとともに、この照明手段と前記表示手段との間に半透過反射板を配置した構成となっている。 【0004】前記照明手段としては、サイドライト型と呼ばれるものが一般に用いられており、従来のサイドライト型照明手段は、端面から光を取り込んでその光を前面側に出射する導光板と、この導光板の光を取り込む端面の側方に配置された光源部とから構成されている。なお、前記光源部には、直管状の蛍光ランプ、複数のLED(発光ダイオード)を整列したLEDアレイ等が用いられている。 【0005】前記導光板には、一般に、アクリル系樹脂等からなる平板状の透明板が用いられており、その少なくとも一端面が、前記光源部からの光を取り込む入射端面とされ、前面全体が、前記入射端面から取り込んだ光の出射面とされている。 【0006】この導光板は、前記光源部からの光を前記入射端面から取り込み、その光を導光板の前面および背面と外気(空気)との界面により全反射させながら導光板長さ方向に導いて、その前面のほぼ全域から出射する。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の導光板は、その側方から入射する光を前記入射端面から取り込み、その光を前面側に出射するだけのものであるため、例えば上述した2ウエイ表示装置を構成するには、前記導光板の前面側(透過型表示手段との間)に半透過反射板を配置しなければならなかった。 【0008】この発明は、側方から入射する光を前面側に出射するとともに、前方から入射する光を前方に反射することができる導光板を提供するとともに、あわせてその製造方法を提供することを目的としたものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】この発明の導光板は、側方から入射する光を取り込む入射端面と、照明光を出射する前面とを備え、前記前面は、前記入射端面から入射した光を導いて所定の方向に向けて出射する出射面と、前面に向けて入射する外光を反射させるための、前記出射面とは異なる反射面とから形成されていることを特徴とするものである。 【0010】さらに、前記前面は、複数の段面およびこれらの段面をつなぐ複数の段差面とからなる階段形状に形成され、前記段面は反射膜が設けられて反射面を形成し、前記段差面は前記入射端面から入射した光を出射する出射面を形成することを特徴とするものである。 【0011】この導光板は、側方から入射する光を前記出射面より出射させて、前記前面に向けて入射する外光を前記反射面により反射させることができる。また、この発明の導光板は、側方から入射する光を取り込む入射端面と、複数の段面およびこれらの段面をつなぐ複数の段差面とからなる階段形状に形成された前面とを有し、前記入射端面から取り込まれた光を前記複数の段差面から出射する導光板本体と、この導光板本体の前記複数の段面上に設けられ、前方から入射する光を反射する反射膜とからなることを特徴とするものである。 【0012】この導光板は、その側方から入射する光を前記入射端面から取り込んで前記複数の段差面から出射し、前方から入射する光を前記複数の段面上に形成された反射膜により反射させるものであり、したがって、側方から入射する光を前面側に出射するとともに、前方から入射する光を前方に反射することができる。 【0013】また、この発明の導光板の製造方法は、側方から入射する光を取り込む入射端面と、複数の段面およびこれらの段面をつなぐ複数の段差面とからなる階段形状に形成された前面とを有する導光板本体の前記複数の段面上に、その段面の法線に対し前記入射端面側に所定角度傾いた方向から反射材を蒸着またはスパッタして前記反射膜を成膜することを特徴とするものである。 【0014】この製造方法によれば、前記反射材を、前記段差面に被着させることなく前記複数の段面上にだけ成膜し、これらの段面上に前記反射膜を形成することができるため、前記導光板を容易に且つ低コストに製造することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】この発明の導光板は、上記のように、側方から入射する光を取り込む入射端面と、照明光を発生する前面とを備え、前記前面は、前記入射端面から入射した光を導いて所定の方向に向けて出射する出射面と、前面に向けて入射する外光を反射させるための、前記出射面とは異なる反射面とから形成されていることを特徴とするものであり、側方から入射する光を前記出射面より出射させて、前記前面に向けて入射する外光を前記反射面により反射させることができる。 【0016】この発明の導光板は、上記のように、側方から入射する光を取り込む入射端面と、複数の段面およびこれらの段面をつなぐ複数の段差面とからなる階段形状に形成された前面とを有し、前記入射端面から取り込まれた光を前記複数の段差面から出射する導光板本体と、この導光板本体の前記複数の段面上に設けられ、前方から入射する光を反射する反射膜とからなるものであり、側方から入射する光を前面側に出射するとともに、前方から入射する光を前方に反射することができるようにしたものである。 【0017】また、この発明の導光板の製造方法は、上記のように、側方から入射する光を取り込む入射端面と、複数の段面およびこれらの段面をつなぐ複数の段差面とからなる階段形状に形成された前面とを有する導光板本体の前記複数の段面上に、その段面の法線に対し前記入射端面側に所定角度傾いた方向から反射材を蒸着またはスパッタして前記反射膜を成膜することにより、前記導光板を、容易に且つ低コストに製造することができるようにしたものである。 【0018】この発明の導光板は、前記導光板本体にその入射端面から取り込んだ光を前記導光板本体の複数の段差面から出射し、前方から入射する光を前記導光板本体の複数の段面上に設けられた反射膜により反射するため、前記複数の段差面から出射する光の出射方向と、前記複数の段面上の反射膜により反射された光の出射方向とが異なるが、例えば前記導光板の前面側に、前記複数の段差面から出射する光を取り込んでその光を前方に出射するとともに、前方からの入射光を背面から出射し、前記複数の段面上の反射膜により反射されて前記背面から入射する光を前方に出射する光学部材を配置することにより、前記複数の段差面からの出射光と、前記複数の段面上の反射膜により反射された光とを、いずれも前方に向けて出射させることができる。 【0019】したがって、前記導光板の側方にその入射端面に対向させて光源部を配置するとともに、前記導光板の前面側に前記光学部材を配置することにより、前記光源部からの光を前方に出射するとともに、前方から入射する外光を反射させて前方に出射する照明手段を構成することができ、この照明手段を用いれば、半透過反射板を使用することなく、自然光や室内光等の外光を利用する反射型表示と、光源部からの光を利用する透過型表示との両方の表示を行なう2ウエイ表示装置を構成することができる。 【0020】この発明の導光板においては、前記複数の段面上に、前記導光板本体と前記反射膜との両方に対する密着性が高い下地膜を設け、この下地膜の上に前記反射膜を形成するのが好ましく、このようにすることにより、前記段面に対する前記反射膜の密着性を良くすることができる。 【0021】また、前記反射膜は、その上に透明なオーバーコート膜を設けることにより、このオーバーコート膜で保護することが好ましく、このようにすることにより、前記反射膜の耐湿性を向上させることができる。 【0022】 【実施例】図1はこの発明の第1の実施例を示す導光板の斜視図であり、図2は前記導光板の一部分の拡大側面図である。この導光板10は、側方から入射する光を取り込む入射端面13と、階段形状に形成された前面(以下、階段形状面という)14とを有し、前記入射端面13から取り込まれた光を前記階段形状面14の複数の段差面14bから出射する導光板本体11と、この導光板本体11の階段形状面14の複数の段面14a上に設けられ、前方から入射する光を反射する反射膜15とからなっている。 【0023】前記導光板本体11は、アクリル系樹脂等の高い光透過性を有する透明樹脂からなっており、その背面は平坦面とされ、この背面全体に鏡面反射板(または反射膜)12が設けられている。 【0024】また、前記導光板本体11の一端面は、側方から入射する光を取り込む入射端面13とされており、この導光板本体11の前面が、前記階段形状面14に形成されている。 【0025】この階段形状面14は、互いにほぼ平行で、前記入射端面13から遠ざかる方向に向かって前記背面との間隔を狭めるように順次高さを変える平坦な複数の段面14aと、これらの段面14aをつなぐ段差面14bとからなっている。なお、前記段差面14bは一定ピッチで形成されており、したがって、前記複数の段面14aは同じ幅に形成されている。 【0026】前記複数の段差面14bは、各段面14aの基端縁からそれぞれほぼ垂直に立ち上がるように形成された極く小さな高さの横長面であり、これらの段差面14bがそれぞれ、前記入射端面13から取り込まれた光の出射面となっている。 【0027】また、前記導光板本体11の複数の段面14a上にはそれぞれ、その段面14aのほぼ全体にわたって、高反射率の反射材、例えば、Al,Ag,Cr,Ni,Pt等の高反射率金属からなる反射膜15が設けられており、この反射膜15により、前方から入射する光の反射面が形成されている。 【0028】図3は、前記導光板10の製造方法を示しており、この導光板10は、平坦な背面と前記入射端面13と前記階段形状面14とを有する導光板本体11の背面全体に前記鏡面反射板(または反射膜)12を形成し、前記階段形状面14の複数の段面14a上に、その段面14aの法線hに対し前記段差面14b側に所定角度θ傾いた方向(図に矢印で示した方向)から反射材(Al,Ag,Cr,Ni,Pt等)を蒸着またはスパッタして前記反射膜15を成膜する方法で製造する。なお、前記導光板本体11は、金型を用いる透明樹脂の成形加工または透明樹脂板の切削加工により製作する。 【0029】この製造方法によれば、前記反射材を、前記段差面14bに被着させることなく前記複数の段面14a上にだけ成膜し、これらの段面14a上に前記反射膜15を形成することができるため、前記導光板10を容易に且つ低コストに製造することができる。 【0030】すなわち、前記導光板本体11の階段形状面14の複数の段面14a上に設ける反射膜15は、前記段面14aに対して垂直な方向からの反射材の蒸着またはスパッタや、前記反射材のメッキによる成膜でも形成することができる。 【0031】しかし、その場合は、光の出射面となる前記複数の段差面14bにも反射材が被着するため、これらの段差面14bを反射膜15を形成しない出射面とするには、前記複数の段差面14bをマスクして前記反射材を成膜し、その後に前記マスクを除去するか、あるいは、マスク無しで前記反射材を成膜し、その後に前記複数の段差面14に被着した反射材をエッチング等により除去しなければならず、したがって、前記反射膜15の形成に多くの工程を要する。 【0032】その点、この実施例の製造方法のように、導光板本体11の前記段面14aの法線hに対し前記入射端面13側に所定角度θ傾いた方向から反射材を蒸着またはスパッタすれば、前記反射材が、前記段差面14bには被着せず、前記複数の段面14a上にだけ被着するため、1工程で前記複数の段面14a上だけに反射膜15を形成することができ、したがって、前記導光板10を容易に且つ低コストに製造することができる。 【0033】なお、この製造方法のように反射材を斜め方向から蒸着またはスパッタして反射膜15を成膜する場合も、導光板本体11の入射端面13は、反射材が被着しないようにマスクする必要があるが、前記入射端面13は、例えば粘着テープ等の貼り付けにより簡単にマスクすることができる。 【0034】前記反射材の蒸着角度θは、前記反射材を、前記段差面14bに被着させることなく、しかも、前記段面14a上のできるだけ広い範囲にわたって被着させらることができる範囲に選ぶのが望ましい。 【0035】その蒸着角度θは、30〜60度の範囲が好ましく、この範囲の角度で前記反射材を蒸着またはスパッタすることにより、前記段差面14bに反射材を被着させることなく、しかも、前記段面14a上に、その基端部(段差面14bの底辺との境界部)付近の極く狭い領域を除くほぼ全体にわたって反射材を被着させて、充分な面積の反射膜15を形成することができる。 【0036】また、前記反射膜15は、薄すぎると光が透過して充分な反射特性が得られなくなり、また、厚すぎると前記段差面14bに反射材が被さってしまうため、充分な反射特性が得られる最小限の膜厚と、前記段差面14bに反射材が反射材が被さることのない最大限の膜厚との間の厚さに形成するのが好ましく、その厚さは、100〜200nmの範囲である。 【0037】前記導光板10は、その側方から入射する光を前記入射端面13から導光板本体11に取り込んでその前面の階段形状面14の前記複数の段差面14bから出射し、前方から入射する光を前記階段形状面14の複数の段面14a上に形成された反射膜15により前方に反射する機能を有している。 【0038】前記導光板10にその側方から入射する光は、例えば前記入射端面13に対向させて配置される光源部(図示せず)からの光であり、この光源部からの光が、前記導光板本体11にその入射端面13から取り込まれてこの導光板本体11内を導かれ、図2に実線で示した経路のように、前記導光板本体11の階段形状面14の複数の段差面14bから前面側に出射する。 【0039】このとき、前記導光板本体11にその入射端面13から取り込まれた光のうち、前記複数の段差面14bに向かう光以外の光、つまり前記階段形状面14の各段面14aおよび導光板本体11の背面に向かって進む光は、前記各段面14a上の反射膜15および導光板本体11の背面に設けられた鏡面反射板12により反射され、その繰り返しにより導光板本体11内をその長さ方向に導かれて、その過程でいずれかの段差面14bに入射し、その段差面14bから前面側に出射する。 【0040】なお、図2に示したように、前記複数の段差面14bからの出射光のなかには、次の段面14aに向かって出射する光もあるが、その光は、前記次の段面14a上の反射膜15により反射されて前面側に出射する。 【0041】すなわち、上記導光板10は、前記導光板本体11にその入射端面13から取り込んだ光を、ほぼ100%の出射効率で前記階段形状面14の複数の段差面14bから前面側に出射する。 【0042】なお、この実施例では、導光板本体11の背面全体に鏡面反射板12を設けているが、この鏡面反射板12を省略し、導光板本体11内をその背面に向かって進む光を、導光板本体11の背面と外気(空気)との界面で全反射させるようにしてもよい。 【0043】その場合でも、導光板本体11内をその背面に向かって進む光のほとんどが導光板本体11の背面と外気との界面に対して全反射臨界角以上の角度で入射して全反射されるため、導光板本体11内を導かれる光が背面側に漏れることはほとんどなく、したがって、前記入射端面12から取り込んだ光を、無駄なく前記段差面14bから出射することができる。 【0044】また、前記導光板10にその前方から入射する光は、例えば自然光や室内光等の外光であり、この外光が、図2に破線で示した経路のように、前記導光板本体11の複数の段面14a上に設けられた反射膜15により反射されて前方に出射する。 【0045】この場合、前記導光板本体11の階段形状面14は、複数の段面14aと、これらの段面14aをつなぐ複数の段差面14bとからなっているが、前記階段形状面14を前方から見た形状は、前記複数の段面14aがほとんど隙間なく連続して見える形状であり、また、上述したように30〜60度の角度で反射材を斜め方向から蒸着またはスパッタすることにより前記複数の段面14a上に形成された反射膜15は、前記段面14aの基端部付近の極く狭い領域を除くほぼ全体にわたって設けられているため、前記導光板10は、前方から入射する外光に対して、平板状の反射板とほとんど変わらない反射特性を示す。 【0046】そのため、前記導光板10は、前方から入射した光を、高い反射効率で前方に反射する。なお、この実施例では、前記導光板本体11の背面全体に鏡面反射板12を設けており、したがって、前記導光板10にその前方から入射した光のうちの前記段面14aの基端部付近の反射膜15の無い領域に入射した光も、導光板本体11をその厚さ方向に透過してその背面の鏡面反射板12により反射され、その反射光のうちの前記段面14aの反射膜15の無い領域に向かう光が前記領域から前方に出射するため、前方から入射した光を、100%に近い反射効率で前方に反射することができる。 【0047】ただし、上述したように、導光板本体11の背面の鏡面反射板12は省略してもよく、その場合は、前方から入射した光のうちの前記段面14aの反射膜15の無い領域に入射した光が導光板本体11の背面側に漏れるが、前記反射膜15の無い領域は極く狭く、したがって背面側への光の漏れは極く僅かであるため、前方から入射した光を、高い反射光率で前方に反射することができる。 【0048】すなわち、前記導光板10は、その側方から入射する光を前記入射端面13から取り込んで前記複数の段差面14bから出射し、前方から入射する光を前記複数の段面14a上に形成された反射膜15により反射させるものであり、したがって、側方から入射する光を前面側に出射するとともに、前方から入射する光を前方に反射することができる。 【0049】しかも、前記導光板10は、上述したように、前記入射端面12から取り込んだ側方からの入射光を高い出射効率で前面側に出射するとともに、前方から入射した光を高い反射効率で前方に反射するため、側方からの入射光も、前方からの入射光も、ほとんど無駄なく出射することができる。 【0050】図4はこの発明の第2の実施例を示す導光板の一部分の拡大側面図であり、この実施例の導光板10は、導光板本体11の複数の段面14a上に、前記導光板本体11と前記反射膜15との両方に対する密着性が高い下地膜16を設け、この下地膜16の上に前記反射膜15を形成するとともに、前記反射膜15の上に、透明なオーバーコート膜17を設けたものである。 【0051】なお、この実施例の導光板10は、導光板本体11の複数の段面14a上に前記下地膜18を設けてその上に反射膜15を形成し、さらに前記反射膜15の上にオーバーコート膜16を設けた点を除けば、他の構成は第1の実施例のものと同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。 【0052】前記下地膜16は、例えば前記導光板本体11がアクリル系樹脂製であり、前記反射膜15をAl,Ag,Cr,Ni,Pt等の金属により形成する場合の好ましい下地材は、SiO2 またはSiOである。 【0053】そして、この実施例では、前記下地膜16を、前記導光板本体11の段差面14bには形成せず、前記複数の段面14a上だけに、前記反射膜15の形成領域全体にわたって形成している。 【0054】この下地膜16は、上述した反射膜15の形成方法と同様に、前記段面14aの法線に対し前記段差面14b側に所定角度(望ましくは30〜60度)傾いた方向からオーバーコート材(SiO2 またはSiO)を蒸着またはスパッタして成膜するのが好ましく、この方法によれば、1工程で前記複数の段面14a上だけに下地膜16を形成することができる。なお、前記下地膜16の厚さは、30〜500nm程度で充分である。 【0055】一方、前記オーバーコート膜17は、SiO2 ,SiO,弗素系樹脂,シリカ系樹脂等からなる透明薄膜であり、この実施例では、このオーバーコート膜17も、導光板本体11の段差面14bには形成せず、前記複数の段面14a上だけに、前記反射膜15の表面全体を覆って形成している。 【0056】前記オーバーコート膜17をSiO2 またはSiOで形成する場合、このオーバーコート膜17は、前記下地膜16と同様に、前記段面14aの法線に対し前記入射端面13側に所定角度(望ましくは30〜60度)傾いた方向からオーバーコート材(SiO2 またはSiO)を蒸着またはスパッタして成膜するのが好ましく、この方法によれば、1工程で前記複数の段面14a上だけにオーバーコート膜17を形成することができる。 【0057】また、前記オーバーコート膜17を弗素系樹脂やシリカ系樹脂等の透明樹脂で形成する場合は、このオーバーコート膜17を、図5に示すように、前記複数の段面14a上(反射膜15の上)にオーバーコート材(弗素系樹脂やシリカ系樹脂等の透明樹脂)17aをコーティングローラ18により塗布するローラコート法により形成するのが望ましい。 【0058】なお、図5にはコーティングローラ18だけを示したが、前記オーバーコート材17は、図示しない供給手段によりコーティングローラ18の外周面に一定厚さに連続して供給され、このコーティングローラ18により前記複数の段面14a上に塗布される。 【0059】このローラコート法によれば、前記コーティングローラ18が接触しない前記段差面14bおよび前記段面14aの基端部付近の反射膜15の無い領域にはオーバーコート材が塗布されないため、1工程で前記複数の段面14a上だけにオーバーコート膜18を形成することができる。 【0060】この実施例の導光板10によれば、導光板本体11の複数の段面14a上に、前記導光板本体11と前記反射膜15との両方に対する密着性が高い下地膜16を設け、この下地膜16の上に前記反射膜15を形成しているため、前記段面14aに対する前記反射膜15の密着性を良くすることができる。 【0061】また、前記反射膜15の上にオーバーコート膜17を設けているため、前記反射膜15を前記オーバーコート膜17で保護し、前記反射膜15の耐湿性を向上させることができる。 【0062】しかも、この実施例では、前記下地膜16とオーバーコート膜17とをそれぞれ、導光板本体11の段差面14bには形成せず、前記複数の段面14a上だけに形成しており、したがって、前記段差面14bから出射する光が前記下地膜16およびオーバーコート膜17を透過することなく前面側に出射するため、導光板本体11の入射端面13から取り込まれた光を、前記段差面14bから高い出射効率で前面側に出射することができる。 【0063】この実施例のように前記反射膜15の上にオーバーコート膜17を設ける場合、前記オーバーコート膜17は、前記反射膜15の耐湿性を充分向上させることができる厚さ以上で、しかもオーバーコート膜17による光の吸収がほとんど無い厚さ以下の膜厚に形成するのが望ましい。 【0064】このオーバーコート膜17の望ましい膜厚は、オーバーコート膜17をSiO2 ,SiO,弗素系樹脂,シリカ系樹脂のいずれで形成する場合も、30〜200nmの範囲であり、前記オーバーコート膜17の膜厚がこの範囲であれば、前記反射膜15の耐湿性を充分向上させるとともに、オーバーコート膜17による光の吸収をほとんど無くして、前方からの入射光を高い反射率で前方に反射することができる。 【0065】一方、前記オーバーコート膜17により覆われた反射膜15は、可視光帯域の各波長光をそれぞれ前記オーバーコート膜17の分光特性に応じた反射率で反射させるため、反射光が前記各波長光の反射率の差に応じて着色する。 【0066】すなわち、前記オーバーコート膜17は、その材質と膜厚に応じた分光特性を有しており、可視光帯域の各波長光をそれぞれ、その分光特性に応じた透過率で透過させるため、前記反射光が、前記オーバーコート膜17の分光特性に応じて着色する。 【0067】また、前記オーバーコート膜17の分光特性は、温度および湿度の影響により経時変化し、その分光特性の経時変化により、前記反射光の色味が変化する。このオーバーコート膜17の分光特性の経時変化の程度は、オーバーコート膜17の膜厚により異なる。 【0068】そのため、前記反射光の着色をできるだけ少なくし、また、前記反射光の色味の経時変化を少なくして反射特性の信頼性を得るためには、前記オーバーコート膜17の膜厚を、その分光特性をできるだけ平坦化し、また分光特性の経時変化を小さくするように設定するのが好ましい。 【0069】前記オーバーコート膜17の好ましい膜厚を、Alからなる反射膜15の上にSiO2 からなるオーバーコート膜17を設ける場合を例にとって説明すると、その場合の反射光の着色を少なくできるオーバーコート膜厚は、100nm以下である。 【0070】すなわち、図6は、前記オーバーコート膜厚と、反射光の分光分布との関係を示している。なお、図6に示した反射光の分光分布は、反射膜15の上にオーバーコート膜17を成膜した直後の初期状態における分光分布である。 【0071】この図6の分光分布から分かるように、SiO2 からなるオーバーコート膜17で覆われた反射膜15により反射された反射光の着色は、オーバーコート膜厚が厚いほど大きく、オーバーコート膜厚が130nmのときは反射光が青味を強く帯び、オーバーコート膜が150nmのときは反射光が青緑の色味を強く帯びる。 【0072】しかし、前記オーバーコート膜17の膜厚を薄くしたときの反射光の着色は、例えばオーバーコート膜厚が30nmのときで僅かに黄色味を帯びる程度、オーバーコート膜が50nmのときで僅かに赤味を帯びる程度であり、オーバーコート膜が70nmのときは反射光がほとんど色を帯びなくなる。なお、図6には示していないが、オーバーコート膜厚を100nmにしたときも反射光の着色は少なく、したがって、オーバーコート膜厚を100nm以下にすれば、反射光の着色を少なくすることができる。 【0073】なお、上述したように、反射膜15の耐湿性を充分向上させるのに必要なオーバーコート膜17の膜厚は30nm以上であるため、前記SiO2 膜の好ましい膜厚は、30〜100nmの範囲である。 【0074】次に、反射光の経時変化について説明すると、図7はオーバーコート無しのときの反射光の分光分布の経時変化、図8はオーバーコート膜厚を30nmとしたときの反射光の分光分布の経時変化、図9はオーバーコート膜厚を80nmとしたときの反射光の分光分布の経時変化を示している。 【0075】図7〜図9において、(a)は、温度80℃、湿度0%の環境下での反射光の分光分布の経時変化、(b)は、温度40℃、湿度90%の環境下での反射光の分光分布の経時変化、(c)は、温度60℃、湿度90%の環境下での反射光の分光分布の経時変化を示しており、いずれの図においても、反射膜(Al )15の上にオーバーコート膜(SiO2 )17を成膜した直後の初期状態における反射光の分光分布を実線で示し、500時間経過後の反射光の分光分布を破線で示している。 【0076】まず、オーバーコート無しのときの反射光の分光分布の変化を見ると、オーバーコート無しでも、温度80℃、湿度0%の環境下では、図7の(a)のように、500時間経過後の各波長光の反射率は初期状態に比べて若干低下するが、反射光の色味の変化は少なく、また、温度40℃、湿度90%の環境下では、図7の(b)のように、500時間経過後も初期状態とほとんど変わらない反射率および色味を維持する。しかし、温度60℃、湿度90%の環境下では、図7の(c)のように、時間の経過にともなって各波長光の反射率が初期状態よりも極端に低下し、反射光の色味も大きく変化する。 【0077】これに対して、反射膜15の上にオーバーコート膜17を30nmの膜厚に形成したときの反射光の分光分布の変化を見ると、このときは、図8の(a)〜(c)のように、温度80℃、湿度0%の環境下、温度40℃、湿度90%の環境下、温度60℃、湿度90%の環境下のいずれにおいても、各波長光の反射率および反射光の色味は、500時間経過後も、初期状態とほとんど変わらないか、あるいは極く僅かに変化する程度である。 【0078】一方、反射膜15の上にオーバーコート膜17を80nmの膜厚に形成したときの反射光の分光分布の変化を見ると、このときは、温度80℃、湿度0%の環境下において、図9の(a)のように、時間の経過にともなって各波長光の反射率が初期状態よりも低下し、反射光の色味も変化する。 【0079】しかし、温度40℃、湿度90%の環境下、および温度60℃、湿度90%の環境下では、図9の(b)および(c)のように、各波長光の反射率および反射光の色味は、500時間経過後も、初期状態とほとんど変わらないか、あるいは極く僅かに変化する程度である。 【0080】上記図7と、図8および図9とを比較して見れば分かるように、反射膜15の上にオーバーコート膜17が無いときは、高温多湿の環境下において、時間の経過にともなって反射光の色味が変化するが、反射膜15をオーバーコート膜17で覆うことにより、反射膜15の耐湿性を向上させ、高温多湿の環境下でも、経時変化による反射光の色味の変化を少なくして、反射特性の信頼性を向上させることができる。 【0081】なお、前記オーバーコート膜17の膜厚を例えば80nmにしたときは、温度80℃、湿度0%の環境下において、図9の(a)のように、時間の経過にともなって反射光の色味が変化するが、湿度0%の環境は特殊な例であり、屋内または屋外の通常の環境は、ある程度湿度が高い環境である。 【0082】そして、オーバーコート膜厚を80nmに形成したときは、図9の(b)および(c)のように、温度40℃、湿度90%の環境下、および温度60℃、湿度90%の環境下のいずれにおいても、経時変化による反射光の色味の変化が少ないため、反射特性の信頼性を向上させることができる。 【0083】また、例えばオーバーコート膜厚を30nmとしたときは、図8の(a)〜(c)のように、温度80℃、湿度0%の環境下、温度40℃、湿度90%の環境下、温度60℃、湿度90%の環境下のいずれにおいても、経時変化による反射光の色味の変化が少ないため、反射特性の信頼性を向上させることができる。 【0084】さらに、反射膜15をオーバーコート膜17で覆うと、反射光が色味を帯びるが、オーバーコート膜厚が、上述した30〜100nmの範囲であれば、反射光の着色を少なくすることができる。 【0085】したがって、前記オーバーコート膜厚は、30〜100nmの範囲が好ましく、その範囲であれば、反射光の着色を少なくするとともに、経時変化による反射光の色味の変化が少なくして、反射特性の信頼性を向上させることができる。 【0086】なお、上記第2の実施例では、前記下地膜16とオーバーコート膜17とを、前記導光板本体11の段差面14bには形成せず、前記複数の段面14a上だけに形成しているが、SiO2 またはSiOからなる前記下地膜16と、SiO2,SiO,弗素系樹脂,シリカ系樹脂等からなるオーバーコート膜17は、いずれも高い光透過性を有するため、前記下地膜16とオーバーコート膜17は、前記段面14a上から段差面14bにわたって形成してもよい。 【0087】その場合は、前記下地膜16およびオーバーコート膜17を、前記段面14aに対して垂直な方向からの蒸着またはスパッタ、メッキ、スピンコート等の方向で形成することができる。 【0088】また、上記第2の実施例では、導光板本体11の複数の段面14a上に下地膜16を設け、この下地膜16の上に反射膜15を形成しているが、導光板本体11と前記反射膜15との密着性が充分である場合は、前記下地膜16を省略してもよい。 【0089】図10はこの発明の第3の実施例を示す導光板の側面図である。この実施例の導光板10は、導光板本体11の階段形状面14の複数の段差面14bのピッチを、入射端面13から遠ざかる方向に向かって順次小さくしたものである。 【0090】なお、この実施例の導光板10は、導光板本体11の階段形状面14の段差面14bのピッチが異なるが、他の構成は第1の実施例のものと同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。 【0091】この実施例の導光板10は、導光板本体11の入射端面13から取り込まれ、前記階段形状面14の複数の段差面14bから前面側に出射する出射光の輝度分布を平均化させるようにしたものである。 【0092】すなわち、前記導光板本体11にその入射端面13から取り込まれた光は、この導光板本体11内を他端方向に導かれるのにともなって強度を減じるが、この実施例の導光板10は、前記階段形状面14の複数の段差面14bのピッチを、入射端面13から遠ざかる方向に向かって順次小さくしているため、導光板本体11の他端方向に近づくほど、光の出射間隔(段差面14bの間隔)を小さくし、前面側に出射する出射光の輝度分布を平均化することができる。 【0093】図11はこの発明の第4の実施例を示す導光板の側面図である。この実施例の導光板10は、導光板本体11の背面を、背面側に膨らむ形状に形成したものであり、この実施例では、導光板本体11の入射端面13側の部分の背面を、前記入射端面13から遠ざかる方向に向かって階段形状面14の段差面14との間隔を広げるように傾斜する傾斜面11aとし、この傾斜面11aから導光板本体11の中間付近までの間の部分の背面を、前記傾斜面11aと同じ方向にその傾斜角度よりも小さい角度で傾斜する緩傾斜面11bとし、この緩傾斜面11bから導光板本体11の他端までの間の部分の背面を、前記段差面14とほぼ平行な平坦面11cとしている。 【0094】なお、この実施例の導光板10は、導光板本体11の背面の形状が異なるが、他の構成は第1の実施例のものと同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。 【0095】この実施例の導光板10によれば、導光板本体11の背面を、背面側に膨らむ形状に形成しているため、前記導光板本体11にその入射端面13から取り込まれた光を、効率良く導光板本体11の他端側に導いて、導光板本体11の全体にほぼ均等に光を行き渡らせることができる。 【0096】したがって、導光板本体11の階段形状面14のどの段差面14bからもほぼ同じ輝度の光を出射させることができるため、前記段差面14bのピッチが一定であっても、前面側に出射する出射光の輝度分布を平均化することができる。 【0097】なお、上述した第1〜第4の実施例では、導光板本体11の背面全体に鏡面反射板12を設けているが、この鏡面反射板12を省略し、導光板本体11内をその背面に向かって進む光を、導光板本体11の背面と外気(空気)との界面で全反射させるようにしてもよい。 【0098】その場合でも、導光板本体11内をその背面に向かって進む光のほとんどが導光板本体11の背面と外気との界面に対して全反射臨界角以上の角度で入射して全反射されるため、導光板本体11内を導かれる光が背面側に漏れることはほとんどなく、したがって、前記入射端面12から取り込んだ光を、無駄なく前記段差面14bから出射することができる。 【0099】上述した第1〜第4の実施例の導光板10は、いずれも、導光板本体11にその入射端面13から取り込んだ光を前記導光板本体11の複数の段差面14bから出射し、前方から入射する光を前記導光板本体11の複数の段面14a上に設けられた反射膜15により反射するため、前記複数の段差面14bから出射する光の出射方向と、前記複数の段面14a上の反射膜15により反射された光の出射方向とが異なるが、例えば前記導光板10前面側に、前記複数の段差面14bから出射する光を取り込んでその光を前方に出射するとともに、前方からの入射光を背面から出射し、前記複数の段面14a上の反射膜15により反射されて前記背面から入射する光を前方に出射する光学部材を配置することにより、前記複数の段差面14bからの出射光と、前記複数の段面14a上の反射膜15により反射された光とを、いずれも前方に向けて出射させることができる。 【0100】したがって、前記導光板10の側方にその入射端面13に対向させて光源部を配置するとともに、前記導光板10の前面側に前記光学部材を配置することにより、前記光源部からの光を前方に出射するとともに、前方から入射する外光を反射させて前方に出射する照明手段を構成することができ、この照明手段を用いれば、半透過反射板を使用することなく、自然光や室内光等の外光を利用する反射型表示と、光源部からの光を利用する透過型表示との両方の表示を行なう2ウエイ表示装置を構成することができる。 【0101】図12および図13は上記導光板10を用いた2ウエイ表示装置の一例を示しており、図12は2ウエイ表示装置の側面図、図13はその照明手段の一部分の拡大図である。 【0102】この2ウエイ表示装置は、透過型表示手段、例えば液晶表示素子20の背後に、光源部からの光を前記液晶表示素子20の背面に向けて出射するとともに、前記液晶表示素子20の前方から入射する外光を前記液晶表示素子20の背面に向けて反射させる照明手段21を配置したものであり、前記照明手段21は、上述した導光板(図では第1 の実施例の導光板)10と、この導光板10の側方に配置された光源部22と、前記導光板10の前面側に配置された光学部材25とからなっている。 【0103】前記光源部22は、例えば、前記導光板10の入射端面13の全長にわたる長さの直管状蛍光ランプ23と、この蛍光ランプ23からの照明光を反射させるリフレクタ24とからなっており、この光源部22は、前記導光板10の側方に、その入射端面13に対向させて配置されている。なお、前記光源部22は、蛍光ランプ23を用いるものに限らず、例えば複数のLED(発光ダイオード)を整列させたLEDアレイ等を用いるものでもよい。 【0104】一方、前記導光板10の前面側に配置された光学部材25は、前記導光板10の複数の段差面14bから出射する光を取り込んでその光を前方に出射するとともに、前方からの入射光を背面から出射し、前記導光板10の複数の段面14a上の反射膜15により反射されて前記背面から再び光学部材25に入射する光を前方に出射する。 【0105】この光学部材25は、前記導光板10とほぼ同じ横幅を有するアクリル系樹脂等からなる透明板であり、その前面、つまり光を出射する面は平坦面となっており、背面に、前記導光板10の階段形状面14の各段差面14bから出射する光を取り込むための複数の入射部26が所定のピッチで一体に突設されている。 【0106】これらの入射部26は、光学部材25の横幅全長にわたる長さの横長な突起状に形成されており、前記光学部材25は、その背面の各入射部26の長さ方向を前記導光板10の各段差面14bの長さ方向と平行にするとともに、前記複数の入射部26の頂部をそれぞれ、前記導光板10の複数の段面14a上の反射膜15の表面またはその延長面上に近接または一致させて前記導光板10の前面側に配置されている。 【0107】なお、前記導光板10は、その複数の段面14aの先端縁を通る仮想線が、前記光学部材25の複数の入射部26の頂部を通る仮想線とほぼ平行になるように、長さ方向に傾けて配置されている。 【0108】そのため、前記導光板10の段面14a上の反射膜15と、前記光学部材25の入射部26の頂部との間隔は、前記段面14aに対する前記入射部26の対向位置によって異なり、前記入射部26の対向位置が前記段面14aの基端側(図において左側)に近づくほど前記間隔が大きくなり、前記入射部26の対向位置が前記段面14aの先端側(図において右側)に近づくほど前記間隔が小さくなっている。 【0109】また、前記導光板10と光学部材25との間の隙間は空気層Eとなっており、導光板10と光学部材25とは、それぞれの周縁部において図示しないスペーサを介して接合されている。 【0110】前記光学部材25の複数の入射部26はそれぞれ、三角形状の断面形状を有しており、その両側面のうち、前記導光板10の段差面14bと対向する一方の側面(図において左側の側面)と前記空気層Eとの界面が、前記段差面14bからの出射光を取り込む第1の光学界面26aとされ、他方の側面(図において右側の側面)と前記空気層Eとの界面が、前記第1の光学界面26aから取り込んだ光をこの光学部材26の前面方向に向けて屈折させる第2の光学界面26bとされている。 【0111】前記第1の光学界面26aは、前記光学部材26の前面の法線に対し、前記入射部26の頂部から基部に向かって前記導光板10の段差面14bに向き合う方向に僅かな傾き角度で傾斜する面であり、この第1の光学界面26aは、前記導光板10の段差面14bに対して、ほぼ平行またはそれに近い状態で対向している。 【0112】また、前記光学部材25の各入射部26の第2の光学界面26bは、前記光学部材26の前面の法線に対して、前記第1の光学界面26aとは反対方向に傾いた傾斜面であり、この第2の光学界面26bと前記法線とのなす角度は、例えば30〜50度の範囲に設定されている。 【0113】さらに、前記複数の入射部26は、所定の間隔を存して設けられており、前記光学部材25の背面の前記複数の入射部26の間の領域、つまり、前記光学部材25の各入射部26の間の領域の背面と前記空気層Eとの界面は、前記光学部材25の前方から入射した光を背面側に出射し、前記導光板10の前記段面14a上の反射膜15により反射された光を前記光学部材25に入射させる第3の光学界面27となっている。この第3の光学界面27は、前記導光板10の前記段面14a上の反射膜15に対して、ほぼ平行または極く小さい傾き角度をもって対向するように形成されている。 【0114】また、前記光学部材25の前記複数の入射部26は、前記液晶表示素子20の画素部の配列ピッチ(以下、画素ピッチという)と、前記導光板10の複数の段差面14bのピッチのいずれよりも小さいピッチで設けられている。 【0115】なお、図では、便宜上、前記導光板10の階段形状面14および光学部材25の各入射部26とその間の第3の光学界面27を大きく誇張して示しているが、前記液晶表示素子20の画素ピッチは例えば100〜200μmと極く小さく、この液晶表示素子20の画素ピッチに応じて前記光学部材25の入射部26のピッチが設定され、この入射部26のピッチに応じて前記導光板10の段差面14bのピッチが設定されている。 【0116】そして、この実施例の表示装置では、上記照明手段21を、その光源部22の配置側を外光の主な取り込み方向に向けて、液晶表示素子20の背後に配置している。 【0117】すなわち、2ウエイ表示装置は、外光を利用するときは通常の反射型表示装置と同様に、画面の法線に対して画面の上縁側に傾いた方向から主に外光を取り込むように画面の向きを選んで使用されるため、この実施例では、上記照明手段21を、外光の主な取り込み方向である画面の上縁側、つまり液晶表示素子20の上縁側(図12おいて左側)に光源部22の配置側を向けて配置している。 【0118】この2ウエイ表示装置は、充分な明るさの外光が得られるときは外光を利用する反射型表示を行ない、充分な明るさの外光が得られないときは、照明手段21の光源部22を点灯させて、光源光を利用する透過型表示を行なうものであり、光源光を利用するときは、前記照明手段21からの出射光が液晶表示素子20にその背面側から入射し、その光が前記液晶表示素子20を透過して前方に出射する。 【0119】また、外光を利用するときは、液晶表示素子20の前方から入射する外光が前記液晶表示素子20を透過してその背後の前記照明手段21により反射され、その反射光が再び前記液晶表示素子20を透過して前方に出射する。 【0120】まず、前記光源光を利用する透過型表示について説明すると、前記光源部22からの光は、導光板10にその入射端面13から取り込まれてこの導光板10内を導かれ、図13に実線で示した経路のように、前記導光板10の階段形状面14の複数の段差面14bから出射する。 【0121】前記導光板10の複数の段差面14bから出射した光はそれぞれ、光学部材25の背面に形成された突起状の複数の入射部26のいずれかに、その第1の光学界面26aから入射する。 【0122】このとき、上述したように、前記光学部材25の複数の入射部26のピッチは、前記導光板10の複数の段差面(出射面)14bのピッチよりも小さいため、前記導光板10の各段差面14bに対してそれぞれ前記光学部材25の1つ以上の入射部26が必ず対向しており、したがって、前記導光板10の複数の段差面14bから出射する光のほとんどが、ロス光となることなく、前記光学部材25の複数の入射部26のいずれかに、その第1の光学界面26aから入射する。 【0123】なお、図13に示したように、前記導光板10の複数の段差面14bからの出射光のなかには、次の段面14aに向かって出射する光もあるが、その光は、前記次の段面14a上の反射膜15により反射されて光学部材25の入射部26に入射する。 【0124】前記光学部材25の各入射部26に入射した光はそれぞれ、これらの入射部26の第1の光学界面26aから前記入射部26内に取り込まれ、その光が、反対側の第2の光学界面26bに入射し、この光学界面26bで全反射して前方(光学部材25の前面方向)に向けて屈折され、光学部材25の前面から前方に出射する。 【0125】そして、前記光学部材25の前方に出射した光、つまり照明手段21からの出射光は、液晶表示素子20にその背面から入射し、この液晶表示素子20の各画素部Aを透過して前方に出射する。 【0126】次に、外光を利用する表示について説明すると、このときは、外光が液晶表示素子20にその前面から様々な入射角で入射し、この液晶表示素子20を透過した光が、前記照明手段21の光学部材25にその前面から入射角で入射する。 【0127】前記光学部材25にその前方から入射した光は、図13に破線矢印で示した経路のように、この光学部材25内を厚さ方向に導かれてその背面から出射し、前記導光板10の複数の段面14a上の反射膜15により反射される。 【0128】このとき、前記照明手段21は、上述したように、その光源部22の配置側を表示装置の外光の主な取り込み方向である画面の上縁側に向けて配置しているため、前記光学部材25にその前方から入射する外光は、主に、この光学部材25の背面の各入射部26の第2の光学界面26bおよび隣接する入射部26の間の第3の光学界面27に向かう光である。 【0129】そして、これらの入射光は、前記第2の光学界面26bおよび第3の光学界面27に対して全反射臨界角より小さい入射角で入射するため、この界面26b,20を透過して背面側に出射し、導光板10の複数の段面14a上の反射膜15により反射される。 【0130】なお、外光は、その主な取り込み方向である画面の上縁側からだけでなく、他の方向からも入射するため、前記光学部材25にその前方から入射する外光のなかには、前記各入射部26の第1の光学界面26aに向かう光もあるが、その光は、前記第1の光学界面26aに全反射臨界角より大きい入射角で入射して、この界面26aで全反射して向きを変え、前記第2の光学界面26bから背面側に出射して、導光板10の各段面14a上の反射膜15により反射される。 【0131】前記導光板10の複数の段面14a上の反射膜15により反射された反射光は、前記光学部材25にその背面から取り込まれ、この光学部材25内を厚さ方向に導かれてその前面から前方に出射する。 【0132】なお、前記導光板10の各段面14a上の反射膜15で反射された光は、前記光学部材25の背面に形成された複数の入射部26と、これらの入射部26の間の第3の光学界面27から光学部材25に入射するが、前記入射部26の第1の光学界面26aは、前記反射膜15に対して垂直に近いため、前記反射膜15で反射された光は、そのほとんどが、光学部材25の各入射部26の第2の光学界面26bおよび前記第3の光学界面27から取り込まれる。 【0133】そして、前記入射部26の第2の光学界面26bから取り込まれた光のうちの反対側の第1の光学界面26aに向かう光以外の光(光学部材25の前面方向に向かう光)と、前記第3の光学界面27から取り込まれた光は、直接光学部材25の前面から出射し、また、前記第2の光学界面26bから取り込まれた光のうちの前記第1の光学界面26aに向かう光は、この第1の光学界面26aで全反射して前方に向きを変え、光学部材25の前面から出射する。 【0134】そして、前記光学部材25の前方に出射した反射光は、前記液晶表示素子20にその背面から入射し、この液晶表示素子20の各画素部Aを透過して前方に出射する。 【0135】すなわち、前記照明手段21は、光源部22からの照明光を前方に出射するだけでなく、前方から入射する外光を反射させて前方に出射する機能をもっているものであり、光源部22を点灯させて透過型表示を行なうときは、前記光源部22からの光が、前記導光板10にその入射端面13から取り込まれて前記階段形状面14の複数の段差面14bから出射し、その光が前記光学部材25に取り込まれ、この光学部材25の前面から前方に出射する。 【0136】そして、このときは、前記導光板10の複数の段差面14bから出射する光のほとんどがロスなく前記光学部材25の背面の複数の入射部26にその第1の光学界面26aから取り込まれ、その光が前記入射部26の第2の光学界面26bにより全反射されて前方に屈折し、所定方向に高い輝度で出射する指向性をもった輝度分布の光となって前記光学部材25の前方に出射する。そのため、前記光源部22からの光を効率良く前方に出射することができる。 【0137】また、外光を利用する反射型表示を行なうときは、前記液晶表示素子20の前方から入射し、この液晶表示素子20を透過してその背後の前記照明手段21に入射する外光が、前記光学部材25を透過して前記導光板10の階段形状面14の複数の段面14a上の反射膜15により反射され、その反射光が前記光学部材25を透過してその前面から前方に出射する。 【0138】この場合、前記導光板10の階段形状面14は、前記複数の段面14aと、これらの段面14aをつなぐ複数の段差面14bとからなっているが、前記複数の段面14a上に形成された反射膜15は、前記段面14aの基端部付近の極く狭い領域を除くほぼ全体にわたって設けられており、したがって、前記導光板10は、前方から入射する外光に対して、平板状の反射板とほとんど変わらない反射特性を示すため、前方から入射した外光を効率良く反射させることができる。 【0139】すなわち、上記2ウエイ表示装置は、液晶表示素子20の背後に、前記導光板10とその入射端面13の側方に配置された光源部22と、前記導光板10の前面側に配置された光学部材25とからなり、前記光源部22からの光と前記液晶表示素子20の前方から入射する外光とをそれぞれ前方に出射する機能をもった前記照明手段21を配置することにより、半透過反射板を用いずに2ウエイ表示を行なうようにしたものであり、したがって、半透過反射板による光のロスが無く、また、前記照明手段21が、光源部22からの光も、前記液晶表示素子20の前方から入射する外光も効率良く前方に出射するため、外光を利用する反射型表示と、光源光を利用する透過型表示との両方の表示を充分に明るくすることができる。 【0140】なお、前記照明手段21は、2ウエイ表示装置に限らず、側方から入射する光源部22からの光を前方に出射し、前方から入射する外光を前方に反射させる面光源等として広い分野に利用することができる。 【0141】さらに、この発明の導光板は、前記光学部材25と組み合わせて前記照明手段21を構成する以外に、前記入射端面13の側方に配置される光源部22からの光を前記複数の段差面14bから出射し、前方から入射する外光を前方に反射させる照明パネル等としても使用することもできる。 【0142】 【発明の効果】この発明の導光板は、側方から入射する光を取り込む入射端面と、照明光を発生する前面とを備え、前記前面は、前記入射端面から入射した光を導いて所定の方向に向けて出射する出射面と、前面に向けて入射する外光を反射させるための、前記出射面とは異なる反射面とから形成されているため、側方から入射する光を前記出射面より出射させて、前記前面に向けて入射する外光を前記反射面により反射させることができる。 【0143】また、この発明の導光板は、側方から入射する光を取り込む入射端面と、複数の段面およびこれらの段面をつなぐ複数の段差面とからなる階段形状に形成された前面とを有し、前記入射端面から取り込まれた光を前記複数の段差面から出射する導光板本体と、この導光板本体の前記複数の段面上に設けられ、前方から入射する光を反射する反射膜とからなるものであるため、側方から入射する光を前面側に出射するとともに、前方から入射する光を前方に反射することができる。 【0144】また、この発明の導光板の製造方法は、側方から入射する光を取り込む入射端面と、複数の段面およびこれらの段面をつなぐ複数の段差面とからなる階段形状に形成された前面とを有する導光板本体の前記複数の段面上に、その段面の法線に対し前記段差面側に所定角度傾いた方向から反射材を蒸着またはスパッタして前記反射膜を成膜するものであるため、前記導光板を、容易に且つ低コストに製造することができる。 【0145】この発明の導光板においては、前記複数の段面上に、前記導光板本体と前記反射膜との両方に対する密着性が高い下地膜を設け、この下地膜の上に前記反射膜を形成するのが好ましく、このようにすることにより、前記段面に対する前記反射膜の密着性を良くすることができる。 【0146】また、前記反射膜は、その上に透明なオーバーコート膜を設けることにより、このオーバーコート膜で保護することが好ましく、このようにすることにより、前記反射膜の耐湿性を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001443 【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月29日(1998.7.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−48619(P2000−48619A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−213966 |
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