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【発明の名称】 導光体、照明装置及びそれを用いた画像読取装置
【発明者】 【氏名】杉山 美穂

【要約】 【課題】装置全体の小型化、光量分布の均一化を可能とした導光体、照明装置及びそれを用いた画像読取装置を提供すること。

【解決手段】柱状の透光性部材であり、端面を光入射面とし、側面の少なくとも一部を光射出面6とする導光体Fにおいて、該光入射面から入射する光束を制限する絞り2を設けたこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 柱状の透光性部材であり、端面を光入射面とし、側面の少なくとも一部を光射出面とする導光体において、該光入射面から入射する光束を制限する絞りを設けたことを特徴とする導光体。
【請求項2】 柱状の透光性部材であり、端面を光入射面とし、側面の少なくとも一部を光射出面とする導光体において、該光入射面から入射する光束が側面に対し臨界角以上の入射角度で入射するように該光束を制限する絞りを設けたことを特徴とする導光体。
【請求項3】 前記絞りが、前記光射出面方向及び該光射出面と対向する導光体側面方向への光束を制限することを特徴とする請求項1又は2記載の導光体。
【請求項4】 前記絞りの開口中心と前記入射面から入射する光束の光源の発光中心とが導光体長手方向で一致し、該絞りの開口幅をd、該光源から絞りまでの距離をL、導光体内部の屈折率をn1、導光体外の屈折率をn2としたとき、d≦2Ltan(90− sin-1(n2/n1))
であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の導光体。
【請求項5】 前記絞りの導光体端部側の面と、該絞りよりも端部側の側面と、端面とのうち、少なくとも一部が鏡面であることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の導光体。
【請求項6】 前記鏡面は、光源からの光束を反射することにより前記絞りを通過させる形状であることを特徴とする請求項5の何れか1項に記載の導光体。
【請求項7】 前記光入射面と絞りが長手方向の両端に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の導光体。
【請求項8】 前記光入射面と絞りが長手方向の一方の端部にあり、他端部に端部反射面があることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の導光体。
【請求項9】 前記光射出面と対向する面に反射部を有していることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の導光体。
【請求項10】 前記反射部が、前記光入射面からの光束を光射出面へ臨界角より小さい入射角で入射するように反射する複数の反射面からなる鋸刃形状であることを特徴とする請求項9記載の導光体。
【請求項11】 前記反射面の反射率が、80%以上であることを特徴とする請求項10に記載の導光体。
【請求項12】 光源からの光束を前記請求項1乃至11の何れか1項に記載の導光体の光入射面に入射させ、前記光射出面から射出する光束で被照明物体を照明することを特徴とする照明装置。
【請求項13】 光源からの光束を柱状の導光体の光入射面である端面に入射させ、該導光体側面に設けた光射出面から射出する光束で被照明物体を照明する照明装置において、 該光源からの光束を制限する絞りを設けたことを特徴とする照明装置。
【請求項14】 光源からの光束を柱状の導光体の光入射面である端面に入射させ、該導光体側面に設けた光射出面から射出する光束で被照明物体を照明する照明装置において、 該光入射面から入射する光束が導光体側面に対し臨界角以上の入射角度で入射するように該光束を制限する絞りを設けたことを特徴とする照明装置。
【請求項15】 前記絞りの開口中心と前記光源の発光中心とが導光体長手方向で一致し、該絞りの開口幅をd、該光源から絞りまでの距離をL、導光体内部の屈折率をn1、導光体外の屈折率をn2としたとき、d≦2Ltan(90− sin-1(n2/n1))
であることを特徴とする請求項13又は14記載の照明装置。
【請求項16】 前記光源を内包する光源部筐体を有し、該光源部筐体の一部に前記絞りを設け、該絞りと該光源部筐体の内面の一部若しくは全部が鏡面であることを特徴とする請求項13,14又は15記載の照明装置。
【請求項17】 前記光源部筐体内面の鏡面が、光源からの光束を反射することにより前記絞りを通過させ導光体に入射させる形状であることを特徴とする請求項16に記載の照明装置。
【請求項18】 前記光入射面と絞りが長手方向の両端に設けられていることを特徴とする請求項10乃至17の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項19】 前記光入射面と絞りが長手方向の一方の端部にあり、他端部に端部反射面があることを特徴とする請求項10乃至17の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項20】 前記光射出面と対向する面に反射部を有していることを特徴とする請求項10乃至19の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項21】 前記反射部が、前記光入射面からの光束を光射出面へ臨界角より小さい入射角で入射するように反射する複数の反射面からなる鋸刃形状であることを特徴とする請求項20記載の照明装置。
【請求項22】 前記反射面の反射率が、80%以上であることを特徴とする請求項21に記載の照明装置。
【請求項23】 前記光源が、前記光入射面の光入射位置に配置したLEDであることを特徴とする請求項9乃至22の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項24】 前記光源が、単色のLEDであることを特徴とする請求項23記載の照明装置。
【請求項25】 前記光源が、複数色のLEDであることを特徴とする請求項23記載の照明装置。
【請求項26】 照明手段によって照明された原稿からの光束を結像レンズに入射させ、該結像レンズからの光束を受光素子面上に導光し、該受光素子面上に該原稿の像を形成して読み取りを行う画像読取装置であって、該照明手段として請求項9乃至25の何れか1項に記載の照明装置を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導光体、照明装置及びそれを用いた画像読取装置に関し、特に原稿を線状の光束で光走査しながら照明し、該原稿からの光束を受光面上に導光して該原稿の像を形成し、読み取りを行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は従来例(特開平9−61633号公報)を説明する図であり、光源27からの光束を柱状導光体29の端部より入射させて該導光体29内を伝播させ、光拡散部28を照射した光束を拡散させて一部を光射出部30より図の下方向に射出するものである。
【0003】図9は前記図8の導光体29によって得られる光量分布及び照明原理を示す図である。光源27から導光体29に入射した光束のうち、導光体内壁に全反射条件を満足する角度で入射したものは全反射して導光体29内を伝播する。また、該光束のうち光拡散部28を照射した光束の大半は導光体内壁の対向位置に設けられた光射出部30へ全反射条件を満たさない角度で当たり、導光体外へと射出され、照明光となる。
【0004】一方、発光体27からの光束のうち、全反射条件を満たさない角度で導光体29の端部付近の内壁に直接入射した光束は、そのまま導光体の外へ抜け出る。また発光体27からの光束のうち、入射部近傍の光拡散部28を照射した光束も拡散されたのち、大部分が全反射条件を満たさない角度で端部付近から導光体外へ抜け出る。この様にして得られた光量分布は図9の様に入射面に近い部分において非常に高い光量分布を持つ照明光となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】即ち、従来の柱状導光体を用いた照明装置においては以下のような問題点があった。
【0006】■.導光体端部より入射した光束が、導光体内の入射部近傍において、全反射せずに導光体より外へ射出されてしまい、図9のような入射部近傍に輝線状のピークを持つ綱領分布となってしまう。また、入射部近傍の拡散部を照射する光束も高い光量を持っており、この光束の大半が全反射せずに導光体外へと射出されるため、入射部近傍においてはさらに極端に不均一な照明光量分布となってしまう。これを避けるために導光体端部付近の照射光を使わず、照明範囲をカバーするために導光体の全長を長くすれば、照明装置の大型化を招く。
【0007】■.カラー原稿を照明するべく3色(RGB)の発光体を導光体の端部に配置すると、導光体に対する各発光体の位置の違いにより敏感にRGB光の光量分布が変化し、読み取った画像に色ずれを引き起こす原因となりうる。特に導光体の端部においては前記■の現象によりRGBごとの光量分布は極端に現れる。
【0008】そこで本発明では、入射光束を制限する絞りを設けて、該入射光束が導光体内へ適切に入射するように設定し、装置全体の小型化、光量分布の均一化を可能とした導光体、照明装置及びそれを用いた画像読取装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の導光体、照明装置及び画像読取装置は、以下の構成をとるものである。
【0010】〔1〕:柱状の透光性部材であり、端面を光入射面とし、側面の少なくとも一部を光射出面とする導光体において、該光入射面から入射する光束を制限する絞りを設けたことを特徴とする導光体。
【0011】〔2〕:柱状の透光性部材であり、端面を光入射面とし、側面の少なくとも一部を光射出面とする導光体において、該光入射面から入射する光束が側面に対し臨界角以上の入射角度で入射するように該光束を制限する絞りを設けたことを特徴とする導光体。
【0012】〔3〕:前記絞りが、前記光射出面方向及び該光射出面と対向する導光体側面方向への光束を制限することを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の導光体。
【0013】〔4〕:前記絞りの開口中心と前記入射面から入射する光束の光源の発光中心とが導光体長手方向で一致し、該絞りの開口幅をd、該光源から絞りまでの距離をL、導光体内部の屈折率をn1、導光体外の屈折率をn2としたとき、d≦2Ltan(90− sin-1(n2/n1))
であることを特徴とする〔1〕,〔2〕又は〔3〕記載の導光体。
【0014】〔5〕:前記絞りの導光体端部側の面と、該絞りよりも端部側の側面と、端面とのうち、少なくとも一部が鏡面であることを特徴とする〔1〕,〔2〕,〔3〕又は〔4〕記載の導光体。
【0015】〔6〕:前記鏡面は、光源からの光束を反射することにより前記絞りを通過させる形状であることを特徴とする〔5〕の何れか1項に記載の導光体。
【0016】〔7〕:前記光入射面と絞りが長手方向の両端に設けられていることを特徴とする〔1〕乃至〔6〕の何れか1項に記載の導光体。
【0017】〔8〕:前記光入射面と絞りが長手方向の一方の端部にあり、他端部に端部反射面があることを特徴とする〔1〕乃至〔6〕の何れか1項に記載の導光体。
【0018】〔9〕:前記光射出面と対向する面に反射部を有していることを特徴とする〔1〕乃至〔8〕の何れか1項に記載の導光体。
【0019】〔10〕:前記反射部が、前記光入射面からの光束を光射出面へ臨界角より小さい入射角で入射するように反射する複数の反射面からなる鋸刃形状であることを特徴とする〔9〕記載の導光体。
【0020】〔11〕:前記反射面の反射率が、80%以上であることを特徴とする〔10に記載の導光体。
【0021】〔12〕:光源からの光束を前記〔1〕乃至〔11〕の何れか1項に記載の導光体の光入射面に入射させ、前記光射出面から射出する光束で被照明物体を照明することを特徴とする照明装置。
【0022】〔13〕:光源からの光束を柱状の導光体の光入射面である端面に入射させ、該導光体側面に設けた光射出面から射出する光束で被照明物体を照明する照明装置において、該光源からの光束を制限する絞りを設けたことを特徴とする照明装置。
【0023】〔14〕:光源からの光束を柱状の導光体の光入射面である端面に入射させ、該導光体側面に設けた光射出面から射出する光束で被照明物体を照明する照明装置において、該光入射面から入射する光束が導光体側面に対し臨界角以上の入射角度で入射するように該光束を制限する絞りを設けたことを特徴とする照明装置。
【0024】〔15〕:前記絞りの開口中心と前記入射面から入射する光束の光源の発光中心とが導光体長手方向で一致し、該絞りの開口幅をd、該光源から絞りまでの距離をL、導光体内部の屈折率をn1、導光体外の屈折率をn2としたとき、d≦2Ltan(90− sin-1(n2/n1))
であることを特徴とする〔13〕又は〔14〕記載の照明装置。
【0025】〔16〕:前記光源を内包する光源部筐体を有し、該光源部筐体の一部に前記絞りを設け、該絞りと該光源部筐体の内面の一部若しくは全部が鏡面であることを特徴とする〔13〕,〔14〕又は〔15〕記載の照明装置。
【0026】〔17〕:前記光源部筐体内面の鏡面が、光源からの光束を反射することにより前記絞りを通過させ導光体に入射させる形状であることを特徴とする〔16〕記載の照明装置。
【0027】〔18〕:前記光入射面と絞りが長手方向の両端に設けられていることを特徴とする〔10〕乃至〔17〕の何れか1項に記載の照明装置。
【0028】〔19〕:前記光入射面と絞りが長手方向の一方の端部にあり、他端部に端部反射面があることを特徴とする〔10〕乃至〔17〕の何れか1項に記載の照明装置。
【0029】〔20〕:前記光射出面と対向する面に反射部を有していることを特徴とする〔10〕乃至〔19〕の何れか1項に記載の照明装置。
【0030】〔21〕:前記反射部が、前記光入射面からの光束を光射出面へ臨界角より小さい入射角で入射するように反射する複数の反射面からなる鋸刃形状であることを特徴とする〔20〕記載の照明装置。
【0031】〔22〕:前記反射面の反射率が、80%以上であることを特徴とする〔21〕記載の照明装置。
【0032】〔23〕:前記光源が、前記光入射面の光入射位置に配置したLEDであることを特徴とする〔9〕乃至〔22〕の何れか1項に記載の照明装置。
【0033】〔24〕:前記光源が、単色のLEDであることを特徴とする〔23〕記載の照明装置。
【0034】〔25〕:前記光源が、複数色のLEDであることを特徴とする〔23〕記載の照明装置。
【0035】〔26〕:照明手段によって照明された原稿からの光束を結像レンズに入射させ、該結像レンズからの光束を受光素子面上に導光し、該受光素子面上に該原稿の像を形成して読み取りを行う画像読取装置であって、該照明手段として〔9〕乃至〔25〕の何れか1項に記載の照明装置を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【0036】〈作用〉上記〔1〕,〔2〕,〔13〕又は〔14〕の発明は、導光体端部の光入射面に導光体への入射光を制限する絞りを設けたことにより、光源からの光束が導光体内で全反射せずに導光体外へ射出するのをなくし、導光体端部近傍において導光体外に射出される高輝度な光束を制限し、装置の小型化を図りつつ均一な光量分布を得ることが可能となる。
【0037】上記〔3〕の発明は、前記絞りにより導光体照射方向及びその反射方向に導光体への入射光を制限したことにより、前記の方向にのみ光束を制限し、前記方向に垂直な方向の光束は制限しないため、光束を有効に利用することが可能となる。
【0038】上記〔4〕又は〔15〕の発明は、該絞りの開口部を通過した光束が、導光体側面に臨界角よりも小さい入射角で入射することがないように前記絞りを適切に設定したことにより、全反射せず導光体外へ射出してしまう光束をあらかじめ、導光体内へ入射しないようにすることが出来、均一な光量分布が得られる。
【0039】上記〔5〕,〔6〕,〔16〕又は〔17〕の発明は、前記絞りの導光体端部側の面と、該絞りよりも端部側の側面と、端面とのうち、少なくとも一部を鏡面とすることにより、前記絞りの開口部へ向かわない光束を該鏡面で反射して該絞りの開口部へ向かうようにし、より有効に光束を利用することができる。
【0040】上記〔7〕又は〔18〕の発明は、光入射面及び絞りを導光体の両端に配したことを特徴とする。このことにより導光体の両端より光束を入射することができ、より多くの出射光量が得られる。即ち、照明装置を構成した際により明るい照明が得られる。
【0041】上記〔8〕又は〔19〕の発明は、光入射面及び絞りを、導光体の片方の端部に配したことを特徴とする。このことにより照明装置に適用した際、光源部が1個となり、より単純な構成が可能となる。
【0042】上記〔9〕,〔10〕,〔20〕又は〔21〕の発明は、導光体内の光射出部の対向側に反射部を設けたことにより、導光体内を伝播する光束を効率よく光射出面へと導くことが可能となる。
【0043】上記〔11〕又は〔22〕の発明は導光体内の光射出部の対向部に設けた反射面の反射率を80%以上としたことにより、導光体内を伝播する光束を効率よく光射出面へと導くことが可能となる。
【0044】上記〔12〕の発明は、〔1〕乃至〔11〕の何れか1項に記載の導光体を用いたことにより、装置の小型化を図りつつ照明光の光量分布の均一化を図っている。
【0045】上記〔23〕又は〔24〕の発明は、光源をLEDとしたことにより、コンパクトで細かい光量調整を可能としている。
【0046】上記〔25〕の発明は、光源を複数色のLEDとしたことにより、細かい光量調整が可能な照明装置を可能としている。
【0047】上記〔26〕の発明は、原稿を均一に照明し、より良い条件での読み取りを可能にしている。
【0048】
【発明の実施の形態】〈実施形態1〉図1,図2,図3,図4はそれぞれ、本発明の実施形態1を示す図であり、図1は本実施形態の特徴である導光体を備えた照明装置の長手断面図、図2は同導光体の短手(長手と直交する方向)断面図、図3は同導光体の特徴である端部付近の説明図、図4は同照明装置を用いた画像読取装置の説明図である。
【0049】図1において、Fは導光体、1は該導光体Fの端部に設けた光源、2は該光源1からの光束を制限するアパーチャ(絞り)、3は前記導光体Fの絞り2を通った光束を導光する部分(導光部)、4は前記導光体Fの光源1を配置した端部からアパーチャ2までの部分(光源部)、5は導光体長手方向に沿い導光体側面の一部に設けられた鋸刃状光反射部、6は該鋸刃状光反射部5と対向する導光体側面に設けられた光射出部である。
【0050】先ず本発明の導光体Fを用いた照明装置Sについて説明する(図1,2,3)。
【0051】RGBの3色のLEDによって構成される光源1からの光束が導光体Fの両端より入射する。この時、各発光体(LED)は一般的に公知である各々の波長をもつものとする。該光源1からの光束は、導光体Fの光源部4に入射し、該導光体Fに内挿されている遮光体であるアパーチャ2によって制限され、該アパーチャ2の開口部を通過した光束のみが導光部3に入射する(図3)。該光束は、導光体側面で全反射するなどして長手方向に伝播し、鋸刃状光反射部5により反射されて或は伝播するうちに臨界角よりも小さい入射角で光射出面6に達して導光体外へ射出し、被照明面を線状に照明する。
【0052】而して本実施形態では、アパーチャ2により光源1からの光束を制限し、該アパーチャ2を介して導光部3へ入射した光束が、導光体側面に対して臨界角よりも大きい入射角で入射するようにし、該光束が導光体端部から直接射出してしまうことを無くして照明光束の光量分布を均一にしている。
【0053】一般に、該光射出面6に入射する光束の臨界角φは、φ=sin-1(n2/n1)で示される。(n1:導光体内の屈折率、n2:導光体外の屈折率)
即ち、該光射出面6に入射する光束と端部側側面との挟角θがθ>90−sin-1(n2/n1)となるような光束をアパーチャ2で遮光すれば良い。
【0054】従って、前記絞り2の開口中心2aと光源1の発光中心1aとを導光体長手方向で一致(本例では図3に示す一点鎖線上で一致)させ、アパーチャ2の開口幅をd、導光体長手方向における光源とアパーチャ間の距離をLとしたとき、d≦2Ltan(90− sin-1(n2/n1))
を満足させることで、全反射条件を満たす光束のみがアパーチャ2を通過し、均一な光量分布が得られる。
【0055】なお、導光体Fは樹脂を型成形した柱状であり、その長手方向の長さは被照明域を照明するのに十分な長さを有する。また短手断面の面積は長手方向のどの位置でも同じであるか、もしくは光源から離れるに従い小さくし、長手方向の光量分布の不適性を緩和、もしくは読取系で生じる端部の光量減少の補正を行う形状としている。また、前記断面積が長手方向で変化する場合には光射出部6が被照明領域に対して平行をなす場合と、さらに有効な光量分布補正を行うべく適宜光射出部と被照明領域間の距離を変化させる場合とがある。
【0056】導光体Fの導光部に入射した光束は導光部内を伝播する。それと同時に伝播する光束の一部は80%以上の反射率を持つ鋸刃状光反射部5にあたり、光射出部6へと反射される。該鋸刃状光反射部5は、入射光を単に拡散及び反射するのではなく、前記の鋸刃状の反射面5aにより光射出部6へ光束を導くことにより、該光束が効率よく全反射角よりも直角に近い角度で光射出部6の内壁へとあたる。このことにより、光束は導光体の短手断面において集光効果を持つ形状の光射出部6から指向性を持って射出され、被照明面を適切に照明する。
【0057】また、前記鋸刃状光反射部5は導光体Fの長手断面において鋸刃形状をもち、長手方向に沿って狭い幅で形成された細線状である。該鋸刃状光反射部5が有する面積は、導光体Fの長手方向のどの位置でも幅が同じであるかもしくは長手方向の照射光量分布を適正に補正するべく、例えば光源から離れるに従い幅を広くし、必要に応じた光量分布を得るものとする。更に該鋸刃状光反射部5の長手方向に沿って配列された反射面5aのピッチは、長手方向どの位置でも均一であるか、もしくは、長手方向の照射光量分布をより適正に補正するべく変化させるものとする。
【0058】次に上記照明装置を用いた画像入力装置(画像読取装置)について説明する(図4)。
【0059】図4において、8は上記照明装置Sに照明された透過原稿、9は該原稿8の像を形成する結像レンズ、10は該原稿8の像を読み取る受光素子(ラインセンサ)である。
【0060】照明装置Sの導光体Fと透過原稿8は近接して配置されており、導光体Fからの光束が透過原稿8を直接照明し、該原稿8の画像情報が結像レンズ9によって読取手段である1ラインセンサ10上に所定の倍率で結像される。この時、導光体Fの光射出部6の長さは原稿8の読取幅と同等か、もしくはそれ以上に長く、十分に原稿8の読取領域が照明されるものとする。そして、透過原稿8との相対位置を変化させて(照明装置、結像レンズ6及びラインセンサ10を図中の矢印方向(副走査方向に移動(走査)させて)透過原稿8を2次元的な画像情報として、ラインセンサ10で読み取るようにしている。同様の動作を各色毎に行う。例えばRのLEDのみを点灯し原稿を読み取り、次にGのみを点灯させて原稿を読み取る、と言うように順次原稿の読取を行う。
【0061】先に、導光体長手方向の光量分布補正を、導光部3の断面積、鋸刃状光反射部5の長手方向のピッチと幅、光射出部6と被照射面との距離などを変化させることにより行うと記述した。この補正対象となる光量分布はその被照明物に応じて均一にする場合と、また図4で示したような画像読取系において結像レンズ9のコサイン4乗則により生じる光量分布を補正する場合などがある。
【0062】以上のように本実施形態によれば、光源1から導光体Fに入射した光のうち、直接導光体内壁に全反射条件を満たさない角度で入射してしまう光束をあらかじめアパーチャ2によって制限したことにより、導光体Fの導光部3に入射した光束が直接射出せずに導光部内を伝播し、長手方向にわたり均一に射出し、長手方向にコンパクトでかつ被照射面において突出した光量ムラの少ない照明が可能となる。
【0063】また、本実施形態の画像読取装置においては、上記光量むらがなく、明るい照明装置を備えたことにより、装置の高速化や高画質化が可能になる、という効果がある。
【0064】特に、照明光束の急峻な分布が緩和されたことにより、複数色の発光体(LED)を配置した場合にも、色ずれがなく、カラー画像を読み取る際の高画質化が図れる、という効果がある。
【0065】〈実施形態2〉図5は本発明に係る実施形態2の概略図である。本形態の基本構成は前述の実施形態1とほぼ同じであるので、同一の要素には同符番を付して再度の説明を省略している。
【0066】本実施形態では、導光体端部に配置される光源1が光源部筐体14に内包され、該光源部筐体14の導光体側にアパーチャ2を設けて光源部をなし、該光源部を導光体Fと別に構成している。またその筐体14の内壁、及びアパーチャ2の光源側の面を鏡面としている。
【0067】このことにより、光源1からの光束のうち、アパーチャ2により制限された光束が該鏡面で反射されて再びアパーチャ2に向かい、該アパーチャ2を通過して図6の点線で示すように光量を加えることが出来、急峻な光量分布を更に緩和することができる。
【0068】また、本形態では、導光体Fの片側の端面にのみ光源1を設け、その反対端には光反射面(端部反射面)19を設けたことを特徴とする。
【0069】このことにより、光源の数を減らすことが出来、コストダウンを図ることが可能となる。また、LEDの数を減らさずに光源1を導光体Fの片側のみに配置することで、その反対側端のLEDをなくし、よりコンパクトな照明装置を構成することも可能となる。
【0070】〈実施形態3〉図7は本発明に係る実施形態3の概略図である。本形態の基本構成は前述の実施形態2とほぼ同じであるので、同一の要素には同符番を付して再度の説明を省略している。
【0071】本実施形態では、光源1とアパーチャ2を内包する光源部筐体14内に該光源1からの光束を反射して前記絞りを通過させ導光体Fに入射させる形状の反射面(鏡面)24を設けている。
【0072】このことにより、光源1からの光束のうち、アパーチャ2により制限された光束が該反射面24で反射されて再びアパーチャ2に向かい、該アパーチャ2を通過して急峻な光量分布をさらに緩和しつつ、光源1からの光束を有効に利用することができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、入射光束を制限する絞りを設けて、該入射光束が導光体内へ適切に入射するように設定したことにより、装置全体の小型化、光量分布の均一化を可能とした導光体、照明装置及びそれを用いた画像読取装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成10年7月24日(1998.7.24)
【代理人】 【識別番号】100086818
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
【公開番号】 特開2000−48616(P2000−48616A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−225317