| 【発明の名称】 |
光拡散板及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】内田 雄一
【氏名】朝日 信行
【氏名】福島 博司
|
| 【要約】 |
【課題】高光拡散特性を有しつつ光透過率も高いものとする。
【解決手段】透光性を有する樹脂板の表面に断面形状が曲線で表される凹凸形状を複数方向に設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透光性を有する樹脂板の表面に断面形状が曲線で表される凹凸形状を複数方向に設けていることを特徴とする光拡散板。 【請求項2】 凹凸断面曲線の法線方向が連続的かつ周期的に変化する曲線となっていることを特徴とする請求項1記載の光拡散板。 【請求項3】 凹凸が共に直交する2方向に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光拡散板。 【請求項4】 凹凸が円周方向と径方向の2方向に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光拡散板。 【請求項5】 凹凸がランダムな方向に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光拡散板。 【請求項6】 凹凸が樹脂板の両面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光拡散板。 【請求項7】 透光性を有する樹脂板の表面にレーザー光を照射して断面形状が曲線で表される凹凸形状を複数方向に設けることを特徴とする光拡散板の製造方法。 【請求項8】 パルス発振させたレーザー光を走査して加工することを特徴とする請求項7記載の光拡散板の製造方法。 【請求項9】 レーザー光に対して樹脂板を移動させながら加工することを特徴とする請求項7記載の光拡散板の製造方法。 【請求項10】 レーザー光の被加工面への照射角度を考慮してレーザービーム強度を制御することを特徴とする請求項8または9記載の光拡散板の製造方法。 【請求項11】 目的とする凹凸の断面形状を正弦曲線の合成形状として捉えて、各正弦曲線を順次加工することを特徴とする請求項8または9記載の光拡散板の製造方法。 【請求項12】 目的とする凹凸の断面形状を異なる複数種の凹凸形状の組み合わせとして捉えて、これら複数種の凹凸形状を混合して加工することを特徴とする請求項8または9記載の光拡散板の製造方法。 【請求項13】 凹凸の断面形状を走査または移動方向へ連続的に変化させたことを特徴とする請求項8または9記載の光拡散板の製造方法。 【請求項14】 レーザー光を照射して断面形状が曲線で表される凹凸形状を表面に複数方向に設けたマスターモデルを作成し、該マスターモデルから転写型を作成し、転写型から光拡散板を成形することを特徴とする光拡散板の製造方法。 【請求項15】 成形条件を変えることで成形転写率を意図的に変化させることを特徴とする請求項14記載の光拡散板の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は照明器具のカバーなどに用いられて光の拡散を行う光拡散板とその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】照明器具から出る照明光を目に優しく且つむらのないものとするために光拡散板が用いられており、このために光拡散板には高い透過率を有しつつ光を均一に拡散させることができる特性が求められる。 【0003】この光拡散板として、もっとも一般的なのは、光透過率の良いアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの基材樹脂に硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化アンモニウム、シリコン系ゴムなどの拡散剤を添加して入射光をこれら拡散剤で乱反射させることで拡散性を得ている乳白色光拡散板である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記光拡散板では、ランプイメージを見えなくすることができるだけの拡散性を持たせようとすると多量の拡散剤を添加しなくてはならず、この場合、光透過率が低下してしまい、実際上、ランプイメージを消すことができるだけの拡散剤を添加すると、光透過率は60%程度にまで低下してしまい、エネルギー効率が悪くなる。かといって、光透過率を優先すれば、ランプの直下は明るく、ランプから離れると暗くなり、むらが目立つものとなる。 【0005】他の光拡散板としては、特開平6−43310号公報に示されているように、一面に多数の微小凹凸条を平行に設けたものがある。シリンドリカルレンズを並べたものとして機能するこの種の光拡散板では、一方向への光の屈折力(拡散力)は持つが、それに直交する方向への屈折力(拡散力)は持たないために、全方向への拡散が要求される一般照明器具用には用いることはできない。 【0006】また、後者の光拡散板は、エンボスロール加工やプレス加工によって製造されているが、この種の加工法では微細な加工は困難である。 【0007】本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは高光拡散特性を有しつつ光透過率も高い光拡散板と、この光拡散板を容易に製造することができる光拡散板の製造方法とを提供するにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】しかして本発明に係る光拡散板は、透光性を有する樹脂板の表面に断面形状が曲線で表される凹凸形状を複数方向に設けていることに特徴を有している。 【0009】ここにおける凹凸形状は、その法線方向が連続的かつ周期的に変化する曲線となっているものが好ましく、また、凹凸が共に直交する2方向に設けられたものや、凹凸が円周方向と径方向の2方向に設けられているものが好ましい。凹凸がランダムな方向に設けられているものであってもよい。また、凹凸は樹脂板の両面に設けられていてもよい。 【0010】そして本発明に係る光拡散板の製造方法は、透光性を有する樹脂板の表面にレーザー光を照射して断面形状が曲線で表される凹凸形状を複数方向に設けることに特徴を有している。 【0011】この場合、パルス発振させたレーザー光を走査して加工したり、レーザー光に対して樹脂板を移動させながら加工する。 【0012】レーザー光の被加工面への照射角度を考慮してレーザービーム強度を制御したり、目的とする凹凸の断面形状を正弦曲線の合成形状として捉えて、各正弦曲線を順次加工したり、目的とする凹凸の断面形状を異なる複数種の凹凸形状の組み合わせとして捉えて、これら複数種の凹凸形状を混合して加工することが好ましく、さらには凹凸の断面形状を走査または移動方向へ連続的に変化させてもよい。 【0013】また本発明に係る他の光拡散板の製造方法は、レーザー光を照射して断面形状が曲線で表される凹凸形状を表面に複数方向に設けたマスターモデルを作成し、該マスターモデルから転写型を作成し、転写型から光拡散板を成形することに特徴を有している。この場合、成形条件を変えることで成形転写率を意図的に変化させるようにしてもよい。 【0014】 【発明の実施の形態】以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、本発明における光拡散板1は、その表面に微小凹凸2を備えたものである点で、前記公報に示されたものと軌を一にするが、本発明に係る光拡散板1は、図1に示すように、微小凹凸2を設けたことによって生じる断面の凹凸形状を、曲線で表されるものとすると同時に、曲線で表される凹凸形状が複数方向の断面においては生じるものとした点に特徴を有している。 【0015】複数方向の断面形状がいずれも曲線で表される凹凸形状となっているために、屈折力(拡散力)を持たない方向がなく、このために光は必ず拡散されるものである。実際には断面を取る位置を変えるとその形状も連続的に変化しており、光拡散板1には三次元的に任意の曲面形状をもった凹凸が並んだものとなる。従って、一枚の光拡散板1により、任意の方向への拡散を実現することができる。 【0016】なお、断面曲線形状の凹凸ピッチや深さは任意でよく、周期的であっても無秩序に形成されていてもよく、さらには各方向毎に凹凸ピッチや深さが異なっていても同じであってもよい。ただし、人間の目の分解能は一般に2′〜3′と言われていることから、照明器具に取り付けた際に凹凸2が目立たないようにするには、0.01mm以下の形状にしておくことが望ましい。 【0017】次に、より好ましい形態について例をあげて説明すると、凹凸2はその断面曲線の法線方向が図2(a)に示すように連続的且つ周期的に変化する曲線で表されるものとしておくのがよい。屈折を用いて拡散性能を向上させるには、所望の拡散配光曲線が得られるように凹凸形状の設計を行う必要がある。この時の拡散配光特性は、基本的には入射してくる光を全方向に連続的にむらなく広げることが理想であり、たとえば図3に示すように、ある方向から入射してくる光を均一に分散させてやることが望ましい。このような配光を得るには、断面形状が直線的なものよりも曲線の方がよく、連続的にむらなくするには形状の変化が連続的なものの方がよい。ただし、不連続点の存在を排除するものではなく、たとえば図2(b)に示すような形状のものであってもよい。屈折は光の入射角度によって決まるために、基準となる法線方向がこれらの条件を満たせば、拡散性の高い光拡散板1を得ることができる。そして、この形状が周期的に変化しておれば、形状変化が目立たず、見た目にも均一な光拡散板1となる。 【0018】照明器具3が図4に示すように直管蛍光灯のような直線光源30が複数本並べられたものである場合には、光拡散板1の凹凸形状に対して拡散させるパワーが最も大きくなる方向は施された方向に直交する方向(断面方向)となることから、直線光源30のイメージを消すには、光拡散板1は直線光源30が並べられた方向(図中の矢印方向)と、これに直交する方向とに凹凸2が並んでいるものとしておくのが好ましい。直線光源30の管長方向の軸に対して対称となるために、直線光源30に適した光拡散板1となる。 【0019】照明器具3が図5に示すように丸型蛍光灯のような円状光源31である場合には、上記の場合と同じ理由により、円状光源31のイメージを消すには、円状光源31の中心から外へ向かう方向(図中の矢印方向)に凹凸2を施すと同時に、これと直交する方向に凹凸2を施すことにより、円状光源31の中心に対して対称となり、円状光源31に適した光拡散板1となる。 【0020】凹凸2はランダムな方向に並ぶものであってもよい。方向性を無くすことによって、さらに光拡散板1内で輝度均一性のよいものを得ることができる。図6はこの場合の一例を示しており、線上の凹凸をランダムな方向に施し、その長さも不特定としている。凹凸の面内での規則性がなくなっているために、同じ方向で見た断面形状も全てが異なったものとなり、図6(b)に示す完全拡散に近い拡散状態を得ることができる。また、ランダムにすることによって、規則性のある凹凸形状や微細度が増した場合に生じやすい回折や干渉縞などの発生を抑えることができる。 【0021】以上の各例では、光拡散板1の片面(照明器具の光源側の面)に凹凸2を付したものを示したが、図7に示すように、光拡散板1の両面に凹凸2を設けると、さらに拡散性を高めることができる。つまり、光源側の面で拡散された光は、射出側の面においてもさらに拡散されることになり、より拡散性が高くて、面内で均一な輝度分布となるものを得ることができる。ただし出射面側に施す凹凸2については、レンズ効果によって指向性を生じたり全反射によって透過率を極端に悪くしてしまう場合があるために、単一形状の繰り返しではなく、断面形状が徐々に変化していたりランダム化されているものが好ましい。 【0022】上記のような微細な凹凸2を有する光拡散板1は、次のようにして製造するのが好ましい。すなわち、上記光拡散板1の場合、実際上、自由曲面となっているために、切削等の機械加工で製造するとなると、曲面の三次元座標を入力して加工しなくてはならない。このために、ここではレーザー加工で微細な凹凸2を直接形成している。レーザー加工の場合、光強度分布や被加工物の相対移動速度の調整等で自由曲面を加工することができ、三次元座標の入力が不要となる。また、機械加工では凹凸2がたとえば100μm以下の微細な凹凸2を作成することは、切削工具を作成することに時間とコストがかかるのに対して、レーザー加工ではこのような問題を招くこともない。また、短波長パルスレーザーを用いる場合は被加工物に対する熱の影響も少なく、高精度加工が可能となる。 【0023】レーザー加工には大別して要求形状がレーザービームより大きい場合に用いられる小スポット加工(集光加工)と、要求形状がレーザービームより小さい場合に用いられる面積加工(結像加工)の二通りの加工法があるが、いずれの加工法で製造してもよい。 【0024】図8はレーザービームを多重に照射して行う小スポット加工法による場合の一例を示しており、レーザー40から出力されるレーザービームをレンズ41等の光学素子を用いて、スポット径を微小にし、これを被加工物に照射する。この時、照射時間と除去量の関係により、要求する形状になるように照射場所と照射時間とを制御する。レーザー照射によって被加工物が除去されて加工される形状は照射エネルギー密度と時間の関係から決定されるが、レーザーあるいは被加工物を走査することによって、要求形状が被加工物の全面に形成されるように制御するのである。 【0025】たとえば、炭酸ガスレーザーを焦点距離が100mmのレンズ41でビームスポット径が50μmとなるように集光して被加工物であるアクリル樹脂に照射するとガウシアン形状に被加工物が除去されるが、この形状を組み合わせることで光拡散板1を製造することができる。 【0026】図9は面積加工法による場合の一例を示しており、透過光線の強度分布が要求される形状になるように調整したマスク43を用いて加工を行う。たとえば、KrFエキシマレーザーを用いるとともに、合成石英基盤にクロム蒸着することで得たマスクを用いることで、光拡散板1を得ることができる。加工形状は一つの凹凸のみでもよいが、凹凸がある繰り返し周期を持っている場合、周期パターンを一つのマスクに設計して、一度の照射で加工してもよい。 【0027】次にレーザー加工による具体例について説明する。図10において、レーザー40には200Hzのパルス発振が可能なKrFエキシマレーザーを用いて、このレーザー40から出力されるレーザービーム(長方形型、25mm×10mm)をシリンドルカルレンズ44を組み合わせることで正方形状(25mm×25mm)に整形し、その後、マスク43を透過させてガルバノミラー42によって走査することで光拡散板1の凹凸2の加工を行った。使用したレンズ41は焦点距離100mmのfθレンズであり、このレンズ41を通じて1mm×1mmエリアの加工を行った。マスク43は図12に示す1つの凹凸パターンを備えたものや、図13に示す複数の凹凸パターンを備えたものを用いることができる。被加工物(光拡散板1)にはポリカーボネート樹脂を用い、加工エネルギー密度は5mJ/mm2とした。図11のイ、ロ、ハは夫々図10中のイ、ロ、ハの点でのビーム形状を示しており、図14は走査方向を示している。 【0028】ところで、レーザービームを走査する場合、広範囲に走査するとレンズ41の収差の影響を受けて高精度に加工を行えない場合が発生する。このために、レーザーの光学系を固定し、図15に示すように、被加工物側をNCテーブルなどを用いて移動させることで要求形状を加工するようにしてもよい。レンズ41の収差の影響を受けなくなくなるために、広範囲にわたり高精度な加工を行うことができる。なお、レーザー照射を連続、あるいはパルス状の場合、決まった繰り返し数で発振させておき、被加工物の移動速度を調節することにより形状を変化させる。たとえば、被加工物にポリカーボネートを用いて、レーザー光学系透過後のレーザーエネルギー密度が5mJ/mm2でレーザー繰り返し発振数が150Hzの時、マスクで透過光強度分布を正弦波形状に整形して、被加工物の移動速度を13mm/minにすると、一つの凹凸の大きさが30μmで加工深さが30μm程度の形状を形成することができた。 【0029】ここにおいて、曲面を加工する時だけでなく、平面に加工を行う場合でも、当然加工とともに形状が変化する。この時、レーザーの照射エネルギー密度が一定でも加工面では形状が変化しているので、厳密にはエネルギー密度が異なり、場所により加工時のエネルギー密度の違いから狙った形状と異なった形状となることがある。加工断面がレーザー照射に対して垂直に近いほどエネルギー密度が大きくなる。従って、最終的な狙い形状に高精度に加工を行う場合、加工進捗状況に合わせたビーム強度で加工を行う必要がある。 【0030】たとえば図16に示すように、f(x)=7.5sin(2π/30・x)の強度分布で加工を行う場合、最終的にg(x)の形状を狙って加工を行っても、斜辺部への入射エネルギー密度が小さくなるために、h(x)の形状となってしまう。従って、加工を実施する場合、h(x)=g(x)となるようにf(x)を設定する。加工初期はf(x)で加工し、途中からレーザービームの強度分布を変化させてもよい。 【0031】加工断面の曲線は、フーリエ級数展開を行えば、正弦波形状の合成波形で表すことができる。一般的に自由曲線z(x)はフーリエ変換を行うと、正弦波の和集合で表すことが可能であるので、上述のようにして定めた凹凸形状をフーリエ変換で正弦波に分割し、個々の正弦波を順次加工することにより、最終的な形状を加工する。実際に加工する場合、正弦波の振幅が大きいものから加工することで高精度で加工することができる。図17は断面形状がf(x)とg(x)の正弦波形を順次加工することでh(x)の形状を加工した場合を示している。なお、各正弦波形はマスク43とその縮小率によって決定され、周期に相当するピッチは加工速度(被加工物の移動速度)で決定する。 【0032】光拡散板1に微細加工を行う場合、たとえば平面全体に同じ凹凸形状の加工を行うと、当然その形状に応じた拡散特性を持った配光分布となる。このとき,図18(a)(b)に示すような2種類の形状を1:1の割合で混合して加工を行うと、両形状による配光分布を足し合わせた分布の配光(図18(c))を実現することができる。 【0033】凹凸形状の断面の変化手法としては、レーザー加工時の被加工物の移動速度を変化させる方法やマスクを交換し、加工ピッチを変化させる方法などがある。実際、加工ピッチを一定(30μm)にして凹凸深さ36μmの凹凸2と凹凸深さ15μmの凹凸2とを合成させたところ、完全拡散に近い配光を得ることができた。また、ピッチを一定にして、凹凸深さ24μmの凹凸2と凹凸深さ6μmの凹凸2とを合成させたところ、完全拡散に近い配光を得ることができた。形状の組み合わせは1:1でなくてもよく、また形状を多く組み合わせるほど、より完全拡散に近い配光を得ることができる。 【0034】レーザービームをマスクを用いて光強度分布を調整するにあたり、レーザービームを走査する場合や被加工物を移動させる場合、加工は一方向を制御する形となる。図19においては、断面A−Aの方向を制御(光強度分布等)して加工する。その際に、走査速度や移動速度を連続的に変化させることで、光の制御方向(A−A断面方向)とは異なる方向(B−B断面方向)の光も拡散性を持たせることができる。この加工では、加工形状が連続的に変化し、連続的な配光が実現可能となる。 【0035】つまり光拡散板1は光の指向性を無くし、光をあらゆる方向に拡散させることが望ましい。したがって光拡散板1の形状も異なった形状の配置が好ましい。また、その個々の形状は光のロスを少ない形状に制御されていることが望ましい。このような形状を作成する場合、レーザーの光強度分布で一方向の制御を行い、加工速度を連続的に変化させることで,異なった方向の制御を行う。形状も連続的に変化して、光の拡散性は向上する。 【0036】レーザービームを用いたならば、微細な凹凸形状を高精度に作成することができる。しかし、レーザー加工では加工時間やコストを考えるとかなり高価なものとなってしまう。安価に製造するには、図20に示すように、レーザー加工でマスターモデル5を作成し、マスターモデル5に電鋳にてニッケルを堆積させて精密転写をとり、転写パターンを金型にして拡散板を成形(射出成形、スタンパエンボシング、ロールエンボシング等による成形)するとよい。 【0037】凹凸形状のサイズが大きい場合には、レーザー加工で直接金型を作成してもよく、この場合はマスター加工が金型加工に相当するので、転写型加工工程が不要となる。 【0038】ここにおいて、成形によって製造を行う場合、図21に示す型6と成形品(光拡散板1)は成形条件が転写割合Xに影響を及ぼす。たとえば型温度が高く、成形圧が高く、流動性の大きい材料を用いれば、100%に近い良好な転写性が得られる。しかし、条件によっては転写割合は悪くなり、樹脂が型に流れ込まず、凸形状が転写できなくなってくる。転写割合Xが変わると当然光拡散板1の光学性能も変化するが、逆にこの関係を把握しておけば、一つの型で異なる光学性能を持った光拡散板1を製造することができる。 【0039】 【発明の効果】以上のように本発明に係る光拡散板は、透光性を有する樹脂板の表面に断面形状が曲線で表される凹凸形状を複数方向に設けているために、透過率及び拡散率が共に高くなっている。 【0040】そして、上記凹凸形状が、その法線方向が連続的かつ周期的に変化する曲線となっていると、高い拡散性と均一な拡散性とを有するものとなる。 【0041】また、凹凸が共に直交する2方向に設けられたものは、直管蛍光灯のような直線光源に対して良好な拡散性を発揮し、凹凸が円周方向と径方向の2方向に設けられているものでは円管蛍光灯のような曲線光源に対して良好な拡散性を得ることができる。凹凸がランダムな方向に設けられているものであってもよく、この場合、拡散性をさらに高めることができる上に、回折や干渉縞の出現を抑えることができる。 【0042】そして本発明に係る光拡散板の製造方法は、透光性を有する樹脂板の表面にレーザー光を照射して断面形状が曲線で表される凹凸形状を複数方向に設けるために、微細な凹凸でも容易に且つ高精度に作成することができ、このために高透過率高拡散性の光拡散板を容易に製造することができる。 【0043】この場合、パルス発振させたレーザー光を走査して加工すれば、高精度加工を高速に行うことができ、レーザー光に対して樹脂板を移動させながら加工すると、広範囲にわたり高精度な加工を高速に行うことができる。 【0044】レーザー光の被加工面への照射角度を考慮してレーザービーム強度を制御すれば、任意の狙い形状に高精度に加工することができる。 【0045】目的とする凹凸の断面形状を正弦曲線の合成形状として捉えて、各正弦曲線を順次加工すれば、任意形状の加工が容易となる。 【0046】目的とする凹凸の断面形状を異なる複数種の凹凸形状の組み合わせとして捉えて、これら複数種の凹凸形状を混合して加工すると、任意の配光を持った拡散板を容易に製造することができる。 【0047】さらには凹凸の断面形状を走査または移動方向へ連続的に変化させると、走査または移動方向に直交する方向への拡散性も同時に得ることができる。 【0048】本発明に係る他の光拡散板の製造方法は、レーザー光を照射して断面形状が曲線で表される凹凸形状を表面に複数方向に設けたマスターモデルを作成し、該マスターモデルから転写型を作成し、転写型から光拡散板を成形するために、製造コストを抑えて量産することができる。 【0049】この場合、成形条件を変えることで成形転写率を意図的に変化させるようにすれば、一つの型で光学特性の異なる拡散板を製造することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年7月28日(1998.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−48613(P2000−48613A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−212113 |
|