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【発明の名称】 ガラス装置及びそれが装着された照明器具
【発明者】 【氏名】青木 慎一

【氏名】野口 晋治

【氏名】倉光 修

【要約】 【課題】破損しても細かい破片となることなく耐熱性を有するようにする。

【解決手段】対をなした化学強化ガラス製のガラス板1 の間に所定の厚みを有した透明弾性体2 が密着状態で設けられた構成にしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対をなした化学強化ガラス製のガラス板の間に所定の厚みを有した透明弾性体が密着状態で設けられてなることを特徴とするガラス装置。
【請求項2】 前記透明弾性体は、シリコンゴム製であることを特徴とする請求項1記載のガラス装置。
【請求項3】 前記所定の厚みは、0.1mm〜20mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のガラス装置。
【請求項4】 内部に有したランプからの光を投光する開口部が設けられた器具本体と、器具本体の開口部に装着された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガラス装置と、を備えたことを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投光器等の照明器具に装着されるガラス装置及び照明器具そのものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の照明器具として、図5に示すものが存在する。このものは、内部に有したランプA1からの光を投光する開口部A2が設けられた器具本体A と、器具本体A の開口部A2に装着された風冷強化ガラス製のガラス板B と、ガラス板Bの外側に位置するよう器具本体A に装着された金網製のプロテクタC と、を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した照明器具に設けられた風冷強化ガラス製のガラス板B にあっては、破損した場合には細かい破片となってしまうから、その外側に金網製のプロテクタC が装着されて保護されることによって、飛来物が衝突して破損しないようになっている。
【0004】しかしながら、このように、プロテクタC が装着されて保護されると、プロテクタC による影が生じてしまって、照明器具から照射される光量が少なくなってしまう。そのために、破損しても細かい破片となることなく破損前の形状を略維持するガラス板を用いることによって、プロテクタを装着しないようにすることが考えられる。このような破損しても細かい破片とならないガラスとしては、自動車のフロントガラスに使用されている、いわゆる合わせガラスがあるが、この合わせガラスは、100℃以下で使用しないと変色してしまう程、耐熱性が低いので、照明器具の照射光が透過して加熱されるする箇所に使用するには無理がある。
【0005】本発明は、上記の点に着目してなされたもので、その目的とするところは、破損しても細かい破片となることなく、耐熱性を有するガラス装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、請求項1記載の発明のガラス装置は、対をなした化学強化ガラス製のガラス板の間に所定の厚みを有した透明弾性体が密着状態で設けられた構成にしている。
【0007】請求項2記載の発明のガラス装置は、請求項1記載の発明のガラス装置において、前記透明弾性体は、シリコンゴム製である構成にしている。
【0008】請求項3記載の発明のガラス装置は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の発明のガラス装置において、前記所定の厚みは、0.1mm〜20mmである構成にしている。
【0009】請求項4記載の発明の照明器具は、内部に有したランプからの光を投光する開口部が設けられた器具本体と、器具本体の開口部に装着された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガラス装置と、を備えた構成にしている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態のガラス装置10を図1及び図2に基づいて以下に説明する。このガラス装置10は、ガラス板1 、透明弾性体2 から構成されている。
【0011】詳しくは、ガラス板1 は、例えば、ガラス中に含有されるアルカリイオンであるナトリウムイオンを、そのナトリウムイオンよりもイオン半径の大きいアルカリイオンであるカリウムイオンで置換して、表面に圧縮応力を発生させた化学強化ガラス製であって、対をなして設けられている。
【0012】透明弾性体2 は、例えば、0.1mm〜20mmの所定の厚みを有したシリコンゴムからなり、対をなした化学強化ガラス製のガラス板1 の間に密着状態で設けられている。
【0013】このガラス装置10は、照明器具20の部品として用いられる。詳しくは、このガラス装置10が用いられる照明器具20は、内部に有したランプ20a からの光を投光する開口部20b が設けられた器具本体20c を備えており、その器具本体20c の開口部20b に、図2に示すように、前述したガラス装置10が装着されている。
【0014】かかるガラス装置にあっては、風冷強化ガラスに比較して破損しても細かい破片になりにくい化学強化ガラス製のガラス板1 の間に、所定の厚みを有した透明弾性体2 を密着状態で介在させてなるから、破損しても細かい破片となることはなく、また、自動車のフロントガラスに使用される、いわゆる合わせガラスとは異なって、耐熱性も高くなっている。
【0015】また、シリコンゴムは、比較的、透明性、耐熱性及び耐候性が高いから、このガラス装置10そのものも、透明性、耐熱性及び耐候性が高くなっている。
【0016】また、所定の厚みが厚いと光の拡散性が大きくなるし、薄過ぎても、破損したときに細かい破片になりにくくなるという効果が不十分になるので、所定の厚みが、0.1mm〜20mmとすることで、光の拡散性を大きくすることなく、また、破損したときに細かい破片になりにくくなるという効果を十分に奏することができる。
【0017】また、このガラス装置10が装着された照明器具20にあっては、その器具本体20c に装着されたガラス装置10が、従来例の照明器具に装着されたガラス板とは異なって、飛来物が衝突して破損しても細かい破片になることはないので、破損して細かい破片にならないよう、ガラス板1 を保護するプロテクタを設けなくてもよくなり、照明器具20から照射される光量が少なくということがなくなる。
【0018】
【実施例】(実施例)一対のガラス板1 として、厚みが1mmの化学強化ガラス製のものをそれぞれ使用し、両ガラス板11 の間には、所定厚みが0.8mmで引張強度が65Kg/cm2 のシリコンゴム製の透明弾性体2 が密着状態で設けられている。
【0019】次に、このガラス装置10の耐熱評価及び飛散防止評価について説明する。この耐熱評価は、以下の手順でなされる。このガラス装置を100mm角に切断して試験体とし、この試験体を200℃の恒温槽中に、7日間放置し、試験前後の色差ΔE* 又は外観を評価する。なお、色差ΔE* は、(1) 式により算出され、この(1) 式の右辺に示されたL* ,a* ,b* の添字のうち、「0」が試験前の値であることを示し、「1」が試験後の値であることを示している。
【0020】
【数1】

【0021】また、飛散防止評価は、以下の手順でなされる。このガラス装置を100mm角に切断して試験体とし、JISR3206に規定する条件で、250cmの高さから落球試験を行い、試験結果を目視により評価する。なお、この目視による評価レベルは3通りであり、破損するが形状を略維持するものを「○」、破損して数個の破片になるものを「△」、破損して多数の細かい破片になるものを「×」としている。
【0022】このものの耐熱評価及び飛散防止評価についての結果を、次に述べる(比較例1)及び(比較例2)の評価結果と共に、表1に示している。
【0023】(比較例1)この比較例1と実施例との異なる点のみ説明する。この比較例1は、図3に示すものであって、実施例と同様に、化学強化ガラス製のガラス板1 を使用しているが、ガラス板1 の厚みが3mmとなっており、透明弾性体2 として、所定厚みが0.38mmのポリビニルブチラール(PVD)性のフィルムが用いられている。
【0024】(比較例2)この比較例2は、図4に示すものであって、厚みが4mmの風冷強化ガラス製のガラス板1 からなるものである。
【0025】次に、上記した実施例の評価結果と共に、比較例1及び比較例2の評価結果を表1に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
【発明の効果】請求項1記載の発明のガラス装置は、風冷強化ガラスに比較して破損しても細かい破片になりにくい化学強化ガラス製のガラス板の間に、所定の厚みを有した透明弾性体を密着状態で介在させてなるから、破損しても細かい破片となることはなく、また、自動車のフロントガラスに使用される、いわゆる合わせガラスとは異なって、耐熱性も高くなっている。
【0028】請求項2記載の発明のガラス装置は、請求項1記載のガラス装置の効果に加えて、シリコンゴムは、比較的、透明性、耐熱性及び耐候性が高いから、このガラス装置そのものも、透明性、耐熱性及び耐候性が高くなる。
【0029】請求項3記載の発明のガラス装置は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の発明のガラス装置の効果に加えて、所定の厚みが厚いと光の拡散性が大きくなるし、薄過ぎても、破損したときに細かい破片になりにくくなるという効果が不十分になるので、所定の厚みが、0.1mm〜20mmとすることで、光の拡散性を大きくすることなく、また、破損したときに細かい破片になりにくくなるという効果を十分に奏することができる。
【0030】請求項4記載の発明の照明器具は、その器具本体に装着された請求項1又は請求項2のいずれかに記載の発明のガラス装置が、従来例の照明器具に装着されたガラス板とは異なって、飛来物が衝突して破損しても細かい破片になることはないので、破損して細かい破片にならないよう、ガラス板を保護するプロテクタを設けなくてもよくなり、照明器具から照射される光量が少なくということがなくなる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成10年7月28日(1998.7.28)
【代理人】 【識別番号】100111556
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開2000−48612(P2000−48612A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−213210