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【発明の名称】 照明器具の取付構造
【発明者】 【氏名】鈴木 達也

【要約】 【課題】安定した防水性能が維持できるとともにパッキンの劣化を抑制して安定した取付品質が維持できる照明器具の取付構造を提供する。

【解決手段】フランジ2の鍔片4にリング状に形成されたゴム製のパッキン20が嵌着される。この状態でフランジ2を取付板10に取り付けると、鍔片4と取付板10の周縁部10aとの間にパッキン20の一方の突片23が押し挟まれて弾性変形し、フランジ2と取付板10とが当接する部位の隙間を塞いで防水が図れる。また、取付板10を取付面Mに直に当接させることにより、従来例のように取付板51,54と取付面Mの間にゴム製のパッキン52,55を介在させた場合に生じる種種の問題、つまりパッキンの劣化による器具本体1のぐらつきや浸水あるいは振動疲労による取付品質の劣化などの発生を抑えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 照明器具を取付面に取り付ける取付構造であって、器具本体が取り付けられる取付板を取付面に当接させた状態で固定するとともに該取付板に器具本体を当接させて取り付け、取付板と器具本体の当接部位の隙間を塞ぐ防水用のパッキンを器具本体の当接部位以外の部位と取付板との間に挟んで弾性変形させて成ることを特徴とする照明器具の取付構造。
【請求項2】 上記パッキンに取付板と取付面との間を防水する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の照明器具の取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明器具を取付面に取り付ける取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物等の取付面に取り付けられる照明器具として、図7及び図8に示すようなものが提供されている。器具本体1は、開口を有し開口の奥にランプソケット(図示せず)が配設された灯具30と、灯具30に設けられるアーム40と、アーム40の端部に設けられるフランジ50とを備えている。そして、取付面Mに固定された取付板51に器具本体1のフランジ50を取り付けることで照明器具を取付面Mに取り付けるようになっている。
【0003】取付板51は金属のような剛体で略平板状に形成されるとともに2本のボルト51a,51aが前面側に立設され、固定ねじ51bによって取付面Mに固定される。なお、取付板51と取付面Mとの間には、照明器具を屋外に設置する場合の防水を目的として、取付板51よりも面積の大きい略平板状のゴム製パッキン52が介在させてある。
【0004】フランジ50は例えばアルミダイカストにより一面が開口する略円筒形に形成され、底面に取付板51の2本のボルト51a,51aが挿通される挿通孔50a,50aが設けてある。而して、フランジ50の開口端縁をパッキン52の周縁近傍に当接させるようにして取付板51の前面に被せ、取付板51の2本のボルト51a,51aを挿通孔50a,50aに挿通し、挿通孔50a,50aから突出したボルト51a,51aの先端部に締付ナット13,13をそれぞれ締め付けることで器具本体1がフランジ50において取付板51に取り付けられる。このとき、締付ナット13,13を締め付けると、フランジ50の開口端縁と取付面Mの間に挟まれたパッキン52が弾性変形してフランジ50の開口端縁と取付面Mの間の隙間を塞ぎ、雨水等が上記隙間から器具本体1内に侵入するのを防ぐという防水機能を発揮する。なお、本従来例においてはフランジ50はパッキン52に当接するのみで取付板51には直接接触していない。
【0005】図9は器具本体1を取付面Mに取り付ける取付構造の別の例を示す側面断面図である。本従来例では、取付面Mと取付板54との間に第1のパッキン55を介在させて取付面Mと取付板54との防水を行うとともに、取付面Mから離れる方向に湾曲させた取付板54の周縁部54aにリング状に形成された第2のパッキン56を嵌着して取付板54とフランジ53との間に第2のパッキン56を介在させてフランジ53と取付版54との防水を行っている。第1のパッキン55は取付面Mの凹凸に沿うようにスポンジゴム製であり、第2のパッキン56はスポンジゴムよりも弾性反発力が高く、防水性の安定したソリッドゴム製である。なお、本従来例においてもフランジ53と取付板54を直接接触させるのではなく、両者の間に第2のパッキン56を介在させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】防水性確保のために使用されるゴム製のパッキン52,55,56は、設計時に設定した弾性反発力を発揮できる変形寸法で押し挟まれてこそ、安定した防水性能を維持することができる。しかしながら、上記何れの従来例においても、フランジ50,53を取付板51,54に固定するために締付ナット13を締め付けるとフランジ50,53がパッキン52,55,56の弾性変形範囲を越えて挟みこんでしまい、パッキン52,55,56の劣化を早めてしまうという問題がある。而して、パッキン52,55,56が劣化して弾性反発力が低下すると、フランジ50,53内部への浸水や、振動による器具本体1の変位量が増えることで部材の振動疲労の問題が発生する危険がある。
【0007】本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、安定した防水性能が維持できるとともにパッキンの劣化を抑制して安定した取付品質が維持できる照明器具の取付構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記目的を達成するために、照明器具を取付面に取り付ける取付構造であって、器具本体が取り付けられる取付板を取付面に当接させた状態で固定するとともに該取付板に器具本体を当接させて取り付け、取付板と器具本体の当接部位の隙間を塞ぐ防水用のパッキンを器具本体の当接部位以外の部位と取付板との間に挟んで弾性変形させて成ることを特徴とし、器具本体を取付板に直に当接させてその当接部位以外の部位と取付板との間にパッキンを挟んで弾性変形させることにより、パッキンを設計時に設定した弾性反発力が発揮できる変形寸法で使用することが可能となり、安定した防水性能が維持できる。また、取付板を取付面に直に当接させることにより、取付面から取付板並びに器具本体に至るまでが剛性体で連結されるため、従来例のように取付板と取付面の間にゴム製のパッキンを介在させた場合に生じる種種の問題、つまりパッキンの劣化による器具本体のぐらつきや浸水あるいは振動疲労による取付品質の劣化などの発生を抑えることができる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記パッキンに取付板と取付面との間を防水する手段を設けたことを特徴とし、パッキンに取付板と取付面との防水機能を兼ね備えることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。
【0011】図1には本実施形態の取付状態における側面断面図、図2には取り付け前の側面断面図、図3には本実施形態における照明器具の斜視図をそれぞれ示す。なお、図3に示すように本実施形態における照明器具はフランジ2を除く器具本体1、すなわち灯具30並びにアーム40の構造が従来例と共通であるので、共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0012】金属製の取付板10は、周縁部10aが背面側に折曲され段違いとした略円板状に形成され、略中央に照明器具への給電用の電源線やアース線(図示せず)が導入される導入孔10bが設けられ、この導入孔10bを挟んで対向する周縁部10a近傍に固定ねじ12,12が挿通される長孔10c,10cが設けてある。また、従来例で説明したように取付板10の前面には器具本体1のフランジ2を取り付けるための2本のボルト11,11が立設されている。而して、図1に示すように周縁部10aを壁面のような取付面Mに当接させて固定ねじ12,12により取付板10が取付面Mに固定される。
【0013】フランジ2は、例えばアルミダイカスト製であって一面が開口する略円筒形に形成され、外側の底面略中央に灯具30を回動自在に支持するアーム40の一端が固定されている。また、フランジ2の底面にはアーム40を挟んで対向する位置にボルト11,11の先端部が挿通される挿通孔3,3が設けてあり、これらの挿通孔3,3に挿通されたボルト11,11に締付ナット13,13を締め付けることでフランジ2が取付板10に取り付けられる。なお、フランジ2の内側底面には上記電源線やアース線を灯具30からの負荷線等に接続するための端子台5が配設されている。
【0014】ところでフランジ2の開口端縁近傍の外周面には、取付板10に取り付けたときに取付板10の周縁部10aと略一定の間隔で対向する鍔片4が全周に渡って突設されており、この鍔片4にリング状に形成されたゴム製のパッキン20が嵌着される。
【0015】パッキン20は断面形状が略コ字形のリング状に形成され、図2に示すようにフランジ2の外周面に突設されている鍔片4を凹所21に嵌入するようにしてフランジ2の外周に取着される。ここで、フランジ2に取着したときに取付板10と対向する側の面の周縁には、図2に示すように外力が加わっていない状態で取付板10の周縁部10aよりも背面側に突出するスカート部22が略全周に渡って一体に垂設してある。
【0016】而して、フランジ2の鍔片4にパッキン20を嵌着した状態でフランジ2を取付板10に取り付けると、図1に示すように鍔片4と取付板10の周縁部10aとの間にパッキン20の一方の突片23が押し挟まれて弾性変形し、この弾性変形したパッキン20(突片23)によってフランジ2と取付板10とが当接する部位の隙間を塞いで防水が図れる。ここで本実施形態では、フランジ2の開口端縁を取付板10の周縁部10aに直に当接させているため、いくら締付ナット13を締め付けても鍔片4と周縁部10aとの間隔が略一定に保持される。一方、パッキン20の突片23の厚みが上記間隔の略一定な寸法よりも若干大きく形成してあるから、フランジ2を取付板10に取り付けたときにフランジ2の鍔片4と取付板10の周縁部10aによって突片23が押し挟まれて弾性変形する。よって、フランジ2と取付板10の当接部位(フランジ2の開口端縁と取付板10の周縁部10a)に生じる隙間をパッキン20によって塞ぎ、この当接部位からフランジ2内への浸水を防いで防水を行うことができる。
【0017】また取付板10にフランジ2を取り付けた状態では、パッキン20のスカート部22の先端部が取付面Mに当接して弾性変形するため、取付面Mと取付板10との隙間からの浸水を防ぐことができる。
【0018】上述のように取付板10にフランジ2を直に当接させ、略一定間隔に保たれたフランジ2の鍔片4と取付板10の周縁部10aとの間にパッキン20を押し挟むようにしたことにより、ゴム製のパッキン20を設計時に設定した弾性反発力が発揮できる変形寸法で使用することができるようになり、安定した防水性能が維持できる。また、取付板10を取付面Mに直に当接させることにより、取付面Mから取付板10並びに器具本体1(フランジ2)に至るまでが剛性体で連結されるため、従来例のように取付板51,54と取付面Mの間にゴム製のパッキン52,55を介在させた場合に生じる種種の問題、つまりパッキンの劣化による器具本体1のぐらつきや浸水あるいは振動疲労による取付品質の劣化などの発生を抑えることができる。
【0019】さらに本実施形態では、パッキン20にスカート部22を設け、フランジ2を取付板10に取り付けたときにスカート部22の先端部を取付面Mに当接して弾性変形させることにより、取付版10とフランジ2との当接部位に生じる隙間からの浸水を防ぐ防水機能をパッキン20に兼ね備えることができる。但し、取付面Mの凹凸が、スカート部22が沿えないような粗さであってスカート部22の先端部と取付面Mとの間に隙間が生じてしまうような場合には、図1に示すようにスカート部22との先端部と取付面Mとの当接部位に生じる隙間をシール剤24で覆うようにすれば良い。
【0020】なお、照明器具は本実施形態のものに限定する主旨ではなく、例えば図4〜図6に示すような形状の灯具31〜33並びにアーム41〜43を有する種種の照明器具の取付構造に本発明の技術的思想が適用可能である。
【0021】
【発明の効果】請求項1の発明は、照明器具を取付面に取り付ける取付構造であって、器具本体が取り付けられる取付板を取付面に当接させた状態で固定するとともに該取付板に器具本体を当接させて取り付け、取付板と器具本体の当接部位の隙間を塞ぐ防水用のパッキンを器具本体の当接部位以外の部位と取付板との間に挟んで弾性変形させて成るので、器具本体を取付板に直に当接させてその当接部位以外の部位と取付板との間にパッキンを挟んで弾性変形させることにより、パッキンを設計時に設定した弾性反発力が発揮できる変形寸法で使用することが可能となり、安定した防水性能が維持できるという効果がある。また、取付板を取付面に直に当接させることにより、取付面から取付板並びに器具本体に至るまでが剛性体で連結されるため、従来例のように取付板と取付面の間にゴム製のパッキンを介在させた場合に生じる種種の問題、つまりパッキンの劣化による器具本体のぐらつきや浸水あるいは振動疲労による取付品質の劣化などの発生を抑えることができるという効果がある。
【0022】請求項2の発明は、上記パッキンに取付板と取付面との間を防水する手段を設けたので、パッキンに取付板と取付面との防水機能を兼ね備えることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成10年6月17日(1998.6.17)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2000−11750(P2000−11750A)
【公開日】 平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願番号】 特願平10−170107