| 【発明の名称】 |
電磁機器 |
| 【発明者】 |
【氏名】梅原 孝司
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、安価で充填物の漏れがない電磁機器用ケースを提供する。
【解決手段】一方を開口した有底状の電磁機器用ケース3にトランス本体20を内蔵するとともに当該電磁機器用ケース内に絶縁性充墳物35を充填してなる電磁機器において、前記電磁機器用ケースは、略筒状に組合わされる複数の部品の少なくとも一方側の接合部6又は11の前記充填される絶縁性充墳物の長手方向両端の外側にそれぞれ切欠き部16を設け当該切欠き部の外側に位置する接合部同士を抵抗溶接により固着してなる筒状ケース本体4と、この筒状ケース本体の切欠き部の内側に嵌着してなる端板15とからなることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】一方を開口した有底状の電磁機器用ケースにトランス本体を内蔵するとともに当該電磁機器用ケース内に絶縁性充墳物を充填してなる電磁機器において、前記電磁機器用ケースは、略筒状に組合わされる複数の部品の少なくとも一方側の接合部の前記充填される絶縁性充墳物の長手方向両端の外側にそれぞれ切欠き部を設け当該切欠き部の外側に位置する接合部同士を抵抗溶接により固着してなる筒状ケース本体と、この筒状ケース本体の切欠き部の内側に嵌着してなる端板とからなることを特徴とする電磁機器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光灯照明器具等の点灯装置に使用される放電灯安定器などの電磁機器に用いられる電磁機器用ケースに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、例えば放電灯安定器に使用される電磁機器は、図3および図4に示すものが一般に知られている。 【0003】放電灯安定器1は、図4に示すように、一方が開口した電磁機器用ケースとしての有底状金属ケース3と、この有底状金属ケース3内に内蔵され周囲を樹脂などからなる絶縁性充填物35で充填されるトランス本体20とから構成され、前記絶縁性充填物35は、有底状金属ケース35内に内蔵されるトランス本体20の温度上昇を低減させるものである。 【0004】一方が開口した有底状金属ケース3は、図3(A)に示すように、断面形状が略コ字状をなす金属板材からなるケースベース5と当該ケースベース5の上部開口を覆って断面形状が略コ字状をなす金属板材からなるケース上蓋10が組み合わされて筒状に形成した筒状ケース本体4と、当該略筒状ケース本体4の一方開口に挿入嵌合して取り付けられる金属板材からなる端板15とから構成している。 【0005】前記筒状ケース本体4は、ケースベース5とケース上蓋10とがそれぞれ相対する接合部としてのケースベース接合面6とケース上蓋接合面11とを数ヶ所スポット溶接して筒状に組み立てられている。 【0006】さらに、前記有底状金属ケース3の接合部としての接合面6、11の周囲および端板15の外周端周囲には、当該有底状金属ケース3内に充填される充填物の漏れを防止するため、塗料などで目張りをすることが多い。 【0007】有底状金属ケースの他の組み立て方法を図6に示す。 【0008】この方法は、ケースベース5とこのケースベース5の上部開口に取り付けられるケース上蓋10の接合面11の周囲を連続溶接し接合した筒状ケース本体4の一方開口に端板15を挿入嵌合して取り付けたものである。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の電磁機器としての放電灯安定器は、図5に示すように、電磁機器用ケースとしての有底状金属ケース4のスポット溶接の間隔が広いと、スポット溶接時に発生する熱歪みや変形のために、スポット溶接間のケース上蓋接合面11とケースベース接合面6との間に大きな隙間ができる。 【0010】このため、ケースベース接合面6とケース上蓋接合面11との間にできる隙間を埋める(以下「目張りする」という)目張り材の濃度を濃くするとともに、目張り材の量が多く必要になることから、コストがアップするという問題があった。 【0011】更に、時には、1回の目張りだけでは、乾燥時の目張り材の収縮により隙間が発生し、当該隙間から充填物が漏れることがある。 【0012】この事により、外観不良や充填物の量不足などにより品質不良になるという問題があった。 【0013】また、充填物の漏れを防止するために、目引り材が乾燥した後、再度、目張りを行うと工数の増加になり、コストがアップするという問題があった。 【0014】同様に、スポット間隔を狭くするとケースベース接合面とケース上蓋接合面との間にできる隙間は少なくなるが、スポット溶接の加工工数が増大し、コストがアップするという問題があった。 【0015】さらに、ケースベースとケース上蓋とを組み合わせ、ケースベース接合面の周囲を連続溶接して接合する場合には、連続溶接は、高額で大きな溶接設備が必要で当該設備償却費がかさむことと、トーチの溶接スピードを早くすると放電箇所が不安定になるため、溶接時間が長時間必要なために、時間当たりの生産台数が低くなってしまうことから、コストがアップするという問題があつた。 【0016】また、連続溶接での溶接歪みは、ケースベースとケース上蓋との位置関係をずらしてしまうために、溶接不良を引き起こして充填物漏れに至ったり、ケースベースとケース上蓋との隙間が大きくなり、端板側からの充填物漏れを引き起こし、品質不良になるという問題があった。 【0017】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、安価で、充填物の漏れがない電磁機器用ケースを提供することを課題とする。 【0018】 【課題を解決するための手段】前記課題を達成するために、本発明の電磁機器は、一方を開口した有底状の電磁機器用ケースにトランス本体を内蔵するとともに当該電磁機器用ケース内に絶縁性充墳物を充填してなる電磁機器において、前記電磁機器用ケースは、略筒状に組合わされる複数の部品の少なくとも一方側の接合部の前記充填される絶縁性充墳物の長手方向両端の外側にそれぞれ切欠き部を設け当該切欠き部の外側に位置する接合部同士を抵抗溶接により固着してなる筒状ケース本体と、この筒状ケース本体の切欠き部の内側に嵌着してなる端板とからなることを特徴とするものである。 【0019】上記の構成において、ケースベースとケース上蓋を抵抗溶接によって接合する際には、溶接による歪みはスリットにより分断されケース中央接合部には伝わらない。したがって、樹脂充填部分に相当するケースベースあるいは上蓋の中央接合部分が直線に維持され、非常に小さい隙間で組み立てられる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、図1および図2を参照して本発明の実施の形態に係る電磁機器としての放電灯安定器を説明する。 【0021】図1は本発明の第1の実施の形態に係る電磁機器用ケースの構成を示すものである。 【0022】電磁機器用ケースとしての有底状金属ケース3は、金属板材からなるケースベース5とこのケースベースの上部開口に取付けられるケース上蓋10とからなる筒状ケース本体4と、この筒状ケース本体4の一方開口に取付けられる端板15とから構成している。 【0023】前記ケース上蓋10は、断面形状が略台形状をなす長尺状の上蓋12と、この上蓋12の両側から対向して下方に向けて直角に折曲げられ裏面側がそれぞれケースベース接合面6,6に接合するケース上蓋接合面11,11をなす一対の立下り片13,13とから構成するとともに、立下り片13の両端にはスリット状の切欠き部16,16がそれぞれ設けられている。 【0024】さらに、ケース上蓋10の一方端には、裏面側に突出する端板ストッパとしてのダボ9が設けられている。このダボ9は、ケース上蓋10に設けたスリット状の切欠き部16より内側に形成している。 【0025】前記ケースベース5は、長尺状で矩形をなす底板7と、この底板の両側から対向して直角に折曲げられた一対の側板8,8とから構成し、当該一対の側板8,8上端表面側はケースベース接合面6,6をなしている。 【0026】さらに、一対の側板8,8および底板7の一方端側には、裏面側に突出する端板ストッパとしてのダボ9がそれぞれ設けられている。また、ケースベースの底板7の両端には、器具本体(図示せず)などに取付けるための取付孔7a,7aがそれぞれ設けられている。なお、側板8および底板7に設けられるダボ9の位置は、図2(A)に示すように、筒状ケース本体4の状態では、切欠き部16より内側に形成している。 【0027】前記端板15は、金属板材からなるとともに、ケースベース5とケース上蓋10とからなる筒状ケース本体4の端部に嵌込まれる形状に形成されている。 【0028】電磁機器用ケースとしての有底状金属ケースの組立て方法を説明する。 【0029】第1ステップとして、ケースベース5の上部開口にケース上蓋10を組み合わせたのち、当該ケース上蓋のスリット状切欠き部16の外側に位置するケース上蓋接合面11aとケースベース接合面6とをスポット溶接を施してケースベース5とケース上蓋10とを固着し、筒状ケース本体4を製作する。なお、スポット溶接の点数は、1つの筒状ケース本体あたり4ポイントとなる。 【0030】また、スポット溶接の熱歪みは、スリット状切欠き部16によって分断され、ケース上蓋10の中央接合部には伝播しないため、ケース上蓋10の中央接合部は、溶接後も直線性が保たれる。 【0031】それから、端板15をダボ9を乗越えるまで筒状ケース本体4内に挿入し嵌合することにより、有底状金属ケース3の組立ては完了する。 【0032】なお、端板15を筒状ケース本体4の開口に挿入する際、目張り材として端板の周囲に接着剤を塗布するか、または、端板を筒状ケース本体に挿入嵌合したのち、端板の周囲に目張り材として塗料を塗布してもよい。 【0033】さらに、ケースベースとケース上蓋を抵抗溶接によって接合する際には、溶接による歪みはスリット状切欠き部16により分断されケース中央接合部には伝わらない。したがって、樹脂充填部分に相当するケースベースあるいはケース上蓋の中央接合部分が直線に維持され、非常に小さい隙間で組み立てられ、塗装または接着剤を塗布することにより充填物充填時の漏れを防止する。 【0034】接着剤としては、例えば、エポキシ系の2液性接着剤,アクリル系の2液性接着剤,1液性接着剤などを使用する。前記2液性接着剤は、常温で硬化するので、加熱や赤外線照射などをして接着剤を硬化させる1液性接着剤より生産性に優れている。なお、1液性接着剤の中にも、常温で瞬間に硬化するものもある。 【0035】有底状金属ケース3内に組込まれるトランス本体20は、図2(B)に示すように、端部に複数の端子29が挿着された端子台24を有するボビン21に電線22を巻回してなる一次コイル23と、端部に複数の端子29が挿着された端子台26を有するボビン25に電線22を巻回してなる二次コイル27と、これら一次コイル23と二次コイル27の中心線に沿って取付けられる中央脚鉄心(図示せず)と、周囲に取付けられる側脚鉄心28と、これら中央脚鉄心(図示せず)と側脚鉄心28との両端にそれぞれ嵌込み当該中央脚鉄心(図示せず)と側脚鉄心28とを固定する一対のキャップ30,30とから構成している。 【0036】電磁機器としての放電灯安定器の組立てを説明する。 【0037】有底状金属ケース3の端板15側を底にして当該有底状金属ケースを立設する。それから、トランス本体20を有底状金属ケースの開口部から挿入するとともに、絶縁性樹脂を当該トランス本体が隠れるまで注入することにより、安定器の組立ては完了する。 【0038】有底状金属ケース3内に充填される充填物下面想定位置Aは、ケース上蓋の切欠き部16より上側(図面上では右側)に位置する。さらに、充填物上面想定位置Bは、ケース上蓋の切欠き部16より下側(図面上では左側)に位置している。 【0039】上記実施の形態の作用を説明する。 【0040】一方を開口した電磁機器用ケースとしての有底状金属ケース3内にトランス本体20を内蔵するとともに、当該有底状金属ケース内に絶縁性充填物を充填してなる電磁機器としての放電灯安定器において、有底状金属ケース3は、複数の部品を略筒状に組み合わせて、充填物が充填される場所の長手方向両端の外側にケース部材の少なくとも1つにスリット状切欠き部をそれぞれ設け、且つ、当該スリット状切欠き部の外側にスポット溶接等の抵抗溶接により、前記複数部品を筒状に固着した構成としたので、抵抗溶接によってケースベースとケース上蓋を接合する際には、溶接による熱歪みはスリット状切欠き部により分断されて有底状金属ケースの中央接合部には伝わらない。 【0041】したがって、充填物が充填されているケースベースあるいはケース上蓋の中央接合部分は直線状に維持され、非常に小さい隙間で組み立てられ、塗装されることによって充填物充填時の漏れを防止する。 【0042】本発明の電磁機器は、ケースベースとケース上蓋とのスポット溶接の位置は、充填される充填物の液面の下方および上方に位置し、さらに、充填物の液面とスポット溶接の間にスリット状切欠き部を設けることによって、筒状ケース本体の接合部のたわみを少なくし、充填物の漏れを防ぐ。 【0043】 【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、一方を開口した電磁機器用ケースにトランス本体を内蔵するとともに、当該電磁機器用ケース内に絶縁充墳物を充填してなる電磁機器において、前記電磁機器用ケースは、複数の部品を略筒状に組み合わせて、充填物が充填される場所の長手方向両端の外側にケース部材の少なくとも1つに切欠き部を設け、かつ、当該スリット状切欠き部の外側にスポット溶接等の抵抗溶接により、前記複数部品を筒状に固着して構成したので以下の効果を奏する。 【0044】第1には、スポット溶接による熱歪みがケースの中央接合部に伝播することを防ぎ、接合面11と接合面6との間の隙間を非常に小さくすることができる。 【0045】それにより、接合面6と接合面11との間にできる隙間を埋める目張りをすることが不要で、目張り材料と目張りをする工数を削減でき、大幅なコストダウンとなる。 【0046】第2には、目張りを省略した場合の樹脂漏れや充填物の充填不良を防ぎ、品質を安定させることができる。 【0047】第3には、スポット間隔は、ケースの両端で済むため、従来のケースに比べて少なく、工数を削減し、コストダウンとなる。 【0048】第4には、連続溶接に比べても、安価な溶接設備で実現することができるために設備償却費が小さく、非常に短い時間で溶接するごとができるために時間当たりの生産台数がく、小さいコストでケースを生産することができる。 【0049】第5には、連続溶接での溶接歪みのようにケースベースとケース上蓋との位置関係をずらしてしまうような不具合もない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003562 【氏名又は名称】東芝テック株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年6月25日(1998.6.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−11746(P2000−11746A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月14日(2000.1.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−178566 |
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