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【発明の名称】 照明器具のソケット装置
【発明者】 【氏名】斉藤 清

【要約】 【課題】簡単な構造を採用しながらも、ランプ長や器具本体の寸法のばらつきを吸収してランプを確実に保持する。

【解決手段】器具本体1にソケット台8を介してソケット5を取り付ける。ソケット台8は板金により固定片8aと保持片8bとを有する断面V字状に形成される。器具本体1の両端部に設けたソケット5間の距離はランプ2の長さよりもやや小さく設定され、ランプ2を装着すると、ソケット台8が撓んで器具本体1やランプ2の寸法誤差を吸収し、ランプ2の口金4にソケット5が密着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直管形のランプの両端に設けた口金が結合される一対のソケットと、器具本体に固定される固定片およびソケットが結合される保持片が板金により連続一体に形成されたソケット台とを備え、前記固定片と前記保持片とはランプの長手方向に沿った一側縁同士が結合されてランプの長手方向に直交する断面内で互いに交差し、両ソケットの対向面間の距離はランプの口金の端面間の距離よりも小さく設定されていることを特徴とする照明器具のソケット装置。
【請求項2】 前記固定片と前記保持片とはランプの長手方向に直交する面内で鋭角をなし、ランプの長手方向における固定片および保持片の両側縁にはそれぞれ互いに近づく向きに突出する位置規制片が形成され、位置規制片の先端縁間には隙間が形成されていることを特徴とする請求項1記載の照明器具のソケット装置。
【請求項3】 固定片と保持片とにそれぞれ設けた位置規制片の一方には他方から遠ざかる向きに凹みかつ厚み方向においてランプに近付く向きに凹んだ凹部が形成され、他方には凹部に挿入されて固定片と保持片との撓み量を規制する凸部が形成されることを特徴とする請求項2記載の照明器具のソケット装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両端に口金を有する直管形のランプを備えた照明器具のソケット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、図7に示すように、器具本体1に直管形のランプ2を取り付けた照明器具が提供されている。図示する照明器具は、2本のランプ2を備え、両ランプ2間に逆山形の反射板3を配置し、各ランプ2の両端に設けた口金4をソケット5に結合した構成を有している。ここに用いている反射板3は富士形と通称されている。
【0003】ところで、ソケット5とランプ2との結合形式には、回転形のものと差込形のものとが知られている。つまり、ランプ2の口金4の端面には一対の端子ピンが突設されており、ソケット5にはランプ2を回転させることなく端子ピンが差し込まれるものと、ランプ2を回転させることによって端子ピンをソケットに接続するものとがある。
【0004】回転形のソケット5は広く普及しているものであって、端子ピンが導入される溝(図示せず)を有し、ソケット5の周面に設けたスリット(図示せず)が前記溝に連通していることによって、スリットを通して端子ピンを導入した後に溝に沿ってランプ2を回転させればランプ2がソケット5に電気的かつ機械的に結合されるものである。
【0005】しかしながら、ランプ2の長さのばらつきや器具本体におけるソケット5間の距離のばらつきを吸収する設計がなされていないから、ソケット5の間隔がランプ2の長さに適合しない場合があり、器具本体の製造時の寸法のばらつきによってはランプ2を確実に保持できない場合さえある。ランプ2をソケット5に確実に保持させることができなければ、ランプ2が振動などによって落下するおそれがあり、また、ランプ2の交換時に端子ピンに触れて感電する可能性もある。
【0006】一方、差込形のソケット5は、図8に示すように、ソケット本体6に対してランプ2の長手方向に進退自在かつ突出方向にばね付勢されたプランジャ7を備えており、プランジャ7の先端面に形成されたピン孔(図示せず)に端子ピンが挿入されるようになっている。したがって、プランジャ7をソケット本体6側に後退させてランプ2を装着すれば、プランジャ7がランプ2の口金に弾接することになる。つまり、ランプ2の長さにばらつきがあっても、プランジャ7の進退によって長さのばらつきが吸収され、ランプ2との電気的接触状態を安定に保つとともに、ランプ2を機械的に保持する力を確保することができる。
【0007】差込形のソケットとしては、実開昭63−112786号公報に記載されているように、直管形のランプの一端側に接続されるソケットをランプの長手方向に直交する軸によって器具本体に対して軸着し、軸回りにばね付勢することによってランプを保持するようにしたものも知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、差込形のソケット5はソケット本体6、プランジャ7、プランジャ7を押圧するばね(図示せず)が必要であったり、ソケット、回転軸、ソケットを付勢するばねが必要であったりするから、部品点数が比較的多いとともに構造が複雑になるという問題を有している。
【0009】本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、差込形のソケットに比較して簡単な構造を採用しながらも、ランプ長や器具本体の寸法のばらつきを吸収してランプを確実に保持することができるようにした照明器具のソケット装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、直管形のランプの両端に設けた口金が結合される一対のソケットと、器具本体に固定される固定片およびソケットが結合される保持片が板金により連続一体に形成されたソケット台とを備え、前記固定片と前記保持片とはランプの長手方向に沿った一側縁同士が結合されてランプの長手方向に直交する断面内で互いに交差し、両ソケットの対向面間の距離はランプの口金の端面間の距離よりも小さく設定されているものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記固定片と前記保持片とはランプの長手方向に直交する面内で鋭角をなし、ランプの長手方向における固定片および保持片の両側縁にはそれぞれ互いに近づく向きに突出する位置規制片が形成され、位置規制片の先端縁間には隙間が形成されているものである。
【0012】請求項3の発明は、請求項2の発明において、固定片と保持片とにそれぞれ設けた位置規制片の一方には他方から遠ざかる向きに凹みかつ厚み方向においてランプに近付く向きに凹んだ凹部が形成され、凹部が形成され、他方には凹部に挿入されて固定片と保持片との撓み量を規制する凸部が形成されるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に説明する実施の形態では、従来の技術として説明した富士形2灯の照明器具にとくに適したものであるが、他の形状の照明器具であっても直管形のランプを用いる照明器具であれば本発明の技術を適用可能である。
【0014】しかして、図1に示すように、器具本体1の端部にはソケット台8を介してソケット5が取り付けられる。また、ソケット5には回転形のものを用いている。つまり、ソケット5はランプ2(図4参照)の両端に設けた口金4(図4参照)の端面から突出する一対の端子ピン(図示せず)が挿入される一対の溝(図示せず)を有し、両溝がソケット5の周面に開放されている1つのスリット(図示せず)に連通しているものを用いている。この種のソケット5は周知のように、スリットを通して2本の端子ピンを導入し、一方の端子ピンを一方の溝に導入した状態でランプ2を回転させると、他方の端子ピンが他方の溝に導入されるようになっている。
【0015】ソケット台8は、器具本体1に固定される固定片8aと、ソケット5が結合される保持片8bとを有し、固定片8aと保持片8bとにおけるランプ2の長手方向に沿った一側縁同士を連続一体に結合することによって、ランプ2の長手方向に直交する断面内で互いに交差する形状に形成されている。ソケット台8は板金により形成され、固定片8aと保持片8bとの結合部位は滑らかな弧状に形成されていて、固定片8aと保持片8bとは板金の弾性によって互いにねじれることが許されている。つまり、ソケット台8は板金を断面V字状に曲成して形成されている。
【0016】固定片8aの他側縁には器具本体1に設けた差込孔1aに挿入される一対の引掛片8cが突設され、引掛片8cは器具本体1の下面側から差込穴1aに挿入されかつ器具本体1の上面に沿って折曲された形になっている。また、器具本体1においてランプ2の長手方向に沿った両側縁には垂下片1bが下向きに延設され、器具本体1の強度を高めるとともに固定片8aの移動を規制する機能を有している。
【0017】ところで、保持片8bにおいて固定片8aと連続していない残りの3辺には固定片8aとの距離を小さくする向きに補強片8d,8eが突設されている。ランプ2の長手方向に交差する両側縁に設けた補強片8dには固定片8a側で位置規制片9bが形成され、また固定片8aには位置規制片9bに対向する部位に位置規制片9aが形成される。両位置規制片9a,9bは互いに近付く向きに突設されており、両位置規制片9a,9bの先端縁間には隙間10が形成されている。つまり、固定片8aと保持片8bとはこの隙間10の範囲内で互いに近付くことができる。ここに、固定片8aと保持片8bとの連結部位の近傍では両位置規制片9a.9bに跨る円形の抜き孔11が形成されており、固定片8aと保持片8bとを互いに撓みやすくしてある。
【0018】また、ソケット5の背面側(つまり、端子ピン挿入用の溝を形成している面の反対側)に対応する位置規制片9a,9bのうち、固定片8aに設けた位置規制片9aには凹部12aが形成され、保持片8bに設けた位置規制片9bには凹部12aに挿入される凸部12bが形成されている。図2に示すように、凹部12aは切欠ではなく位置規制片9aの厚み方向に打ち出した形で形成されている。つまり、凹部12aは保持片8bに設けた位置既製片9bから遠ざかる向きに凹み、かつランプ2に近付く向きに凹んでいることになる。また、凸部12bは凹部12aに挿入されることで固定片8aに対する保持片8bの撓み量を規制する。ここにおいて、ソケット台8に外力が作用しない状態では凸部12bは凹部12aの内側面から離れて位置する。
【0019】上述の構成によって、図3 (a)の実線の位置と二点鎖線の位置とで示すように固定片8aと保持片8bとは両位置規制片9a,9b間の距離を変える向きに可撓になると同時に、図3 (b)の実線の位置と二点鎖線の位置とで示すように保持片8bが固定片8aに対してランプ2の長手方向に変位する向きに可撓になる。また、上記形状の凹部12bにより、図3 (a)の二点鎖線で示すように保持片8bが固定片8aに近付く向きに撓むときの撓み量が規制され、また図3 (b)の二点鎖線で示すようにソケット5がランプ2から離れる向きに撓むときの保持片8bの撓み量が規制される。要するに、ソケット台8に過剰な外力が作用したときの撓み量を規制することができ、結果的にソケット台8の塑性変形が防止される。
【0020】しかして、器具本体1やランプ2の寸法のばらつきを考慮して、ソケット5間の距離Kをランプ2の長さLよりもやや小さくするように(つまりK<Lとなるように)ソケット5を取り付けておけば、ランプ2の装着時には保持片8bを固定片8aに対して撓ませることで、ソケット5間の距離Kをランプ2の長さLに一致させることができる(つまりK=Lになる)。ここに、ランプ2の装着時においてランプ2の口金4の端面とソケット5の端面とが合致するように、ランプ2が装着されていない状態ではソケット5が上下方向に対してわずかに斜めに傾くように取り付けておくのが望ましい。つまり、図4 (a)にθで示す角度を持つようにソケット5を取り付けておき、図4 (b)のようにランプ2を装着した状態ではθがほぼ0になるようにする。
【0021】ところで、ソケット台8は板金により形成されるから、打ち抜き加工や曲げ加工が必要であって、これらの加工にはプレス機を加工機として用いる。板厚の大きい板金を加工するには加工機のプレス能力が大きくなければならず、高価な加工機が必要になる。一方、プレス能力が低い比較的安価な加工機では板厚の小さい板金でなければ加工することができない。以下では板厚の小さい板金を用いる場合について説明する。
【0022】ソケット台8に用いる板金の板厚が小さいときには、小さい力でも撓み量が大きくなるから、撓み量を規制できるようにソケット台8の強度を確保しなければならない。そこで、図5に示すように、位置規制片9a,9bの先端縁同士を当接させ、かつ位置規制片9a,9bの一部に形成した凹所13aと突片13bとを凹凸嵌合させた形でかしめる。このように位置規制片9a,9bを結合することによって、ソケット台8が補強され撓み量が規制されることになる。位置規制片9a,9bは固定片8aおよび保持片8bの側縁の一部にだけ形成されているから、板金の板厚が小さければ位置規制片9a,9bを結合した状態でも保持片9bを固定片8aに対して相対的に撓ませることができ、結果的に図1に示した構成のソケット台8とほぼ同様に機能させることが可能になる。
【0023】凹所13aと突片13bとの形状は、図6 (a)のように凹所13aの内周を弧状としたものや、図6 (b)のように突片13bの先端部を二股状としたものを採用することができる。要するに位置規制片9a,9bが互いに離れない形状であればどのような形状を採用してもよい。
【0024】
【発明の効果】請求項1の発明は、直管形のランプの両端に設けた口金が結合される一対のソケットと、器具本体に固定される固定片およびソケットが結合される保持片が板金により連続一体に形成されたソケット台とを備え、固定片と保持片とはランプの長手方向に沿った一側縁同士が結合されてランプの長手方向に直交する断面内で互いに交差し、両ソケットの対向面間の距離はランプの口金の端面間の距離よりも小さく設定されているものであり、板金により形成されたソケット台の撓みを利用してソケットをランプの口金に密着させることができるから、従来のようにプランジャやばねを用いることなく簡単な構成ならがも器具本体やランプの寸法誤差を吸収してランプを確実に保持することが可能になる。つまり、回転形のソケットを用いても寸法誤差によるランプの落下などを防止することができるという利点を有する。
【0025】請求項2の発明は、請求項1の発明において、固定片と保持片とはランプの長手方向に直交する面内で鋭角をなし、ランプの長手方向における固定片および保持片の両側縁にはそれぞれ互いに近づく向きに突出する位置規制片が形成され、位置規制片の先端縁間には隙間が形成されているものであり、位置規制片によって固定片と保持片との距離を規制することができ、過剰な外力によるソケット台の塑性変形を防止することができる。
【0026】請求項3の発明は、請求項2の発明において、固定片と保持片とにそれぞれ設けた位置規制片の一方には他方から遠ざかる向きに凹みかつ厚み方向においてランプに近付く向きに凹んだ凹部が形成され、凹部が形成され、他方には凹部に挿入されて固定片と保持片との撓み量を規制する凸部が形成されるものであり、凹部と凸部との寸法関係および形状を適宜に設定することで、ソケット台の撓み量を適正に設定することができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成10年6月23日(1998.6.23)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2000−11737(P2000−11737A)
【公開日】 平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願番号】 特願平10−175696