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【発明の名称】 車輌用前照灯装置
【発明者】 【氏名】小林 正自

【要約】 【課題】車輌用前照灯装置において、車輌の走行状態や走行環境に応じて配光分布や光量、光色を可変制御する。

【解決手段】車輌用前照灯装置1は、共通の光源3又は複数の光源3、3′を含む第1、第2の照射部を備えている。そして、第1の照射部2_1は光源3を常時点灯させることで当該光源の照射光により基本ビームを形成する。また、第2の照射部2_2については、第1の照射部2_1によって得られる基本ビームの配光を補うために補助ビームを照射するものとし、その照射光の配光、光量又は光色を車輌の走行状態若しくは走行環境に応じて変化させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 共通の光源又は複数の光源を含む複数の照射部を備えた車輌用前照灯装置において、(イ)上記複数の照射部のうち、それらの光源又は光源群を常時点灯させることで当該光源又は光源群の照射光により基本ビームを形成する第1の照射部を有すること、(ロ)上記第1の照射部とは異なる第2の照射部を設け、その照射光により上記基本ビームの配光を補うこと、(ハ)上記第2の照射部については、その照射光の配光又は光量又は光色が車輌の走行状態若しくは走行環境に応じて変化し、これによって配光分布が可変制御されるビーム照射が行われること、を特徴とする車輌用前照灯装置。
【請求項2】 請求項1に記載の車輌用前照灯装置において、第1の照射部により形成される基本ビームが対向車とのすれ違い時に使用されるすれ違いビームとされ、第2の照射部により形成されるビームには、車輌前方を広範囲に照射する走行ビームの一部が用いられることを特徴とする車輌用前照灯装置。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の車輌用前照灯装置において、第2の照射部により形成されるビームが、車道のセンターライン上又は路肩を主として照射することを特徴とする車輌用前照灯装置。
【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の車輌用前照灯装置において、第2の照射部により形成されるビームが、すれ違いビームの配光において明暗境界を分けるカットオフの上方又は下方の近傍領域を照射することを特徴とする車輌用前照灯装置。
【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の車輌用前照灯装置において、第2の照射部により形成されるビームは、光源からの光を反射鏡の反射面の周辺域によって反射させることで形成されることを特徴とする車輌用前照灯装置。
【請求項6】 請求項1に記載の車輌用前照灯装置において、(イ)第1の照射部は、走行ビームとすれ違いビームとを選択的に照射すること、(ロ)第2の照射部を構成する光源には、複数の発光部が設けられており、これらの発光部を切り換えることで照射範囲が変化すること、を特徴とする車輌用前照灯装置。
【請求項7】 請求項2に記載の車輌用前照灯装置において、第2の照射部を構成する光源には、複数の発光部が設けられており、これらの発光部を切り換えることで照射範囲が変化するようにしたことを特徴とする車輌用前照灯装置。
【請求項8】 請求項1又は請求項2に記載の車輌用前照灯装置において、第2の照射部を構成する光源には、フィラメント及び該フィラメントの周囲を覆うように配置された遮光部材を含む発光部が設けられており、当該発光部の発光時に遠側方照射用ビーム又は近側方照射用ビームが照射されるようにしたことを特徴とする車輌用前照灯装置。
【請求項9】 請求項1又は請求項2又は請求項8に記載の車輌用前照灯装置において、第2の照射部を構成する光源には、2つのフィラメントを含む発光部が設けられており、両フィラメントについては、それらの中心軸が照射部の光軸に沿う配置とされるか、又は、一方のフィラメントの中心軸が照射部の光軸に沿う配置とされ、かつ他方のフィラメントの中心軸が照射部の光軸に直交する水平方向に沿う配置とされていることを特徴とする車輌用前照灯装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌の走行状態や走行環境に応じた配光分布の制御を実現するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】車輌用灯具の照射制御には、例えば、自動車用灯具のように、車輌の前方を遠方まで照射する走行ビーム(所謂ハイビーム)照射と、対向車とのすれ違い時に使用されるすれ違いビーム(所謂ロービーム)照射が知られており、両者の切換を一つの光源内のフィラメントの切換で行う方法と、走行ビーム用ランプとすれ違いビーム用ランプとを用意して両者の切換で行う方法とが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の車輌用前照灯装置にあっては、走行ビーム時の配光とすれ違いビームの配光とが独立に使用されてそのいずれかが排他的に選択される構成とされていたため、車輌の走行状態や走行環境によっては、充分な視野角をもった配光分布を実現することが困難な状況に遭遇する虞がある。
【0004】そこで、本発明は、車輌の走行状態や走行環境に応じて配光分布や光量、光色を可変制御することができる車輌用前照灯装置の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記した課題を解決するために、共通の光源又は複数の光源を含む複数の照射部を備えた車輌用前照灯装置において、下記の(イ)乃至(ハ)に示す構成を有するものである。
【0006】(イ)複数の照射部のうち、それらの光源又は光源群を常時点灯させることで当該光源又は光源群の照射光により基本ビームを形成する第1の照射部を有すること。
【0007】(ロ)第1の照射部とは異なる第2の照射部を設け、その照射光により上記基本ビームの配光を補うこと。
【0008】(ハ)第2の照射部については、その照射光の配光又は光量又は光色が車輌の走行状態若しくは走行環境に応じて変化し、これによって配光分布が可変制御されるビーム照射が行われること。
【0009】従って、本発明によれば、常時点灯の光源を用いた基本ビームに対して、該基本ビームの補助ビームを追加することで基本ビームだけでは充分に確保することができない配光分布や照射範囲を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の基本構成を示すものであり、車輌用前照灯装置1は、共通の光源又は複数の光源を含む複数の照射部を備えている。尚、図1では複数の照射部として、第1の照射部2_1と、第2の照射部2_2とが示されており、各照射部の間で共通の光源3を用いたり、あるいは照射部毎に各別の光源3、3′を用いることができる。即ち、前者の場合には光源3と、当該光源からの光を反射する各反射鏡(あるいは反射部)、そしてこれらの前方に配置されるレンズ(あるいはレンズ部)によって各照射部が構成され、後者の場合には、光源3とその反射鏡(あるいは反射部)、レンズ(あるいはレンズ部)によって第1の照射部2_1が構成され、光源3′とその反射鏡(あるいは反射部)、レンズ(あるいはレンズ部)によって第2の照射部2_2が構成される。
【0011】これら複数の照射部のうち、第1の照射部2_1については、その光源又は光源群を常時点灯させることで当該光源又は光源群の照射光により基本ビーム(あるいはベースビーム)を形成するという役割を有している。尚、基本ビームの配光については、これを固定した配光とする方法と、可変型配光(配光分布の可変制御機構によって配光を自在に制御することができる。)とする方法があるが、灯具構成の簡単化やコスト削減の観点からは前者が有利である。
【0012】また、第2の照射部2_2については、その照射ビーム(補助ビーム)により基本ビームの配光を補う役割を有しており、例えば、自動車用灯具の場合には、ヘッドランプによる走行ビームの一部やフォグランプ等の補助前照灯の照射ビームを、補助ビームとして利用することができる(つまり、基本ビームの照射時にはこれまで使用されなかった第2の照射部2_2を有効活用して補助ビームを得ることができる。)。そして、第2の照射部2_2に係る照射光の配光又は光量又は光色(例えば、白色や黄色等)を、車輌の走行状態若しくは走行環境に応じて変化させることができるように構成されており、これによって配光分布の可変制御が行われる。
【0013】そのために照射制御手段4が設けられており、該照射制御手段は、車輌の走行状態/走行環境検出手段5からの情報に基づいて第2の照射部2_2に制御信号を送って、その配光分布や、光量、光色等を制御する。
【0014】尚、車輌の走行状態には、車速や車輌の走行姿勢等が含まれ、これらは車輌に装備された走行速度検出手段(速度センサ等)や車高検出手段によって得ることができる。また、車輌の走行環境には、道路形状や構造に関する情報や気象情報、先行車や対向車の有無等が含まれるが、前者の情報については、車輌に付設した前方撮影用カメラの捉えた画像情報の解析結果として得たり、あるいは、道路形状を含む地図情報及び自車輌の現在位置情報に基づいて現在及びその後の車輌の走行方向を予測する手段として、GPS(Global Positioning System)衛星を利用したナビゲーション(経路誘導)システムや、路車間通信(車輌と道路との間を無線通信で結ぶ施設を利用したもの)等から得られる情報を利用することができる。また、先行車や対向車の検出情報は赤外線や超音波等の検出波を利用したセンサによって検出したり、対向車の照射光を照度センサによって検出することで実現できる。
【0015】照射制御手段4による配光制御の方法としては、照射部を構成する光学部材、例えば、反射鏡あるいはその一部(可動反射鏡等)の姿勢を制御する方法や、灯具内に配置されたインナーレンズの位置制御で行う方法等が挙げられるが、光源の周囲を覆うシェード(遮光部材)の位置制御で行う方法が簡単である。
【0016】図2はシェードの回動によって配光分布を可変制御するための機構6を略線的に示したものであり、反射鏡7に取り付けられた光源8を前方から覆うシェード9が、その回動支点Oの回りに回動自在な状態で支持されており、モータを使ったアクチュエータ、あるいはソレノイド等の駆動手段10によってシェード9の回動姿勢が規定されるように構成されている。つまり、シェード9は、これを同図に矢印Rに示す方向に沿って連続的又は段階的に傾動させることができるので、該シェード9の姿勢に応じて光源8から反射鏡7の反射面に向かう光の一部が遮られることで、反射面における所望の領域の反射光だけを意図的に使用して配光分布を規定することができる。
【0017】また、図3に示す構成例は、シェードのスライドによって配光分布を可変制御するための機構11を略線的に示したものであり、反射鏡12に取り付けられた光源8を前方から覆うシェード13が、反射鏡12の光軸「L−L」に沿って直線的に移動自在な状態で支持されている。そして、シェード13の駆動については、モータを使ったアクチュエータ、あるいはソレノイド等の駆動手段14によってシェード13の前後方向(光軸方向)における位置が規定されるように構成されており、シェード13を同図に矢印Sで示すように光軸L−Lに対して平行な方向に沿って連続的又は段階的にスライドさせることで、該シェード13の位置に応じて光源8から反射鏡12の反射面に向かう光の一部を遮ることができ、これによって反射面における所望の領域の反射光だけを意図的に使用して配光分布を規定することができる。尚、駆動手段14からシェード13への動力伝達機構については平行リンクを使った機構、送りネジとナットを使った機構等、既知の機構を用いれば良い。
【0018】照射制御手段4による光量制御については、光源(白熱電球や放電灯等)に対する電流値や供給電力値の制御で行えば良く、また、光色の制御についてはフィルタ部材の位置制御で行う(図2や図3に示す機構においてシェード9、13をフィルタ部材に置換すれば良い。)。
【0019】しかして、本発明によれば、第1の照射部2_1による基本ビームと、第2の照射部2_2による配光可変の補助ビームとを組み合せた合成ビームによって配光分布を規定することができる。
【0020】例えば、第1の照射部2_1により形成される基本ビームを、対向車とのすれ違い時に使用されるすれ違いビームとし、第2の照射部2_2により形成されるビームには、車輌前方を広範囲に照射する走行ビームの一部を用いる(この場合、第2の照射部2_2は、走行ビーム用の光源又はフィラメントと、反射鏡の一部領域、レンズ部材等によって構成される。)と、照射光の有効利用が可能となる。つまり、これまではすれ違いビームと走行ビームが選択的に切り換えられて使用されていたため、すれ違いビームの照射時には、走行ビーム用ランプ(あるいはランプ部)は消灯状態又は不使用状態とされたが、本発明では、すれ違いビームの照射時にも走行ビーム用光源又はフィラメントを点灯させて、走行ビーム用の反射鏡又は反射領域の一部を使って補助ビームを照射することで、車輌の前方視認性を向上させることができる。
【0021】また、第2の照射部2_2により形成されるビームとしては、車道のセンターライン上又は路肩を主として照射できるように構成することが好ましい。その理由は、悪天候(雨天や曇天、降雪時等)の場合には、路面が暗いために路肩やレーンマークが見づらくなり、車線維持の運転操作がしにくいためである。尚、その場合に光量増加によって対応する方法も挙げられるが、これでは消費電力の増大や道路利用者への眩惑等を惹き起こす虞があるため、補助ビームによって路肩やレーンマークに対して光照射を行う方が現実的かつ効果的である。
【0022】図4及び図5は第2の照射部による配光分布の一例を概略的に示しており、図4が悪天候(モード)時における配光分布を示し、図5が走行ビームの照射時における配光分布を示している。尚、これらの図において、「H−H」線が水平線を示し、「V−V」線が鉛直線を示しており、破線はカットライン(あるいはカットオフ)を示している。つまり、道路交通法規上左側走行を義務付けられている国において、鉛直線V−Vの左側に位置するカットラインCLが左斜め上方に沿って延び、鉛直線V−Vの右側に位置するカットラインCRが水平線H−Hに対して平行に延びている。また、路上の左側に位置する線15が自車路肩線(自車線側の路肩線)を示し、路上の右側に位置する線16が対向車路肩線(対向車線側の路肩線)を示しており、H−H線とV−V線との交点から右斜め下方に延びる線17がセンターラインを示している。
【0023】図4においてカットラインCRのやや下方であって鉛直線V−Vの右側に位置する範囲Raに示すように、雨天時等では自車線側の10メートル程度前方のセンターライン上(線17上)、そして、水平線H−Hの下方であって鉛直線V−Vの左側に位置する範囲Rbに示すように、路肩のレーンマーク上(線15上)が集中的に照射され、これが第1の照射部2_1によるすれ違いビームの照射パターンに合成されて配光分布が規定される。つまり、上記範囲Ra、Rbは第2の照射部2_2による照射ビームの一部を利用することによって得られるが、当該照射部を構成する反射鏡の一部、例えば、反射鏡の周辺域での反射光を活用することが望ましい。
【0024】このように、路肩やレーンマークに向かって照射されるビームの一部をすれ違いビームに追加して使用することにより、雨天時等における車線維持のための運転操作が容易になり、走行安全性を保証することができる。
【0025】また、走行ビームの照射時には、第2の照射部2_2を構成する反射鏡の反射面全面を使って光照射が行われるので、図5の範囲Rcに示すように、車輌前方を明るく照明することができ、しかも、上記した範囲Ra、Rbにも光照射が行われるのでレーンマークや路肩の視認性も向上する。
【0026】尚、悪天候の判断にあたっては、これを運転者に委ねて手動で第2の照射部2_2についての点灯を行うようにしても良いし、また、気象状況の検出結果を利用して自動点消灯の制御で行っても良い。後者の場合には、気象状況検出を直接的に行う方法と間接情報から推定する方法とがあり、前者の方法には前方撮影用カメラの情報に基づく画像処理による方法、あるいは雨滴や温湿度、周囲照度等を検出するため各種センサを付設して、これらの検出情報を総合的に判断する方法が挙げられ、また、後者の方法には、例えば、ワイパーの操作信号やその状態を示す信号等、気象変化に付随して操作されることが予定されている装置の情報を活用する方法が挙げられる。尚、気象情報の取得については、前記した路車間通信やFM多重通信等を利用できることは勿論である。
【0027】車輌の高速走行時には、車速に適した補助ビームを用いることが好ましく、そのためには、第2の照射部2_2により形成されるビームが、すれ違いビームの配光において明暗境界を分けるカットオフの上方の近傍領域を照射するように配光分布を規定すれば良い。
【0028】図6及び図7は第2の照射部による配光分布の一例を概略的に示しており、図6が高速走行時における配光分布を示し、図7が走行ビーム照射時における配光分布を示している。尚、「H−H」線や「V−V」線の意味及び破線で示すカットオフ、実線で示す路肩線15、16やセンターライン17については既述の通りである。
【0029】図6に示す照射範囲Rdから分かるように、高速走行(モード)時にはカットオフの上方付近について集中的な照明(集光性の光照射)を行うが、これは遠方の視認性を保証するためであり、そのためには第2の照射部2_2を構成する反射鏡の反射面のうち周辺領域での反射光を活用することが望ましい。尚、このようなビーム照射は第1の照射部2_1によるすれ違いビームに追加されて全体の配光分布が規定されることになるが、ガードレール等の防眩柵を有する高速道路、あるいは対向車のない郊外道路における車輌の高速走行時において、視認距離が長くなることで走行の安全性が向上し、また、走行ビーム(ハイビーム)と比較した場合にそれほど上方への光照射が行われないので、先行車や対向車等へのグレアの問題も少ない。
【0030】また、走行ビームの照射時には、図7に示す範囲Reのように、上記範囲Rdに対して反射鏡の反射面における中央領域が寄与する照明光が加わるため、車輌前方を広範囲に亘って照らし出すことができる。
【0031】尚、高速走行モードへの切換については、これを運転者の判断に委ねて手動により行っても良いし、これを自動で行っても良い。例えば、後者の場合には、車速検出手段によって得られる速度情報、あるいは前方監視用撮像手段の捉えた画像情報やレーダーセンサーからの情報、さらにはナビゲーションシステム、路車間通信等から得られる道路情報(道路種別や道路形状を示す情報等)に基づいて補助ビームについての使用の有無を、車輌の走行状態や走行環境に応じて決定すれば良い。
【0032】車輌が市街地等を走行する場合や曲路走行の場合については、やはり走行環境に適した補助ビームを用いることが好ましく、そのためには、第2の照射部2_2により形成されるビームが、すれ違いビームの配光において明暗境界を分けるカットオフの下方の近傍領域を照射するように配光分布を規定すれば良い。
【0033】図8及び図9は第2の照射部による配光分布の一例を概略的に示しており、図8が市街地での走行又は曲路走行時における配光分布を示し、図9が走行ビーム照射時における配光分布を示している。尚、「H−H」線や「V−V」線の意味及び破線で示すカットオフ、実線で示す路肩線15、16やセンターライン17については既述の通りである。
【0034】図8に示す照射範囲Rfから分かるように、市街地走行/曲路走行(モード)時にはカットオフの下方に位置する水平拡散性の強い配光が得られるようにする。これは自車輌に近い範囲の左右方向における視認性を保証するためであり、交差点や車輌がこれから曲がろうとする道路の路肩付近にいる歩行者等を視認し易くなる。尚、このような補助ビームの形成にあたっては、第2の照射部2_2を構成する反射鏡の反射面のうち周辺領域での反射光を活用することが望ましい。また、このようなビーム照射は第1の照射部2_1によるすれ違いビームに追加されて全体の配光分布が規定されることになるが、鉛直線V−Vの上方に向かう光照射が行われないので、先行車や対向車等へのグレアの問題は殆どない。
【0035】走行ビームの照射時には、図9に示す範囲Rgのように、上記範囲Rfに対して反射鏡の反射面における中央領域が寄与する照明光が加わるため、当該範囲の上方に位置する集光性の強い上向きビームの照射範囲を含めて両範囲を照らし出すことができる(これにより配光分布における中心光度部は図8のそれに比較して上方に位置することになる。)。
【0036】尚、市街地走行/曲路走行モードへの切換について、これを手動又は自動で行うことができ、自動切換の場合には、車速検出手段によって得られる速度情報や操舵角の検出情報、あるいは前方監視用撮像手段の捉えた画像情報やレーダーセンサーからの情報、さらにはナビゲーションシステム、路車間通信等から得られる道路情報(道路種別や道路形状を示す情報等)に基づいて補助ビームの使用についての有無を、車輌の走行状態や走行環境に応じて決定すれば良い。
【0037】また、第2の照射部2_2により形成される補助ビームは、当該照射部を構成する反射鏡の一部からの光の寄与によって形成されるが、反射鏡の反射面のうちその周辺域での反射光で形成することが好ましい。その理由は、反射鏡の中央域(光軸に近い領域)の一部を利用して補助ビームを形成したのでは、第2の照射部2_2の点灯時であって、反射鏡の反射面全面を使って照射ビームを形成する場合の配光分布に悪影響を与えてしまう虞があり、反射面の形状設計が難しくなるからである。
【0038】上記の説明では、照射制御手段4による配光制御の方法に関して、遮光部材の駆動制御を用いた例を示したが、その代わりにビームの選択的な切換制御により行うと、光学部品の駆動機構を必要としないので、部品点数の削減や耐久性の向上にとって好ましい。即ち、第1の照射部については、走行ビーム又はすれ違いビームの一方、あるいは走行ビームとすれ違いビームとを選択的に照射する構成とし、第2の照射部を構成する光源には、複数個の発光部(例えば、白熱電球の場合には複数のフィラメントであり、また、放電灯の場合には複数のアークである。)を設け、これらの発光部を切り換えることで照射範囲を変化させる。
【0039】尚、第2の照射部を構成する光源として白熱電球(ハロゲンバルブ等)を使用する場合には、フィラメント及び該フィラメントの周囲を(局所的に)覆うように配置された遮光部材を含む発光部を設け、当該発光部の発光時に遠側方照射用ビーム又は近側方照射用ビームが照射されるように構成する(具体的な構成について後述する。)ことが好ましい。つまり、遮光部材によって不必要な光を遮ることで、遠側方照射又は近側方照射用ビームに必要な光だけを反射鏡において利用することができるので反射面の形状設計が簡単になる。
【0040】また、第2の照射部を構成する光源として、2つのフィラメントを含む発光部を設けた場合には、下記に示す構成が挙げられる。
【0041】i)両フィラメントについて、それらの中心軸が照射部の光軸に沿う配置(所謂C−8/C−8タイプのツインフィラメント構造)
ii)一方のフィラメントの中心軸が照射部の光軸に沿う配置とされ、かつ他方のフィラメントの中心軸が照射部の光軸に直交する水平方向に沿う配置(所謂C−8/C−6タイプのツインフィラメント構造)。
【0042】いずれも場合も、2つのフィラメントの点灯切換だけで済むので、構成や制御が簡単であり、また反射鏡の形状設計や配光設計が容易になるという利点がある。
【0043】
【実施例】図10乃至図15は本発明の実施の一例として、自動車用前照灯装置に適用した例を示すものである。尚、本実施例では、すれ違いビームの照射用ランプと走行ビームの照射用ランプとが別個のランプとして車輌前部に取り付けられた所謂4灯式のヘッドランプ装置を想定しており、例えば、すれ違いビーム照射用ランプの光源に放電灯(メタルハライドランプ等)を用い、走行ビーム照射用ランプの光源にハロゲン電球(H4バルブ等)を用いた構成例が挙げられるが、すれ違いビーム照射用ランプの構成については既知であるのでその説明を省略し、走行ビームの照射用ランプ(すれ違いビーム照射時にはそのビームの一部が補助ビームとして用いられ、走行ビーム照射時にはその全ビームが使用されてすれ違いビーム照射用ランプと併せて点灯される。)について説明する。
【0044】図10及び図11は上記した悪天候モード時に使用するランプの構成例18を示すものである。
【0045】図10は灯具構成及び反射鏡の周辺領域による反射作用を概略的に示したものであり、悪天候モード時には同図に斜線を付して示す周辺領域19、20にのみ光源21からの光が照射された後、それぞれの反射光が図示しないレンズ部材(前面レンズ)を介して灯具前方に配置されたスクリーン「SCN」上に照射される。つまり、周辺領域19によってスクリーンSCN上の範囲Raに投影パターンが映し出され、また、周辺領域20によってスクリーンSCN上の範囲Rbに投影パターンが映し出される(図4参照。)。尚、スクリーン上の「H−H」線が水平線、「V−V」線が鉛直線を示す。
【0046】図11はレンズ部材を取り外した状態の灯具を正面から見たものであり、反射鏡の中央には光源取付用孔22(円孔)が形成されている。
【0047】周辺領域19、20の面形状としては回転放物面を用いることができ、それらの回転中心軸については、反射鏡の主光軸(水平線H−Hと鉛直線V−Vとの交点及び光源取付用孔22の中心を通って前後方向に延びる軸)に対して左右方向及び下方向に傾斜させた設定となっている。つまり、周辺領域19を構成する回転放物面の回転中心軸はセンターライン17上の特定範囲Raに向かうように設定され、周辺領域20を構成する回転放物面の回転中心軸は自車路肩線15上の特定範囲Rbに向かうように設定される。
【0048】尚、各周辺領域による反射光に対してさらに前面レンズ上に形成されるレンズステップ(プリズムステップ)のもつ光学的作用(屈折作用)を加味して、照射光の狙い角度や拡散の度合を制御できることは勿論である。
【0049】反射面のうち光源取付用孔22の近い内側領域の面形状については、主として水平方向への拡散性を有し、かつ走行ビームの配光分布に寄与する反射光が得られる曲面であれば如何なる形状でも構わない(例えば、後述する放物線−楕円複合面等)し、その領域区分の仕方も問わない。
【0050】光源21(図11に円で示す。)については、例えば、フィラメントの中心軸が反射鏡の主光軸に沿った配置(所謂C−8フィラメント配置)の白熱電球(ハロゲン電球等)を用いることができる。その際、周辺領域を構成する回転放物面の焦点がフィラメントの後端又はそれよりやや後方(反射鏡側)に寄った位置に設定される。
【0051】また、シェード23については、光源21の周囲を覆う円筒形状が最も簡単な構成であるという点で好ましい。
【0052】そして、シェードの駆動制御については、例えば、図3に示した構成を用いれば良い。即ち、反射鏡の光軸に沿ってシェード23が移動自在に支持されており、該シェード23が最も後退した位置(第1の位置)に来た状態で光源21の先端部から上記の周辺領域19、20にのみ光が照射され、また、シェード23が最も前進した位置(第2の位置)に来た状態では、当該シェードによって遮られる光は殆どなくなり、よって光源21からの光が反射面の全面に亘って照射されるように構成する。
【0053】図12乃至図14は上記した高速走行モード時に使用するランプの構成例24についての説明図である。
【0054】図12は灯具構成及び反射鏡の周辺領域による反射作用を概略的に示したものであり、高速走行モード時には同図に斜線を付して示す周辺領域25、26にのみ光源21からの光が照射された後、それぞれの反射光が図示しないレンズ部材(前面レンズ)を介して灯具前方に配置されたスクリーンSCN上に照射される。つまり、周辺領域25、26によってスクリーンSCN上の範囲Rdに投影パターンが映し出される(図6参照。)。
【0055】この場合において、周辺領域25、26の面形状としては、回転放物面を用いることができるが、当該回転放物面の回転中心軸が反射鏡の主光軸に対して平行又はほぼ平行となるように設定される。
【0056】例えば、反射鏡の構成例としては、図13の正面図に示すような複数の反射領域を組み合せた複合面が挙げられる。
【0057】この例では、反射鏡の中央に光源取付用孔22が形成されており、該光源取付用孔22の中心を通り、反射鏡の主光軸を含む水平面に対して所定の角度をもって傾斜された2平面によって反射面が4つの部分27U、27D、27L、27Rに区分けされている。
【0058】そして、光源取付用孔22の左右にそれぞれ位置する扇状部分27L、27Rのうち、光源取付用孔22の直ぐ両脇にそれぞれ形成された扇状の内側領域27L1、27R1が放物線−楕円複合面の形状をなしている。尚、ここで、「放物線−楕円複合面」とは、一の断面(鉛直断面又はこれに対して所定の角度をもって傾斜した平面での切断面)において放物線をなし、当該断面に対して垂直な断面において楕円をなすととも、これら放物線の焦点と、楕円の一方の焦点とが同じ位置(つまり、共通焦点)とされている曲面をいう。
【0059】また、扇状部分27L、27Rにおけるそれぞれの周辺領域27L3、27R3(光源取付用孔22から最も離れた領域であり、上記領域25、26にそれぞれ相当する。)が回転放物面状をしており、それらの焦点は、例えば、反射鏡の主光軸に沿って配置(C−8フィラメント配置)されたフィラメントの後端又はそのやや後方に位置している。尚、扇状部分27L、27Rにおける中間領域については、放物線−楕円複合面等を用いることができるが、水平方向への中程度の拡散性を有する反射光が得られる面形状であればその如何を問わない。
【0060】残りの部分27U、27Dについては、例えば、周辺領域27L3、27R3の構成面(回転放物面)の焦点と共通の焦点を有する回転放物面(但し、焦点距離は各部分で異なる)、あるいは、当該焦点と共通の焦点を有する放物線−楕円複合面が用いられる。
【0061】反射面における周辺領域25、26の面形状については、この他、図14に示す過程で生成される曲面を用いることができる。
【0062】同図に設定された直交座標系x−y−zについては、x軸が反射面の光軸方向に延びる軸を示しており、これに直交して鉛直方向に延びる軸がz軸、そして、x軸及びz軸に直交する水平軸がy軸である。
【0063】x−y平面内に設定される基準曲線Cは、放物線や楕円等の2次曲線又は2次曲線状をした複数の曲線セグメントからなる複合曲線とされる(例えば、焦点位置及び焦点距離をそれぞれ異にする複数の放物線状の曲線セグメントによって構成される。)。
【0064】そして、x軸上に点F1を設定し、この点に仮想点光源を置いたとした場合に、当該点F1から基準曲線C上の点Qに向かった後、この点Qで反射した光は、図に矢印Rで示す光線ベクトルの方向に沿って進行する。尚、この矢印Rの向きは反射則から明らかであり、また、点Qを基準曲線C上で動かしていくと点Qの位置が異なる毎に反射光の光線ベクトルの向きが異なってくることが分かる。
【0065】今、焦点F1から発した光が基準曲線C上の任意の点Qにおいて反射したときの反射光の向き(つまり、光線ベクトルRの向き)を計算し、点F1を焦点とし、かつ光線ベクトルRを方向ベクトルする光軸Lxをもった放物線28を点Qに対して生成する。
【0066】この放物線28は、Lxを光軸とし点Qを頂点とする仮想回転放物面29を考え、光軸Lxを含みz軸に平行な平面πによってこの仮想回転放物面29を切断したときの断面曲線として得られることが明らかである。
【0067】そして、このような仮想回転放物面29は、基準曲線C上の任意の点Qについて存在するので、その光軸(点Qでの反射光の光線ベクトルを方向ベクトルとする直線)を含みz軸に平行な平面によってこの仮想回転放物面29を切断したときの断面曲線(放物線)が任意の点Q毎に決まる。
【0068】反射面をこのような放物線群の連続体として形成することで、単一の曲面を得ることができる。
【0069】よって、これを上記した周辺領域25、26に適用して、その周縁寄りの位置における反射光の方向が反射鏡の主光軸にほぼ平行となり、光源取付用孔22に近づくにつれて次第に水平方向への拡散角(反射鏡の主光軸を含む鉛直面に対して光線ベクトルのなす角)が大きくなるように曲面形状を規定すれば、図6に示す範囲Rdにおいて高光度の領域を形成することができる(反射面における左右の周縁に近い位置での反射光ほど反射鏡の主光軸に対して平行な光となって、配光パターン上の中心光度の形成に寄与するから。)。
【0070】尚、本例においても、シェード23が反射鏡の光軸に沿って移動自在に支持されており、該シェードが最も後退した位置(第1の位置)に来た状態で光源21の先端部から領域25、26にのみ光が照射され、また、シェード23が最も前進した位置(第2の位置)に来た状態では、当該シェードによって遮られる光はほとんどなくなり、よって光源21からの光が反射面の全面に亘って照射される。
【0071】図15は市街地走行/曲路走行モード時に使用するランプの構成例30についての説明図であり、灯具構成及び反射鏡の周辺領域による反射作用を概略的に示したものである。
【0072】市街地走行/曲路走行モード時には同図に斜線を付して示す周辺領域31、32にのみ光源21からの光が照射された後、それぞれの反射光が図示しないレンズ部材(前面レンズ)を介して灯具前方に配置されたスクリーンSCN上に照射される。つまり、周辺領域31、32によってスクリーンSCN上の範囲Rfに投影パターンが映し出される(図8参照。)。
【0073】反射鏡の周辺領域についての面形状としては、例えば、上記した放物線−楕円複合面を用いることができ、その場合に水平断面形状を楕円(の一部)とし、鉛直断面形状を放物線とするとともに、反射面の光軸を水平面に対してやや下方に傾けることで水平線H−Hの下側においてほぼ左右方向に拡散された範囲への光照射が可能となる。
【0074】尚、光源としてC−8フィラメント配置の白熱電球が使用されること及びシェード形状が円筒形状をしていること、そしてシェード23の駆動制御については、先の例の場合と同じである(反射鏡の光軸に沿って移動自在に支持されたシェード23が最も後退した位置(第1の位置)に来た状態で光源21の先端部から上記の周辺領域31、32にのみ光が照射され、シェード23が最も前進した位置(第2の位置)に来た状態では、当該シェードによって遮られる光はほとんどなくなり、光源21からの光が反射面の全面に亘って照射される。)。
【0075】上記の説明では、シェードの位置制御について、各モード(高速走行モードや市街地走行/曲路走行モード)時に使用する第1の位置と、走行ビームの照射時に使用する第2の位置とに亘る2段階で行うようにしたが、これに限らず3段階以上のシェードの位置を予め規定して、その中から所望の位置を選択したり(3段階の場合には、各モード時のビームと走行ビームの間に位置する中間的なビームをさらに補助ビームとして利用できるようになる。)、あるいは、シェードの位置を車速等に応じて連続的に規定する(例えば、車速が遅い時には主として車輌前方の手前側の範囲を明るく照明し、車速が速い時には主として遠方を明るく照明するように照射ビームを制御する)等、各種の実施形態が挙げられる。
【0076】図16乃至図23は本発明を自動車用前照灯装置に適用した別の実施例を示すものであり、前記したi)の構成を例示したものである。
【0077】図16はヘッドランプ33の水平断面構造例を示しており、第1のランプ部33aと第2のランプ部33bとから構成されている。尚、これらのランプ部を構成する反射鏡には、例えば、多数の分割領域に区分されたステップリフレクタ(あるいはマルチリフレクタ)等の呼び名で知られている複合面反射鏡が使用され、該分割領域の基本面形状としては、回転放物面や、楕円的放物面、双曲的放物面、放物線−楕円複合面等、周知の形状が挙げられる。
【0078】第1のランプ部33aの光源には、白熱電球(H4バルブ)34が用いられており、2つのフィラメントを有している。
【0079】図17は電球の構造を示したものであり、2つのフィラメント35s、35mについてはともにそれらの中心軸が反射鏡36の光軸方向(図に「L−L」線で示す。)に沿う配置とされ、両者のうち前方に位置するフィラメント(所謂サブフィラメント)35sには、これを下方から覆うシールド部材37が付設されている。
【0080】図18は、フィラメント35sに対するシールド部材37の姿勢を示す概略図であり、当該フィラメント及びシールド部材を、正面側から見た状態(つまり、反射鏡36の光軸方向からみた状態)を示している。尚、同図に1点鎖線で示す横線HPは、フィラメントの中心軸を通って水平方向に伸びる水平(基準)面を表している。
【0081】図から分かるように、シールド部材37の一端部(右端)37aは水平面HPに達しているのに対して、他端部(左端)37bが水平面HPより下方に位置しており、この部分と水平面HPとの間を通して反射面に照射される光(図ではフィラメント35sの中心からシールド部材37の左端部37bを通って延びる半直線LL(傾斜面を表す。)が水平面HPに対してなす角度を「θ」と記す。)が、すれ違いビーム照射時の配光パターンにおける明暗境界(傾斜カットオフライン)の直下に位置する配光分布に寄与することは周知の通りである。また、後方に位置するフィラメント(所謂メインフィラメント)35mについてはこのようなシールド部材がなく、当該フィラメントの点灯時に反射鏡に照射された反射光により走行ビーム照射時の配光パターンが形成される。
【0082】第2のランプ部33bの光源についても白熱電球(H4バルブ)38が用いられており(図16参照。)、シールド部材39が設けられた(サブ)フィラメント40s及びその後方に位置された(メイン)フィラメント40mを有しているが、反射鏡41に対する取付姿勢が上記した白熱電球34とは異なっている。
【0083】図19はフィラメント40sに対するシールド部材39の姿勢を正面側から示した概略図であり、この状態は、図18に示す状態を、フィラメントの中心軸回りにθ/2の角度をもって、図の時計回り方向に回転させた状態に相当する。即ち、シールド部材39の端部(右端39a及び左端39b)がともに、水平面HPより下方に位置しており、フィラメント40sの中心からこれらの端部を通ってそれぞれ延びる半直線LA、LBが水平面HPに対してなす角度(これを「Φ」と記す。)が「θ/2」となっている。例えば、θ=15(゜)に対してΦ=7.5(゜)である。
【0084】レンズ部材42については(図16参照。)、各ランプについて共通の部材とされ、第1のランプ部33aを構成する反射鏡36の前方に位置したレンズ部42aと、第2のランプ部33bを構成する反射鏡41の前方に配置したレンズ部42bとを有している。尚、図16において第2のランプ部33bの白熱電球38を、その前方から覆うように配置された部材43は、電球の直射光に対する遮光部材である。
【0085】図20は第2のランプ部33bを構成する反射鏡41についての領域区分の一例を示したものであり、3次元直交座標系の設定に関しては、反射鏡41の中央に形成された光源配置用の円孔41aの中心Oを通って光軸方向に延びる軸(紙面に垂直な軸)をx軸とし、水平軸をy軸、鉛直軸をz軸にそれぞれ選んでいる。
【0086】図示するように、反射面は大別して4つの領域A1、A2、B、Cに区分されており、さらに領域A1、A2についてはx−y平面により区分される2つの領域からなり、領域Bについてはx−z平面により区分される2つの領域からなる。
【0087】x−z平面の左側においてx−y平面の近くに配置される領域A1は、領域A11、A12からなり、その一方の領域A11がx−y平面に近接してその上側に位置し(y−z平面の第2象限)、他方の領域A12がx−y平面に近接してその下側に位置している(y−z平面の第3象限)。
【0088】また、x−z平面の右側においてx−y平面の近くに配置される領域A2は、領域A21、A22からなり、その一方の領域A21がx−y平面に近接してその上側に位置し(y−z平面の第1象限)、他方の領域A22がx−y平面に近接してその下側に位置している(y−z平面の第4象限)。
【0089】x−y平面の上側に位置する領域Bについては、x−z平面によって2つの領域B1、B2に区分けされており、領域B1がx−z平面の左側に位置し(y−z平面の第2象限)、領域B2がx−z平面の右側に位置している(y−z平面の第1象限)。
【0090】領域Cはx−y平面の下側に位置する領域であり、上記フィラメント40sの点灯時にはシールド部材39の遮光により、本領域への光照射が行われない領域とされる。
【0091】尚、領域A1、A2の上境界、つまり、領域A11の上部と領域B1との境界や、領域A21の上部と領域B2との境界は、x−y平面に対して平行な平面と反射面との交線によりそれぞれ規定され、また、領域A1、A2、B1、B2の下境界、つまり、領域A12、B1と領域Cとの境界や領域A22、B2と領域Cとの境界は、x軸の回りにx−y平面に対して下方に傾斜した平面(つまり、領域A12、B1と領域Cとの境界を含む平面については、x軸回りに上記角度Φをもって図の反時計回り方向に回転した傾斜面とされ、領域A22、B2と領域Cとの境界を含む平面については、x軸回りに上記角度Φをもって図の時計回り方向に回転した傾斜面とされる。)と反射面との交線によりそれぞれ規定される。
【0092】図21乃至図23は、ヘッドランプ33の配光について説明するための図であり、これらの図において「H−H」線は水平線、「V−V」線は鉛直線をそれぞれ示している。
【0093】図21は第1のランプ部33a及び第2のランプ部33bについて、ともにシールド部材が付設された方のフィラメントを点灯させた時に、これらのフィラメントから各反射鏡36、41、レンズ部材42をそれぞれ経て前方に照射される光の配光パターンを概略的に示したものである。尚、図において水平線H−Hと鉛直線V−Vとの交点から左斜め下方に延びる線44や右斜め下方に延びる線44′は、路肩やレーンマークを示しており、このことは図23においても同様である。
【0094】第1のランプ部33aにおけるサブフィラメント35sの点灯によって照射されるパターンRLは、図示するようにすれ違いビーム用の配光パターンを形成するものであり、道路交通法規上車輌の左側走行が規定されている国において、鉛直線V−Vの左側に位置する傾斜カットオフライン(図の破線参照。)と、鉛直線V−Vの右側に位置する水平カットオフラインを有する周知のパターンである。
【0095】これに対して、第2のランプ部33bにおいてサブフィラメント40sを点灯させたときに得られるパターンは、遠側方照射用ビームの配光に寄与する領域A1、A2によるパターンRA1、RA2と、近側方照射用ビームの配光に寄与する領域B1、B2によるパターンRB1、RB2である。
【0096】尚、遠側方照射用ビームとは、車輌前方の遠方域(H−H線とV−V線との交点付近)における線44、44′上の領域(側方領域)への照射を主目的とするビームであり、例えば、すれ違いビーム配光におけるカットオフラインの近傍領域を照射することで、上記パターンRLとの併用により高速コーナーの走行時に側方視認性を向上させることができる。
【0097】また、近側方照射用ビームとは、車輌前方の近距離域における線44、44′上の領域(側方領域)への照射を主目的とするビームであり、自車線や対向車線の路肩やレーンマーク等を幅広く照射することができる。本ビームによるパターンと上記パターンRLとを併用すれば、交差点等での視認性や、悪天候(雨天、降雪、霧等)時におけるレーンマーク等の視認性を向上させることができる。尚、雨天走行時等では路面での鏡面反射光が対向車等へのグレアの原因となる虞があるので、パターンRB1、RB2に示すように自車線内の手前側路面(路肩を除く。)を照射しない配光分布が望ましい。
【0098】図22は第2のランプ部33bを構成する反射鏡41と、該反射鏡における上記領域A1、A2、B1、B2による反射作用を概略的に示したものであり、各領域の反射光がレンズ部材を介して灯具前方に配置されたスクリーンSCN上に照射されたときに得られる照射パターンRA1、RA2、RB1、RB2を示している。
【0099】領域A1、A2については、フィラメント40sが、反射鏡41の基本焦点位置(ステップリフレクタの基準面となる回転放物面の焦点位置)より前側に位置されているため、当該フィラメントの点灯時には各領域による反射光が、光軸を含む鉛直面(x−z平面)を交差して前方に照射され、スクリーンSCN上でV−V線の両脇に位置する2つのパターンRA1、RA2により遠側方照射用ビームが形成される。よって、領域A1、A2を構成する反射要素(小反射面)の面形状には大きな水平拡散性を必要としない回転放物面や楕円的放物面等が用いられる。
【0100】また、領域B1、B2についても、フィラメント40sの点灯時に各領域による反射光が、光軸を含む鉛直面(x−z平面)を交差して前方に照射されて、スクリーンSCN上でV−V線の両脇に位置する2つのパターンRB1、RB2により近側方照射用ビームが形成される。このためには、領域B1、B2を構成する反射要素(小反射面)の面形状には比較的大きな水平拡散性を必要とするので、双曲的放物面、舟型双曲面、放物線−楕円複合面等が用いられる。
【0101】図23は第1のランプ部33aについてサブフィラメント35sを点灯させ、第2のランプ部33bについてはメインフィラメント(シールドなし)40mを点灯させた時に、各ランプ部から前方に照射される光の配光パターンを概略的に示したものである。
【0102】この場合に第1のランプ部33aによる照射パターンは図21に示すパターンRLと同じであるが、第2のランプ部33bによる照射パターンについては、図のパターンSA、SB、SCのようになる。
【0103】即ち、パターンSAは領域A1、A2によって得られる照射パターンであり、図21において2つに分かれていた遠側方照射用ビームのパターンが結合して繋がったパターンとなるとともに、図21のパターンRA1、RA2と比較した場合に、やや上向きの照射ビームが得られる。その理由は、メインフィラメント40mの点灯時には、当該フィラメントの中心位置に反射鏡の基本焦点が位置するように設計されているからである。
【0104】この傾向は、領域B1、B2によって得られる照射パターンSBについても認められ、図21において2つに分かれていた近側方照射用ビームのパターンが結合して繋がったパターンになるとともに、図21のパターンと比較した場合に、やや上向きの照射ビームが得られる。
【0105】パターンSCは領域Cによって得られる照射パターンであり、図示するようにパターンのほぼ中央に位置しており、走行ビームにおける遠方照明光に寄与する。
【0106】図では第1のランプ部33aについてサブフィラメント35sを点灯させた状況を示しているが、メインフィラメント35mを点灯させた場合に、上記パターンSA、SB、SCを併用すると、走行ビームにおける中心光度を増強したり、側方照明光を補うことができるので、走行ビームの照明性能をさらに向上させることが可能になる。
【0107】しかして、ヘッドランプ33において、例えば、第1のランプ部33aにおけるメイン/サブのフィラメントの点灯切り換えについては、手動式スイッチによる指示信号、あるいは自動点灯装置(例えば、周囲環境の外光照度を検出する照度センサや、雨滴センサからの検出信号、ナビゲーション装置からの情報、ワイパーの操作信号等に応じて自動点消灯を制御する装置)やビーム切換装置(対向車輌の有無を光センサーで検出して走行ビーム又はすれ違いビームの切換を自動的に行う装置等)からの指令信号に基づいて制御することができる。
【0108】そして、第2のランプ部33bにおけるメイン/サブのフィラメントの点灯切り換えについても同様に、手動切換又は自動切換によって行うことができるが、第2のランプ部33bの照射ビームは、第1のランプ部33aの照射ビームに対する付加ビームとして制御される。
【0109】即ち、図21に示したパターンについては、対向車の運転者等の道路利用者に眩惑を与える心配がなく、また、雨天走行時等におけるレーンマークや路肩の視認性を向上させ、特に交差点等の多い市街地での走行や進路変更時に有効である(これは近側方照明用ビームの効果である)。また、付加ビームとしての遠側方照射用ビームの使用は、郊外道路におけるコーナリング走行に有効である。
【0110】そして、図23に示したパターンについては、防眩柵等を備えた高速道路においてすれ違いビームの配光パターンとともに使用することで高速走行の安全性を向上させることができ、また、対向車輌が存在しないときにはこれを走行ビームの配光パターンと併用することで、さらに遠方照明性能を向上させることができる。
【0111】次に、上記したii)の構成を例示する実施例について、図24乃至図28に従って説明する。
【0112】図24はヘッドランプ45の水平断面構造例を示しており、第1のランプ部45aと第2のランプ部45bとから構成されている。尚、これらのランプ部を構成する反射鏡には、例えば、多数の分割領域に区分されたステップリフレクタ等が用いられている。
【0113】第1のランプ部45aを構成する光源には、シングルフィラメントの白熱電球(例えば、#9006タイプのバルブ)46が用いられ、電球内のフィラメント47は、その中心軸が反射鏡48の光軸に沿うC−8フィラメント配置とされる。
【0114】これに対して、第2のランプ部45bを構成する光源には、ツインフィラメントの白熱電球49が用いられている。
【0115】図25は白熱電球49の要部構造を示したものであり、2つのフィラメント50、51については、下記の配置を採る。
【0116】・前方に位置する第1フィラメント50は、その中心軸が反射鏡52の光軸方向(図に「L−L」線で示す。)に沿う配置(所謂C−8配置)とされ、これを下方から覆うシールド部材53が付設されている。
【0117】・後方に位置する第2フィラメント51は、その中心軸が光軸L−Lに直交して水平方向に沿う配置(所謂C−6配置)とされ、該フィラメントにはシールド部材は付設されていない。
【0118】図26は第1フィラメント50に対するシールド部材53の姿勢を正面側から示した概略図である。
【0119】シールド部材53の端部(右端53a及び左端53b)は、図に1点鎖線で示す水平面HP(フィラメントの中心軸を含む水平面)より下方に位置しており、第1フィラメント50の中心からこれらの端部を通ってそれぞれ延びる半直線LC、LDが水平面に対してなす角度を「Φa」とし、第1フィラメント50の中心からシールド部材53を見込む角度を「Φb」とするとき、「2・Φa+Φb=180(゜)」の関係が成立するので、例えば、Φb=110(゜)となるように遮光範囲を規定した場合には、Φa=35(゜)となる。
【0120】尚、レンズ部材54については、図24に示すように、各ランプ部について共通部材とされ、第1のランプ部45aを構成する反射鏡48の前方に位置したレンズ部54aと、第2のランプ部45bを構成する反射鏡52の前方に配置したレンズ部54bとを有しており、また、同図に示す部材43については既述の通りである。
【0121】図27は第2のランプ部45bを構成する反射鏡52についての領域区分の一例を示したものであり、3次元直交座標系の設定に関しては、反射鏡52の中央に形成された光源配置用の円孔52aの中心Oを通って光軸方向に延びる軸をx軸とし、水平軸をy軸、鉛直軸をz軸にそれぞれ選んでいる。
【0122】図示するように、反射面は大別して5つの領域A1、A2、B、C、Dに区分されており、さらに領域A1、A2についてはx−y平面により区分される2つの領域からなり、領域B、Cについても2領域から構成される。
【0123】x−z平面の左側においてx−y平面の近くに配置される領域A1は、領域A11、A12からなり、その一方の領域A11がx−y平面に近接してその上側に位置し(y−z平面の第2象限)、他方のA12がx−y平面に近接してその下側に位置している(y−z平面の第3象限)。
【0124】また、x−z平面の右側においてx−y平面の近くに配置される領域A2は、領域A21、A22からなり、その一方の領域A21がx−y平面に近接してその上側に位置し(y−z平面の第1象限)、他方のA22がx−y平面に近接してその下側に位置している(y−z平面の第4象限)。
【0125】x−y平面の上側に位置する領域Bについては、x−z平面によって2つの領域B1、B2に区分けされており、領域B1がx−z平面の左側に位置し(y−z平面の第2象限)、領域B2がx−z平面の右側に位置している(y−z平面の第1象限)。
【0126】領域Dはx−y平面の下側に位置する領域であり、上記した第1フィラメント50の遮光範囲(Φb参照)に対応した角度範囲を占めており、当該フィラメントの点灯時にはシールド部材53の遮光により、本領域への光照射が行われない領域とされる。
【0127】領域Cは2つの領域C1、C2で構成され、領域C1が領域A1と領域Dとの間に位置し、領域C2が領域A2と領域Dとの間に位置している。尚、光軸回りにおいて領域C1、C2、A1、A2、Bが占める角度範囲が、上記した角度Φaを用いて「180(゜)+2・Φa」の角度に相当する。
【0128】領域A1、A2の上境界、つまり、領域A11と領域B1との境界や、領域A21と領域B2との境界は、x軸を含みx−y平面に対して上側に傾斜した半平面と反射面との交線によりそれぞれ規定され、また、領域A1、A2の下境界、つまり、領域A12と領域C1との境界や領域A22と領域C2との境界は、x軸を含みx−y平面に対して下方に傾斜した半平面と反射面との交線によりそれぞれ規定される。
【0129】図28は第1のランプ部45aについてフィラメント47を点灯させ、第2のランプ部45bについては第1フィラメント50を点灯させた時に、これらのフィラメントから各反射鏡48、52、レンズ部材54をそれぞれ経て前方に照射される光の配光パターンを概略的に示したものである。尚、「H−H」線、「V−V」線や、線44、44′の意味については既述の通りである。
【0130】第1のランプ部45aについては、フィラメント47の点灯によって照射されるパターンRLが、図示するようにすれ違いビーム用の配光パターンとされ、これは図21や図23に示したパターンと同様のものである。
【0131】これに対して、第2のランプ部45bにおいて第1フィラメント50を点灯させたときに得られるパターンは、遠側方照射用ビームの配光に寄与する領域A1、A2によるパターンRA1、RA2と、近側方照射用ビームの配光に寄与する領域C1、C2によるパターンRC1、RC2、そして、これらのパターンを包含するように広い範囲をもった、領域B1、B2によるパターンRB1、RB2である(RA1、RB1、RC1については鉛直線V−Vの右側に配置され、RA2、RB2、RC2については鉛直線V−Vの左側に配置される。)。
【0132】領域A1、A2については、上記したように2領域に分割されており、これらの領域のうちA11、A21がパターンRA1、RA2の範囲にそのまま寄与する光を反射するが、領域A12やA22については、これらを構成する小反射面の各光軸方向のベクトルと基本面の法線ベクトルの向きを調整する、周知の処方を使って反射光線の狙い方向を制御することで、それらの照射光をパターンRA1、RA2上に重ね合わせることができる。
【0133】また、パターンRB1、RB2についても同様に、領域B1、B2を構成する小反射面の局所的な光軸操作によって、照射方向や範囲をある程度制御することができるが、その際には、レーンマーク、特に自車線の両側に設けられたレーンマーク上を充分な光量をもって照射することが望ましい。
【0134】パターンRC1、RC2は、主として近距離域や中距離域での側方照明を目的としており、この場合にも路肩やレーンマーク上への照射光量を充分に確保することが好ましい。
【0135】第2のランプ部45bにおいて第2フィラメント51を点灯させた場合には、当該フィラメントがC−6配置とされているため、この場合の領域A1、A2、B、Cによる照射ビーム(図示は省略する。)については、図28の各パターンと比べた場合にやや上向きのビームとなり、かつ側方(水平方向)にやや拡散した配光分布が得られる。そして、領域Dの照射パターンが追加されることで、最終的には走行ビーム用配光が実現される。これを第1のランプ部45aによるすれ違いビームと併用することで、より視認性の良好な走行ビームを得ることができる。
【0136】尚、図28に示すような照射パターンを得るにあたっては、これに限らず、例えば、3つのランプ部を組み合わせた灯具を車輌前部の左右に取り付けた構成(6灯式ランプシステム)を用い、パターンRA1、RB1、RC1を車輌右側の灯具を使って形成し、パターンRA2、RB2、RC2を車輌左側の灯具を使って形成する等、ランプ部の組み合わせや反射鏡の領域区分の仕方に応じて各種の実施態様が可能である。
【0137】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなように、請求項1に係る発明によれば、常時点灯の光源を用いた基本ビームに対して、該基本ビームの補助ビームを追加することで基本ビームだけでは充分に確保することのできない配光分布や照射範囲を得ることができるので、車輌の走行状態や走行環境に応じて充分な視野角を保証できる配光分布を実現することができ、車輌走行の安全性を高めることができる。
【0138】請求項2に係る発明によれば、車輌前方を広範囲に照射する走行ビームの一部を補助ビームとして利用することによって、すれ違いビームの照射時にはこれまで使用されなかった走行ビーム用の光源や照射部を活用することができる(つまり、これまでは走行ビームの照射時にしかその本来の役目を果たしていなかった光源や照射部を、すれ違いビームの照射時においても補助ビームの形成によって配光分布に寄与する手段として利用することができる。)。
【0139】請求項3に係る発明によれば、第2の照射部により形成されるビームを用いて車道のセンターライン上又は路肩を主として照射することによって雨天等の悪天候時における前方視認性の向上を図ることができる。
【0140】請求項4に係る発明によれば、第2の照射部により形成されるビームを用いて、すれ違いビーム配光におけるカットオフの上方又は下方の近傍領域を照射することによって、車輌の走行速度及び走行環境に応じた前方視界を充分に確保することができる。
【0141】請求項5に係る発明によれば、第2の照射部により形成されるビームを、反射鏡の反射面における周辺域での反射光によって形成しているので、第2の照射部の点灯時に反射鏡の反射面全面を使って照射ビームを形成する際の配光分布に悪影響を与える虞が少なく、反射面形状を設計し易くなる。
【0142】請求項6や請求項7に係る発明によれば、発光部の切り換えだけで照射範囲を簡単に制御することができるので、灯具の構成が簡単であり、安価に構成できる。
【0143】請求項8に係る発明によれば、遮光部材によって不必要な光を遮ることで、遠側方照射又は近側方照射用ビームに必要な光だけを利用することができる。
【0144】請求項9に係る発明によれば、2つのフィラメントを使用してこれらを切り換えるだけで済むので構成や制御が簡単であり、また反射鏡の形状設計や配光設計が容易になる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【出願日】 平成11年10月28日(1999.10.28)
【代理人】 【識別番号】100069051
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 祐治
【公開番号】 特開2000−348507(P2000−348507A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−306975