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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】金田 真

【要約】 【課題】前照灯などの高い照度が求められる車両用灯具において、直接光を遮蔽する遮光フードによって遮られ利用されていない光を、前方を照射することによる照度の向上を課題とする。

【解決手段】光源1と、光源1からの光を遮蔽する遮光フード3と、光源1の光を前方に反射するリフレクター2とを備え、前記遮光フード3の上方側に光源1からの光の一部を前方に導き出す上部開口部31,32,33が形成されると共に、下方側に下部開口部34が形成されており、前記上部開口部31,32,33からの光を水平よりも下向きの角度で反射する反射板41,42,43が上部開口部31,32,33の前方に連設されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源と、光源を覆うように光源の前方に配置され光源からの光を遮蔽する遮光フードと、光源の後方に配置され光源の光を前方に反射するリフレクターとを備え、前記遮光フードにおける光源の光軸よりも上方側に光源からの光の一部を前方に導き出す上部開口部が形成されると共に、光源の光軸よりも下方側に下部開口部が形成されており、前記上部開口部からの光を水平よりも下向きの角度で反射する反射板が上部開口部の前方に連設されていることを特徴とする自動車用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車及び二輪車等の車両用灯具に関し、詳しくは直接光を遮蔽するために設けられる遮光フードの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用灯具は、夜間走行時に自動車の進路となる前面を照らし道路の左右や前方の障害物の有無を視覚により認知するためにあり、照度の高いものが求められている。通常、車載された12ボルト叉は24ボルトのバッテリーに接続された55ワットないし60ワットの消費電力のバルブが光源として用いられている。
【0003】前記バルブのフィラメント光源からはあらゆる方向に光が出ているが、その光度の分布は図5に示すように、コイル状のフィラメントの長手方向に延びるフィラメント軸L2を中心とした周囲が最も高い光度分布となる。車両用灯具では、バルブからの光を照射したい前方へ反射させるため、バルブ光源を囲むリフレクターが設けられている。このリフレクターは、一般的に反射面がバルブ光源を焦点とする略放物面形状に形成されており、車両前方に設定された灯具の光軸Lに平行な反射光を得るようにされている。
【0004】前述したフィラメントからの光を最大に生かすため、図5に示すように車両灯具の光軸Lに直交するようにフィラメント軸L2を配置したバルブ光源が知られている。このような、フィラメントの中心軸L2が灯具の光軸Lに直交して配置されているバルブをC−6置きバルブと呼んでいる。これに対し、フィラメントの中心軸L2が灯具の光軸Lに沿って配置されているバルブをC−8置きバルブと呼ぶ。
【0005】図2は前記C−6置きバルブを用いた従来の車両用灯具10を示す。車両用灯具10は、フィラメント光源1aと、フィラメント光源1bを内設したC−6置きバルブ4と、このバルブ4を取り囲むように設けられ、バルブ4のフィラメント光源1aを焦点とする略放物面に形成された反射性材料からなるリフレクター2と、該リフレクター2からの反射光を照射方向前方に拡散するレンズ5と、バルブ4の前方に設けられバルブ4からの直接光を遮蔽する遮光フード3で構成されている。フィラメント光源1bはすれ違いビーム用であり、フィラメント光源1aの走行ビーム用の光軸より上方にずらして配置されている。
【0006】前記リフレクター2は、フィラメント光源1aからの出射光n1を反射して光軸Lと平行な反射光r1として前方に照射する。リフレクター2が放物面に形成されていることから同様に、出射光n2、n3も光軸Lに平行な反射光r2、r3となって前方を照射する。このためリフレクター2による反射光は上向きの眩しい光となることはない。
【0007】フィラメント光源1aからは、前方に向かう強い直接光がある。前記遮光フード3は、フィラメント光源1aからの強い上向きの直接光が、対向車の運転手に対して眩しい幻惑光になることを防止するために設けられたものである。図3は、遮光フード3の模式図である。C−6置きバルブ4の光源1のフィラメント軸L2は車両用灯具の光軸Lと直交して配置されていることから、光源1の光を最大限に活用できる配置である。このバルブにおいては、後方から上下左右方向にバルブを取り囲むように設けられたリフレクター2に高い光度分布の光を出射して前方に平行光束を照射することができる。その一方、前方に直接出射する出射光nは半分が上方に向かう眩しい光となってしまうため遮蔽フード3で遮るようにしている。
【0008】しかしながら、図4の模式図に示すように直接光を遮蔽する遮光フード3は、効率よく光を利用できるC−6置きバルブの光量の略半分を隠すこととなり灯具全体の照度を低下させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前照灯などの高い照度が求められる車両用灯具において、光源から前方に向かう直接光を遮蔽する遮光フードによって遮られ、利用されていない光を、前方を照射して、照度の向上を図った車両用灯具を提供することを課題とする。
【0010】また、対向車に対し幻惑光となる上向きの直接光を反射して下向きの照射光を得ることのできる車両用灯具を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用灯具は、前記した課題を解決するため、光源と、光源を覆うように光源の前方に配置され光源からの光を遮蔽する遮光フードと、光源の後方に配置され光源の光を前方に反射するリフレクターとを備え、前記遮光フードにおける光源の光軸よりも上方側に光源からの光の一部を前方に導き出す上部開口部が形成されると共に、光源の光軸よりも下方側に下部開口部が形成されており、前記上部開口部からの光を水平よりも下向きの角度で反射する反射板が上部開口部の前方に連設されていることを特徴とする。
【0012】前記上部開口部が形成されたことにより、遮蔽されて利用されなかった光を前方を照射する有効な光とし、車両用灯具の照度を高くすることができる。また、前記下部開口部が形成されたことにより遮蔽されて利用されなかった光を前方を照射する有効な光とし、車両用灯具の照度を高くすることができる。
【0013】また、前記上部開口部からの光を水平よりも下向きの角度で反射する前記反射板が上部開口部の前方に連設されていることにより、輝度の高いフィラメント光源が前方から直に見えなくなると共に、直接光を略水平の光軸よりわずかに下向きに反射し対向車に対する幻惑光を生じさせることがない。
【0014】さらに、遮光フードの照射方向前方に拡散用のレンズカット、またはシリンドリカルレンズを配設することにより、車両幅などに応じた目的の配光パターンの照明を得ると共に、明るく、眩しくない車両用灯具とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお図はこの発明を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状及びは位置関係を概略的に示している。また、従来技術の説明に用いた各図と同様な構成部分については同一の番号を附している。さらに、実施の形態について、円筒状の遮光フードを例に述べるが、本発明は円筒状の遮光フードに限らず、半球状、平板状など遮光フードであれば何れでも良い。
【0016】図1は本発明の実施の形態を示す車両用灯具の断面図を示し、光源1と、光源1を覆うように光源1の前方に配置され光源1からの光を遮蔽する遮光フード3と、光源1の後方に配置され光源1の光を前方に反射するリフレクター2とを備え、前記遮光フード3における光源1の光軸Lよりも上方側に光源1からの光の一部を前方に導き出す上部開口部31,32,33が形成されると共に、光源1の光軸Lよりも下方側に下部開口部34が形成されており、前記上部開口部31,32,33からの光を水平よりも下向きの角度で反射する反射板41,42,43が上部開口部31,32,33の前方に連設されている。
【0017】前記光源1は、バルブ4に内設されたコイル状のフィラメント光源1のフィラメント中心軸L2が灯具の光軸Lに対して直交するように配置されたいわゆるC−6置きと呼ばれるバルブが用いられている。このため光源1からの出射光を最大限に活用できる配置となり高い照度を得ることができる(図5フィラメント周囲の光度分布参照)。
【0018】また、前記光源1は略放物面に形成された前記リフレクター2の焦点に配置される。この配置とすることにより、光源1から後方上方向への出射光n1、n3はリフレクター2の放物面に反射され、光軸Lに平行な反射光r1、r3となり前方に照射される。
【0019】同様に、光源1から後方下方向への出射光n2、n4もリフレクター2の放物面に反射され、光軸Lに平行な反射光r2、r4となり前方に照射される。また、光源1から上下方向へ向かい前記遮光フード3の端部をかすめて通る出射光n5、n6もリフレクター2の放物面に反射され、光軸Lに平行な反射光r5、r6となり前方に照射される。
【0020】前述のように、光源1から後方に向かう光及び上下に向かう光は、前方へ向かう光軸Lに平行な光束となり散乱による減衰のない高い照度の照明光が得られる。
【0021】光源1を覆うように光源1の前方に配置され光源1からの光を遮蔽する遮光フード3には、光軸Lよりも上方側に光源1からの光の一部を前方に導き出す上部開口部31が形成されると共に、前記上部開口部31に向かう出射光n9及びn10を水平よりも下向きの角度に反射する角度になるように設けられた反射板41が上部開口部31の前方に連設されている。
【0022】前記反射板41は、上部開口部31の上端から前方にひさし状に延出しており、またその表面は反射性材料で表面処理されて光源1からの出射光を反射する。
【0023】前記出射光n9はこの反射板41に反射され下向きの反射光r9となり前方に照射される。また、出射光n10は反射板41の先端部で反射され光軸Lよりわずかに下向きの反射光r10となり前方に照射される。この実施の形態では、反射板41を出射光n10が光軸Lに対し0.57度下向きに反射するように設定した。
【0024】この開口部31を設けたことにより、従来利用されない無効な光となっていた光源1から前方に向かう光を照明光として生かすことができると共に、開口部31に連設された反射板41により、光の進路を前方下向きにし、前方からは光源1が直接見えなくし、幻惑光(グレア)を防止することができる。
【0025】この実施の形態では、さらに第二の開口部32、第三の開口部33を遮光フード3の上面に設けている。第二の開口部32には第二の反射板42が連設されており光源1から第二の開口部32に向かう出射光を下向きの反射光r11と光軸Lに対し0.57度下向きの反射光r12に進路を変えて前方に照射する。第二の反射板42は、第一の反射板41で反射された反射光r9を遮らない長さにひさし状に延出されており、前方から光源1が直接見えない。第三の開口部33に向かう出射光も同様にわずかに下向きに進路を変えられて前方に照射する。前記開口部について、この実施の形態の説明は3個所としたが、一つ以上複数であれば良い。また、前記反射板についても、平板状に限らず、湾曲面や、波状形でも良い。
【0026】さらに、遮光フード3の下方には、光源1の光軸Lよりもわずかに下方側に下部開口部34が形成され光源1から下方向に向かう出射光n13,n14を前方に照射できる。下部フード35に向かった出射光n8は下部フード35に反射されてリフレクター2の上部に向かい反射されて光軸Lに平行な反射光rとなる。以上述べてきたように、本発明の遮光フード3により従来光源1からの出射光nのうち、直接光となるため遮光フード3で遮蔽されていた出射光nの大半を利用することができる。
【0027】さらに、遮光フード3の照射方向前方に拡散用のレンズカット5、またはシリンドリカルレンズを配設することにより、車両幅などに応じた目的の配光パターンの照明を得ると共に、明るく、眩しくない車両用灯具とすることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の車両用灯具は、遮光フードに上部開口部が形成されたことにより、遮蔽されて利用されなかった光を前方を照射する有効な光とし、車両用灯具の照度を高くすることができる。また、遮光フードの下部開口部が形成されたことにより遮蔽されて利用されなかった光を前方を照射する有効な光とし、車両用灯具の照度を高くすることができる。
【0029】さらに、上部開口部からの光を水平よりも下向きの角度で反射する反射板が上部開口部の前方に連設されていることにより、輝度の高いフィラメント光源が前方から直に見えなくなると共に、直接光を略水平の光軸よりわずかに下向きに反射し対向車に対する幻惑光を生じることがない。
【0030】またさらに、遮光フードの照射方向前方に拡散用のレンズカット、またはシリンドリカルレンズを配設することにより、車両幅などに応じた目的の配光パターンの照明を得ると共に、明るく、眩しくない車両用灯具を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【出願日】 平成11年5月25日(1999.5.25)
【代理人】 【識別番号】100079094
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 輝緒
【公開番号】 特開2000−340011(P2000−340011A)
【公開日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願番号】 特願平11−144248