トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 自動車用の楕円型ヘッドライト
【発明者】 【氏名】ドゥニ サラダン

【要約】 【課題】1つのヘッドライトが発生する、2つの異なるビームの光学的要求を兼ね合わせることを不必要とする。

【解決手段】すれ違いビームと走行ビームとを発生する、自動車用の楕円型ヘッドライトは、ビーム反射するべく、リフレクタ(20)と協働する光源(10)と、ビームを道路に向かって照射するレンズ(30)と、遮蔽位置では、レンズ(30)を介してカットオフビームを照射させ、また、非遮蔽位置または引込位置では、レンズ(30)を介してカットオフされていないビームを照射させる可動マスク(40)とを備えている。本発明によれば、リフレクタ(20)は、可動マスク(40)が遮蔽位置にあっても、遮蔽されない第1のビームを反射する第1反射領域(20a)と、第2のビームを反射する第2反射領域(20b)とを備えている。第2のビームの大部分は、可動マスク(40)が遮蔽位置にある時に遮蔽される。これら2つのビームは、照射方向(y−y)の側方において、配向が異なっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ビームを集光領域(ZC)に反射するべく、リフレクタ(20)と協働する光源(10)と、ビームを道路に向かって照射するレンズ(30)と、遮蔽位置では、レンズ(30)を介してカットオフビームを照射させ、また、非遮蔽位置または引込位置では、レンズ(30)を介してカットオフされていないビームを照射させる可動マスク(40)とを備える、2元機能を有する自動車用の楕円型ヘッドライトにおいて、リフレクタ(20)は、前記可動マスク(40)の位置にかかわらずに遮蔽されない第1のビームを反射する第1反射領域(20a)と、前記可動マスク(40)が遮蔽位置にある時に遮蔽される第2のビームを反射する第2反射領域(20b)とを備え、第1のビームと第2のビームとは、照射方向(y−y)の側方において、配向が異なっていることを特徴とする、自動車用の楕円型ヘッドライト。
【請求項2】 リフレクタ(20)の2つの反射領域(20a)(20b)のうちの一方を、他方の上方に設けたことを特徴とする、請求項1記載の楕円型ヘッドライト。
【請求項3】 リフレクタ(20)の2つの反射領域(20a)(20b)を、おおむね水平な境界面(P)により分割したことを特徴とする、請求項2記載の楕円型ヘッドライト。
【請求項4】 おおむね水平な境界面(P)を、光源(10)とおおむね同じ高さに位置させたことを特徴とする、請求項3記載の楕円型ヘッドライト。
【請求項5】 リフレクタ(20)の2つの反射領域(20a)(20b)を、垂直面(yz)の一側方にある2つの半平面により分割したことを特徴とする、請求項2記載の楕円型ヘッドライト。
【請求項6】 第1のビームと第2のビームとは、左右方向において異なる配光となっていることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の楕円型ヘッドライト。
【請求項7】 第1のビームと第2のビームとは、垂直方向において異なる配光となっていることを特徴とする、請求項6記載の楕円型ヘッドライト。
【請求項8】 リフレクタ(20)の第1反射領域(20a)で反射されるビームは、第2反射領域(20b)で反射されるビームよりも広幅となっていることを特徴とする、請求項6または7記載の楕円型ヘッドライト。
【請求項9】 リフレクタ(20)の第1反射領域(20a)で反射されるビームは、第2反射領域(20b)で反射されるビームよりも、道路の軸線上を少なく照射するようになっていることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の楕円型ヘッドライト。
【請求項10】 リフレクタ(20)の第1反射領域(20a)で反射されるビームは、第2反射領域(20b)で反射されるビームよりも厚くなっていることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の楕円型ヘッドライト。
【請求項11】 リフレクタ(20)の第2反射領域(20b)で反射されるビームは、左右方向に広がり、かつ、水平方向の下限の上方に位置するビームと、前記下限にわたる集光ビームとになっていることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の楕円型ヘッドライト。
【請求項12】 カットオフビームはすれ違いビームであり、カットオフされないビームは走行ビームであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の楕円型ヘッドライト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の楕円型ヘッドライトに関する。
【0002】本明細書では、楕円型ヘッドライトとは、光源、リフレクタ、及び平凸レンズからなっているものを言い、光源で発生したビームは、リフレクタにより、光源の前方にある集光領域(例えば、回転楕円面の第2の焦点を含む領域)に向かって反射された後、平凸レンズを介して道路に照射されるようになっている。
【0003】
【従来の技術】すれ違いビーム及び走行ビームを発生する、上述のような楕円型ヘッドライトは公知である。このような楕円型ヘッドライトは、格納式であって、カットオフラインを形成するマスクまたはスクリーンによって、すれ違いビームを照射する。マスクが遮蔽位置にあると、ビームは遮蔽または掩蔽され、引込位置にあると、全ビームがレンズを通過し、走行ビームとして照射される。
【0004】従来の楕円型ヘッドライトの問題点の1つは、2種類のビーム、つまり、十分な幅で道路上を中程度に照らすすれ違いビームと、より強く照らす走行ビームとを発生しうるようになっていなければならないことである。また、ビームを約1%下方に偏向させて、すれ違いビームとされるため、走行ビームの軸線の真上におけるビームの量は小となる。従って、この種のヘッドライトのリフレクタは、互いのビームの質をやや低下させて、両方のビームが最適となるような中間点で機能するようになっている。
【0005】また、ヴァレオ ビジョン社(Company Valeo Vision)によるフランス国特許公開第2704044号公報に記載されているように、ビームを集光領域に反射するべく、形状が特別に設計されたリフレクタを備える楕円型ヘッドライトは公知である。しかし、この特許明細書に記載されている楕円型ヘッドライトは、前記問題点、つまり、一方のビームの質を高めると、他方のビームの質を落としてしまうという問題を解決していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これらの欠点を解消することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ビームを集光領域に反射するべく、リフレクタと協働する光源と、ビームを道路に向かって照射するレンズと、遮蔽位置では、レンズを介してカットオフビームを照射させ、また、非遮蔽位置または引込位置では、レンズを介してカットオフされていないビームを照射させる可動マスクとを備える、2元機能を有する自動車用の楕円型ヘッドライトにおいて、リフレクタは、前記可動マスクの位置にかかわらずに遮蔽されない第1のビームを反射する第1反射領域と、前記可動マスクが遮蔽位置にある時に遮蔽される第2のビームを反射する第2反射領域とを備え、第1のビームと第2のビームとは、照射方向の側方において、配向が異なっていることを特徴とする、自動車用の楕円型ヘッドライトである。
【0008】非限定的な本発明の特徴は、次に示す通りである。
【0009】−リフレクタの一方の領域は、他方の領域の上方にある。
−リフレクタの2つの領域は、おおむね水平な境界面により分割されている。
−おおむね水平な境界面は、光源とおおむね同じ高さに設けられている。
−リフレクタの2つの反射領域は、垂直面の一側方にある2つの傾斜半平面により分割されている。
−第1のビームと第2のビームの左右方向における光の分布は、異なっている。
−第1のビームと第2のビームの垂直方向における光の分布は、異なっている。
−リフレクタの第1反射領域で反射されるビームの幅は、第2反射領域で反射されるビームの幅よりも大となっている。
−リフレクタの第1反射領域で反射されるビームの道路の軸線上の光の照射度は、第2反射領域で反射されるビームのそれよりも小さい。
−リフレクタの第1反射領域で反射されるビームの厚さは、第2反射領域で反射されるビームのそれよりも大である。
−リフレクタの第2反射領域で反射されるビームは、左右方向に広がり、かつ、水平方向の下限の上方に位置するビームと、前記下限にわたる集光ビームとになる。
−カットオフビームは、すれ違いビームであり、カットオフされないビームは、走行ビームである。
【0010】本発明の他の特徴、目的、及び利点は、図面を用いて説明する、非限定的な好ましい実施例から明らかになると思う。
【0011】
【実施態様】まず、図1〜図3を参照する。図1は、光源(10)を取り付けたリフレクタ(20)の横断面図である。本実施例では、光源(10)は、白熱ランプのフィラメント、またはガス放電ランプのアークであるが、本実施襟では、H7型のような標準の白熱ランプを用いている。
【0012】後面が平らな平凸レンズ(30)が、リフレクタ(20)の前方に設けられており、リフレクタ(20)により反射されて、リフレクタ(20)と平凸レンズ(30)との間にある集光領域(ZC)を通過した集光ビームは、道路を照射する。また、可動マスク(40)が、遮蔽位置(想像線で示す)へ移動できるようにして設けられている。
【0013】遮蔽位置にある可動マスク(40)は、ビームをカットオフし、平凸レンズ(30)は、上端のカットオフラインで切られたビームを道路に照射する。カットオフラインは、可動マスク(40)の上縁(41)(図3)により形成される。可動マスク(40)は、リフレクタ(20)が反射するビームを全く遮らない引込位置に移動できるようになっている。
【0014】可動マスク(40)は、公知の手段により、2つの位置に移動できるようになっている。特に、可動マスク(40)は、制御可能な電磁石により、自動車のダッシュボードから移動させることができる。
【0015】また、従来のヘッドライトと同様に、本発明による楕円型ヘッドライトは、前部密閉ガラス、またはレンズ、ケーシング、及び構造部材等(図示しない)を備えている。
【0016】図2を参照すると、リフレクタ(20)は、2つの反射領域、つまり上部反射領域(20a)と下部反射領域(20b)とに分割されている。これら2つの反射領域(20a)(20b)は、光源(10)と同じ高さのところで、楕円型ヘッドライトの長手方向軸(y−y)を通過するおおむね水平の境界面(P)で分割されている。
【0017】また、2つの反射領域の間の境界面(P)を、上述した面とは異なる面、例えば、リフレクタ(20)の左方の上下の中間面、及び右方の上下の中間面として、水平に設けるようにしてもよい。また、これらの面は、水平に対して傾斜していてもよい。
【0018】上下の2つの反射領域(20a)(20b)は、集光領域(ZC)に2つのビームをそれぞれ反射するようになっている。一方のビームは、他方のビームとは、左右方向の幅、長手方向軸(y−y)上における領域での最大光度、垂直方向の厚さにおいて異なっている。
【0019】リフレクタ(20)の上部反射領域(20a)に向かうビーム(第1のビームとする)は、主に、水平面(xy)の上方(平凸レンズ(30)を通過すると下方)に反射される。
【0020】可動マスク(40)が引込位置にある時には、ビームは、カットオフ(遮蔽)されることはない。
【0021】一方、リフレクタ(20)の下部反射領域(20b)に向かうビーム(第2のビームとする)は、主に、水平面(xy)の下方(平凸レンズ(30)を通過すると上方)に反射される。可動マスク(40)が遮蔽位置にあると、第2のビームは、おおむね遮蔽されるようになっている。
【0022】反射領域及び反射ビームを、このように組み合わせることによって、主にリフレクタ(20)の上部反射領域(20a)で反射されるすれ違いビームの形状を最適化することができる。
【0023】同様に、リフレクタ(20)の下部反射領域(20b)で反射されるビーム(走行ビーム)の形状も、他方のビーム(すれ違いビーム)とともに最適化することができ、楕円型ヘッドライトが発生する走行ビームの形状を、十分に好ましいものとすることができる。
【0024】本実施例において、リフレクタ(20)の上部反射領域(20a)及び下部反射領域(20b)は、前述した特許明細書に詳述されているように形成されている。
【0025】図4aは、上部反射領域(20a)の詳細を示している。水平面(xy)におけるか、またはそれに近接する上部反射領域(20a)を、上方部分(201a)とする。また、ビームの垂直焦線を(LFa)とし、光源(10)から異なる角度θで発生されたビームを(RE)とする。
【0026】図4aには、反射ビーム(RR)を含む垂直面が、垂直焦線(LFa)と交差する位置を示してある。また、平凸レンズ(30)の焦点(FL)を含む左右方向面(PT)を示している。
【0027】図4では、各反射領域(20a)(20b)を曲線座標で示しており、原点(0)は、面(y0z)に含まれるリフレクタ(20)により反射された点に対応するものである。これらの座標による垂直焦線(LFa)、及びそれと交差する点は、長手方向軸(y−y)からの角度θの関数として変化する。
【0028】従って、垂直焦線(LFa)の形状と、交差点を決めるための上述した関係、つまり、道路の軸線に対する側方への配光、強度、及び長手方向軸(y−y)からの左右方向距離の関数としての厚さとを適切に調節することにより、ビームを集光することができる。
【0029】また、ビームの平均高さを、水平面(xy)に対して、垂直焦線(LFa)を垂直からオフセットすることにより、変えることができる。
【0030】図4aにおいて、垂直面(yz)に対して、角度θをなす垂直面に含まれ、リフレクタの特定の垂直縁で反射される一連の反射ビーム(RR)は、垂直焦線(LFa)上に、おおむね均一に離れ、かつ垂直に集光する。そのため、リフレクタ(20)の上部反射領域(20a)で反射されたビームは、中央領域において、大きく広がって照射する。
【0031】また、曲線である垂直焦線(LFa)が平凸レンズ(30)の焦点面から広がっていることにより、左右方向面(PT)におけるビーム、つまり、効率的に照射されるビームが厚くなる。
【0032】上述のようにして照射されたビームの特性を、図6aに示す。
【0033】図4bは、リフレクタ(20)の下部反射領域(20b)の詳細を示す。下部反射領域(20b)の垂直焦線(LFb)は、垂直焦線(FLa)のものよりもおおむね小さい左右方向面(PT)から離れており、より薄いビームを照射することができるようになっている。
【0034】また、角度θが100°までの直接的なビーム(RE)は、平凸レンズ(30)の焦点(FL)の周辺に集光する反射ビーム(RR)となる。そのため、ビームは、道路の軸線上に多く照射する。これは、下部反射領域(20b)を、楕円形またはほぼ楕円状とすることにより、実現可能となる。
【0035】100°を越える角度θを有するビーム(RE)は、長手方向軸(y−y)から大きく離れて拡散する反射ビーム(RR)となる。
【0036】リフレクタ(20)の下部反射領域(20b)により反射されたビームを図6bに示す。このビームは、主に、光軸を通る水平面の上方に照射されている。また、集光ビームの中央部分は、主に、水平面の上方に照射され、かつ、その面の上下にわたっている。
【0037】ビームの水平方向の配光に関する上部反射領域(20a)と下部反射領域(20b)との相違点は、水平面(xy)の周辺で互いに異なっている垂直断面(及び幅)を有していることである。従って、リフレクタ(20)の水平面(xy)は、不連続となっている。また、図1は、2つの反射領域(20a)(20b)の断面を示している。各断面で拡散したビームは、光学的エラーを含んでいない。
【0038】図面からわかるように、楕円型ヘッドライトは、遮蔽位置と非遮蔽または引込位置とに選択的に移動できる可動マスク(40)を有している。
【0039】図3は、可動マスク(40)が遮蔽位置にあり、上縁(41)が3本の直線により形成されていることを示している。中央の直線は、水平面から、例えば15°傾斜している。外側に延びている2つの直線は、水平であり、かつ異なる高さとなっている。上縁(41)により、反射ビームを遮蔽して照射ビームとするカットオフラインが形成されている。このカットオフラインは、ヨーロッパの規則に適合するすれ違いビームを発生することができる。
【0040】図5a及び図5bは、可動マスク(40)が図3に示す遮蔽位置にある時に、上部反射領域(20a)及び下部反射領域(20b)により反射されたそれぞれのビームの形状を示している。
【0041】図5cは、照射されたすれ違いビームの全体的な形状を示している。図5aに示す形状は、すれ違いビームの主要素となっており、次の特徴を備えている。
−例えば、50°という広い幅となっている。
−道路の軸に対して、普通の光度、例えば10,000Cdの光度を有している。
−中央から側縁に向かって、ビームの量が大幅に低下している。
−カットオフラインが明瞭となっている。
【0042】図5bに示すビームは、道路の軸線上に照射されるビームを、適切な割合で補強する形状となっている。
【0043】図6a及び図6bは、可動マスク(40)が、ビームを遮蔽しない引込位置にある時に、上部反射領域(20a)及び下部反射領域(20b)により発生されたビームの形状を示している。図6cは、照射されたビームの形状を示している。
【0044】下部反射領域(20b)により発生されたビームは、道路の軸線、及びその上方を強く照射する。下部反射領域(20b)は、通常は50,000Cdの光度で、道路の軸にビームを反射し、上部反射領域(20a)のビームに付加されると、60,000Cdのビームを道路の軸線上に照射することができる。
【0045】本発明は、上述した実施例及び図面に限定されるものではなく、また、当業者であれば、本発明の範囲内で変更及び修正できるものである。特に、本発明は、照明機能を有し、ライトの少なくとも一方が、集光領域(ZC)に反射されるビームをカットオフするためのマスクを有する、1対のヘッドライトの設計及び製造に適用しうるものである。
【出願人】 【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【出願日】 平成12年5月12日(2000.5.12)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外2名)
【公開番号】 特開2000−340010(P2000−340010A)
【公開日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願番号】 特願2000−139896(P2000−139896)