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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】秋山 精宏

【要約】 【課題】照度アップ。小型化。

【解決手段】焦点FPが共通でありかつ焦点距離FL〜FL4が異なる5個の回転放物面60〜64上に、反射面6を8個のブロック61L〜64Rに分割した9本の分割線7〜74Rがそれぞれ位置しており、5個の回転放物面60〜64の焦点距離FL〜FL4が光源バルブ4に対して近いものから遠いものへと小さくなる。この結果、反射面6が立ち上がるので、立体角SRが大となる。このために、灯具の大きさを従来の車両用灯具と同一とした場合、立体角SRが大となり、灯具の照度が上がる。一方、灯具の照度を従来の車両用灯具と同一とした場合、立体角srが同一となり、反射面6が反射方向側に立ち上がっている分、灯具を小型化できる。その上、灯具の大きさ及び照度の大きさを調整することにより、灯具の照度アップと小型化とを同時に図ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプハウジング及びレンズにより灯室が画成されており、前記灯室内には光源バルブが配設されており、前記ランプハウジングには前記光源バルブからの光を前記レンズ側に拡散反射させる反射面が設けられている車両用灯具において、前記反射面は、前記光源バルブを通る放射線方向に対して交差する方向に複数個のブロックに分割されており、前記反射面を複数個のブロックに分割した複数本の分割線は、前記光源バルブの近傍を共通焦点としかつ焦点距離が異なる複数個の回転放物面上にそれぞれ位置しており、前記複数個の回転放物面の焦点距離は、前記複数本の分割線のうち、前記光源バルブに近いものから前記光源バルブに遠いものにかけて小さくなり、前記複数本の分割線の間は、拡散反射系の自由曲面の反射面により繋ぎ形成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばリヤーコンビネーションランプのバックアップランプやストップテールランプ等であって、光源バルブから光を拡散反射させる反射面が複数個のブロックに分割されている車両用灯具に係り、特に、照度アップ又は及び小型化を図ることができる車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、この種の従来の車両用灯具を図7及び図8を参照して説明する。この例は、自動車のリヤーコンビネーションランプのバックアップランプ又はストップテールランプについて説明する。なお、図面中、ハッチングは図面の読解上省略してある。
【0003】図において、1はランプハウジングである。このランプハウジング1の前面開口部には、レンズ(アウターレンズ)2がシール剤や接着剤(例えば、ホットメルト)等により配設されている。このレンズ2及びランプハウジング1により灯室3が画成形成されている。
【0004】上述のレンズ2の内面(灯室3と対向する面)には、後述する反射面5からの反射光を上下方向に拡散させる複数個の横方向のシリンドリカルプリズム20が設けられている。なお、このレンズ2は、上述の上下方向の拡散系のレンズ以外に、縦方向のシリンドリカルプリズムが設けられた左右方向の拡散系のレンズ、魚眼プリズムが設けられた放射方向の拡散系のレンズ、素通しのレンズ等々であっても良いし、それらを複数枚組み合わせたものであっても良い。
【0005】また、上述の灯室3内には、光源バルブ4が配設されている。この光源バルブ4は、ソケット40を介して前記ランプハウジング1の透孔の周縁に着脱可能に取り付けられることにより、前記灯室3内の所定位置(すなわち、光源バルブ4のフィラメント等の発光部が後述する反射面5の焦点FPの近傍に位置する位置)に配設される。
【0006】さらに、上述のランプハウジング1の内面(灯室3と対向する側の面)には、反射面5が一体に設けられている。この反射面5は、複数個、この例では8個のブロック50に分割されている。この各ブロック50は、前記光源バルブ4からの光を前記レンズ2側に左右方向に拡散反射させる縦方向のシリンドリカルプリズムの形状をなす。この反射面5を8個のブロック50に分割した複数本、この例では9本の分割線52は、光軸Z−Zを回転軸とする単一の回転放物面51上に位置する。この反射面5は、前記ランプハウジング1の内面にアルミ蒸着を施して前記ランプハウジング1に直接設けたものである。なお、この反射面5は、ランプハウジング1と別体のものを灯室3内に配設しても良い。
【0007】そして、前記光源バルブ4のフィラメント等を点灯すると、その光源バルブ4のフィラメント等の発光部からの光lは、反射面5の各ブロック50で左右に拡散反射される。その左右拡散反射光は、レンズ2の横シリンドリカルプリズム20で上下に拡散され、このレンズ2を経て外部に所定の配光パターンで照射される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来の車両用灯具は、反射面5を8個のブロック50に分割した9本の分割線52が単一の回転放物面51上に位置するものであるから、光源バルブ4からの反射面5に対する立体角srが反射面5の大きさにより一意に決まってしまう。一方、上述の単一の回転放物面51の焦点距離FLは、反射面5(ランプハウジング1)の耐熱上から決まってしまう。このために、灯具を小型化すると、反射面5が小さくなって、その分、灯具の照度が下がる。一方、反射面5を大きくして灯具の照度を上げると、その分、灯具が大型化する等の課題がある。
【0009】本発明の目的は、照度アップ又は及び小型化を図ることができる車両用灯具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を達成するために、反射面を、光源バルブを通る放射線方向に対して交差する方向に複数個のブロックに分割し、その反射面を複数個のブロックに分割した複数本の分割線を、光源バルブの近傍を共通焦点としかつ焦点距離が異なる複数個の回転放物面上にそれぞれ位置させ、その複数個の回転放物面の焦点距離を、複数本の分割線のうち、光源バルブに近いものから光源バルブに遠いものにかけて小さくし、その複数本の分割線の間を、拡散反射系の自由曲面の反射面で繋いだ、ことを特徴とする。
【0011】この結果、本発明の車両用灯具は、焦点が共通でありかつ焦点距離が異なる複数個の回転放物面上に、反射面を複数個のブロックに分割した複数本の分割線がそれぞれ位置しており、しかも、複数個の回転放物面の焦点距離が光源バルブに対して近いものから遠いものへと小さくなるものであるから、反射面の複数個のブロックが反射方向側に立ち上がるので、その分、光源バルブの反射面に対する立体角が大きくなる。このために、灯具の大きさを従来の車両用灯具と同一とした場合、立体角が大となって灯具の照度が上がる。一方、灯具の照度を従来の車両用灯具と同一とした場合、立体角が同一となり、反射面の複数個のブロックが反射方向側に立ち上がっている分、灯具を小型化できる。その上、灯具の大きさ及び照度の大きさを調整することにより、灯具の照度アップと小型化とを同時に図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用灯具の実施形態のうちの2例を図1乃至図6を参照して説明する。図1乃至図4は本発明の車両用灯具の第1実施形態を示す。この例はリヤーコンビネーションランプのバックアップランプ又はストップテールランプに使用した例について説明する。図中、図7及び図8と同符号は同一のものを示す。
【0013】図において、6はランプハウジング1に一体に設けた反射面である。この反射面6は、光源バルブ4を通る放射線方向に対して交差する方向に複数個のブロック61L、62L、63L、64L、61R、62R、63R、64R(以下、61L〜64R)に分割されている。この例では、反射面6を正面から見た図2に示すように、垂直方向にかつ同ピッチに8個のブロック61L〜64Rに分割されている。
【0014】上述の反射面6を8個のブロック61L〜64Rに分割した複数本の分割線7、71L、72L、73L、74L、71R、72R、73R、74R(以下、7〜74R)は、光軸Z−Zを回転軸とし、光源バルブ4のフィラメント等の発光部近傍を共通焦点FPとしかつ焦点距離FL、FL1、FL2、FL3、FL4(以下、FL〜FL4)が異なる複数個の回転放物面60、61、62、63、64(以下、60〜64)上にそれぞれ位置している。この例では、9本の分割線7〜74Rが5個の回転放物面60〜64上にそれぞれ位置している。すなわち、図1乃至図3に示すように、中央の分割線7は第1回転放物面60上に、その中央の分割線7の左右の2本の分割線71L、71Rは第2回転放物面61上に、その2本の分割線71L、71Rの外側の2本の分割線72L、72Rは第3回転放物面62上に、その2本の分割線72L、72Rの外側の2本の分割線73L、73Rは第4回転放物面63上に、その2本の分割線73L、73Rの外側の2本の分割線74L、74Rは第5回転放物面64上に、それぞれ位置している。
【0015】上述の5個の回転放物面60〜64の焦点距離FL〜FL4は、図1に示すように、前記9本の分割線7〜74Rのうち、前記光源バルブ4に近いもの(FL)から前記光源バルブ4に遠いもの(FL4)にかけて小さくなる。
【0016】上述の9本の分割線7〜74Rの間、すなわち、上述の8個のブロック61L〜64Rは、拡散反射系の自由曲面の反射面により繋ぎ形成されている。この8個のブロック61〜64Rの反射面は、この例では、図1、図3及び図4に示すように、凸円柱面乃至凸円柱面に近似した凸曲面をなす。
【0017】この実施の形態における本発明の車両用灯具は、以上の如き構成からなるので、光源バルブ4のフィラメント等の発光部を点灯すると、この光源バルブ4からの光L1が反射面6の各ブロック61L〜64Rで左右に拡散反射される。このとき、図1に示すように、各ブロック61L〜64Rのうち、内側の部分は、各回転放物面60〜64に対して、凸面で交差するために、この内側の部分で反射した反射光L2は、設計角度θ°(光軸Z−Zと平行な一点鎖線と反射光L2とのなす角度)分内側に反射する。一方、外側の部分は、各回転放物面60〜64に沿っているために、この外側の部分で反射した反射光L3は、光軸Z−Zとほぼ平行に反射する。そして、上述の左右拡散反射光L2、L3は、例えば、図7及び図8に示すレンズ2の横シリンドリカルプリズム20で上下に拡散され、このレンズ2を経て外部に所定の配光パターンで照射される。
【0018】このように、この実施形態における本発明の車両用灯具は、焦点FPが共通でありかつ焦点距離FL〜FL4が異なる5個の回転放物面60〜64上に、反射面6を8個のブロック61L〜64Rに分割した9本の分割線7〜74Rがそれぞれ位置しており、しかも、5個の回転放物面60〜64の焦点距離FL〜FL4が光源バルブ4に対して近いものから遠いものへと小さくなるものである。この結果、図4に示すように、反射面6の8個のブロック61L〜64Rが反射方向側に立ち上がるので、その分、光源バルブ4の反射面6に対する立体角SRが、従来の車両用灯具の光源バルブ4の反射面5に対する立体角srと比較して、大きくなる。このために、灯具の大きさを従来の車両用灯具と同一とした場合、立体角SRが大となり、その分、光束密度(光束量)が大となって灯具の照度が上がる。一方、灯具の照度を従来の車両用灯具と同一とした場合、立体角srが同一となり、図4中の二点鎖線にて示すように、反射面6の複数個のブロックが反射方向側に立ち上がっている分、灯具を小型化できる。その上、灯具の大きさ及び照度の大きさを調整することにより、灯具の照度アップと小型化とを同時に図ることができる。
【0019】図5は本発明の車両用灯具の第2実施形態を示す。図中、図1乃至図4及び図7及び図8と同符号は同一のものを示す。この第2実施形態における反射面600の各ブロック610、620、630、640(以下、610〜640)の反射面は、凹円柱面乃至凹円柱面に近似した凹曲面をなすものである。
【0020】この第2実施形態のものは、上述の第1実施形態のものと同様の作用効果を達成することができる。この第2実施形態において、各ブロック610〜640のうち、外側の部分は、各回転放物面60〜64に対して、凹面で交差するために、この外側の部分で反射した反射光L5は、設計角度θ°(光軸Z−Zと平行な一点鎖線と反射光L5とのなす角度)分内側に反射する。一方、内側の部分は、各回転放物面60〜64に沿っているために、この内側の部分で反射した反射光L4は、光軸Z−Zとほぼ平行に反射する。
【0021】図6は本発明の車両用灯具の変形例を示す。(A)は、反射面6Aを斜め方向にかつ同ピッチに複数個のブロックに分割したものである。(B)は、反射面6Bを同心円状にかつ同ピッチに複数個のブロックに分割したものである。(C)は、反射面6Cを任意の方向に任意の形状にかつ任意のピッチに複数個のブロックに分割したものである。このように、本発明の車両用灯具は、反射面を光源バルブを通る放射線方向に対して交差する方向に複数個のブロックに分割すれば良い。
【0022】なお、上述の実施の形態においては、リヤーコンビネーションランプのバックアップランプ又はストップテールランプに使用した例について説明したが、本発明はその他の車両用灯具にも適用できる。また、上述の実施形態においては、反射面6、600がランプハウジング1に一体に設けられているものであるが、本発明の車両用灯具は、ランプハウジング1と別体のものを灯室3内に配設した反射面であっても良い。
【0023】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の車両用灯具は、照度アップ又は及び小型化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成11年5月26日(1999.5.26)
【代理人】 【識別番号】100059269
【弁理士】
【氏名又は名称】秋本 正実
【公開番号】 特開2000−340008(P2000−340008A)
【公開日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願番号】 特願平11−146764