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【発明の名称】 回り灯ろうの火袋
【発明者】 【氏名】野沢 恒雄

【要約】 【課題】フレームにレンズ板を固定して火袋の透かし板を構成する際に、従来のような接着剤を用いた場合に生ずる種々の問題、例えばフレームから接着剤がはみ出したり接着不良によってレンズ板がフレームから剥がれ落ちるなどのトラブルを回避し、外観品質に優れた火袋を得ることを目的とする。

【解決手段】上口輪と下口輪との間に複数の弧状をなす胴骨を周方向に所定間隔毎に取付けると共に、隣接する胴骨間に透かし板を周方向に取付け、該透かし板を除く胴骨の部分を被覆してなる回り灯ろうの火袋において、前記透かし板20が、胴骨に固定されるフレーム21と、このフレーム21に張られたレンズ板22とで構成され、フレーム21の周囲に係止突起23を設け、この係止突起23にレンズ板22の外周に設けた係合凹部29を係合させることによってフレーム21にレンズ板22を固定した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上口輪と下口輪との間に複数の弧状をなす胴骨を周方向に所定間隔毎に取付けると共に、隣接する胴骨間に透かし板を周方向に取付け、該透かし板を除く胴骨の部分を被覆してなる回り灯ろうの火袋において、前記透かし板が、胴骨に固定されるフレームと、このフレームに張られた透明パネルとで構成され、フレームの周囲に係止突起を設け、この係止突起に透明パネルの外周を係合させることによってフレームに透明パネルを固定したことを特徴とする回り灯ろうの火袋。
【請求項2】 前記透明パネルの外周には、フレームの係止突起に係合する係合凹部を設けたことを特徴とする請求項1記載の回り灯ろうの火袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、葬式や法事などの仏事を行う際に、仏具として用いられる回り灯ろうの火袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の回り灯ろうは、例えば図7に示したように、脚部1に支えられた火袋2の内部に中空の回転筒3を備え、この回転筒3の内部に設けた電球4からの熱エネルギによって回転筒3を回転させ、火袋2の周りに張られた被覆用の和紙5を通して回転筒3に描かれた図柄が装飾的に写し出せる構造となっている。
【0003】ところで、上記火袋1は、上下の口輪6,7と、これら上下の口輪6,7間に架け渡され且つ周方向に所定間隔毎に配列された複数の弧状をなす胴骨8と、上下の口輪6,7の中間位置において隣接する胴骨8間に配設された透かし板9と、該透かし板9を除く胴骨8に貼り付けられた前述の和紙5とで構成される。透かし板9は、図8に示したように、矩形状のプラスチック製フレーム10と、このフレーム10の裏面側に接着剤13で固着されたプラスチック製のレンズ板11とで構成されており、フレーム10の両側縁を胴骨8に設けられた係合溝に嵌め入れることで取付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の透かし板9は、フレーム10の裏面側にゴム系の接着剤13を塗布し、この接着剤13が少し乾くまで置いてからレンズ板11を貼り付けるようにしていたので、作業時間が掛かる上に作業者の勘に頼った製造を余儀なくされていた。そのために、仕上がり品質にバラツキが生じ、図9に示すようにフレーム10から接着剤13のはみ出し部分14a,14bがあると見映えを悪くしたり、接着不良によって使用中にレンズ板11がフレーム10から剥がれ落ちるなどのトラブルがあった。また、フレーム10が透明プラスチックで形成されている場合には、接着剤13の塗布位置が正確であっても、電球4からの明りで接着剤13が影となって写し出されるといった問題もあった。
【0005】そこで本発明は、フレームにレンズ板を取付ける際、従来のような接着剤を用いた場合に生ずる種々の問題を回避するようにした回り灯ろうの火袋を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る回り灯ろうの火袋は、上口輪と下口輪との間に複数の弧状をなす胴骨を周方向に所定間隔毎に取付けると共に、隣接する胴骨間に透かし板を周方向に取付け、該透かし板を除く胴骨の部分を被覆してなる回り灯ろうの火袋において、前記透かし板が、胴骨に固定されるフレームと、このフレームに張られた透明パネルとで構成され、フレームの周囲に係止突起を設け、この係止突起に透明パネルの外周を係合させることによってフレームに透明パネルを固定したことを特徴とする。
【0007】また、本発明の請求項2に係る回り灯ろうの火袋は、前記透明パネルの外周にフレームの係止突起に係合する係合凹部を設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下添付図面に基づいて本発明に係る回り灯ろうの火袋について、最良と思われる実施の形態を詳細に説明する。図1乃至図6は、本発明に係る火袋の一実施例を示したものであり、図1はフレームとレンズ板とで構成される透かし板の斜視図、図2はフレームに形成された係止突起の断面形状を示す前記図1のA−A線断面図、図3は前記係止突起にレンズ板の係合凹部を係合させたときの斜視図、図4は前記図3において、B−Bに沿って切断した時の断面図である。また、図5は透かし板を左右の胴骨に取付けた時の平面図、図6は前記図5において、C−C線に沿って切断した時の断面図である。
【0009】図1及び図2に示したように、この実施例に係る透かし板20は、前述した従来のものと同様に、矩形状のプラスチックス製フレーム21と、このフレーム21に固定される透明薄板状のプラスチックス製レンズ板22とで構成されるが、従来例とは異なって、フレーム21の裏面側に複数の係止突起23が一体に形成されている。これらの係止突起23は、フレーム21の外周縁に沿って長辺側に3個ずつ、短辺側に1個ずつ計8個がいずれも同一形状で形成されたものであり、先端23aが内側に折れ曲がった鉤形形状をしている。なお、フレーム21には種々の装飾模様24,25が一体に設けられている。
【0010】一方、レンズ板22は、前記フレーム21より一回り小さい矩形形状をしており、縦横の仕切線26,27によって区画された桝目28の一つ一つがレンズ状になっている。また、レンズ板22の外周縁には、前記フレーム21に形成された係止突起23の突設位置に対応して略半円形状の係合凹部29が形成されている。
【0011】従って、上記構成からなるフレーム21にレンズ板22を固定する場合には、図1に示したように、先ずフレーム21の裏面側にレンズ板22を配置し、フレーム21の外周縁に設けられた8箇所の係止突起23にレンズ板22の係合凹部29を位置合わせする。次に、その状態でレンズ板22に力を加えて上から押え付け、係合凹部29の周囲を少し撓ませて係止突起23の先端23aを乗り越えさせ、図3及び図4に示したように、フレーム21の係止突起23にレンズ板22の係合凹部29を係合させる。周囲8箇所について同様に係合させることでフレーム21にレンズ板22を固定することができる。このように、一つ一つの係止突起23にはレンズ板22の係合凹部29が深く係合しており、またレンズ板22の全周縁が係合されているためにレンズ板22の動きが拘束される。その結果、レンズ板22がフレーム21にピッタリと密着した状態で固定されると共に、係止突起23と係合凹部29との係合が外れてレンズ板22が抜け落ちるといったおそれはない。
【0012】上記図7に示したように、火袋1の上下の口輪6,7間には弧状をなす胴骨8が架け渡され且つ周方向に所定間隔毎に複数配列されているが、隣接する胴骨8間に前記構成の透かし板20を固定する。図5及び図6に示したように、左右の胴骨8の両側縁には、その中央部分に沿って透かし板20の高さ幅に相当する係合溝30が設けられており、この係合溝30に透かし板20の両側縁を嵌め込むことでしっかりと固定される。このようにして胴骨8の全周に亘って透かし板20を取付け、さらに透かし板20の上下の胴骨8部分に内側から和紙5を張って胴骨8全体を被覆して火袋を完成させる。和紙5を貼る場合には、フレーム21の上縁部及び下縁部にも接着剤を塗布するが、図3及び図5にも示したように、レンズ板22がフレーム21の外縁までは被さっていないので、接着剤がレンズ板22まで及ぶといったことがなく、和紙5の接着を確実に行うことができる。
【0013】なお、上記実施例では鉤形形状の係止突起23と、略半円形状の係合凹部29との係合によってレンズ板22をフレーム21に固定した場合について説明したが、これらの係合手段が上記形状のものに限定されないことは勿論である。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る回り灯ろうの火袋によれば、フレームと透明パネルとを、従来のような接着剤を用いることなく係合固定することで透かし板を構成したので、作業時間の短縮を図ることができると共に、フレームから接着剤がはみ出したり接着不良によって透明パネルがフレームから剥がれ落ちるなどのトラブルがなく、外観品質に優れた火袋が得られることになる。
【0015】また、接着剤を使用してないのでフレームが透明プラスチックで形成されている場合でも、従来のように火袋内部の照明によって接着剤が影となって写し出されるといった問題も解消することができた。
【出願人】 【識別番号】592133070
【氏名又は名称】野沢 恒雄
【出願日】 平成11年5月10日(1999.5.10)
【代理人】 【識別番号】100097043
【弁理士】
【氏名又は名称】浅川 哲
【公開番号】 特開2000−322915(P2000−322915A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−128417