| 【発明の名称】 |
車両用灯具 |
| 【発明者】 |
【氏名】二見 隆
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| 【要約】 |
【課題】従来の複数の非球面レンズを使用するプロジェクタ型灯具においては、点灯などによる温度変化により非球面レンズと配光形成用シェードとに位置ズレを生じ易く、使用中に配光特性に変化を生じる問題点があった。
【解決手段】本発明により、非球面レンズ4はそれぞれが個別若しくは一体に形成され、レンズホルダ5は非球面レンズ4の形成状態に対応する形態とされると共に、非球面レンズ4とレンズホルダ5とには芯出し手段が設けられて相互の取付けが行われている車両用灯具としたことで、レンズ4とレンズホルダ5とに熱望超係数の差があり、周囲温度の変化により両者間に寸法変化を生じたときにも、同芯の外面テーパー4aと内面テーパー5bなどによる芯出し手段により両者間の移動量を低減させ課題を解決するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 非球面レンズの複数をレンズホルダにより所定位置として取付けるプロジェクタ型とした車両用灯具において、前記非球面レンズはそれぞれが個別若しくは一体に組合わされて形成され、前記レンズホルダは前記非球面レンズの形成状態に対応する形態とされると共に、前記非球面レンズと前記レンズホルダとには芯出し手段が設けられて相互の取付けが行われていることを特徴とする車両用灯具。 【請求項2】 前記芯出し手段が、個別の非球面レンズの外周若しくは複数が一体化された組合せ非球面レンズ中の中心にある非球面レンズと同芯に設けた円弧状の外周に設けられたテーパー面と、前記レンズホルダに前記テーパー面に対応して設けられたテーパー受け面であることを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。 【請求項3】 前記芯出し手段が、複数が一体化された組合せ非球面レンズ中の中心に位置する非球面レンズに対してのみ前記レンズホルダに対して位置決めを行うように圧接するリテーナであり、該リテーナの他の非球面レンズに対応する部分は熱膨張に対する適宜な逃げ代が設けられて前記レンズホルダへの圧接が行われていることを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。 【請求項4】 前記芯出し手段が、複数が一体化された組合せ非球面レンズ中の中心に位置する非球面レンズの中心を通る直線上で前記レンズホルダとの位置決めを行い止着したことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。 【請求項5】 前記芯出し手段が、複数が一体化された組合せ非球面レンズと前記レンズホルダとが径方向での弾性を介する係合であることを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。 【請求項6】 前記組合せ非球面レンズと前記レンズホルダとの間には、この組合せ非球面レンズとレンズホルダとを径方向に沿い少なくとも一方向に平行移動させる調整機構が設けられていることを特徴とする請求項5記載の車両用灯具。 【請求項7】 前記レンズホルダの前記非球面レンズに対応する位置には、配光形成用シェードが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一に記載の車両用灯具。 【請求項8】 前記レンズホルダを金属部材の注型手段で形成し前記リテーナ、反射鏡などの灯具構成部材をこのレンズホルダを基準として取付ける構成としたことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一に記載の車両用灯具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はヘッドランプ、フォグランプなど主として照明目的に用いられる車両用灯具に関するものであり、詳細には楕円系の反射面と非球面の投影レンズとが用いられ、一般的にプロジェクタ型と称されている車両用灯具の構成に係るものである。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の車両用灯具90の構成の例を示すものが図11であり、楕円系の複合反射面として形成された反射面91の各反射面91a〜91cに対応しては、それぞれに非球面レンズ92a〜92cが配置され、加えて前記非球面レンズ92a〜92cの略焦点の位置には、例えばすれ違い配光を形成するための配光形成用シェード93a〜93cが配置されている。 【0003】このときに、前記非球面レンズ92a〜92cおよび配光形成用シェード93a〜93cは前記反射面91(a〜c)を含みこれらを内部に収納するように形成されたハウジング94に適宜に取付けられるものとされている。尚、前記非球面レンズ92a〜92cにおいては樹脂部材により図示のように複数個が一体成形されて組合せ非球面レンズとされる場合もあり、また、ここでの図示は省略するがガラス部材などで個別に形成される場合もある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の構成においては、プロジェクタ型の灯具が正確な配光特性を実現するためには非球面レンズ92と配光形成用シェード93との間の相互の位置関係に高い精度が要求されるものであるので、光源95の点灯時の発熱などによる熱膨張により寸法変化を生じて配光特性に狂いを生じ易いという問題点を生じている。 【0005】特に、前記非球面レンズ92を複数個採用する車両用灯具90においては、非球面レンズ92と配光形成用シェード93とのそれぞれの組合せが全て異なる方向にズレるものと成るなどの事態を生じ易く、一層に温度変化による配光特性の狂いが顕著となり、この点の解決が課題とされるものとなっていた。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来の課題を解決するための具体的手段として、非球面レンズの複数をレンズホルダにより所定位置として取付けるプロジェクタ型とした車両用灯具において、前記非球面レンズはそれぞれが個別若しくは一体に形成され、前記レンズホルダは前記非球面レンズの形成状態に対応する形態とされると共に、前記非球面レンズと前記レンズホルダとには芯出し手段が設けられて相互の取付けが行われていることを特徴とする車両用灯具を提供することで課題を解決するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1および図2に符号1で示すものは本発明に係る車両用灯具の第一実施形態であり、この車両用灯具1は一つの光源2に対して、例えば7面とした楕円系の複合反射面3を有し、これに応じて非球面レンズ4も7個が配置されるものである点は従来例のものと同様である。尚、この第一実施形態では前記非球面レンズ4は全てが個別に形成されているときの例で説明する。 【0008】ここで、本発明においては前記非球面レンズ4を取付けるためのレンズホルダ5を形成するものであり、このレンズホルダ5は、例えばアルミダイキャスト、マグネシウムチクソモールドなど金属部材を金型に注型する手段で形成され、前記非球面レンズ4の数に応じる略円筒状としたレンズ取付部5aが設けられている。 【0009】本発明では、前記非球面レンズ4とレンズ取付部5aとの嵌合に工夫を凝らすものであり、先ず、前記非球面レンズ4の外径を外面テーパー4aとして仕上げる。そして、前記レンズ取付部5aの内径部分には非球面レンズ4の外面テーパー4aに対応する傾斜とした内面テーパー5bを設け、両者を嵌合させ、前面から適宜な強度を有するリテーナ6で押さえるものである。 【0010】このようにすることで、非球面レンズ4が形成された部材と、レンズ取付部5aが形成された部材とに熱膨張係数の差があり、周囲温度に変化を生じたときには、両者に生じる寸法差は、前記外面テーパー4aと内面テーパー5bとが摺動することで吸収されるものとなる。 【0011】このときに、非球面レンズ4と外面テーパー4aの中心、および、レンズ取付部5aと内面テーパー5bとの中心を一致させておけば、上記の摺動により非球面レンズ4とレンズ取付部5aとに芯ズレを生じることはなく、従って、前記レンズ取付部5aに一体化して配光形成用シェード5cを設けておけば、周囲温度の変化による非球面レンズ4と配光形成用シェード5cとの位置ズレは生じないものとなる。 【0012】図3および図4は本発明の第二実施形態であり、上記のように複合反射面3とすると一つの光源2からの光は、例えば7個の非球面レンズ4に分配されるものと成るので、非球面レンズ4の1個あたりの透過光量は減じ熱的負担も減少し樹脂化も可能となり、この樹脂化により7個を一体化して組合せ非球面レンズ41として形成することも可能なものとなる。 【0013】この第二実施形態は上記組合せ非球面レンズ41としたときに対応するものであり、上記の第一実施形態と同様に組合せ非球面レンズ41の外径には外面テーパー41aを設け、レンズホルダ51に設けるレンズ取付部51aの内径部分には内面テーパー51bを設け両テーパー41a、51bを嵌合させ組合せ非球面レンズ41とレンズホルダ51との取付けをリテーナ61で行うものである。 【0014】このときに、前記組合せ非球面レンズ41の外面テーパー41aは、この組合せ非球面レンズ41の中心にある非球面レンズ4A若しくはこの組合せ非球面レンズ41の物理的中心を基準として形成され、内面テーパー51bも同様にして形成されている。尚、このように複数の非球面レンズ、例えば非球面レンズ4A〜4Gが一体化されて組合せ非球面レンズ41とされている場合、レンズホルダ51との組合せを正しい位置とするように外面テーパー41aの一部に突起を設けるなどは自在である。 【0015】以上の構成とすることで、組合せ非球面レンズ41とレンズホルダ51との相互位置は温度変化を生じても確実に保持されるものとなる。また、組合せ非球面レンズ41とレンズホルダ51とに温度膨張係数の差がある場合でも移動方向および移動量が予めに予測可能であるので対応を行うのも容易である。よって、レンズホルダ51に配光形成用シェード5cを設ける場合であっても、その影響を予測し、予めに対策を行うことが可能である。 【0016】図5は本発明の第三実施形態であり、この第三実施形態も上記第二実施形態と同様な形状の組合せ非球面レンズ42が採用されているが、この組合せ非球面レンズ42の外周には上記した第一、第二実施形態のように外面テーパーは設けられない。また、レンズホルダ52も第二実施形態とほぼ同様な形状とされているが内面テーパーは設けられていない。 【0017】そして、組合せ非球面レンズ42のレンズホルダ52への止着はリテーナ62で行うものであり、このリテーナ62には、組合せ非球面レンズ42中に設けられた非球面レンズ4A〜4Gに対応する開口部62a〜62gが設けられているが、組合せ非球面レンズ42の中心に位置する非球面レンズ4Aに対応する開口部62aのみ固定を行う形状とされ、他の非球面レンズ4B〜4Gに対しては、それぞれが非球面レンズ4Aを中心とする軸を有する長穴状などとして形成されている。 【0018】また、前記リテーナ62のレンズホルダ52への取付部62hには、切り込みなどにより弾性部62iが設けられ、前記組合せ非球面レンズ42のレンズホルダ52への圧接止着に適宜の弾性を与えている。このようにすることで、組合せ非球面レンズ42に熱膨張を生じるときには、中心に位置する非球面レンズ4Aは位置を保持するものとなるが、他の非球面レンズ4B〜4Gは開口部42b〜42g内で移動し加わる応力は緩和される。尚、この実施形態においてもレンズホルダ52へ配光形成用シェード52cを設けるのは自在である。 【0019】図6は本発明の第四実施形態であり、この第四実施形態も上記第二実施形態、第三実施形態と同様な形状の組合せ非球面レンズ43が採用されている。また、レンズホルダ53も前の第三実施形態などとほぼ同様な形状とされているが、この第四実施形態においては組合せ非球面レンズ43とレンズホルダ53との止着にリテーナは用いない。 【0020】そして、前記組合せ非球面レンズ43の外径には、この組合せ非球面レンズ43の中央に位置する非球面レンズ4Aの直径の延長線X上にタブ状とした一対の取付脚43bが設けられ、前記レンズホルダ53にも取付脚43bに対応するレンズ受部53dが設けられ、取付脚43bとレンズ受部53dとを螺着させるなどで、組合せ非球面レンズ43とレンズホルダ53との止着を行う。尚、このときに、取付脚43bとレンズ受部53dとの何れか一方にボスを設け、他方に穴を設けるなどして位置決めを一層明確にするなどは自由である。 【0021】このときに、前記延長線Xが非球面レンズ4Aと共に他の非球面レンズ、例えば非球面レンズ4B、4Cの中心も通過するものとして設定しておけば、これら延長線Xが中心を通過するものとなる非球面レンズ4B、4Cは温度変化が生じたときの移動方向を前記延長線Xに沿う一方向に限定できるものとなる。 【0022】図7は本発明の第五実施形態であり、この第五実施形態も組合せ非球面レンズ44が採用されている。また、レンズホルダ54との止着はリテーナ64により行われるものとされているが、この第五実施形態では前記リテーナ64とレンズホルダ54との係合に工夫を凝らすものとし、熱膨張による寸法差を吸収するものとしている。 【0023】前記リテーナ64には、例えば、組合せ非球面レンズ44の中心を通り直交する2直線が外径に接する4個所には、このリテーナ64を径方向に向かい押すことを可能とする構成としたスプリング64jが形成されている。一方、レンズホルダ54には、前記スプリング64Jを外側から支えるスプリングホルダ54eが設けられ、このスプリングホルダ54eにスプリング64jを挿入することで組合せ非球面レンズ44はリテーナ64を介しレンズホルダ54に取付けられる。 【0024】このようにすると、前記組合せ非球面レンズ44は4個所のスプリング64jにより四方向から押され、スプリング64j以外の場所が触れていない状態でレンズホルダ54に取付けられているものとなり、そのときの保持力は各スプリング64jの反発力により生じているものとなる。 【0025】この状態で、温度変化により組合せ非球面レンズ44とレンズホルダ54とに寸法差を生じると、上記4個所のスプリング64jが変形して寸法差を吸収するものとなり、このときに、それぞれのスプリング64jを同一形状、即ち、同一のスプリング特性として形成しておけば、全てのスプリング64jの変形量は同一となり、組合せ非球面レンズ44とレンズホルダ54とに相互の位置の変動は生じないものとなる。 【0026】図8は上記した第五実施形態を更に改良した第六実施形態であり、上記の説明でも明らかなように前記組合せ非球面レンズ44の直径方向に対峙する一対のスプリング64j同士は常に同じ変形量となる。この第六実施形態は前記した原理を利用して組合せ非球面レンズ44にレンズホルダ54に対する位置調整機能を持たせようとするものであり、前記レンズホルダ54のスプリングホルダ54eにはスプリング64jを外側から圧縮する調整螺子54fが設けられている。 【0027】以上の構成としたことで、この第五実施形態においては、前記調整螺子54fを押し込む方向に回動させると、その位置にあるスプリング64jを圧縮するものとなると同時に、直径を挟んで対峙するスプリング64jも圧縮されるものとなり、このときの2つのスプリング64jの変形量は同一となる。このことは、前記調整螺子54fが移動した寸法の半分の寸法だけ組合せ非球面レンズ44は押された方向に移動するものであり、即ち、レンズホルダ54に対する位置調整が行われるものとなる。 【0028】そして、位置調整が行われた後にも上記した直径を挟んで対峙する2つのスプリング64jの組合せ非球面レンズ44を支える力は同一であるので、例え組合せ非球面レンズ44に寸法変化を生じても、一旦、レンズホルダ54に対して設定された位置が狂うことはないものとすることができるのである。 【0029】図9、図10に示すものは本発明の第七実施形態であり、図9中に符号45で示すものは組合せ非球面レンズであり、符号55はレンズホルダである。そして、この第七実施形態においては、組合せ非球面レンズ45には外周を4等分する位置には、略U字状とし開口を外周側とするスライド溝45a〜45dが設けられている。従って、各スライド溝45a〜45dの中心線は組合せ非球面レンズ45の中心で交わるものとなっている。 【0030】また、図10は組合せ非球面レンズ45に設けるスライド溝をスライド溝45e〜45gの3個所とした例であり、このときにも前記スライド溝45e〜45gは外周を3等分する位置として設けられ、各スライド溝45e〜45gの中心線は組合せ非球面レンズ45の中心で交わるものとされている。 【0031】一方、レンズホルダ55の側には、図9においても図10においてもスライド溝45a〜45gに対応する位置にガイドボス55a〜55gが設けられ、このガイドボス55a〜55gは、幅W方向では前記スライド溝45e〜45gに略嵌合し、深さD方向ではスライド溝45e〜45gに対し適宜の間隙を生じるものとされている。 【0032】このようにすることで、環境温度の変化などにより組合せ非球面レンズ45の側に寸法変化を生じたときには、前記スライド溝45e〜45g内でガイドボス55a〜55gが摺動し、レンズホルダ55との寸法差を吸収するものとなるが、この吸収時には組合せ非球面レンズ45とレンズホルダ55とに中心のズレを生じることがなく、よって、配光特性への影響は最小限のものとすることができる。 【0033】 【発明の効果】以上に説明したように本発明により、非球面レンズはそれぞれが個別若しくは一体に形成され、レンズホルダは前記非球面レンズの形成状態に対応する形態とされると共に、前記非球面レンズと前記レンズホルダとには芯出し手段が設けられて相互の取付けが行われている車両用灯具としたことで、レンズとレンズホルダとに熱望超係数の差があり、周囲温度の変化により両者間に寸法変化を生じたときにも、例えば同芯の外面テーパーと内面テーパーとによる芯出し手段により両者間の移動量を低減させ、以て、配光特性に生じる変化を低減させて、この種の車両用灯具の性能の向上に極めて優れた効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002303 【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062225 【弁理士】 【氏名又は名称】秋元 輝雄
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| 【公開番号】 |
特開2000−322913(P2000−322913A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−13218(P2000−13218) |
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