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【発明の名称】 可変な光束を放射するための、車両用の前照灯及び、少なくとも2つの前照灯を有する前照灯装置
【発明者】 【氏名】ジルケ エンメルマン

【氏名】エルンスト−オラフ ローゼンハーン

【氏名】シュテフェン ヴィアスドルフ

【要約】 【課題】

【解決手段】可変な光束を放射するための、車両用の前照灯において、反射鏡14の第1の部分領域16によって、光源20から放射された光が第1の部分光束として反射され、該第1の部分光束の非対称の上側の明暗境界83,84が、道路の当該車両の走行側で、対向交通側におけるよりも少なくとも部分的により高い位置にあり、反射鏡14の第2の部分領域18によって、光源20から放射された光が第2の部分光束として反射され、この第2の部分光束の上側の明暗境界89が高くても、第1の部分光束の明暗境界83,84と同じ高さにあって、反射鏡14の少なくとも1つの第2の部分領域18が、第2の部分光束の延び形状を少なくとも水平面で変化させるために可動である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可変な光束を放射するための、車両用の前照灯であって、光源(20)と反射鏡(14)とを有しており、該反射鏡(14)によって、光源(20)から放射された光が少なくとも1つの光束として反射され、この際に反射鏡(14)の少なくとも1つの部分領域(18)が、少なくとも1つの光束の延び形状を少なくとも水平面で変化させるために可動である形式のものにおいて、反射鏡(14)が少なくとも1つの第1の部分領域(16)を有していて、該第1の部分領域(16)によって、光源(20)から放射された光が第1の部分光束として反射され、該第1の部分光束が、道路の、当該車両走行側で、対向交通側におけるよりも少なくとも部分的により高い位置に位置する非対称の上側の明暗境界(83,84)を有しており、反射鏡(14)が少なくとも1つの第2の部分領域(18)を有していて、該第2の部分領域(18)によって、光源(20)から放射された光が第2の部分光束として反射され、この第2の部分光束の上側の明暗境界(89)が高くても、第1の部分光束の明暗境界(83,84)と同じ高さに位置しており、反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)が、第2の部分光束の延び形状を少なくとも水平面で変化させるために可動であることを特徴とする、可変な光束を放射するための、車両用の前照灯。
【請求項2】 第2の部分光束の明暗境界(89)が第1の部分光束の明暗境界(83,84)の下側に位置している、請求項1記載の前照灯。
【請求項3】 反射鏡(14)の少なくとも1つの第1の部分領域によって反射された第1の部分光束が、水平方向での弱い拡散を有する集中的な光束である、請求項1又は2記載の前照灯。
【請求項4】 反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)によって反射された第2の部分光束が、水平方向での強い拡散を有する光束である、請求項1から3までのいずれか1項記載の前照灯。
【請求項5】 反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)が、少なくとも1つの第1の部分領域(16)の上側に配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の前照灯。
【請求項6】 反射鏡(14)の少なくとも1つの第1の部分領域及び/又は少なくとも1つの第2の部分領域(18)の反射面が、多数の面(30)に分割されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の前照灯。
【請求項7】 反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域818)によって反射された第2の部分光束が、少なくともほぼ水平な明暗境界(89)を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の前照灯。
【請求項8】 前照灯(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)が、ほぼ光源(20)の発光体(21)を通って延びる軸線(26)を中心にして旋回可能である、請求項1から7までのいずれか1項記載の前照灯。
【請求項9】 反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)の運動が、車両手前の道路の延び形状に基づいて、第2の部分光束によって道路がその延び形状で照明されるような形式で行われる、請求項1から8までのいずれか1項記載の前照灯。
【請求項10】 反射鏡(14)の少なくとも1つの第1の部分領域(16)が同様に、第1の部分光束の延び形状を変化させるために少なくとも水平面で可動である、請求項1から9までのいずれか1項記載の前照灯。
【請求項11】 請求項1から10までのいずれか1項記載の、互いに間隔を保って配置された少なくとも2つの前照灯を有する前照灯装置において、2つの前照灯(10,12)の反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)の運動が、車両手前の道路の延び形状に基づいて、2つの前照灯の第2の部分光束によって道路がその延び形状で照明されるようになっていることを特徴とする少なくとも2つの前照灯を有する前照灯装置。
【請求項12】 車両のカーブ走行時及び/又はコース変更時に、カーブ内側の前照灯(10,12)において、反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)が、カーブ外側の前照灯(12,10)におけるよりも大きく移動せしめられる、請求項11記載の前照灯装置。
【請求項13】 カーブ走行時及び/又はコース変更時に、反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)のカーブ内側の前照灯(10,12)だけが移動せしめられる、請求項11記載の前照灯装置。
【請求項14】 請求項1から10までのいずれか1項記載の、互いに間隔を保って配置された少なくとも2つの前照灯を有する前照灯装置において、2つの前照灯(10,12)の反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)の運動が、車両の少なくとも1つの運転パラメータに関連して、及び/又は車両の少なくとも1つの環境条件に関連して行われることを特徴とする、少なくとも2つの前照灯を有する前照灯装置。
【請求項15】 2つの前照灯(10,12)の反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)の運動が、運転パラメータとしての車両の速度に関連して、高速では2つの前照灯(10,12)から放射された第2の部分光束が少なくとも大部分に亙って重なり合い、低速では2つの前照灯(10,12)から放射された第2の部分光束が少なくとも小さい部分だけで重なり合うような形式で行われる、請求項14記載の前照灯装置。
【請求項16】 2つの前照灯(10,12)の第2の部分光束によって車両手前の近い領域が照明され、2つの前照灯(10,12)の反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)の運動が、環境条件としての車両手前の路面の状態に関連して、濡れた路面においては2つの前照灯(10,12)の反射鏡(14)の少なくとも1つの第2の部分領域(18)が、2つの前照灯(10,12)から放射された第2の部分光束が水平方向でまったく重ならないか又は少なくとも小さい部分だけで重なるように調節されるような形式で行われる、請求項14記載の前照灯装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変な光束を放射するための、車両用の前照灯であって、光源と反射鏡とを有しており、該反射鏡によって、光源から放射された光が少なくとも1つの光束として反射され、この際に反射鏡の少なくとも1つの部分領域が、少なくとも1つの光束の延び形状を少なくとも水平面で変化させるために可動である形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】このような形式の前照灯は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2207301号明細書により公知である。この公知の前照灯は、光源と反射鏡とを有していて、この反射鏡によって、光源から放射された光が光束として反射されるようになっている。反射鏡は全体的に、この反射鏡によって反射された光束の延び形状(投光パターン)が水平面内で変化するように運動させることができる。反射鏡の運動は、車両のカーブ走行時に、反射鏡によって反射された光束によって、車道が車両の実際の走行方向で充分に照明されるように行われる。反射鏡によって反射された光束を特性付けるための説明は、この公知の明細書においてはなされていない。この公知の前照灯においては、反射鏡が大きく運動せしめられる際に、場合によっては車両手前の車道を充分に照明することがもはや行われない、という欠点がある。ロービームを生ぜしめるために使用される前照灯によって、道路の、堂外車両走行側で少なくとも部分的に、対向交通側におけるよりも高い位置するような非対称的な上側の明暗境界を有する光束が放射されになっている前照灯は一般に公知である。このような形式の前照灯から放射された光束の明暗境界は、対向交通の眩惑(まぶしさ)を避けるために非常に正確に調節されなければならない。しかもこの場合、明暗境界の位置を変えないようにするために、前照灯の反射鏡全体の非常に正確な運動が得られるように保証しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は、以上述べたような従来の前照灯の欠点を取り除くことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決した本発明によれば、反射鏡が少なくとも1つの第1の部分領域を有していて、該第1の部分領域によって、光源から放射された光が第1の部分光束として反射され、該第1の部分光束が、道路の、当該車両走行側で、対向交通側におけるよりも少なくとも部分的により高い位置に位置する非対称の上側の明暗境界を有しており、反射鏡が少なくとも1つの第2の部分領域を有していて、該第2の部分領域によって、光源から放射された光が第2の部分光束として反射され、この第2の部分光束の上側の明暗境界が高くても、第1の部分光束の明暗境界と同じ高さに位置しており、反射鏡の少なくとも1つの第2の部分領域が、第2の部分光束の延び形状を少なくとも水平面で変化させるために可動である。
【0005】
【発明の効果】請求項1に記載した特徴を有する本発明による前照灯は、反射鏡の第1の部分領域によって反射された第1の部分光束によって、反射鏡の第2の部分領域の運動時においても、車両手前の車道を充分に照明することが保証される。
【0006】本発明による前照灯の有利な構成及び変化実施例は従属請求項に記載されている。請求項2に記載した構成によれば、反射鏡を少なくとも2つの部分領域に分割したことによって、また第2の部分領域(この第2の部分領域によって、第1の部分領域によって反射された第1の部分光束の明暗境界の下側に位置する明暗境界を有する第2の部分光束が反射される)の運動によって、第2の部分領域の運動が、この第2の部分領域によって反射された第2の部分光束の明暗境界の位置に関連して好都合に行われるという利点を有している。請求項11に記載した前照灯装置によれば、車道をその延び形状に沿って効果的に照明することが、2つの前照灯の第2の部分光束によって得られる、という利点を提供する。請求項12に記載した前照灯装置は、第2の部分光束と第2の部分光束との間に照明されないゾーンが存在することなしに、小さい曲率半径を有するカーブを走行する際においても、車道をその形状に沿って充分に照明することができるという利点を提供する。請求項15に記載した前照灯装置は、第2の部分光束が車両の高速度走行時においても、2つの前照灯によって放射された光束のビーム到達距離(ヘッドライトレンジ)を補助し、低速走行時においても側方で幅の広い照明が得られる、という利点を提供する。請求項16に記載した前照灯装置は、濡れた路面において対向交通のまぶしさを減少させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に示した実施例を用いて具体的に説明する。
【0008】図1に示した車両特に自動車は、前照灯を有しており、この前照灯は、一般的に車両の正面側に配置された少なくとも2つの前照灯10,12を有していて、これらの前照灯10,12は、それぞれ車両の側縁部に配置されている。この車両は、右側交通用に設定されており、前照灯10は、車両が走行する道路側つまり右側に配置されていて、前照灯12は、対向交通側つまり左側に配置されている。以下に、一方の前照灯例えば前照灯10の構造について詳しく説明する。この場合他方の前照灯12は相応に構成されている。
【0009】前照灯10は、凹状に湾曲された反射鏡14を有していて、この反射鏡14は少なくとも2つの部分領域16,18に分けられている。有利な形式で反射鏡14の第2の部分領域18は第1の部分領域16の上側に配置されている。反射鏡の2つの部分領域16,18は、例えばほぼ水平面17に延びている。第1の部分領域16は、その頂部領域で開口部を有しており、この開口部内に光源20が挿入されている。この光源20は白熱ランプ又はガス放電ランプであってよい。光源20は発光体21を有しており、この発光体21は、光源の形式に従ってその白熱コイル又はそのアークである。光源20の発光体21は、有利には反射鏡の第1の部分領域16の光軸15に対して少なくともほぼ平行に配置されている。2つの部分領域16,18の分離面としての水平面17は有利には第1の部分領域16の開口部の上側に延びており、第1の部分領域16は第2の部分領域18よりも大きい。反射鏡14は、例えば全体がケーシング22内に支承されており、このケーシング22の光出口はガラス板若しくは透光性のプレート24によって覆われている。反射鏡14は、ケーシング14内で、例えば水平軸線及び/又は垂直軸線を中心にして調節可能に支承することができ、これによって反射鏡の部分領域16,18によって反射された部分光束の延び形状(投光パターン)を水平面及び/又は垂直面内で調節することが可能である。
【0010】反射鏡の第2の部分領域18は第1の部分領域16に対して、この第2の部分領域18によって反射された第2の部分光束の延び形状が少なくとも水平面内で変えられるように、可動である。このために第2の部分領域18は、有利には少なくともほぼ垂直方向に延びる軸線26を中心にして旋回可能である。旋回軸線26は有利には少なくともほぼ光源20の発光体21を通って延びている。反射鏡の第2の部分領域18は、軸線26を中心にして旋回可能に、有利には第1の部分領域16に支承されている。選択的に第2の部分領域18は、ケーシング22内で軸線26を中心にして旋回可能に支承されていてもよいが、この場合は、第2の部分領域18は、ケーシング22内で第2の部分領域16と一緒に調節されない。図4には反射鏡14が示されており、この場合第2の部分領域18は、その光軸19が水平面で見て、第1の部分領域16の光軸15に対して少なくともほぼ平行に延びる位置に位置している。反射鏡の第2の領域18は、図4に示した位置から出発して、軸線26を中心にして例えば逆時計回り方向で図5に示した位置に、旋回可能である。図5に示した位置で、第2の部分領域18の光軸19は、水平面で見て第1の部分領域16の光軸15に対して傾斜されている。軸線26を中心にして旋回させるために、第2の部分領域18には調節部材23が作用するようになっており、この調節部材23は任意に構成することができる。
【0011】反射鏡の第1の部分領域16は反射面を有しており、この反射面は、光源20から発せられた光がこの反射面によって、非対称の上側の明暗境界と水平方向の小さい拡散とを有する第1の部分光束として反射されるように規定されている。第1の部分領域16の反射面は、有利には折れ曲がり箇所無しで無段階に構成されているが、多数の面に分割することもできる。第1の部分領域の明暗境界は、第1の部分領域16の反射面の相応の形状によって生ぜしめられる。つまり光源20から発せされた光が第1の部分領域16の反射面によって、明暗境界を有するように反射されるようになっていることによって、生ぜしめられる。選択的に、シェード28を設けることもできる。このシェード28によって、光源20から発せられた光が遮蔽され、この際に明暗境界がシェード28によって生ぜしめられる。シェード28は別個の部分として光源20の外側に配置されいるか、又は透光性の層として、光源20の被覆部特にガラスバルブに被着されている。プレート24は、第1の部分光束が通過する領域内で滑らかに構成されているので、反射鏡の第1の部分領域16によって反射された第1の部分光束は影響を受けずにプレート24を通過する。選択的にプレート24はこの領域で少なくとも部分的に光学的なプロフィールを有していてもよい。この光学的なプロフィールによって、第1の部分光束は通過時に偏光及び/又は拡散される。
【0012】図6には前照灯10から間隔を保って配置された測定スクリーン80が示されている。この測定スクリーン80は、前照灯から発せられた光によって照明される。測定スクリーン80の水平な中心面は、符号HHで示されていて、垂直な中心面は符号VVで示されている。水平な中心面HHと垂直な中心面VVとは交点HVで交差しており、この交点HVを通って、水平な接続ラインが前照灯10と測定スクリーン80との間に延びている。反射鏡の第1の領域16によって反射され、前照灯から発せられる第1の部分光束は、測定スクリーン上で領域82を照明する。領域82は上方が非対称の明暗境界によって制限されており、この明暗境界は、対向交通側つまり測定スクリーン80の左側で、少なくともほぼ水平な区分83を有しており、この区分83は水平な中心面HHのほぼ下側、例えば約1%(約0、57゜に相当する)に延びている。車両走行側つまり測定スクリーン80の右側では、明暗境界は、区分83から約15゜の角度で、水平面HHを越えて上昇する区分84を有している。選択的に、明暗境界は、道路の車両走行側で、水平区分から出発してまず上昇し次いでほぼ水平に延びる区分を有していてもよい。領域82は、水平方向で、垂直な中心面VVの両側でほぼ左右対称に、約+/−5゜乃至15゜まで例えば約+/−10゜まで延びている。これによってこの領域82は、水平方向にわずかな延びを有している。何故ならば第1の部分光束は小さい水平方向の拡散しか有していないからである。水平方向で、領域82は約5゜から10゜まで水平な中心面HHの下側に延びている。領域82内の照度の分布は、同じ照度の多数のライン86によって明らかである。領域82内のゾーン87内で、明暗境界83,84のすぐ下側でしかも、車両通行側つまり垂直な中心面VVに関連して右側にずらされた、最大照度が存在している。
【0013】反射鏡の第2の部分領域18は反射面を有しており、この反射面は、光源20から発せられた光がこの反射面によって第2の部分光束として反射されるように規定さている。この第2の部分光束は、その上側の明暗境界が第1の部分光束の上側の明暗境界よりも低い位置にあって、第1の部分光束よりも強い水平方向の拡散を有している。反射鏡の第2の部分領域18の反射面は、有利には、水平方向で相前後して位置する多数の面(ファセット)に分割されている。これらの面30間の仕切ライン32は、垂直方向に延びているか又は、垂直方向の延びに対してずれて構成されている。第2の部分光束の明暗境界は、第2の部分領域18の反射鏡面の相応の形状によって形成される。つまり、光源20から発せられた光が、明暗境界を有するように反射されることによって形成される。選択的にシェードも設けることができる。このシェードによって、光源20から発せられた光が遮蔽され、この際に明暗境界がシェードによって形成される。プレート24は、第2の部分光束がこのプレート24を通る領域が滑らかに構成されているので、第2の部分領域18によって反射された第2の部分光束は影響を受けることなしにプレート24を通過する。選択的に、プレート24はこの領域内で少なくとも部分的に光学的なプロフィールも有しており、この光学的なプロフィールによって第2の部分光束は通過時に偏光及び/又は拡散される。
【0014】図7では、反射鏡の第2の部分領域18によって反射されて、前照灯から発せられた第2の部分光束の照明における測定スクリーン80が示されている。この場合、第2の部分領域18は、図4に示した位置にあって、この位置では光軸19が第1の部分領域16の光軸15に対して少なくともほぼ平行に延びている。第2の部分光束によって、測定スクリーン80上には領域88が照明され、この領域88は、上方に向かって明暗境界89によって制限されている。明暗境界89は、水平な中心面HHのほぼ下側で少なくともほぼ水平に、例えば水平な中心平面HHの下側で約0.5゜乃至1゜で延びている。領域88は、垂直な中心面VVの両側でほぼ左右対称に水平方向で、約30゜乃至40゜で延びていて、垂直方向で水平な中心面HHの下側で約5゜乃至10゜まで延びている。領域88内の照度の分布は、同じ照度の多数のライン91によって示されており、この場合、ゾーン92内では、明暗境界89の下側に密接して、垂直な中心面VVに関連して対向交通側つまり左方向に向かってずらされた最大照度が存在している。領域88の水平方向での最大の延びは、第2の光束の水平方向での強い拡散によって得られ、これによって領域88のゾーン92内での最大照度も、領域82のゾーン87内の最大照度よりも小さい。
【0015】図8には、前照灯から発せられる第1及び第2の部分光束によって同時に照明されている測定スクリーン80が示されている。領域82と88とは、垂直な中心面VVの両側で部分的に重なっており、この場合、明暗境界は、主として領域82の明暗境界83,84によって規定され、垂直な中心面VVから最大の間隔を保って、明暗境界は領域88の明暗境界89によって規定される。2つの領域82と88との重なりによって、垂直な中心面VVの近くで明暗境界83,84の直ぐ下に最大照度が存在している。反射鏡の第2の部分領域18は、図8に示した測定スクリーン80が照明される際に、その図4に示した位置にある。この位置で、第2の部分領域18の光軸19は、第1の部分領域16の光軸15に対して少なくともほぼ平行に延びている。
【0016】反射鏡の第2の部分領域18が軸線26を中心にして、その光軸19が水平面で見て第1の部分領域16の光軸15に対して傾いて延びるように旋回せしめられると、第2の部分領域18によって反射され、前照灯によって発せられた第2の部分光束は測定スクリーン80上に照明された領域88は、別の状態を有する。第2の部分領域18が、上方から見て逆時計回り方向で軸線26を中心にして図5に示したように旋回せしめられると、測定スクリーン80上で第2の部分光束によって照明された領域88は垂直な中心面VVに対してもはや左右対称ではなく、第2の部分領域18が軸線26を中心にして旋回せしめられた角度に応じて左方向にずらされている。反射鏡の第2の部分領域18が、上方から見て時計回り方向で軸線26を中心にして旋回せしめられると、この旋回せしめられた角度に応じて、測定スクリーン80上で第2の部分光束によって照明された領域88が、垂直面VVに関連して右方向にずらされる。第2の部分光束によって測定スクリーン80上で照明された領域88の位置は、垂直方向では、第2の部分領域18が軸線26を中心にして旋回せしめられた時に、有利には変わらない。第2の部分光束によって照明された領域の、水平方向及び垂直方向の広がりは、第2の部分領域18が軸線26を中心にして旋回せめられる際に少なくともほぼ変わらない。
【0017】図9には、測定スクリーン80が、第1の部分領域16によって反射された第1の部分光束によって照明され、また第2の部分領域18によってその軸線26を中心にした旋回位置で図5に示したように反射された第2の部分光束によって照明された状態が示されている。第1の部分光束によって照明された領域82の位置は、図8に対して変わっていないので、測定スクリーン80はその中心がさらに照明される。第2の部分光束によって照明された領域88は、図8に対して左方向にずらされている。例えば、領域88が垂直面VVの約10゜右から、垂直方向の中心面VVの約50゜〜60゜左に達するように、ずらされている。この場合、反射鏡の第2の部分領域18は、図5に示したその位置で軸線26を中心にして逆時計回り方向で約20゜、その図4に示した位置に対して旋回せしめられている。第2の部分光束によって照明された領域88の位置は、第2の部分領域18が軸線26を中心にして旋回せしめられる角度に基づいている。つまり、第2の部分領域18の旋回角度が大きければ大きい程、照明された領域88は垂直な中心面VVに関連してさらにずらされる。第2の部分光束によって諸梅栄された領域88は、有利な形式で第2の部分領域18が大きく旋回せしめられた時でも、まだ第1の部分光束によって照明された領域82と重なっているので、領域88と82との間には照明されないゾーンは存在しない。
【0018】図9に示されているように測定スクリーン80を照明するために、反射鏡の第2の部分領域を軸線26を中心にして逆時計回り方向で旋回させることは、車両が左カーブを走行する際に特に有利である。何故ならばこの場合には、左方向に向けられた第2の部分光束によって、車道は、その左方向に湾曲して延びる走行路が充分に照明されるからである。反射鏡の第2の部分領域18が軸線26を中心にして逆時計回り方向で旋回せしめられる角度は、左カーブの延び形状、つまり左カーブの曲率半径に関連している。この場合角度は、カーブの曲率半径が小さければ小さい程大きい。車両が右カーブを走行する場合には、第2の部分領域18は軸線26を中心にして時計回り方向で旋回せしめられるので、第2の部分光束によって照明される領域88は、垂直な中心面VVに関連して右方向に移動せしめられ、それに応じて道路はその右方向に湾曲した形状の走行路が充分に照明される。車両のカーブ走行を検出するために例えばセンサ装置が設けられており、このセンサ装置は、車両のステアリングロックを検出し、このステアリングロックの検出に基づいて、反射鏡の第2の部分領域18に作用する調節装置23を作動させる。選択的に、別のセンサ装置も設けられており、この別のセンサ装置によって例えば車両の横方向加速が検出される。さらにまた、車両のナビゲーションシステムも利用することができる。このナビゲーションシステムにおいては、道路上における車両の実際の位置及び道路の延び形状に関する情報が提供されており、これらの情報から、車両がカーブをいつ通過するかが検出され、調節装置23を作動させることによって反射鏡の第2の部分領域18が相応に旋回せしめられる。選択的に、例えばカメラの形状のセンサ装置によって車道の延び形状が検出され、この際に適当な評価装置が設けられていて、この評価装置によって、カメラの撮影によって車道の延び形状が検出され、反射鏡の第2の部分領域18の必要な運動が生ぜしめられる。反射鏡の第2の部分領域18を旋回させることは、意図した走行方向で充分な照明を得るために、コース変更時にも有利である。この場合、第2の部分領域18の旋回は、車両の方向指示器を操作することによって作動させることができる。コース変更時には一般的に、反射鏡の第2の部分領域18を強く旋回させる必要があるので、第2の部分光束を照明する領域88は、垂直な中心面VVの側方で例えば70゜〜80゜まで達する。
【0019】前述のように、車両の前照灯装置は2つの前照灯10,12を有しており、これらの前照灯のそれぞれ第2の部分領域18が軸線26を中心にして旋回せしめられる。その都度カーブの内側に存在する前照灯、つまり右側の前照灯10右カーブでは右側の前照灯10、左カーブでは左側の前照灯12において、前照灯の第2の部分領域18が、その都度カーブの外側に存在する前照灯よりも大きく旋回せしめられる。同様に、コース変更時にはその都度内側に存在する前照灯において第2の部分領域18が、その都度外側に存在する前照灯におけるよりも大きく旋回せしめられる。例えば狭いカーブ走行時又はコース変更時には、前照灯の第2の部分領域によって反射された第2の部分光束によって測定スクリーン80上で照明される領域88が、垂直な中心面VVの側方で約70゜〜80゜まで達するように、カーブの内側に存在する前照灯における第2の部分領域18が旋回せしめられる。これに対してカーブの外側の前照灯においては、反射鏡の第2の部分領域18は、この第2の部分領域によって反射された第2の部分光束によって測定スクリーン80上で照明される領域88が垂直面VVの側方で約40゜まで達するように、旋回せしめられる。
【0020】2つの前照灯10,12の第2の部分領域18の調節は、付加的に又は選択的に車両の速度に関連して変えられる。例えば高速道路走行時における車両の高い速度では、2つの前照灯10,12の第2の部分領域19は、図4に示されているように、その光軸19が第1の部分領域16の光軸15に対してほぼ平行に延びるように調節されている。前照灯の第2の部分領域18のこのような調節時に、この第2の部分領域18によって反射された第2の部分光束は少なくともほぼ完全に重なるので、測定スクリーン80の領域88は2つの第2の部分光束によって照明され、相応に強い照度が得られ、2つの前照灯10,12の第2の部分光束が、前照灯10,12から放射された光束の到達距離を補助する。例えば街道走行時の車両の中間的な速度においては、2つの前照灯10,12の第2の部分領域18は、右側の前照灯10の第2の部分領域18の光軸19が光線放射方向で右方向に延び、左側の前照灯12の第2の部分領域18の光軸19が光線放射方向で左方向に延びるように、軸線26を中心にして外方に旋回せしめられる。2つの前照灯10,12の第2の部分領域18が調節された時に、これらの第2の部分領域18によって反射された第2の部分光束は、部分的にのみ重なるので、中央部に低い照度で短い到達距離が存在し、しかしながら大きい幅に亙る照明が得られる。例えば村落地域走行時での車両の低い速度において、2つの前照灯10,12の第2の部分領域18は、街道走行時の位置に対して著しく大きく外方に旋回せしめられているので、第2の部分光束は全く重ならないか又は一部しか重ならない。この場合、中央部における照度は小さく、到達距離は短いが、照明の幅は大きい。これは村落地域走行時においては有利である。何故ならば、横方向領域における充分な照明が道路の横にも達し、それによって例えばコース変更前に横道の交通状況又は歩行者又を早期に確認することができる。2つの前照灯10,12の第2の部分領域18を旋回させるために制御装置が設けられており、この制御装置は、車両の速度のための振動を供給し、それに基づいて調節装置23は相応に作動せしめられる。ナビゲーションシステムによって、車両が閉鎖された村落地域を走行しているかどうかを確認することもでき、それによって低い速度で、調節装置23が相応に作動せしめられる。付加的に、車両のカーブ走行時又は車両のコース変更時において、1つ又は2つの前照灯10,12の第2の部分領域18の旋回は、前述のように行うことができる。
【0021】前照灯の第2の部分領域16によって反射された第1の部分光束によって、車両手前の近い領域の照明は弱められる。この近い領域は、測定スクリーン80の水平な中心面HHから垂直方向で下方に離れた、垂直な中心面VVを取り囲む領域に相当する。従って第1の部分光束によって照明された領域82は、垂直な中心面VVを巡って垂直方向で僅かな延び、例えば水平な中心面HHの下側約5゜までの延びしか有していない。車両手前の近い領域は、特に、反射鏡の第2の部分領域18によって反射された第2の部分光束によって照明され、この場合、第2の部分光束によって照明された領域88は、図4に示した第2の部分領域18を調節する際に、水平な中心面VVを巡って垂直方向で、領域82よりも大きく延びている。領域88は、垂直な中心面VVを巡って例えば、水平な中心面HHの下側で約10゜までの垂直方向の延びを有することができる。反射鏡の第2の部分領域18がその図4に示した状態に調節されると、この第2の部分18によって反射された第2の部分光束によって、車両手前の近い領域が照明される。2つの前照灯10,12の第2の部分領域18が外方に旋回せしめられると、この第2の部分領域18によって反射された第2の部分光束によって、車両手前の近い領域が、垂直な中心面VVを巡ってもはや照明されないか、又は弱くしか照明されない。これは特に、濡れた道路において有利である。何故ならば路面が濡れている場合には、特に道路の濡れた領域で濡れに基づいて路面から反射された光によって、対向交通が眩惑(まぶしく)される原因となるからである。反射鏡の第2の部分領域18を下方に旋回させることによって、近い領域は弱く照明されるので、湿った道路における対向交通の眩惑は減少される。しかも車両手前を幅広く照明することによって、車両ステアリングのための方向付けが改善される。反射鏡の第2の部分領域18の旋回は、制御装置によって自動的に行うことができる。この制御装置はセンサ装置に結合されていて、このセンサ装置によって、車道の状態が少なくとも間接的に検出される。センサ装置としては、例えば道路上に密接して配置されている湿気センサが使用されるか又は雨センサが使用される。この雨センサによって、車両のフロントガラスの状態が検出されて、存在する湿気に関連して車両のワイパ装置の駆動を制御する。この場合、調節装置23を制御するための作動装置としてスイッチも使用することができ、このスイッチによってワイパ装置の駆動装置が作動される。
【0022】垂直な軸線26を中心として、反射鏡の第2の部分領域18を前述のように旋回させる可能性に対して付加的に、反射鏡の第1の部分領域16を旋回可能とすることもできる。しかしながら、反射鏡の第1の部分領域16が旋回可能である角度範囲は、反射鏡の第2の部分領域18が旋回可能である角度範囲よりも小さい。一般的に、第1の部分領域の旋回方向と第2の部分領域の旋回方向とは同じである。特に第2の部分領域18を大きい角度で旋回させる場合には、第2の部分光束によって照明される領域88と第1の部分光束によって照明される領域82との間に照明されないゾーンが存在しないようにするために、第1の部分領域16を旋回させても有利である。
【0023】光源20は、反射鏡の第1の上部領域16に対して相対的に、種々異なる位置間で可動である。光源20は例えば、反射鏡の第1の部分領域16で支承されたランプ支持体34で保持される。このランプ支持体34は、ほぼ水平方向に延びる軸線36を中心にして調節部材38によって旋回可能である。反射鏡の第1及び第2の部分領域16,18に対して相対的な光源20の位置に関連して、反射鏡の第1及び第2の部分領域16,18によって種々異なる部分光束が反射される。例えば、光源20を第1の位置に、反射鏡の第1及び第2の部分領域16,18によって、測定スクリーン80上の領域82及び88を照明する前記部分光束が反射されるように配置される。この場合、2つの部分光束は全体的に、上側の明暗境界83,84及び89を有する1つのロービーム光束を形成する。光源20の第2の位置で、光源は、反射鏡の第1及び第2の部分領域16,18によって反射された部分光束が明瞭な明暗境界をもはや有しておらず、全体的に上昇せしめられるように、配置され得るので、部分光束によって測定スクリーン上で照明される領域82及び88はより高い位置に配置される。光源20のこの位置で前照灯から放射される部分光束は、全体として1つのハイビーム光束を形成している。光源20は、任意の位置の中間位置に移動可能でもある。この場合前照灯から放射される部分光束は、光源20の位置に応じて別の特性を有している。部分光束の特性は、光源20がハイビームのためのその第2の位置により近く配置されればされる程、ハイビーム光束の特性に近くなる。
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成12年3月27日(2000.3.27)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2000−294016(P2000−294016A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願2000−86585(P2000−86585)