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【発明の名称】 車両用の前照灯装置
【発明者】 【氏名】エルンスト−オラフ ローゼンハーン

【氏名】ミヒャエル ハム

【要約】 【課題】減光時に車両前方の遠隔域の照明を改善する。

【解決手段】少なくとも2つの前照灯10,12によって、異なった明暗境界を有する光束が照射され、少なくとも第1の前照灯10によって照射される第1光束の、自車線側における明暗境界区分85が、少なくとも第2の前照灯12によって照射される第2光束の、自車線側における明暗境界区分95よりも高位で上り勾配を成しており、かつ前記の第2光束の方向が、該第2光束の明暗境界94,95の位置を少なくとも鉛直方向で変化させるように可変である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上位明暗境界を有する下向きに絞られた光束をそれぞれ照射させる少なくとも2つの前照灯(10,12)を装備し、前記上位明暗境界が、対向車線側と自車線側とに異なった明暗境界区分(84,85;94,95)を有し、しかも対向車線側の明暗境界区分(84,94)が、自車線側の明暗境界区分(85,95)よりも低く配置されており、かつ自車線側の明暗境界区分(85,95)が対向車線側の明暗境界区分(84,94)を起点として、少なくともその拡がりの一部分にわたって上り勾配を成して経過している形式の、車両用の前照灯装置において、少なくとも2つの前照灯(10,12)によって、異なった明暗境界を有する光束が照射され、少なくとも第1の前照灯(10)によって照射される第1光束の、自車線側における明暗境界区分(85)が、少なくとも第2の前照灯(12)によって照射される第2光束の、自車線側における明暗境界区分(95)よりも高位で上り勾配を成しており、かつ前記の第2光束の方向が、該第2光束の明暗境界(94,95)の位置を少なくとも鉛直方向で変化させるように可変であることを特徴とする、車両用の前照灯装置。
【請求項2】 第2光束の明暗境界が、対向車線側に少なくとも水平方向に延びる明暗境界区分(94)を有している、請求項1記載の前照灯装置。
【請求項3】 第2光束の明暗境界が自車線側に明暗境界区分(95)を有し、該明暗境界区分が、対向車線側における明暗境界区分(94)を起点として、少なくとも上り勾配を成す部分区分(95a)と、これに続く少なくともほぼ水平な部分区分(95b)とを有している、請求項1又は2記載の前照灯装置。
【請求項4】 第2光束が、少なくとも実質的に対向車線側で、しかも該対向車線側の明暗境界区分(94)の直ぐ下位に配置された最高照度ゾーン(97)を発生する、請求項1から3までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項5】 第1光束の明暗境界が自車線側に明暗境界区分(85)を有し、該明暗境界区分が、対向車線側における明暗境界区分(84)を起点として、先ず上り勾配を成す部分区分(85a)と、これに続く少なくとも余り強い上り勾配を成さず又はほぼ水平に延びる部分区分(85b)とを有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項6】 自車線側における第1光束の明暗境界区分(85)が、次いで余り強い上り勾配を成さず又はほぼ水平に延びる部分区分(85b)に続いて下り勾配を成して延びている、請求項5記載の前照灯装置。
【請求項7】 第1光束が、少なくとも実質的に自車線側で、しかも該自車線側の明暗境界区分(85)の直ぐ下位に配置された最高照度ゾーン(87)を発生する、請求項1から6までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項8】 第1光束の明暗境界が対向車線側に、少なくともその拡がりの一部分にわたって少なくともほぼ水平に延びる明暗境界区分(84)を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項9】 対向車線側における第1光束の明暗境界区分(84)が、自車線側における明暗境界区分(85)に続いて、先ず少なくともほぼ水平に延びる部分区分(84a)と、該部分区分に続いて上り勾配を成しかつ再び下り勾配を成す部分区分(84b)とを有している、請求項8記載の前照灯装置。
【請求項10】 第2光束の調整位置において対向車線側に配置されている第2光束の明暗境界区分(94)が、前照灯装置の前方に配置された測定面(80)の水平方向中心平面(HH)の下位に延びており、かつ前記第2光束が、対向車線側に配置された該第2光束の明暗境界区分(94)を少なくともほぼ前記水平方向中心平面(HH)のレベルで経過させるように、前記調整位置を起点としてリフト・アップ可能である、請求項1から9までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項11】 第1及び第2光束の、対向車線側に配置された明暗境界区分(84;94)が、その拡がりの少なくとも一部分にわたって少なくともほぼ等高のレベルで延びている、請求項1から10までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項12】 高速時には第2光束の明暗境界がリフト・アップされており、かつ/又は低速時には下降されているように、第2光束の方向が、車両速度に関連して鉛直方向で変化される、請求項1から11までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項13】 第1光束の明暗境界(84,85)の位置を少なくとも鉛直方向で変化させるように第1光束の方向が変化される、請求項1から12までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、請求項1に発明の上位概念として規定したように、上位明暗境界を有する下向きに絞られた光束をそれぞれ照射させる少なくとも2つの前照灯を装備し、前記上位明暗境界が、対向車線側と自車線側とに異なった明暗境界区分を有し、しかも対向車線側の明暗境界区分が、自車線側の明暗境界区分よりも低く配置されており、かつ自車線側の明暗境界区分が対向車線側の明暗境界区分を起点として、少なくともその拡がりの一部分にわたって上り勾配を成して経過している形式の、車両用の前照灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前記形式の前照灯装置は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19729826号明細書に基づいて公知になっている。該前照灯装置は、それぞれ上位明暗境界を有する下向きにされた光束(ロービーム)を照射させる少なくとも2つの前照灯を有している。両前照灯から照射される光束は等しく、かつ該光束の明暗境界は自車線側と対向車線側とに異なった区分を有している。対向車線側に配置された明暗境界区分は、自車線側に配置された明暗境界区分よりも低く配置されている。自車線側に配置された明暗境界区分は、対向車線側の明暗境界区分を起点として少なくとも拡がりの一部分にわたって上り勾配を成して延びている。この明暗境界経過によって、自車線側において前照灯から照射される光束の充分な到達距離が得られると同時に、対向車の眩惑化(目くらまし)が防止される。遠隔光を発生させるためには、この前照灯装置では別個の遠隔光前照灯が接続され、かつ前述した両前照灯から照射された光束は、該光束によって車両前の遠隔域を同じく照明するようにリフト・アップされる。アウトバーンを高速度走行する場合、公知の前照灯装置において行われる光束のリフト・アップによって、車両前の遠隔域照明を改善することが可能になり、しかも対向車線がないために、対向車が眩惑されることもなくなる。この場合しかしながら、先行車両のドライバーが、該先行車両のバックミラーによる後続車両の前照灯からの照射光の反射によって、許容不能なほど強く眩惑されるという問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ディム・ライト(減光)時に車両前方の遠隔域の照明を改善することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための本発明の構成手段は、少なくとも2つの前照灯によって、異なった明暗境界を有する光束が照射され、少なくとも第1の前照灯によって照射される第1光束の、自車線側における明暗境界区分が、少なくとも第2の前照灯によって照射される第2光束の、自車線側における明暗境界区分よりも高位で上り勾配を成しており、かつ前記の第2光束の方向が、該第2光束の明暗境界の位置を少なくとも鉛直方向で変化させるように可変である点にある。
【0005】
【発明の効果】請求項1に記載した構成手段を備えた本発明の前照灯装置は、従来技術に対比して、ディム・ライト(減光又は下向きに絞ったロービーム)時に、車両前方の遠隔域の照明を改善するために第2光束をリフト・アップすることができ、しかも自車線側に第2光束の明暗境界区分を配置することによって、先行車両を許容不能に眩惑する不都合な事態が発生しないという利点を有している。
【0006】本発明の前照灯装置の有利な構成と実施形態は、請求項2以降に記載した通りである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【0008】図1に示した車両、特に自動車は、少なくとも2つの前照灯10,12から成る前照灯装置を備えており、両前照灯は公知のように車両の前面で車両の両側縁近傍に配置されている。各前照灯10,12はそれぞれ、異なった特性を有する光束を照射させる複数の前照ユニットを有している。以下に両前照灯10,12を説明する場合、前照灯10,12が複数の前照ユニットに分割されている以上、場合によっては前照灯10,12の個々の前照ユニットを意味していることもある。この場合車両は運用のために右側通行に規定されているので、自車線側は車両右手に、また対向車線側は車両左手に位置している。
【0009】両前照灯10,12は、両前照灯によって異なった下向き光束(ロービーム)を照射するように設計されており、両光束はそれぞれ上位明暗境界を有している。図2及び図3ではそれぞれ、車両前方に間隔をおいて配置された測定スクリーン80が図示されており、該測定スクリーンは、両前照灯10,12から照射された光束によって照明される。測定スクリーン80の水平方向中心平面は符号HHで、該測定スクリーンの鉛直方向中心平面は符号VVで表されている。前記の水平方向中心平面HHと鉛直方向中心平面VVは交点HVで交差する。前照灯10,12と測定スクリーン80との間の水平方向結合線は、交点HVで測定スクリーン80に交わる。
【0010】車両の右側に配置された前照灯10は、該前照灯によって第1の光束を照射し、該光束によって測定スクリーン80の第1領域82を照明するように形成されている。この第1領域82は上側を明暗境界によって制限されており、該明暗境界は、測定スクリーン80の右側つまり自車線側と、測定スクリーン80の左側つまり対向車線側とに異なった明暗境界区分を有している。対向車線側の明暗境界区分84は、鉛直方向中心平面VVの左手に続く部分区分84aにおいて、水平方向中心平面HHの約1%下(−0.57゜に相当)を先ず少なくともほぼ水平方向に経過する。測定スクリーン80の左縁へ向かって前記部分区分84aに続く部分区分84bでは、明暗境界区分84は先ず上り勾配を、次いで再び下り勾配を成して経過し、その場合、前記の上り勾配と下り勾配との間の経過は、連続的に湾曲されるか又は屈曲される。明暗境界区分84はその部分区分84bにおいて、ほぼ水平方向中心平面HHのレベルにまで達するか、或いは該レベルを幾分突出することができる。明暗境界区分84の水平方向の部分区分84aは、鉛直方向中心平面VVの左手約−5゜にまで達することができる。
【0011】自車線側における第1領域82の明暗境界区分85は、部分区分85aにおいて対向車線側の明暗境界区分84の部分区分84aを起点として右手へ向かって角度αの上り勾配を成して経過し、その場合の上り勾配角度αは約10゜〜約50゜であることができる。明暗境界区分85の、上り勾配を成す部分区分85aは水平方向中心平面HHの約1〜2%(約0.57〜1.14゜に相当)上まで、かつ鉛直方向中心平面VVの右手約2〜3゜にまで達している。明暗境界区分85の、上り勾配を成す部分区分85aには、比較的僅かな上り勾配を成すか又はほぼ水平に経過する部分区分85bが続く。該部分区分85bはやや上向きに湾曲することができるので、該部分区分は先ず幾分上り勾配を成し、次いで下り勾配を成す。部分区分85bは、例えば鉛直方向中心平面VVの右手約4〜7゜の部位に最高位置を有している。
【0012】第1領域82では、前照灯10から照射された光束によって、所定の照度分布が発生される。実質的に鉛直方向中心平面VVの右手に配置されかつ明暗境界の直ぐ下に位置する第1領域82のゾーン87には最高の照度が存在している。該ゾーン87は幾分左手へ向かって鉛直方向中心平面VVを超えることもでき、かつ明暗境界区分85の、上り勾配を成す部分区分85aの直ぐ下に配置されているのが有利である。
【0013】車両の左側に配置された前照灯12は、図2に示した測定スクリーン80を第2領域92で照明する第2光束を前記前照灯12によって照射するように、構成されている。第2領域92は上限を明暗境界によって制限されており、該明暗境界は測定スクリーン80の右側つまり自車線側及び測定スクリーン80の左側つまり対向車線側において異なった区分を有している。対向車線側の明暗境界区分94は少なくともほぼ水平にかつ水平方向中心平面HHの約1%(−0.75゜に相当)下で延びている。従って前記明暗境界区分94は、第1領域82の明暗境界区分84の部分区分84aに少なくともほぼ等しいレベルで延びている。
【0014】第2領域における自車線側の明暗境界区分95は、対向車線側の明暗境界区分94を起点として部分区分95aでは右手に向かって上り勾配を成して延びており、その場合部分区分95aの上り勾配角度は、第1領域における固溶車線側の明暗境界区分85の部分区分85aの上り勾配角度αにほぼ等しい。明暗境界区分95の、上り勾配を成す部分区分95aは、ほぼ水平方向中心平面HHのレベルにまで達し、従って明暗境界区分85の部分区分85aよりも低い。上り勾配を成す部分区分95aは、鉛直方向中心平面VVの右側約1゜〜2゜まで達する。明暗境界区分95の、上り勾配を成す部分区分95aには、少なくともほぼ水平方向にかつ少なくともほぼ水平方向中心平面HHのレベルへ延びる部分区分95bが続いている。
【0015】第2領域92では、前照灯12から照射された光束によって、所定の照度分布が発生される。実質的に鉛直方向中心平面VVの左手で明暗境界の直ぐ下に配置されている第2領域92のゾーン97に最高照度が存在している。該ゾーン97は右手へ向かってやや鉛直方向中心平面VVを超えることもでき、かつ明暗境界区分94の直ぐ下に配置されているのが有利である。前照灯10,12の光束によって照明される第1及び第2領域82,92は大部分にわたってオーバーラップし、その場合両領域は、前述のように明暗境界に関して相異し、かつ最高照度を有するゾーン87,97の位置に関して相異することができる。従って両前照灯10,12から照射された光束によって測定スクリーン80は、第1及び第2領域82,92のオーバーラップに相当する領域において照明され、該領域は上方を、第1領域82の、概ねより高く位置している明暗境界区分84,85によって制限されており、かつ該領域内で鉛直方向中心平面VVの右と左のゾーン87,97に最高照度が存在している。
【0016】前照灯10,12に対応する第1領域82及び第2領域92の配置関係は、前記とは逆に表示されていてもよく、すなわち、右手の前照灯10から照射された光束によって第2領域92が照明され、かつ左手の前照灯12から照射された光束によって第1領域82が照明される。前照灯装置が左側通行のために設けられている場合には、明暗境界区分84,85もしくは94,95は鉛直方向中心平面VVを基準として交換されなければならない。
【0017】図2に示した、所属の明暗境界を伴う第1及び第2領域82,92の位置は、対向車の眩惑を回避するために、前照灯10,12から照射された光束を下向き調整する場合に生じる。走行路面に対向車線の在る所では対向車線側で第1もしくは第2領域82,92は、水平な部分区分84aもしくは水平な区分94を有している。第1領域82の明暗境界の、より高く位置している部分区分84bは、対向車の走行路の外側に位置しているので、該部分区分84bによって眩惑化が惹起されることはない。第1領域82の明暗境界の、比較的高く位置している部分区分84bによって、走行路以外の対向車線側の比較的遠隔域を充分に照明することが得られる。これは特にカントリー街道を走行する場合に有利である。第1領域82の明暗境界の、水平方向中心平面HHを超えるまで上り勾配を成す部分区分85a及び水平方向中心平面HHの上位に延びる部分区分85bによって、自車線側の車両前方の遠隔域を充分に照明することが達成される。
【0018】車両が例えばアウトバーンで、直接的な対向車が途中に存在しない場合、車両ドライバーのオリエンテーションを改善するために、車両前方の遠隔域を強度に照明するのが有利である。それ故に、前照灯12から照射されて、図2の測定スクリーン80の第2領域92を照明する第2の光束をリフト・アップできるようになっている。このために前照灯12の全体又は前照灯12の一部分だけを、これから照射される光束をリフト・アップするように調節することが可能である。前照灯12又は該前照灯12の部分の調節は特に、前照灯装置の照明幅制御のためにも使用される調節装置によって行われ、該調節装置によって、前照灯12から照射される光束の照明幅は、車両の傾斜には関わり無く一定に保たれる。
【0019】図3には、アウトバーン走行のための調整位置で前照灯10,12から照射される光束によって照明する場合の測定スクリーン80が図示されている。前照灯10の調整、ひいては該前照灯から照射される光束の調整は、ロービームのための下向き調整と変わりがないので、該光束によって測定スクリーン80の第1領域82は、図2と同じ状態で照明される。前照灯12、ひいては該前照灯から照射される光束は、図3に示したように該前照灯によって照明された測定スクリーン80の第2領域92が、図2に示した該領域の位置に対比して上方へシフトされている。対向車線側における第2領域92の明暗境界区分94は、ほぼ水平方向中心平面HHのレベルを、又は該水平方向中心平面のやや下位を経過し、かつ自車線側の部分区分95bは、水平方向中心平面HHの約1%(約0.57゜に相当)上位を経過している。従って前照灯12のこの調整位置の場合には、車両前方の遠隔域の照明強化が得られるが、その場合、自車線側の明暗境界が、前照灯10から照射される光束によって照明された第1領域82の明暗境界の部分区分85bを超えてリフト・アップされることはない。
【0020】前照灯12の調整位置の変化、ひいては該前照灯から照射された光束の変化は、アウトバーン走行時には例えば車両ドライバーによって手動操作することができる。また択一的に調整位置の変化を、速度に関連して自動的に行うこともでき、その場合図2と図3に示した照明の調整位置間の変化は、単段式又は多段式に、或いは前記調整位置間を連続的に行うことができる。その場合、速度の増大に伴って光束のリフト・アップ量を増大させることも可能である。
【0021】前照灯装置の前記構成に加えて、前照灯10又は少なくともその一部分は、該前照灯から照射される光束を、図2に示した第1領域82を照明するための調整位置を起点として下降させるように調節することも可能である。この光束下降は例えば自車線側における明暗境界区分85の部分区分85bがほぼ水平方向中心平面HHのレベルを経過するように行われる。このような光束下降は例えば市街地運行又は低速運行の場合に有利である。それというのはこの場合、車両前方の近域がより強く照明され、かつ遠域を強く照明する必要が無いからである。光束の下降時には、他の運行関与者の眩惑も低下される。光束の下降が有利になるのは、前照灯装置が本来設計されている運行方式とは異なった他国の運行方式で車両を運転する場合、従って自車線側と対向車線側が置き換わっている場合である。前照灯装置の前述の構成は、右側通行のために設けられており、かつ該前照灯装置を左側通行で使用する場合には、明暗境界区分84は、測定スクリーン80の右側で対向車線側に配置されており、従ってその配置の場合、図2に示したように過度に高くなるので、対向車の眩惑が発生することになる。前照灯10から照射される光束が、明暗境界区分85の部分区分85bを水平方向中心平面HHのレベルでか又は該水平方向中心平面より下で経過させるように下降される場合には、左側通行時の対向車の眩惑を低減又は全く回避することが可能になる。
【0022】前照灯装置の前照灯10,12は任意の構造を有することができる。図4に示した前照灯10,12の第1実施形態では、該前照灯は反射原理に基づいて構成されている。各前照灯10,12はこの場合、1つのレフレクタ20を有し、該レフレクタ内には、白熱灯又は気中放電灯の形で光源22が挿嵌されている。レフレクタ20はケーシング24内に配置することができ、該ケーシングの光出射開口は、透光性ガラス板26でカバーされている。レフレクタ20はケーシング24内に特に調節可能に支承されており、しかも水平軸28を支点として旋回可能である。レフレクタ20の形態は、光源22から出射された光が前記レフレクタによって反射され、所要の明暗境界をもって、かつ第1領域82もしくは第2領域92内に所要の照度分布をもってそれぞれ第1領域82及び第2領域92において測定スクリーン80を照明するように算定することができる。この場合透光性ガラス板26は光学的プロフィールを有する必要はなく、実質的に平滑に形成することができる。また択一的に、透光性ガラス板26は光学的プロフィールを有し、該光学的プロフィールによって、レフレクタ20により反射された光が通過時に偏向及び/又は拡散され、前照灯10,12から出る光束が、所要の明暗境界をもって、かつ第1領域82及び第2領域92内に所要の照度分布をもってそれぞれ第1領域82及び第2領域92において測定スクリーン80を照明するようにする。前照灯10,12は全体として水平軸を中心として旋回可能であるか、或いは前記前照灯の一部分としてのレフレクタ20が、該レフレクタに係合する調節装置29によって軸28を中心として旋回可能であり、これによって前照灯から照射される光束を前記のようにリフト・アップ又は下降させることが可能である。
【0023】前照灯は、図5に示した第2実施形態の場合のように投影原理に基づいて構成することも可能である。前照灯10,12はこの場合、それぞれ1つのレフレクタ30を有し、該レフレクタ内には、白熱灯又は気中放電灯の形で光源32が挿嵌されている。光出射方向で見て前記レフレクタ30の後方にはレンズ34が配置されており、かつレンズ34とレフレクタ30との間には絞り36を配置することも可能である。レフレクタ30はレンズ34及び絞り36と共にケーシング38内に配置され、該ケーシングの光出射開口は、透光性ガラス板40でカバーされている。レフレクタ30は、光源32から出射された光を収斂光束として、前記レフレクタ30によって反射するように成形されており、場合によっては光束の一部分が絞り36によって遮蔽されるので、該絞り36によって、前照灯10,12から出射する光束の明暗境界が発生される。また択一的にレフレクタ30は、該レフレクタによって反射された光束が既に所要の明暗境界を有するように成形することもできるので、前記絞り36を省くことも可能である。レフレクタ30によって反射されて絞り36の傍らを通過する光束は、レンズ34を通過する際に集束され、次いで透過性ガラス板40を透過するが、この場合透過性ガラス板は平滑に形成されていても、或いは光学的プロフィールを有することもでき、後者の場合、該光学的プロフィールによって、レンズ34を透過する光は、もう一度偏向されかつ/又は散乱される。前照灯10,12から出射する光束は、測定スクリーン80の第1及び第2領域82,92を前記光束によってそれぞれ所要の明暗境界をもって照明し、かつ前記第1及び第2領域82,92内に所要の照度分布を発生させるような特性を有している。前述のように前照灯から出射された光束のリフト・アップ又は下降を可能にするために、前照灯10,12の全体を水平軸を中心として旋回可能に、或いは該前照灯の一部分としてのレフレクタ30をレンズ34及び絞り36と一緒に、調節エレメント42によって水平軸41を中心として旋回可能に構成することも可能である。また択一的に、前記絞り36を調節エレメント43によって、レフレクタ30によって反射された光束の光路外へ部分的に運動させて、前照灯から出射する光束の明暗境界をリフト・アップすることも可能である。絞り36は、少なくとも区域的に可変の透光性を有することもできるので、絞り36を区域的に透過状態に接続することによって、前照灯から出射する光束の明暗境界をリフト・アップすることも可能である。
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成12年3月27日(2000.3.27)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2000−294015(P2000−294015A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願2000−86584(P2000−86584)