| 【発明の名称】 |
車両用警光灯 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 宏樹
|
| 【要約】 |
【課題】フラッド式警光灯とスポット式警光灯の2種類の警告光を1個の車両用警光灯で提供し、従来と比べ視認性が高く、余分なコストや手間を省くことができる車両用警光灯を提供することである。
【解決手段】前方を開口とする筐体からなる一個のランプボディ1の前面にレンズ4を設ける。このレンズ4は、スポット式警光灯に使用されている投射レンズ部41と、フラッド式警光灯に使用されている拡散性レンズ部42が、上下または左右に並置されている。これにより、一台の警告灯にて2種類の警告光を提供することができる。また、ランプボディ1内には強烈な閃光を発する閃光放電管2を設けている。このことにより、視界不良時においても視認性を従来より高めることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】内側に反射面を形成する反射部材と、該反射部材の内面側に設けられた閃光放電管と、反射部材の前方に配置したレンズと、反射部材ならびに閃光放電管を囲覆するランプボディよりなる車両用警光灯において、上記レンズは投射レンズ部と拡散性レンズ部を上下または左右に並置したことを特徴とする車両用警光灯。 【請求項2】上記反射部材は放物反射面であって、該反射部材の焦点には上記閃光放電管が配置されていることを特徴とする請求項1記載の車両用警光灯。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、主としてパトロールカー、救急車、消防車等の緊急車両や、道路作業車等の車両に使用される車両用警光灯に関するものである。 【0002】従来より緊急車両のフロント部分等には、緊急車両が交差点に差し掛かったときに、車両の進入を進行方向と交差する方向へ報知し、注意喚起する車両用警光灯があった。 【従来の技術】 【0003】このような従来よりある車両用警光灯においては、一般照明用光源として使用されている白熱電球やハロゲン電球を光源としており、使用者は所望の注意喚起を行うために、これら光源を採用したスポット式警光灯とフラッド式警光灯の両者を併用してきた。これら警光灯を図2に示す。図2(a)は従来よりあるスポット式警光灯の斜視図である。また、図2(b)は従来よりあるフラッド式警光灯の斜視図である。 【0004】スポット式警光灯5は、一般照明用光源からなる光源51からの光源光を反射鏡52の前方側の一方向のみに強く反射し、スポット光として投射するものであって、その投射された光によって看者に注意喚起することを目的としていた。つまり、前方にいる看者に光源光を投射し、注意喚起をすることはできたが、斜め方向や側方への光源光の投射光量が少ない為、その方向にいる看者への注意喚起には適さなかった。車両用警光灯に斜め方向への注意喚起が求められる場合としては、車両が見通しの悪い交差点などに接近・進入した際であって、この時には車両前方よりも斜め方向からの人や車が飛出してくるといった危険が高いため、これら方向に注意喚起をする必要があった。 【0005】上記のようなスポット式警光灯5の弱点をカバーするものがフラッド式警光灯である。フラッド式警光灯6は、スポット式警光灯5と同様、一般照明用光源を光源61とし、該光源61からの光源光を反射鏡62で前方側に反射し、その反射光を反射鏡62の前面に設けられた拡散性レンズ63に投射し、拡散させるものである。これによりフラッド式警光灯6から拡散光として投射された光源光は、反射鏡の前方、さらに斜め方向にいる看者へ投射し、注意喚起を行っていた。つまり、フラッド式警光灯6を使用することにより、スポット式警光灯5のみでは注意喚起を行うことができなかった斜め方向にいる看者への注意喚起を適切に行ってきた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このように従来は、白熱電球やハロゲン電球などの一般照明用光源を光源として使用した車両用警光灯において、指向特性が互いに異なるスポット式警光灯、ならびにフラッド式警光灯の2種類からなる車両用警光灯を両者併用することにより初めて車両の接近等を看者に適切に注意喚起していた。 【0007】しかしながら、2種の車両用警光灯を各々車両に装着する必要があるため余分な手間が生じているとともに、設置スペースが充分に確保できない車両のフロント部分に2種の車両用警光灯を設置するには困難が生じていた。また、前方に強いスポット光を照射したい時、斜め方向へのフラッド光の照射を強くしたい時など、スポット光やフラッド光の光量を増減させたいときには、スポット式警光灯ならびにフラッド式警光灯のランプボディ等は一定の大きさであるため、別途車両用警光灯を用意する必要があり余分なコストが生じていた。 【0008】また、看者は従来よりある車両用警光灯に使用されている一般照明用光源からの警告光にマンネリ化し始めていた為、注意喚起を効果的に行える新たな光源を模索していた。この他にも、濃霧時等の視界不良時においては、これら光源からの警告光は決して良いものとはいえないため、このような条件下で効果的な注意喚起を行うことはできなかった。しかも、車両用警光灯の光源として上記光源を利用したときには、振動によりフィラメント切れの可能性が懸念されており、メンテナンスに余分な手間が生じていた。 【0009】そこで、本発明の目的は、上述の問題点を鑑み為されたものであって、従来よりあるフラッド式警光灯とスポット式警光灯の2種類の警告光を1個の車両用警光灯で提供し、従来と比べ視認性が高く、余分なコストや手間を省くことができる車両用警光灯を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、内側に反射面を形成する反射部材と、該反射部材の内面側に設けられた閃光放電管と、反射部材の前方に配置したレンズと、反射部材ならびに閃光放電管を囲覆するランプボディよりなる車両用警光灯において、上記レンズは投射レンズ部と拡散性レンズ部を上下または左右に並置したことを特徴とする。 【0011】上記の構成によれば、車両用警光灯の光源に従来の一般照明用光源に変えて、衝撃のある閃光を放射する閃光放電管を採用していることにより、通常時はもちろんのこと、さらに視界不良時においても看者への注意喚起を効果的に行うことができる。また、スポット式警光灯とフラッド式警光灯の2種の指向特性を有する警光灯を1台にて提供することができ、さらに光源数も減少したため光源の寿命切れなどによる交換の回数が減るからメンテナンス面において向上し、係る製品の品質向上にもつながる。そのうえ、従来スポット光とフラッド光の照射面積を変えるためには新規の車両用警光灯が必要であったが、この構成により、レンズ部のみを新規のものに交換することで、車両用警光灯の各レンズ部における照射面積を変更でき、看者に注意喚起するための所望の警告光を提供することができるから、余分なコストを低減することができる。 【0012】上記の目的を達成するための請求項2記載の発明は、上記反射部材は放物反射面であって、該反射部材の焦点には上記閃光放電管が配置されていることを特徴とする請求項1記載の車両用警光灯である。 【0013】上記の構成によれば、上記閃光放電管を放物面で形成される反射部材の焦点に配置されていることにより、閃光放電管から放射される閃光を光軸方向に放射できるから、看者に対する注意喚起を効果的に行うことができる。 【0014】以下では、本発明の一実施形態を、添付図面を参照して、図1は本発明の一実施形態に係る車両用警光灯(レンズ部左右配置)の正面図、斜視図、A−A断面図、ならびにB−B断面図である。 【0015】1はランプボディである。ランプボディ1は、通常樹脂成型により形成されるものであって、前方部を開口とする筐体である。尚、ランプボディ1は上記樹脂成型以外にも、例えばアルミの鋳物などで形成することも可能であり、またその形状についても略直方体状、略円盤状、略深皿状のものなど、種々の形状のもので形成することは可能である。また、車両用警光灯を車両に装着するための支持手段等(図示せず)が、ランプボディ1の後方部へ一体的に形成されている。尚、該指示手段をランプボディ1と回動できるようにしたり、回動しないように固定するなど設計変更しても構わない。 【0016】2は閃光放電管としてのキセノン管である。キセノン管2は、視認性に優れた強烈な閃光を発し、周囲に注意喚起をする。これは一般照明用光源から放射される光源光は、紫外域、可視域から赤外域にかけて徐々に光量を増加していくのに対し、キセノン管2からの閃光が可視域全域に渡って高い光量を有している為、キセノン管2からの閃光は従来のものに比べ視認性に優れている。また、キセノン管2から放射される閃光が視認性の良い理由としては、印加電圧等の違いにもよるが、一般照明用光源と比べ約10倍の最高光度を有していることに起因している。車両用警光灯用の光源としてキセノン管2を使用するとき、キセノン管2にはトリガ回路や発振回路などの各種回路が接続され、点滅閃光を発するようにされる。尚、これら回路はランプボディ1に内蔵されても外付けされても良く、またキセノン管2には図示された直線状を呈した直管以外にも、U字形状を呈した曲管など種々の形状のものを使用用途等に応じて使用しても構わない。 【0017】21は基板である。基板21は電源供給手段(図示せず)からの電源供給をキセノン管2に行うほか、キセノン管2を保持する役割を果たしている。 【0018】3は反射部材である。反射部材3は、樹脂成型によって形成される全体形状を放物反射面とするものである。この反射部材3は散光式警光灯の光源ユニットなどの反射部材として使用されている反射鏡の形状と同様であって、反射部材3の内面にはキセノン管2からの閃光を反射するためのアルミ蒸着による鏡面処理が施されている。ただし、鏡面処理にはアルミ蒸着以外にも、例えば反射部材3の材質にもより異なるが、クローム鍍金や化学研磨などの種々の方法を採用してもよく、キセノン管2からの閃光を前方に反射するようにしてあれば構わない。また、反射部材3の前方側縁、ならびに後方側には、各々螺子孔(図示せず)が穿設されており、この螺子孔に螺子11、11、12、12を螺合することにより、反射部材3はランプボディ1に固定囲覆されている。また、この反射部材3の焦点部にはキセノン管2が設けられており、このことによりキセノン管2から放射される閃光は光軸方向に反射される。 【0019】31は係止部である。係止部31は、反射部材3の後方側に突出して一体的に形成されるものであって、基板21の後方部付近の両端を螺子12、12で固定し、水平に保持する。この構成、つまり光軸と平行に基板21を保持しているから、キセノン管2から放射された閃光、ならびに反射部材3からの反射光はほとんど遮らずに光軸方向に放射される。 【0020】4はレンズである。レンズ4は、ポリカーボネート樹脂、アクリル、ガラスなどの透明または透光性を有する部材で形成されるものであって、反射部材3の前方側に設けられる。このレンズ4は、車両用警光灯として使用されるため、通常赤色や黄色などの看者に注意喚起を促す色のものが採用しているが、使用用途などによっては無色透明などのものを使用しても良い。また、レンズ4の左右両端には螺子孔(図示せず)が設けられており、この螺子孔は反射部材3ならびにランプボディ1に形成された螺子孔(図示せず)となるように形成されている。このようにして設けられた螺子孔に螺子11、11を螺合することによってレンズ4は反射部材ならびにランプボディ1に固定される。このとき、ランプボディ1と反射部材3、反射部材3とレンズ4の間などにゴムパッキンを嵌装すれば、車両用警光灯の防塵・防水性が高められる。 【0021】41は投射レンズ部である。投射レンズ部41は、キセノン管2から放射される閃光、ならびに反射部材3から反射される反射光を反射部材3の前方に強烈なスポット光として投射するものであって、従来よりあるスポット式警光灯のようにレンズ部の表面側と裏面側を例えば略平行となるような凹凸の見られない滑らかな面で形成されている。 【0022】42は拡散性レンズ部である。拡散性レンズ部42は、キセノン管2からの強烈な閃光を反射部材3の前方はもちろんのこと、斜め方向、さらには側方へ拡散投射する為のレンズ部である。そのため拡散性レンズ部42には、従来よりあるフラッド式警光灯のレンズ部のように、レンズ部に入射された光を拡散するための技術的処理が施されている。例えば技術的処理としては、断面略畝状、断面略鋸歯状などを呈する縦リブ形状をレンズに一体的に形成するほか、投射レンズ部41のような部材に薄い光拡散フィルムをレンズ4に貼着することによって拡散性レンズ部42を提供するなどの方法がある。また、投射レンズ部41と拡散性レンズ部42の配置関係については、車両用警光灯の中心部に投射レンズ部41、該投射レンズ部41の周囲に拡散性レンズ部42を配置したり、両者を並置する等の種々の方法がある。このとき、レンズ4の中央部に投射レンズ部41、この投射レンズ部41の周囲に拡散性レンズ部42をそれぞれ別体として設けた場合には、投射レンズ部41を単独でランプボディ1に装着自在に固定するには手間がかかる。また、仮に装着自在に固定できたとしても、使用した螺子などの固定手段がキセノン管2の閃光を放射するのを妨げるから好ましくない。そこで、投射レンズ部41と拡散性レンズ部42を並置することにより、それぞれ単独で螺子等を使用して装着自在に固定できるようにされている。尚、本発明の一実施形態では上記投射レンズ部41と拡散性レンズ部42を一体成型しているが、それぞれ別々に形成されても良く、さらに互いを異色とするなどの設計変更を行っても構わない。 【0023】以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は他の形態でも実施できる。例えば、上述の実施形態の説明では、緊急車両用の警光灯を単独にて使用することを前提として説明したが、車両用警光灯自体の形状・大きさ等を考慮すれば、緊急車両に載置されている散光式警光灯用の光源ユニットとして使用することもできる。また、散光式警光灯の光源ユニット以外にも緊急車両に装着されるバンパー灯、追突防止灯、側面灯ならびに白バイ灯に本発明を採用しても良い。 【0024】 【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、従来よりはるかに効果的な注意喚起が行える車両用警光灯を提供することができる。とりわけ濃霧時等の視界不良時において、強烈な閃光を放射する閃光放電管を光源に採用したことにより、本発明の車両用警光灯は抜群の注意喚起効果を得ることができる。 【0025】しかも、従来よりある車両用警光灯は、車両の振動により電球切れが生じていたが、1個の閃光放電管を光源部として採用したことにより、フィラメント切れによる光源の交換回数が低減できるから、メンテナンス面で向上した車両用警光灯を提供できると共に、製品自体の品質を向上することができる。 【0026】さらにスポット光とフラッド光の照射面積を変更する時、従来であれば新規の別途車両用警光灯を用意する必要があったが、本発明によればレンズのみを新規に交換することで、投射レンズ部と拡散性レンズ部の構成比率を任意に変更することができるから余分なコストを低減できる。そのうえ投射レンズ部と拡散性レンズ部を並置したことにより、所望の照射パターンを使用用途などに合わせて利用することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000143695 【氏名又は名称】株式会社パトライト
|
| 【出願日】 |
平成11年3月30日(1999.3.30) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2000−285706(P2000−285706A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−87850 |
|