| 【発明の名称】 |
照明装置の自動制御方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】木口 耕一
【氏名】河原 常久
【氏名】伊藤 敏之
【氏名】坂田 明久
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| 【要約】 |
【課題】電波を利用して、特定の対象領域における移動体の位置座標を自動的に求め、これを基準とする照明目標位置に照明装置の照明方向を制御する方法および装置を提供すること。
【解決手段】本発明では、電波による測定用原信号を発する複数の固定器を異なる位置に配置し、測定用原信号を受けてその受信強度レベルを演算し、電波による測定データ信号を発する可動器を移動体に保持させ、照明目標位置を照明する照明装置を設け、中央制御装置において、可動器における受信強度レベルを、予め求めておいた、対応する固定器の配置位置を基準位置とする距離と受信強度レベルとの関係を内容とする基準情報と対照することにより、移動体の位置座標を求める演算処理を行い、中央制御装置からの制御信号により、当該位置座標を基準とする照明目標位置に向けて照明装置の照明方向が制御される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 特定の対象領域内において移動する移動体の当該対象領域における位置座標を測定し、得られた位置座標を基準として照明装置の照明方向を自動的に制御する方法であって、各々、当該対象領域に電波による測定用原信号を発する複数の固定器を異なる位置に固定して配置し、測定用原信号を受け、受信された測定用原信号の受信強度レベルを演算し、その結果を電波による測定データ信号として発する可動器を、前記移動体に保持させ、前記対象領域における照明目標位置を照明する、照明方向を変更する駆動機構を有する照明装置を設け、前記可動器よりの測定データ信号を受けると共に、照明装置の照明方向を制御する中央制御装置を設け、中央制御装置において、測定データ信号より得られる可動器における受信強度レベルを、予め求めておいた、対応する固定器の配置位置を基準位置とする距離と受信強度レベルとの関係を内容とする基準情報と対照することにより、当該移動体の当該対象領域における位置座標を求める演算処理を行い、この演算処理によって得られた位置座標を基準とする照明目標位置に向けて照明装置の照明方向が制御されることを特徴とする照明装置の自動制御方法。 【請求項2】 基準情報は個々の固定器に対応するものであり、各固定器に係る基準情報は、対象領域を多数の単位領域に分割し、連続して1列に並ぶ2以上の単位領域の群を単位領域シリーズとし、この単位領域シリーズに属する各単位領域毎に、当該固定器による測定用原信号の受信強度レベルを測定してシリーズ基準情報を得る作業を異なる単位領域シリーズについて行うことによって得られる、複数の単位領域シリーズに関するシリーズ基準情報の集合体であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置の自動制御方法。 【請求項3】 シリーズ基準情報は、その領域について、1つの分割区域に複数の同一の強度レベルの個所が存在しないよう複数の分割区域に分割されており、中央制御装置において、受信強度レベルに対応する強度レベルの個所が含まれる分割区域が対照用分割区域として選定され、この対照用分割区域において、受信強度レベルに対応する強度レベルの個所の位置座標を求める演算処理が行われることを特徴とする請求項2に記載の照明装置の自動制御方法。 【請求項4】 シリーズ基準情報は、その分割区域を単位として、強度レベルを表す曲線が直線化補正処理されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置の自動制御方法。 【請求項5】 移動体の対象領域における位置座標を求める測定操作が繰り返して行われる請求項3または請求項4に記載の照明装置の自動制御方法において、1つのシリーズ基準情報において、同一の強度レベルの個所が存在する複数の候補分割区域のうち、前回の測定操作によって得られた位置座標が含まれる分割区域またはこれに最も接近した分割区域が対照用分割区域として選定されることを特徴とする照明装置の自動制御方法。 【請求項6】 移動体の対象領域における位置座標を求める測定操作が繰り返して行われる請求項3〜請求項5のいずれかに記載の照明装置の自動制御方法において、1つのシリーズ基準情報において、同一の強度レベルの個所が存在する複数の候補分割区域のうち、前回の測定操作によって得られた位置座標についての異なる固定器に係る強度レベルの大小関係と同一またはこれに最も近似した関係がある分割区域が対照用分割区域として選定されることを特徴とする照明装置の自動制御方法。 【請求項7】 特定の対象領域内において移動する移動体の当該対象領域における位置座標を測定し、得られた位置座標を基準として照明方向が自動的に制御される照明装置の自動制御装置であって、各々、当該対象領域に電波による測定用原信号を発する、異なる位置に固定して配置される複数の固定器と、測定用原信号を受け、受信された測定用原信号の受信強度レベルを演算し、その結果を電波による測定データ信号として発する、前記移動体に保持される可動器と、前記対象領域における照明目標位置を照明する、照明方向を変更する駆動機構を有する照明装置と、前記可動器よりの測定データ信号を受けると共に、照明装置の照明方向を制御する中央制御装置とを備えてなり、中央制御装置は、測定データ信号より得られる可動器における受信強度レベルを、予め求めておいた、対応する固定器の配置位置を基準位置とする距離と強度レベルとの関係を内容とする基準情報と対照することにより、当該移動体の当該対象領域における位置座標を求める演算処理を行う演算処理部と、この演算処理によって得られた位置座標を基準として照明装置の照明方向制御指令信号を送出する照明制御部とを有することを特徴とする照明装置の自動制御装置。 【請求項8】 各固定器からの測定用原信号は、周波数および出力レベルが実質的に同等の電波によるものであることを特徴とする請求項7に記載の照明装置の自動制御装置。 【請求項9】 各固定器からの測定用原信号は、周波数が150MHz以下の電波によるものであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の照明装置の自動制御装置。 【請求項10】 各固定器からの測定用原信号はパルス状であり、かつ1つのパルス波形が、強度レベルが高いハイレベル部分と強度レベルが低いローレベル部分とを有することを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の照明装置の自動制御装置。 【請求項11】 照明方向制御指令信号は、移動体の位置、移動体の位置を基準としてこれと特定の位置関係にある位置、または移動体の位置を基準としてこれに対する位置関係が予め定められた態様で時間的に変化する位置が照明されるよう、照明装置を制御するものであることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載の照明装置の自動制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、照明装置の自動制御方法および装置に関し、詳細には、例えば、劇場、スタジオ、ホール、その他における演出効果を目的として、自由にあるいは不規則に移動する移動体の現在位置を基準とする照明目標位置に自動的に照明光を投射するための照明装置の自動制御方法および装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、劇場の舞台照明においては、舞台に所期の演出効果を実現するため、例えばスポットライトなどの照明装置により舞台上の特定の位置を局所的に照明することが必要である。そして、舞台上の照明されるべき対象が、人間、その他の移動するものである場合、またはそのような移動体の位置を基準とする特定の位置を照明する場合には、当該移動体の移動に従って照明装置の照明方向を変更する制御が必要となる。このような照明装置の照明方向の制御は、従前においては、照明装置の操作者が移動体の移動を目視で確認しながら行われるのが通常であった。 【0003】しかしながら、操作者による照明装置の照明方向制御においては、操作者に高い操作技能が要求され、操作者の技能の個人差や操作者の疲労などのために、目的とする照明方向制御を長時間にわたって確実に行うことは非常に困難である。しかも、この種の照明においては、複数の照明装置が使用される場合も多く、その場合には照明装置と同数の操作者が必要となる。 【0004】一方、劇場の舞台などにおいては、特定の演者が特定の場所に到達したときにそのことをキュー信号(動機信号)として、特定の照明効果が実現されることの要請がきわめて大きい。従って、当該演者の位置座標を自動的に検出することができれば、その検出信号を、照明装置の照明方向の制御のための直接的または間接的なキュー信号として用いることができるので、きわめて合理的であり、実際上も非常に便利である。 【0005】従来、このような照明装置の自動制御装置としては、例えば、超音波を利用して移動体の位置を自動的に検出し、その結果に基づいて照明装置の照明方向を制御するものが、特開平6−215878号公報により、知られている。この方法は、移動体に超音波発信器を保持させると共に、複数の超音波検出器を対象領域における異なる位置に配置しておき、移動体から発せられた超音波が個々の超音波検出器に到達して検出されるまでの時間差を測定することにより、個々の超音波検出器の位置から移動体までの距離情報を求め、これにより当該移動体の位置を検出するものである。 【0006】しかしながら、この方法では、移動体に保持させることのできる超音波発信器の容量に限度があるために超音波の到達距離を大きく得ることができず、そのため対象領域に高い配置密度で超音波検出器を設置することが必要となり、結局、多数の超音波検出器を設置することが必要であって現実的でない、という問題がある。 【0007】一方、電波を利用して移動体の位置を検出する方法も知られており、例えばカーナビゲーションシステムや船舶の位置特定システムなどがある。これらは、広範囲な地域を対象領域として移動体の位置の特定を行うものであり、例えば、特定の位置における無線局から到達する標識電波の方位によって検出するシステムなどが知られている。 【0008】然るに、例えば建造物における屋内空間、野外劇場、あるいは限定された比較的狭い領域、例えば最長距離が1km以下であるような領域において、当該領域内を自由に、あるいは不規則に移動する移動体の現在位置を検出するために電波を利用しようとしても、電波の性質上、大きな障害があることが判明した。 【0009】すなわち、電波発信源からの距離が比較的小さい近距離領域では、受信される電波信号の強度は、本質的には距離をファクターとする関数であっても、実際には、距離に応じて規則的にあるいは一定の法則に従って変化するようなものではなく、全く不規則に大きく振動するものであり、しかもその振動の態様にも全く規則性が認められない。その上、近距離領域では、当該領域に固有の環境条件が電波の伝播に与える影響が大きい。このような理由により、例えば、複数の個所から発信される電波を1つの受信器により受けるシステムにおいて、その受信強度レベルを測定して例えばその減衰の状況を検出しようとしても、実際に意味のある結果を得ることができず、このため、電波を利用した有用な照明装置の自動制御方法は現在まで提案されていない。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のような事情を背景にして種々の研究を重ねた結果、固定位置に設けられた電波発信器から発せられる電波を、移動する受信器が受ける場合の受信強度レベルは、当該電波発信器からの距離によって不規則に振動する領域があるが、その振動領域における位置の変化に伴う受信強度レベルの変化のパターン(またはプロファイル)は本質的に同一性を有していることを見出し、この知見に基づいてなされたものである。 【0011】本発明の目的は、電波を利用して、特定の対象領域における移動体の位置座標を自動的に求め、これにより、当該移動体の位置座標を基準とする照明目標位置に照明方向を制御することができる照明装置の自動制御方法を提供することにある。本発明の他の目的は、電波を利用して、特定の対象領域における移動体の位置座標を自動的に求め、これにより、当該移動体の位置座標を基準とする照明目標位置に照明方向を制御することができる照明装置の自動制御装置を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の照明装置の自動制御方法は、特定の対象領域内において移動する移動体の当該対象領域における位置座標を測定し、得られた位置座標を基準として照明装置の照明方向を自動的に制御する方法であって、各々、当該対象領域に電波による測定用原信号を発する複数の固定器を異なる位置に固定して配置し、測定用原信号を受け、受信された測定用原信号の受信強度レベルを演算し、その結果を電波による測定データ信号として発する可動器を、前記移動体に保持させ、前記対象領域における照明目標位置を照明する、照明方向を変更する駆動機構を有する照明装置を設け、前記可動器よりの測定データ信号を受けると共に、照明装置の照明方向を制御する中央制御装置を設け、中央制御装置において、測定データ信号より得られる可動器における受信強度レベルを、予め求めておいた、対応する固定器の配置位置を基準位置とする距離と受信強度レベルとの関係を内容とする基準情報と対照することにより、当該移動体の当該対象領域における位置座標を求める演算処理を行い、この演算処理によって得られた位置座標を基準とする照明目標位置に向けて照明装置の照明方向が制御されることを特徴とする。 【0013】以上の方法において、基準情報は個々の固定器に対応するものであり、各固定器に係る基準情報は、対象領域を多数の単位領域に分割し、連続して1列に並ぶ2以上の単位領域の群を単位領域シリーズとし、この単位領域シリーズに属する各単位領域毎に、当該固定器による測定用原信号の受信強度レベルを測定してシリーズ基準情報を得る作業を異なる単位領域シリーズについて行うことによって得られる、複数の単位領域シリーズに関するシリーズ基準情報の集合体とすることができる。 【0014】そして、シリーズ基準情報は、その領域について、1つの分割区域に複数の同一の強度レベルの個所が存在しないよう複数の分割区域に分割されており、中央制御装置において、受信強度レベルに対応する強度レベルの個所が含まれる分割区域が対照用分割区域として選定され、この対照用分割区域において、受信強度レベルに対応する強度レベルの個所の位置座標を求める演算処理が行われることが好ましい。また、シリーズ基準情報は、その分割区域を単位として、強度レベルを表す曲線が直線化補正処理されているものとすることが好ましい。 【0015】更に、移動体の対象領域における位置座標を求める測定操作が繰り返して行われる照明装置の自動制御方法において、1つのシリーズ基準情報において、同一の強度レベルの個所が存在する複数の候補分割区域のうち、前回の測定操作によって得られた位置座標が含まれる分割区域またはこれに最も接近した分割区域が対照用分割区域として選定されることが好ましい。 【0016】また、移動体の対象領域における位置座標を求める測定操作が繰り返して行われる照明装置の自動制御方法において、1つのシリーズ基準情報において、同一の強度レベルの個所が存在する複数の候補分割区域のうち、前回の測定操作によって得られた位置座標についての異なる固定器に係る強度レベルの大小関係と同一またはこれに最も近似した関係がある分割区域が対照用分割区域として選定されることが好ましい。 【0017】本発明の照明装置の自動制御装置は、特定の対象領域内において移動する移動体の当該対象領域における位置座標を測定し、得られた位置座標を基準として照明方向が自動的に制御される照明装置の自動制御装置であって、各々、当該対象領域に電波による測定用原信号を発する、異なる位置に固定して配置される複数の固定器と、測定用原信号を受け、受信された測定用原信号の受信強度レベルを演算し、その結果を電波による測定データ信号として発する、前記移動体に保持される可動器と、前記対象領域における照明目標位置を照明する、照明方向を変更する駆動機構を有する照明装置と、前記可動器よりの測定データ信号を受けると共に、照明装置の照明方向を制御する中央制御装置とを備えてなり、中央制御装置は、測定データ信号より得られる可動器における受信強度レベルを、予め求めておいた、対応する固定器の配置位置を基準位置とする距離と強度レベルとの関係を内容とする基準情報と対照することにより、当該移動体の当該対象領域における位置座標を求める演算処理を行う演算処理部と、この演算処理によって得られた位置座標を基準として照明装置の照明方向制御指令信号を送出する照明制御部とを有することを特徴とする。 【0018】以上の装置において、各固定器からの測定用原信号は、周波数および出力レベルが実質的に同等の電波によるものであることが好ましい。また、各固定器からの測定用原信号は、周波数が150MHz以下の電波によるものであることが好ましい。更に、各固定器からの測定用原信号はパルス状であり、かつ1つのパルス波形が、強度レベルが高いハイレベル部分と強度レベルが低いローレベル部分とを有することが好ましい。 【0019】上記の照明方向制御指令信号は、移動体の位置、移動体の位置を基準としてこれと特定の位置関係にある位置、または移動体の位置を基準としてこれに対する位置関係が予め定められた態様で時間的に変化する位置が照明されるよう、照明装置を制御するものとすることができる。 【0020】 【作用】本発明の照明装置の自動制御方法および装置によれば、固定器から発せられる電波による測定用原信号を移動体に保持された可動器において受け、このときの受信強度レベルを、中央制御装置において、予め求めておいた、当該固定器が配置された位置を基準位置とする距離と強度レベルとの関係を内容とする基準情報と対照することにより、当該可動器の固定器からの距離情報を求めることができる。これは、受信強度レベルが大きく振動する領域があるが、当該固定器からの距離に対する受信強度レベルの変化のパターン(またはプロファイル)は本質的に同一性を有しているため、基準情報において、受信強度レベルに該当する強度レベルの個所が可動器の存在する位置に該当するからである。 【0021】その結果、当該固定器の配置位置を基準位置としてそれより可動器の位置までの距離情報が得られるので、異なる位置に設けられた複数の固定器による距離情報を組合せて演算処理することにより、当該可動器の位置座標、すなわち移動体の位置座標を求めることができる。従って、このようにして得られる位置座標を利用して、当該位置座標を基準とする照明目標位置に向けて照明装置の照明方向を制御することができる。しかも、各種の信号の授受は電波または電気的通信によって行われるので、リアルタイムで移動体の位置を基準とする照明装置の照明方向を自動的に制御することができる。 【0022】そして、基準情報を、1つの固定器に係るシリーズ基準情報の集合体として形成しておくことにより、対照のための演算処理が容易となり、また、1つのシリーズ基準情報に強度レベルが同一の個所が複数存在するときにも、領域を複数の分割区域に分割して、1つの分割区域に複数の同一の強度レベルの個所が2つ以上存在しないようにすることができ、その結果、移動体の位置座標の測定を高い精度で行うことができ、確実に所期の照明装置の照明方向の自動制御を達成することができる。 【0023】また、移動体の対象領域における位置座標を求める測定操作は、通常、繰り返して行われるので、1つのシリーズ基準情報において、同一の強度レベルの個所が存在する複数の候補分割区域のうちから、前回の測定操作によって得られた位置座標が含まれる分割区域またはこれに最も接近した分割区域を対照用分割区域として選定する手法により、あるいは、前回の測定操作によって得られた位置座標についての異なる固定器に係る受信強度レベルの大小関係と同一またはこれに最も近似した関係がある分割区域を対照用分割区域として選定する手法により、きわめて確実に、かつ合理的に目標個所の位置座標を求めることができ、その結果、移動体の位置座標の測定を高い精度で行うことができ、確実に所期の照明装置の照明方向の自動制御を達成することができる。 【0024】本発明の照明装置の自動制御装置において、各固定器からの測定用原信号に係る電波の周波数および出力レベルが実質的に同等のものであることにより、可動器の対応すべき電波の範囲が狭くなり、その結果、可動器の構成を簡単なものとすることができる。 【0025】また、固定器からの測定用原信号が、周波数が150MHz以下の電波によるものである場合には、実際上、混信のおそれが少なく、高い精度で位置座標を測定することが可能となる。更に、各固定器からの測定用原信号がパルス状であり、かつ1つのパルスが、強度レベルが高いハイレベル部分と強度レベルが低いローレベル部分とを有する場合には、環境条件の変化があっても、安定して受信強度レベルの検出を行うことができる。そして、これらの結果、確実に所期の照明装置の照明方向の自動制御を達成することができる。 【0026】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の照明装置の自動制御装置の構成の一例を劇場に適用した場合について概略的に示す説明図であり、1は劇場、2はその舞台における対象領域である。図2は、本発明の照明装置の自動制御装置を構成する主要な機能部分の概略と、それらの接続の状態を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、この装置においては、舞台上に対象領域2が定められており、この対象領域2の例えば周縁に沿って、複数の固定器が互いに異なる位置に固定して配置される。この図の例では、対象領域2は矩形の室内領域であり、4個の固定器20A,20B,20Cおよび20Dが対象領域2の各コーナーに配置されている。実際上の対象領域は、例えば劇場やホールの舞台、宴会場の広間、その他の、照明されるべき照明目標位置の基準となる移動体が移動する領域であり、舞台の全部であっても、一部であってもよい。 【0027】複数の固定器20A〜20Dの配置位置は、対象領域2の形状、電波の到達に影響を与える物体の存在などの物理的環境、その他の条件によっても異なるが、個々の固定器により、対象領域2の全面が電波的に均等にカバーされる位置であることが好ましい。例えば、個々の固定器が対象領域2の中央個所を異なる方位から臨む位置、あるいは個々の固定器が互いに離間する距離が大きい位置を、固定器20A〜20Dの配置位置とすることができる。固定器20A〜20Dの具体的な配置個所は特に限定されるものではなく、例えば当該舞台の天井、壁、床、柱、その他の適宜の固定位置に設置されていればよく、仮設型とすることもできる。 【0028】固定器20A〜20Dは、各々、アンテナを有すると共に中央制御装置10に接続されており、中央制御装置10からの発信指令信号により、電波によるパルス状の測定用原信号を発する機能を有する。図3は、これらの固定器20A〜20Dの各々の測定用原信号のパルスの時間的状況を示す曲線図であり、(イ)〜(ニ)はそれぞれ固定器20A〜20Dからの測定用原信号パルスa〜dを示し、(ホ)は、(イ)〜(ニ)の曲線を共通の時間軸で重ね合わせた説明用の曲線図である。具体的には、中央制御装置10からの発信指令信号が固定器20A〜20Dに加えられ、これにより、この例では、固定器20A,20B,20Cおよび20Dから、この順に、測定用原信号パルスa,b,cおよびdがパルス群として発せられる。 【0029】以上において、測定用原信号パルスa〜dの各パルスの時間幅tは、特に限定されるものではないが、例えば10msecである。また、1つのパルス群の最後の測定用原信号パルスdと、これに続く次のパルス群の最初の測定用原信号パルスaとの間に休止期間Nが存在し、この休止期間Nの時間幅も特に限定されるものではないが、例えば10msecである。 【0030】対象領域2内を移動する移動体(図示せず)には、可動器30が携帯あるいは保持されている。この可動器30は、電波受信機能および電波発信機能と演算処理機能とを有し、固定器20A〜20Dからの測定用原信号を受けてその各々による受信強度レベルを演算処理し、その結果得られる測定データを一括的に、電波による測定データ信号として休止期間Nの間に発信するものである。 【0031】また、対象領域2には、可動器30の動作を制御するための電波受信機能および電波発信機能を有する制御器40が固定して配置される。この制御器40の配置位置は、対象領域2内における可動器30との間で交信可能な位置であれば特に限定されるものではないが、例えばいずれかの固定器と同一の個所とすることができ、この場合には、設置工事が容易となる利点がある。 【0032】この制御器40は、中央制御装置10と接続されてそれよりのトリガー指令信号を受けて電波によるトリガー信号を発すると共に、可動器30からの電波による測定データ信号を受けて中央制御装置10に送信するものである。 【0033】更に、照明装置50が対象領域2を臨む固定位置に設置されている。この照明装置50は、照明方向を変更するための駆動機構しており、その照明方向が三次元的に可変のものである。 【0034】図2に示すように、中央制御装置10は、駆動制御部12と、演算処理部14と、基準情報記憶部16と、照明制御部18とを有している。駆動制御部12は、各固定器20および制御器40の動作を制御する機能を有し、具体的には、固定器20の各々が測定用原信号パルスを一定の順序で発するよう発信指令信号を発すると共に、同時に制御器40にトリガー指令信号を発する。このトリガー指令信号の発信頻度は、例えば1秒間当たり20〜50回である。 【0035】演算処理部14は、後述するように、制御器40から送信される測定データ信号を受け、この測定データ信号を、基準情報記憶部16に記憶されている基準情報と参照することにより、対象領域2における可動器30の位置座標を算定する演算処理を、所定のプロセスに従って実行する機能を有するものである。また、照明制御部18は、演算処理部14における信号に基づいて、移動体の位置座標を基準とする照明目標位置に照明方向が向くよう、照明装置50の駆動機構を制御する照明方向制御指令信号を送出する機能を有する。 【0036】図4は、照明装置の一例の構成を示す説明図である。この図に示すように、照明装置50は、例えばキセノン放電灯よりなる光源ランプ51およびレンズ52を有する、特定の方向に光を投射する照明器53と、この照明器53を、矢印xで示すように、光軸Lと直角な水平回転軸の周りに回動させる第1のモーター54と、矢印yで示すように、光軸Lと直角な垂直回転軸の周りに回転させる第2のモーター55とを有する駆動機構56とにより構成され、この駆動機構56により、光の投射方向、すなわち光軸Lの方向が三次元的に変更される。 【0037】この照明装置50における駆動機構56の駆動特性値が中央制御装置10に登録される。例えば、第1のモーター54および第2のモーター55の基準停止位置を各々出発基準位置とし、このときの照明器53による照明目標位置の空間座標系における座標位置が中央制御装置10の照明制御部18に登録され、第1のモーター54を基準位置状態としたままで第2のモーター55を基準位置から任意の角度状態位置に停止させたときの照明器53による照明目標位置の座標位置が中央制御装置10の照明制御部18に登録される。具体的には、この二つの空間座標の各々と照明装置50の空間座標とを結ぶ2つのベクトルを基準として、移動体によって保持されている可動器30と照明装置50とを結ぶベクトルが求められ、このベクトルを基準として照明装置50の照明方向が制御される。 【0038】以上において、固定器20からの測定用原信号、トリガー信号および測定データ信号の電波の周波数は、特に限定されるものではないが、トリガー信号および測定データ信号の電波の周波数は、測定用原信号の電波の周波数と明確に識別し得ることが好ましい。実際には、測定用原信号の電波の周波数は、通常、150MHz以下であることが好ましく、例えば約50MHzあるいは約10MHzとされる。また、トリガー信号および測定データ信号の電波の周波数は、例えば250〜350MHzとすることができる。また、中央制御装置10と、各固定器20A〜20D、制御器40、および照明装置50との間は、互いにデータ通信が可能となる状態に接続されていればよく、有線による接続および無線による接続のいずれでもよい。 【0039】本発明において、基準情報は、いわば化学分析における検量線と同様の機能を有するものであり、具体的には次のようにして得られる。 (1)対象領域2において平面座標を設定する。この平面座標の具体的な座標の種類および内容は全く任意であるが、最も簡単には、通常のX軸およびY軸による平面座標でよい。座標の1単位は、目的とする測定位置精度に応じて設定されればよく、特に限定されるものではない。実際上の座標単位の大きさは、対象領域2の面積の大きさによっても異なるが、X方向およびY方向において1座標単位の距離が例えば30〜500cmであればよい。 【0040】(2)1つの固定器20の配置位置を基準位置として可動器30を特定の方向に移動させ、各座標単位毎に、当該固定器20からの測定用原信号の受信強度レベルを当該可動器30において検出し、その受信強度レベルと基準位置からの距離との関係を求めて、例えばグラフを作成しておく。この受信強度レベルと距離との関係が当該固定器20についての基準情報である。そして、上記と同様の操作により、すべての固定器20について受信強度レベルと距離との関係を求めることにより、目的とする基準情報が得られる。 【0041】具体的に説明すると、例えば、矩形の対象領域2の各コーナー部に固定器20A〜20Dを配置した図1の例においては、図5に示すように、当該対象領域2の矩形の横方向にX軸を設定し、これと直角な縦方向にY軸を設定し、更に、当該対象領域2をX軸方向およびY軸方向に均等に分割して各々正方形の単位領域Uを設定し、各単位領域Uには位置座標を設定しておく。この位置座標は、例えば、全体を行列とみなした場合の番地(X,Y)として設定することができる。図5の例においては、対象領域2は、縦5行、横6列の単位領域Uに分割されており、従って、固定器20A〜20Dが属する単位領域Uの位置座標はそれぞれ(1,1)、(1,6)、(6,6)、(6,1)となる。 【0042】そして、固定器20A〜20Dのうちの1つ、例えば固定器20Aのみを作動させると共に他の固定器は非作動状態としておき、この状態で、X軸方向に伸びる第1行に属するすべての単位領域U、すなわち第1列から最終列(図5の例では第6列)に到るまでのすべての単位領域Uにおいて、その中央個所Gにおける受信強度レベルを検出し、その結果を位置座標との関係において記録する。(なお、この記録された受信強度レベルを、基準情報においては単に「強度レベル」という。) 【0043】以上の作業によって、X軸方向に並んだ第1行に属するすべての単位領域Uについての固定器20Aに係る基準情報が得られる。従って、これと同様の作業をすべての行について行うことにより、対象領域2の全領域を対象とする当該固定器20Aについての基準情報が得られる。そして、以上と同様の操作を、他のすべての固定器についても行い、これにより、すべての固定器20についての基準情報が得られる。 【0044】以上のようにして取得された基準情報が、中央制御装置10の基準情報記憶部16に記憶され、この基準情報は、必要に応じて、演算処理部14に読み出されて参照される。 【0045】本発明においては、以上のような構成により、次のようにして、対象領域2における移動体の位置座標が測定され、その結果、照明装置50の照明方向が制御される。先ず、中央制御装置10からの発信指令信号が発せられ、これにより、固定器20A〜20Dの各々から、図3に示した状態の測定用原信号パルスa〜dが発せられる。 【0046】一方、中央制御装置10からは、発信指令信号と同時にトリガー指令信号が制御器40に発せられ、図6に示すように、制御器40から電波によるトリガー信号が発せられて可動器30が動作状態となり、この可動器30において、各固定器20A〜20Dからの測定用原信号パルスa〜dの各々による受信強度レベルの検出が行われる。すなわち、可動器30においては、4個の固定器20A〜20Dからの測定用原信号パルスa〜dの各々の受信強度レベルがこの順に検出され、その各々が定められたプログラムに従って演算処理され、4個の検出結果に対応する測定データが、一括して、可動器30から電波による測定データ信号として発せられる。図6は、可動器と固定器および制御器との間の各信号の送受信の状況を示す説明用のグラフである。 【0047】この電波による測定データ信号は、制御器40により受信されて中央制御装置10に送信され、中央制御装置10の演算処理部14において、基準情報記憶部16に予め記憶されていた基準情報と対照される。そして、基準情報において、検出された受信強度レベルに該当する強度レベルの単位領域の位置座標が判定され、これにより、移動体が位置する単位領域を位置座標として求めることができる。そして、以上のようにして得られる移動体の位置座標に基づいて、当該移動体の位置を基準として、予め設定されていた指定位置などの照明目標位置の方向が計算され、その結果により、照明方向制御指令信号が送出され、これにより、照明装置50の駆動機構56が制御されて照明装置50の照明方向が照明目標位置の方向とされる。 【0048】以上の動作は、図3に示されている測定用原信号のパルス群の間の休止期間Nの間に行われる。従って、事実上、移動体の位置座標を基準とする照明目標位置に対する照明装置の照明方向の制御がリアルタイムで全自動的に実行される。 【0049】而して、以上のようにして得られる或る1つの固定器20に係る情報は、厳密には、当該固定器20の配置位置を基準位置とする可動器30までの距離に関するファクターを含む距離情報であり、従って、単一の距離情報のみでは、例えば当該固定器20の位置を中心とする特定の半径の円周上のいずれかに可動器30が存在することが判定し得るのみであり、具体的な位置座標を特定的に決定することはできない。 【0050】しかしながら、複数の固定器20が異なる位置に配置されいてそれらによる距離情報が得られる場合には、それらの複数の距離情報を組合せることにより、例えば互いに交わる円の交点を求める手法と同様にして、可動器30の現在位置に係る位置座標を高い精度で求めることができる。このような理由から、本発明においては、1つの対象領域において配置されるべき固定器20は2個以上であることが必要であり、3個以上であることが好ましく、更に好ましくは4個またはそれ以上である。 【0051】基準情報は、対象領域2の全面を特定の単位領域に分割し、その単位領域毎に、個々の固定器からの測定用原信号の受信強度レベルを求めることによって得られる。従って、以上の操作によって求められる移動体の位置座標は、単位領域に設定された位置座標によるものとなる。 【0052】基準情報を取得するためには、対象領域2を、目的とする測定精度に応じた大きさの単位領域に分割し、連続して1列に並ぶ2以上の単位領域の群(これを「単位領域シリーズ」という。)を設定し、各単位領域シリーズについて、これに属する各単位領域毎に、特定の固定器による測定用原信号の受信強度レベルを走査的に測定し、これによってシリーズ基準情報を取得する作業をいくつかの単位領域シリーズについて行い、その結果、すべての単位領域がいずれかの単位領域シリーズに含まれるようにする。このシリーズ基準情報の集合体が、当該対象領域2についての、特定の固定器に係る基準情報である。以上において、測定される単位領域シリーズは多数であること、すなわちシリーズ基準情報の数は多数であることが、精度の高い基準情報を得る上で重要である。従って、通常は、或る単位領域は、複数の単位領域シリーズに同時に属することとなる。 【0053】以上のようにして得られる1つのシリーズ基準情報は、対応する単位領域シリーズに属する各単位領域の受信強度レベル情報の単なる集合ではなく、特定の状態で連続する単位領域についての連続的情報であるから、或る単位領域と、その前後に連続する単位領域の位置関係も情報の要素となっている。 【0054】具体的には、例えば、対象領域2を縦横に並んだ行列状の単位領域に分割し、各行および各列をそれぞれ単位領域シリーズとし、その単位領域シリーズに沿って可動器を移動させて、当該行または列に属するすべての単位領域毎に受信強度レベルを走査的に測定すると、これによってシリーズ基準情報が得られる。そして、すべての行および列についてのシリーズ基準情報を取得すれば、その集合体として、基準情報が得られる。 【0055】図7は、或る対象領域における或る単位領域シリーズについて得られた、固定器Aに係るシリーズ基準情報(曲線A)および固定器Bに係るシリーズ基準情報(曲線B)を示す曲線図である。この図において、横軸は位置座標の番号すなわち列の番号であり、縦軸は強度レベルであり、相対単位である。 【0056】この例は、対象領域を15行19列の行列状の単位領域に分割した場合における或る1行(これを第m行とする。)を単位領域シリーズとし、この単位領域シリーズに属する合計19個の単位領域について、第1列の単位領域から順に第19列のものまでを走査的に測定し、連続して並ぶ単位領域の順に測定値を連結することにより、固定器Aに係るシリーズ基準情報のグラフ(曲線A)および固定器Bに係るシリーズ基準情報のグラフ(曲線B)を得たものである。 【0057】この図から明らかなように、或る単位領域シリーズについて実際に得られる受信強度レベルは、固定器の配置位置(基準位置)に対して当該単位領域シリーズの位置が固定されているにもかかわらず、すなわち、第m行に属し従ってX軸方向に並ぶ19個の単位領域に係る測定位置は、基準位置に対して特定の規則的な距離関係にあるにもかかわらず、全く不規則な、振動的なプロファイルのものとなる。 【0058】然るに、今、移動体が第m行のいずれかに存在する場合に、可動器により検出された、固定器Aによる測定用原信号パルスの受信強度レベルが「200」であるとするとき、この受信強度レベルを図7のシリーズ基準情報と対照すると、当該シリーズ基準情報において、強度レベルが「200」の個所は、第5列の1点のみであり、従って、当該可動器は位置座標(m,5)に存在することが検出される。受信強度レベルの情報を基準情報と対照して該当する個所の位置座標を検出または測定する実際の対照検出作業は、中央制御装置10の演算処理部14における演算処理によって遂行され、求められた位置座標(m,5)が測定信号として出力される。このとき、同時に固定器Bによる測定用原信号パルスの受信強度レベルが「約510」であることを確認すれば、可動器が第5列に存在することは一層確実となり、測定の精度が高いものとなる。 【0059】このように、可動器において得られる、特定の固定器に係る測定用原信号の受信強度レベルを、予め求めておいた当該特定の固定器に係る基準情報と対照することにより、当該可動器の当該特定の固定器に対する距離情報が得られる。そして、既述のように、異なる位置に配置された2つ以上の固定器に係る距離情報を組合せて処理することにより、当該可動器が実際に存在する位置、すなわち移動体の位置座標を具体的にかつ特定的に求めることができる。 【0060】或るシリーズ基準情報において、受信強度レベルに対応する強度レベルの個所が上記のように1つのみであれば、その個所が位置座標を求めるべき目標個所であることが明らかであるが、1つのシリーズ基準情報には、同一の強度レベルの個所が複数存在することが通常である。例えば、図7の固定器Aに係る曲線Aにおいては、受信強度レベル「330」に対応する強度レベルの個所は、第4列と第7列の2個所に存在する。そして、このような場合には、受信強度レベルの情報のみでは、いずれの個所が目標個所であるかを判定することは困難である。 【0061】そこで、本発明では、得られた1つのシリーズ基準情報において、同一の強度レベルの個所が2つ以上存在する場合には、当該シリーズ基準情報に係る単位領域シリーズの領域を複数の区域に分割し、いずれの1分割区域にも同一の強度レベルの個所が2つ以上包含されないようにする。すなわち、シリーズ基準情報の曲線において、一方向に向かうに従って強度レベルが上昇する区域、または下降する区域を1分割区域とする。従って、シリーズ基準情報の曲線における上に凸または下に凸の頂点の位置(あるいは、1次微分係数の正負の符号が変わる位置)を分割線として分割すればよい。 【0062】例えば、図7の例において、曲線Aについては、一点鎖線で示したように、第5列、第9列、第10列、第11列、第12列、第14列および第17列の位置が分割線の位置とされる。一方、曲線Bについては、第8列、第10列、第11列、第12列、第14列および第15列の位置が分割線の位置とされる。 【0063】このようなシリーズ基準情報の分割区域の1つにおいては、同一の強度レベルの個所が1つのみであって2つ以上存在しないので、可動器による受信強度レベルを、選定された分割区域におけるシリーズ基準情報と対照することにより、確実に目標個所を判定することができる。 【0064】而して、以上の場合には、受信強度レベルに該当する強度レベルの個所を1つだけ含む分割区域が複数であり、これらはいずれも目標個所が存在する可能性を有する候補分割区域であるから、そのうちの1つを対照用分割区域として選定することが必要である。この対照用分割区域を選定するためには、次のような手法を利用することができる。 【0065】(1)前回の測定操作による位置座標を考慮する手法本発明による位置座標の測定操作は、実際上、トリガー信号の発信頻度に応じて、例えば1秒間に20〜50回という割合で繰り返される。従って、或る1回の測定操作において、候補分割区域が複数である場合には、前回の測定結果を考慮し、すべての候補分割区域のうち、前回の測定操作で検出された位置座標が属する分割区域、またはこれに最も接近した分割区域が、対照用分割区域として選定される。これは、移動体の実際の移動は連続的な位置の変化によるアナログ的なものであり、前回の測定操作の時点から今回の測定操作の時点までの間の数ミリ秒間という短時間の内には、前回の位置座標から大きく隔たった位置座標にまで移動することが不可能であることから、上記の分割区域が、殆ど例外なく、対照用分割区域であるからである。 【0066】(2)前回の測定操作における異なる固定器による受信強度レベルの関係を考慮する手法上記(1)に説明したと同様の理由により、前回の測定操作においては、検出された位置座標における、固定器Aに係る強度レベルと固定器Bに係る強度レベルとの間の大小関係、並びに両者間の強度レベルの差の大きさが情報として得られている。従って、これらの強度レベル間情報を利用して、強度レベルの大小関係が同一または最も近い分割区域、または強度レベルの差の状態が同一または最も近い分割区域が、対照用分割区域として選定される。あるいは、更に、強度レベルの差が変化する場合の傾向が同一または近似することを更に考慮して対照用分割区域を選定することもできる。 【0067】本発明において、予め取得される基準情報に対しては、実際の対照処理に適するよう、適宜の補正処理を加えることができる。現実的に最も有効な補正処理の一例は、シリーズ基準情報について、分割区域毎に、強度レベルの変化を直線状の変化とみなす直線化補正処理である。図7の曲線Aについて具体的に説明すると、各分割区域毎の曲線、例えば第1列から第5列までの曲線を1本の直線線分に置換する補正を行うことができ、その結果、第1列の座標と第5列の座標を直接結ぶ直線線分Sが得られる。 【0068】このような直線化補正処理によれば、当該分割区域における当該強度レベルを表す線を、曲線ではなく、当該分割区域に係るすべての単位領域に共通に成立する y=ax+b というきわめて単純な1次式による論理式で表現することができるため、中央制御装置の演算処理部における演算処理のための論理式が非常に簡単なものとなり、従って処理プログラムが簡単なものとなる上、対照検出処理時間を大幅に短縮することができ、この点できわめて有利である。 【0069】本発明において、測定用原信号パルスの電波は、各固定器について、周波数および出力レベルが実質的に同等であることが好ましく、このように周波数および出力レベルが実質的に揃っている場合には、可動器が受信して処理すべき電波の範囲が周波数および出力レベルの点で狭いものとなるので、当該可動器の性能は単純なものでよく、結局、その構成を簡単なものとすることができる。また、測定用原信号に係る電波は、周波数が150MHz以下であることが好ましく、この場合には、実際上、反射や混信のおそれが少ないので、高い精度で位置座標を測定することが可能となり、その結果、所期の照明装置の照明方向の制御を高い精度で達成することができる。 【0070】更に、各固定器からの測定用原信号のパルス波形が、図8に示すように、強度レベルの高いハイレベル部分HLと、強度レベルが低いローレベル部分LLとを有する場合には、両者の差分を検出することにより、安定した検出を行うことができる。すなわち、例えば単純な矩形波のパルスによれば、仮に可動器30の電源電圧が低下した場合や判定回路が劣化した場合には、そのことが直接に受信強度レベルにおける誤差となる。しかし、ハイレベル部分HLとローレベル部分LLとの間の強度レベルの差分を受信強度レベルとして受信すれば、常に安定な受信結果が得られ、その結果、所期の照明装置の自動制御を安定に行うことができる。 【0071】照明装置50による照明は、具体的には、移動体を位置の基準とする種々の態様で実行することができる。最も簡単な照明の態様は、移動体を直接照明することである。この場合には、照明装置50の方向が、算出された移動体の座標位置の方向に制御される。 【0072】照明装置50を2個以上使用する場合には、各々の照明装置に対応する固有の識別信号を、照明制御部18からの照明方向制御指令信号に含ませておくことにより、制御すべき照明装置50を選択することができ、その上でこの選択された照明装置50について、その照明方向を制御することが可能である。そして、この場合には、1つの移動体を基準として、複数の位置の照明を実行することができる。 【0073】また、移動体に対して、特定の位置関係となる位置を照明することも可能である。例えば、移動体の検出された座標位置を(x,y)とするとき、これに対し、X’=x+α、Y’=y+βなる特定の式によって定義される座標位置(X’,Y’)で表される位置を照明することができ、これにより、移動体に対して一定の位置関係を有する位置が照明される。そして、複数の照明装置を用いてその各々を制御して別個の位置を照明することにより、きわめて多様性に富んだ照明を行うことができ、複雑で興趣ある演出効果を実現することができる。以上のように、移動体に対して特定の固定された位置関係にある位置を照明する場合には、当然のこととして照明位置は移動体と共に移動することとなる。更に、移動体を位置の基準として、時間的に位置関係が変化する態様で照明を実行することもできる。この場合に、複数の照明装置の各々による照明位置の移動は、一斉に切り替わる態様、徐々に照明位置が移動する態様、あるいは段階的に移動する態様など、任意の態様で実行することができる。 【0074】本発明において、可動器は可搬型のものとされるのが好ましい。すなわち、可動器には、移動体が保持するために便利なように、バンド、その他の保持部を設けること、あるいは当該可動器を衣装の一部に留めるためのピンまたはクリップなどを設けておくことが好ましい。また、駆動電源としては小型の電池を用いることが好ましい。 【0075】本発明の方法が適用される対象領域は特に限定されるものではなく、移動体が移動し得る領域の全体を対象領域とすることができ、具体的には、例えば建造物における室内、劇場の舞台などの屋内空間、屋上、野外劇場などの屋外空間、あるいは限定された比較的狭い領域を対象領域とすることができる。しかし、あまり広大な領域を測定対象とすることは、基準情報を取得することが実際上困難となる場合がある。このような観点から、本発明においては、例えば最長距離が数十メートル以下であるような領域が対象領域とされる。なお、照明可能領域は、必ずしも対象領域と一致するものとならない。 【0076】以上、本発明について具体的に説明したが、本発明においては、種々の変更を加えることが可能である。例えば、複数の移動体について、並行してそれらの位置座標を測定し、単一の照明装置または複数の照明装置により、それらの位置座標を基準とする照明目標位置を照明することも可能である。この場合には、複数の移動体の各々に保持される可動器を個別に制御し得ることが必要であるが、そのためには、例えば、各可動器が受ける測定用原信号の周波数を異なるものとする手段、各可動器が受ける測定用原信号に時間差を与える手段、その他を利用することができ、特に問題がなければ、中央制御装置、固定器および制御器などを共通に使用することができる。また、以上の説明において、「パルス」は、特にその波形が限定されるものではなく、パルス信号として処理することができるものであればよい。従って、矩形波パルスまたは矩形波成分のみよりなるパルスでなくて、いわゆる三角波、鋸歯状波、台形状波、これらの波形成分の合成波、その他の波形のものであってもよい。 【0077】 【発明の効果】本発明の照明装置の自動制御方法および装置によれば、固定器から発せられる電波による測定用原信号を移動体に保持された可動器において受け、このときの受信強度レベルを、中央制御装置において、予め求めておいた、当該固定器が配置された位置を基準位置とする距離と強度レベルとの関係を内容とする基準情報と対照することにより、当該可動器の固定器からの距離情報を求めることができ、その結果、当該固定器の配置位置を基準位置としてそれより可動器の位置までの距離情報が得られるので、異なる位置に設けられた複数の固定器による距離情報を組合せて演算処理することにより、当該可動器の位置座標、すなわち移動体の位置座標を求めることができ、このようにして得られる位置座標を利用して、当該位置座標を基準とする照明目標位置に向けて照明装置の照明方向を制御することができる。しかも、各種の信号の授受は電波または電気的通信によって行われるので、リアルタイムで移動体の位置を基準とする照明装置の照明方向を自動的に制御することができる。 【0078】そして、基準情報を、1つの固定器に係るシリーズ基準情報の集合体として形成しておくことにより、対照のための演算処理が容易となり、また、1つのシリーズ基準情報に強度レベルが同一の個所が複数存在するときにも、領域を複数の分割区域に分割して、1つの分割区域に複数の同一の強度レベルの個所が2つ以上存在しないようにすることができ、その結果、移動体の位置座標の測定を高い精度で行うことができ、確実に所期の照明装置の照明方向の自動制御を達成することができる。 【0079】また、移動体の対象領域における位置座標を求める測定操作は、通常、繰り返して行われるので、1つのシリーズ基準情報において、同一の強度レベルの個所が存在する複数の候補分割区域のうちから、前回の測定操作によって得られた位置座標が含まれる分割区域またはこれに最も接近した分割区域を対照用分割区域として選定する手法により、あるいは、前回の測定操作によって得られた位置座標についての異なる固定器に係る受信強度レベルの大小関係と同一またはこれに最も近似した関係がある分割区域を対照用分割区域として選定する手法により、きわめて確実に、かつ合理的に目標個所の位置座標を求めることができ、その結果、移動体の位置座標の測定を高い精度で行うことができ、確実に所期の照明装置の照明方向の自動制御を達成することができる。 【0080】本発明の照明装置の自動制御装置において、各固定器からの測定用原信号に係る電波の周波数および出力レベルが実質的に同等のものであることにより、可動器の対応すべき電波の範囲が狭くなり、その結果、可動器の構成を簡単なものとすることができる。 【0081】また、固定器からの測定用原信号が、周波数が150MHz以下の電波によるものである場合には、実際上、反射や混信のおそれが少なく、高い精度で位置座標を測定することが可能となる。更に、各固定器からの測定用原信号がパルス状であり、かつ1つのパルスが、強度レベルが高いハイレベル部分と強度レベルが低いローレベル部分とを有する場合には、環境条件の変化があっても、安定して受信強度レベルの検出を行うことができる。そして、これらの結果、確実に所期の照明装置の照明方向の自動制御を達成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391025512 【氏名又は名称】株式会社ウシオユーテック
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| 【出願日】 |
平成11年3月25日(1999.3.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078754 【弁理士】 【氏名又は名称】大井 正彦
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| 【公開番号】 |
特開2000−276912(P2000−276912A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月6日(2000.10.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−81318 |
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