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【発明の名称】 可変照明器具
【発明者】 【氏名】鶴田 亘

【氏名】大津 勇雄

【氏名】井上 伸

【要約】 【課題】モータの水平回転異常時に簡素な構成で確実に回転止めができ安全性の向上を図る。

【解決手段】水平面照度および鉛直面照度を可変できる構成において、水平方向の回転駆動部12の固定側に引掛金具7を有し、この引掛金具7に係止可能な穴11aを持つ弾性体からなるフック11を水平回転駆動側に有し、通常の水平回転制御を行う検知手段8の有効動作範囲の外側で引掛金具7とフック11が係止して回転駆動部12の回転を強制的に停止させる暴走防止強制拘束機構14を設けた。これにより、検知手段8そのものの故障及び制御回路の暴走等によるモータ1の水平回転異常時でも確実に回転止めができる。このため、強制拘束による他部品への衝撃を吸収でき、また回転駆動部12の固定側のメインシャフト5内を貫通している配線のねじ切り事故の防止が可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可逆反転モータと、この可逆反転モータに連動連結され固定側に対して駆動側が回転する回転駆動部と、この回転駆動部の固定側に対する駆動側の回転位置によって検知手段が作動して前記可逆反転モータを制御する回転制御部とを備え、駆動側に連結された灯具を水平方向および垂直方向に回転させることで、水平面照度および鉛直面照度を可変できる可変照明器具であって、水平方向の前記回転駆動部の固定側と駆動側のいずれか一方に引掛金具を有し、この引掛金具に係止可能な穴を持つ弾性体からなるフックを他方に有し、通常の水平回転制御を行う前記検知手段の有効動作範囲の外側で前記引掛金具と前記フックが係止して前記回転駆動部の回転を強制的に停止させる暴走防止強制拘束機構を設けたことを特徴とする可変照明器具。
【請求項2】 強制拘束機構の作動時に回転制御部の制御回路が正常であればモータ拘束電流を検知し、電気的にモータ回転を停止させる機能を有する請求項1記載の可変照明器具。
【請求項3】 回転制御部による水平回転制御方式が時間制御またはエンコーダ制御とした請求項1記載の可変照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、体育館やスポーツ施設等に用いる可変照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、体育館等で光の照射方向を可変として様々なスポーツ等の用途別に最適照明設計を可能とした可変照明器具がある。図6は可変照明器具の側面図、図7はその正面図である。図6および図7において、20は昇降ブロック、21は制御ブロック、22は水平・垂直駆動ブロック、23はセード、24はリンク機構、25ランプ、26はルーバである。セード23を水平回転、垂直回転させる水平・垂直駆動ブロック22をセード23の上部にセード23と固定させて備え、水平・垂直駆動ブロック22内の可逆回転モータ1およびウォームギア3により水平回転またはリンク機構24を介して垂直回転可能にしている。水平回転は、水平・垂直駆動ブロック22を含む灯具部分が回転する。また、最上部に昇降ブロック20を設けることで、床上のメンテナンスを可能としている。
【0003】上記構成の可変照明器具では可逆回転モータ1の水平回転異常時の安全装置を設けている。従来は、水平回転と同期した歯車の溝へ剛体の金具を当てることにより回転止めとしたり、あるいは半導体や光センサ部品を使用し、電気信号として検知して回転制御を停止させていた。また、マイクロスイッチによる検知等で回転止め機構としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術においては、上記のように剛体の金具を使用して回転止めを行うと構造が複雑となり、部品点数も増えスペースも必要となる。また、センサやマイクロスイッチによる検知手段ではセンサやマイクロスイッチそのものの故障及び制御回路の暴走などで回転止めが有効に機能しない。このため、可逆回転モータ1およびウォームギア3により相対的に水平回転するメインシャフト内を貫通している配線のねじ切り事故が発生するという問題がある。
【0005】したがって、この発明の目的は、モータの水平回転異常時に簡素な構成で確実に回転止めができ安全性の向上を図ることができる可変照明器具を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためにこの発明の請求項1記載の可変照明器具は、可逆反転モータと、この可逆反転モータに連動連結され固定側に対して駆動側が回転する回転駆動部と、この回転駆動部の固定側に対する駆動側の回転位置によって検知手段が作動して前記可逆反転モータを制御する回転制御部とを備え、駆動側に連結された灯具を水平方向および垂直方向に回転させることで、水平面照度および鉛直面照度を可変できる可変照明器具であって、水平方向の前記回転駆動部の固定側と駆動側のいずれか一方に引掛金具を有し、この引掛金具に係止可能な穴を持つ弾性体からなるフックを他方に有し、通常の水平回転制御を行う前記検知手段の有効動作範囲の外側で前記引掛金具と前記フックが係止して前記回転駆動部の回転を強制的に停止させる暴走防止強制拘束機構を設けたことを特徴とする。
【0007】このように、水平方向の前記回転駆動部の固定側と駆動側のいずれか一方に引掛金具を有し、この引掛金具に係止可能な穴を持つ弾性体からなるフックを他方に有し、通常の水平回転制御を行う検知手段の有効動作範囲の外側で引掛金具とフックが係止して回転駆動部の回転を強制的に停止させる暴走防止強制拘束機構を設けたので、検知手段そのものの故障及び制御回路の暴走等によるモータの水平回転異常時でも確実に回転止めができる。このため、強制拘束による他部品への衝撃を吸収でき、また回転駆動部の固定側のメインシャフト内を貫通している配線のねじ切り事故の防止が可能となる。また、弾性体からなるフックを採用することで、取付スペースが小さくなり構造を簡素化できる。
【0008】請求項2記載の可変照明器具は、請求項1において、強制拘束機構の作動時に回転制御部の制御回路が正常であればモータ拘束電流を検知し、電気的にモータ回転を停止させる機能を有する。このように、強制拘束機構の作動時に回転制御部の制御回路が正常であればモータ拘束電流を検知し、電気的にモータ回転を停止させる機能を有するので、暴走防止強制拘束機構により回転止めがされた状態でモータの駆動力が回転駆動部やメインシャフト等に加わったままとなって影響を及ぼすことを防止できる。
【0009】請求項3記載の可変照明器具は、請求項1において、回転制御部による水平回転制御方式が時間制御またはエンコーダ制御とした。このように、回転制御部による水平回転制御方式が時間制御またはエンコーダ制御とした照明器具において、強制拘束機構が作動するので、制御回路を変更することなく回転止めができる。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態の可変照明器具を図1ないし図5に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態の可変照明器具の要部斜視図、図2はこの発明の実施の形態の可変照明器具で通常の水平回転制御動作を示す平面図、図3はこの発明の実施の形態の可変照明器具で異常時の強制拘束機構の動作を示す平面図、図4はこの発明の実施の形態における通常水平回転検知の動作説明図、図5(a)はこの発明の実施の形態における強制拘束機構の動作前の説明図、(b)はその動作後の説明図である。
【0011】この可変照明器具は、水平垂直用の可逆反転モータとその回転駆動部および回転制御部とが設置され、セード及びランプを備えた灯具を水平方向および垂直方向に回転させることで、水平面照度および鉛直面照度を可変できる。図1〜図3は水平回転機構を示し、1は水平回転用の可逆反転モータ、2は出力軸、3はウォームギア、4はウォームホイール、5はメインシャフト、6はマイクロスイッチ検知金具、7は引掛金具、8はマイクロスイッチ(検知手段)、9はマイクロスイッチ作動ばね、10はマイクロスイッチ取付板、11はフック、12は回転駆動部、13は回転制御部、14は暴走防止強制拘束機構である。可逆反転モータ1とウォームギア3は図7と同様に設置される。図2および図3に示すように、回転駆動部12は可逆反転モータ1に連動連結され固定側に対して回転駆動する。この場合、ウォームホイール4を設けたメインシャフト5が固定側で、出力軸2に連結されたウォームギア3が駆動側である。回転制御部13は、固定側のメインシャフト5に対する駆動側の回転位置によってマイクロスイッチ8が作動して可逆反転モータ1を制御する。この場合、図1に示すように、マイクロスイッチ取付板10の上面にマイクロスイッチ8およびマイクロスイッチ作動ばね9が取付けられ、これに係止するスイッチ検知金具6がメインシャフト5に固定してある。
【0012】また、回転駆動部12の固定側に引掛金具7を有し、この引掛金具7に係止可能な穴11aを持つ弾性体からなるフック11を水平回転駆動側に有し、通常の水平回転制御を行うマイクロスイッチ8の有効動作範囲の外側で引掛金具7とフック11が係止して回転駆動部12の回転を強制的に停止させる暴走防止強制拘束機構14を設けた。この場合、引掛金具7は平面形状が略T字形で、メインシャフト5のスイッチ検知金具6の下側に固定してある。また、フック11はマイクロスイッチ取付板10の下面でマイクロスイッチ作動ばね9と対応する位置に取付けてある。これにより、回転駆動部12の駆動側の回転を強制的に停止させることができる。また、強制拘束機構14の作動時に回転制御部13の制御回路が正常であればモータ拘束電流を検知し、電気的にモータ回転を停止させる機能を設けてもよい。
【0013】上記構成の可変照明器具では、可逆反転モータ1の出力軸2より、ウォームギア3を介してウォームホイール4に力が伝達される。メインシャフト5に固定されたマイクロスイッチ検知金具6、引掛金具7およびウォームホイール4は不動のため、マイクロスイッチ8、マイクロスイッチ作動ばね9およびマイクロスイッチ取付板10が水平方向に回転する。
【0014】通常水平回転動作時は、図2および図4に示すように、原点用マイクロスイッチ8aおよび終端用マイクロスイッチ8bをマイクロスイッチ作動ばね9によりマイクロスイッチ検知金具6が所定の角度位置に到達したときに動作する。実線は検知前、破線は検知後を示し、同図においてフックおよび引掛金具は省略している。また、回転制御は原点からの時間制御またはエンコーダ制御にて行う。
【0015】マイクロスイッチ8の故障時あるいは回路制御部13の制御回路の暴走等の異常時には、図3および図5に示すように、メインシャフト5に固定された引掛金具7に、フック11が引っ掛かり、可逆反転モータ1を強制的に拘束させて水平回転を停止させる(図3(b))。また、引掛金具7を略T字形としたことにより、フック11の穴11aを利用して右回転および左回転のいずれの方向の回転でも停止できる。さらに、フック11は弾性体であり、引掛金具7が引っ掛かった状態から徐々にフック11が弾性変形し、通常のマイクロスイッチ8による制御の外側の位置で、フック11が引掛金具7により引張状態となり、可逆反転モータ1の回転を拘束させる。なお、同図においてマイクロスイッチ作動ばねおよびマイクロスイッチ検知金具は省略している。また、図5において回転方向はメインシャフト5がマイクロスイッチ取付板10に対して相対的に回転することを示している。
【0016】以上のようにこの実施の形態によれば、強制拘束機構14を設けたのでマイクロスイッチ8のそのものの故障及び制御回路の暴走等によるモータ1の水平回転異常時でも確実に回転止めができる。このため、強制拘束による他部品への衝撃を吸収でき、また回転駆動部12の固定側のメインシャフト5内を貫通している配線のねじ切り事故の防止が可能となる。また、フック11を採用することで、取付スペースが小さくなり構造を簡素化できる。
【0017】なお、回転駆動部12のメインシャフト5を駆動側にしてこれに灯具を連結する構成にしてもよい。また、回転駆動部12の固定側と駆動側のいずれか一方に引掛金具7を有し、他方にフック11を有する構成であればよい。また、検知手段としてセンサ等を用いてもよい。
【0018】
【発明の効果】この発明の請求項1記載の可変照明器具によれば、水平方向の回転駆動部の固定側と駆動側のいずれか一方に引掛金具を有し、この引掛金具に係止可能な穴を持つ弾性体からなるフックを他方に有し、通常の水平回転制御を行うマイクロスイッチの有効動作範囲の外側で引掛金具とフックが係止して回転駆動部の回転を強制的に停止させる暴走防止強制拘束機構を設けたので、マイクロスイッチそのものの故障及び制御回路の暴走等によるモータの水平回転異常時でも確実に回転止めができる。このため、強制拘束による他部品への衝撃を吸収でき、また回転駆動部の固定側のメインシャフト内を貫通している配線のねじ切り事故の防止が可能となる。また、弾性体からなるフックを採用することで、取付スペースが小さくなり構造を簡素化できる。
【0019】請求項2では、強制拘束機構の作動時に回転制御部の制御回路が正常であればモータ拘束電流を検知し、電気的にモータ回転を停止させる機能を有するので、暴走防止強制拘束機構により回転止めがされた状態でモータの駆動力が回転駆動部やメインシャフト等に加わったままとなって影響を及ぼすことを防止できる。
【0020】請求項3では、回転制御部による水平回転制御方式が時間制御またはエンコーダ制御とした照明器具において、強制拘束機構が作動するので、制御回路を変更することなく回転止めができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【識別番号】392000567
【氏名又は名称】朝日ナショナル照明株式会社
【出願日】 平成11年3月24日(1999.3.24)
【代理人】 【識別番号】100076174
【弁理士】
【氏名又は名称】宮井 暎夫
【公開番号】 特開2000−276911(P2000−276911A)
【公開日】 平成12年10月6日(2000.10.6)
【出願番号】 特願平11−79134