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【発明の名称】 照明装置及び照明方法
【発明者】 【氏名】堂向 徹

【要約】 【課題】小型かつ簡素な構成でスペックルの低減を可能にする照明装置及び照明方法を提供する。

【解決手段】本照明装置20は、コヒーレント光を出射するコヒーレント光源として半導体レーザー11と、並置された複数個の要素レンズ22を有し、コヒーレント光源から出射したコヒーレント光をほぼ要素レンズの数に相当する複数個の光束に分割するレンズアレイ13と、焦点位置でほぼ同一の被照射領域16を照明するように、複数個の光束を集光する集光レンズ14、15とを備える。これにより、被照射領域でスペックルを低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光軸上に配置されたコヒーレント光を出射するコヒーレント光源と、光軸に対して交差する面上に並置された複数個の要素レンズを有し、コヒーレント光源から出射したコヒーレント光を要素レンズの数にほぼ等しい複数個の光束に分割するレンズアレイと、光軸に対して交差する面に沿って配置され、焦点位置でほぼ同一の被照射領域を照明するように、分割された複数個の光束を集光する集光レンズとを備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】 前記コヒーレンス光源からの出射光のコヒーレンス度を距離の関数として表し、コヒーレンス度が、距離0でのコヒーレンス度の値に対して最初に1/2になるまでの距離をLc としたとき、前記レンズアレイが、開口数NAを有し、間隔dで配列された複数個の要素レンズで構成され、かつdNA>Lcの関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】 前記コヒーレント光源が、相互に異なる複数の発振波長のレーザ光を出射するレーザーで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】 前記コヒーレント光源が、相互に独立した複数個のレーザーから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】 画像表示装置、計測装置、顕微鏡、あるいは露光装置の照明光用の照明装置であることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】 光軸上に配置されたコヒーレント光源からコヒーレント光を出射させ、光軸に対して交差する面上に複数個の要素レンズを並置してなるレンズアレイに、コヒーレント光源から出射したコヒーレント光を通過させて要素レンズの数にほぼ等しい複数の光束に分割し、次いで、分割された複数個の光束を集光レンズによって集光し、集光レンズの焦点位置に位置するほぼ同一の被照射領域に照明することを特徴とする照明方法。
【請求項7】 前記コヒーレンス光源からの出射光のコヒーレンス度を距離の関数として表し、コヒーレンス度が、距離0でのコヒーレンス度の値に対して最初に1/2になるまでの距離をLc としたとき、前記レンズアレイが、開口数NAを有し、間隔dで配列された複数個の要素レンズで構成され、かつdNA>Lcの関係を満たすことを特徴とする請求項6に記載の照明方法。
【請求項8】 前記コヒーレント光源として、相互に異なる複数の発振波長のレーザ光を出射するレーザーを使用することを特徴とする請求項6に記載の照明方法。
【請求項9】 前記コヒーレント光源として、相互に独立した複数個のレーザーを使用することを特徴とする請求項6に照明方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明装置及び照明方法に関し、さらに詳しくは、コヒーレント光源から出射されるコヒーレント光の空間コヒーレンスあるいはスペックルノイズを低減する照明装置及び照明方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像表示装置の一形態として、液晶パネルを照明してその反射光、あるいは透過光をスクリーンに映し出す光学式のプロジェクターがある。光学式プロジェクターでは、通常、メタルハライド、ハロゲン、あるいはキセノンといったランプが光源として用いられている。
【0003】しかし、このランプ光源には、次のような幾つかの難点があり、その利用価値を妨げるものとなっている。第一に、ランプの寿命が短く、例えば寿命の長いメタルハライドランプの場合でも、数千時間程度である。このため、着脱式のカートリッジに納めて交換可能とするなどの構成上の工夫を施さなければならない。さらに、通常は、ランプから放射された白色光からの光の三原色を分離して色を構成するため、そのための光学系が大きな体積を占め、光学式プロジェクターの全体の体積が大きくなるという難点もあり、また、色再現領域も制限され、光利用効率も低下する。
【0004】これらの、問題点を解決するために、発光ダイオード、あるいは半導体レーザーといった光半導体素子を光源に用いる試みもなされている。例えば、発光ダイオードは、寿命が一般的には一万時間以上と優れている。しかしながら、一般に、発光ダイオードは、光の有効な取り出し効率あるいは利用効率が低く、それらを向上させることが技術的に難しく、容易ではない。
【0005】この点で、半導体レーザーは、優れた指向性により、放射光を効率よく利用することができる。また、半導体レーザーは、実用的光源として十分に長寿命であり、通常、エネルギー利用効率も発光ダイオードより大きい。さらに、半導体レーザーは、その単色性により、色再現領域を大きく取ることができる。しかし、上述の光学式プロジェクター等の光源として半導体レーザーを利用する場合には、次に述べるようなスペックルノイズという問題があった。
【0006】一般に、半導体レーザ等のレーザ光源を光源として、例えば画像表示装置の照明に用いたとき、像面、例えば観察者の網膜上では、物体面、例えばスクリーンの各点、各領域からの寄与が集合されて像を形成すると考えることができる。この際、物体表面には、波長程度以上の凹凸があるのが自然であるから、像面では、複雑な位相関係の光束が重なり合っており、それらの光束が互いに可干渉であれば、干渉の結果、複雑な明暗のパターンを生じる。スペックルノイズとは、粗い表面や不均質な媒質をレーザ光のような干渉性のつよい光で照射してその散乱光を観測するとき、光の強度分布がランダムになり、表面や媒質が粒状の外見を呈する現象であり、表示装置であれば、著しく表示画像の画質を損なう原因となる。半導体レーザーの場合も、一般的にスペックルノイズを生じさせるのに十分な可干渉性を有しており、問題になる。
【0007】スペックルノイズは、半導体レーザーに限らず高いコヒーレンスを有するレーザー光源に共通の問題であり、従来より解決の試みが種々行われてきた。その代表的な方法の一つは、回転拡散板を用いる方法である。これは、照明光源から被照明面の間に擦りガラスのようなランダムな凹凸面を有する拡散板を挿入し、それを回転させることにより、像面に生じるスペックルパターンを時間的に変動させ、受光系の応答速度内での積分効果によりパターンを平均化する方法である。例えば、人間の目の場合、その応答速度は30msec程度といわれており、その時間内にパターンが幾重にも変動するような十分な速度で拡散板を回転させることにより、人間の目にとってスペックルパターンをほとんど認識できなくすることができる。
【0008】しかしながら、回転拡散板は、本来、光を発散させる作用を持つから、光学系に挿入した場合、入射光の損失が生じることになる。また、モーターで回転させる回転拡散板は、嵩が大きい上に、エネルギーを消費し、駆動音を生じるなど、民生用の画像表示装置に適用するのは、余り好ましくない。
【0009】スペックルノイズを低減させる別の従来の方法は、ある程度のコヒーレンス長を有するコヒーレント光を複数の光束に分割し、互いにコヒーレンス長程度以上の光路差を与えた後、再び合流あるいは配列させる方法である。この低減方法は、各々の光束間で非干渉となるので、分割される光束数が多いほど、合流あるいは配列されたコヒーレント光の空間的なコヒーレンス度を低減することができる。
【0010】この方法の具体的な既知の事例としては、ファイバーバンドルが知られている。この方法では、複数のファイバーを束ね、各ファイバーの長さに、入射する光源のコヒーレンス長より長い光路差を与えておく。ファイバー束の両端を揃えておき、一端より光を入射すると、他端ではそれぞれのファイバーからの出射光は、互いに非干渉となり、全体としての空間コヒーレンスは低減する。従って、これを照明等の光源として用いた場合は、被照射面のスペックルノイズを低減させることができる。
【0011】しかし、ファイバーバンドルを用いる方法には以下のような問題点がある。例えば、51本の光ファイバーを束ねて、各々の長さの差を1cmとした場合には、最短の光ファイバーと最長の光ファイバーとの長さの差は50cmとなる。そして、その両端を揃えて、例えば画像表示装置内に納めるには、大きな容積が必要であり、画像表示装置の小型化を図る上での阻害要因となる。また、ファイバーバンドルの入射端の開口率は1以下であるため、入射するコヒーレント光をファイバーバンドルに結合する際に損失が生じる。さらに、出射端では、光が光束として各ファイバーから出射される、即ち、出射光は一定の面積を有する出射口の各点から発散する光束として構成されることになり、後段の光学系で光損失を生じる原因ともなる。さらに、ファイバーバンドルのような装置を大量に生産するのは、基本的には、経済的に困難であり、これも、また、民生用の画像表示装置の照明には不向きである。
【0012】ところで、シングルモードのパワースペクトラムを有するコヒーレント光光源から出射されるコヒーレント光のコヒーレンス長は、一般的に、十分長いので、いかなる光路長差を生起する手段を用いたとしても、空間コヒーレンスを低減するのには限界がある。例えば、光源としてシングルモードの半導体レーザーを用いる場合、その典型的なスペクトラム幅は100MHzであり、従ってコヒーレンス長は3m程度となる。このように長い光路差を多段に生起した光学系は、相当の体積になり、嵩張るので、民生用の画像表示装置に用いる上での大きな阻害要因である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、小型でかつ簡素な構成で、スペックルノイズの低減を可能にする照明装置及び照明方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置は、光軸上に配置されたコヒーレント光を出射するコヒーレント光源と、光軸に対して交差する面上に並置された複数個の要素レンズを有し、コヒーレント光源から出射したコヒーレント光を要素レンズの数にほぼ等しい複数個の光束に分割するレンズアレイと、光軸に対して交差する面に沿って配置され、焦点位置でほぼ同一の被照射領域を照明するように、分割された複数個の光束を集光する集光レンズとを備えることを特徴としている。
【0015】本発明で使用するコヒーレント光源は、コヒーレント光を出射するかぎり、その種類は問わず、例えば半導体レーザ、固体レーザ、気体レーザ等のレーザを好適に使用することができる。
【0016】好適には、前記コヒーレンス光源からの出射光のコヒーレンス度を距離の関数として表し、コヒーレンス度が、距離0でのコヒーレンス度の値に対して最初に1/2になるまでの距離をLc としたとき、前記レンズアレイが、開口数NAを有し、間隔dで配列された複数個の要素レンズで構成され、かつdNA>Lcの関係を満たすようにする。これにより、一層、被照射面のスペックルノイズを低減することができる。
【0017】本発明の好適な実施態様では、コヒーレント光源が、相互に異なる複数の発振波長のレーザ光を出射するレーザーで構成されている。更に、好適には、前記コヒーレント光源が、相互に独立した複数個のレーザーから構成されている。本発明に係る照明装置は、照明用の光を必要としているものには制約なく適用でき、好適には、例えば画像表示装置、計測装置、顕微鏡、あるいは露光装置の照明光用の照明装置である。
【0018】上記目的を達成する、本発明に係る照明方法は、光軸上に配置されたコヒーレント光源からコヒーレント光を出射させ、光軸に対して交差する面上に複数個の要素レンズを並置してなるレンズアレイに、コヒーレント光源から出射したコヒーレント光を通過させて要素レンズの数にほぼ等しい複数の光束に分割し、次いで、分割された複数個の光束を集光レンズによって集光し、集光レンズの焦点位置に位置するほぼ同一の被照射領域に照明することを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
照明装置の実施形態例1本実施形態例は、本発明に係る照明装置の実施形態の一例であって、図1は本実施形態例の照明装置の構成を示す模式図、図2は半導体レーザから出射されたコヒーレント光のスペクトラムを示す図、及び、図3は半導体レーザから出射されたコヒーレント光のコヒーレンス度を示すグラフである。本実施形態例の照明装置20は、図1に示すように、光軸19上に、順次、配置され、コヒーレント光源として設けられた半導体レーザー光源11と、半導体レーザー光源11から出射されてコヒーレント光を平行光線化するコリメート・レンズ12と、レンズ・アレイ13と、組み合わせ集光レンズ14、15とを備え、光軸19に直交する被照射面16に光を照射する装置である。
【0020】コヒーレント光源として設けられた半導体レーザー11は、図2にそのスペクトラムを示すように、一定間隔の複数の周波数で発振する、いわゆる縦マルチモードの半導体レーザーである。半導体レーザー11からの出射光のコヒーレンス度は、パワースペクトラムのフーリエ変換より求められ、一般的に、図3に示すように、周期的な極大を有する。距離を単位としてコヒーレンス度を表し、第一の極大波形の半値幅、すなわち、コヒーレンス度が、距離0でのコヒーレンス度の値に対して、最初に1/2になるまでの距離をLc と表す。従って、第1の極大波形の半値全幅は、2Lcとなる。コリメートレンズ12は、光軸19の直交面に沿って配置され、半導体レーザー光源11から発した光束を平行光線にして、後段に配置されたレンズアレイ13に導波する。
【0021】レンズアレイ13は、等しい開口数NA=Sinθを有する複数個のエレメントレンズ22を周期dで並置させてなるレンズアレイである。レンズアレイ13の後段には、レンズ14及びレンズ15が、それぞれ、光軸19に直交して、配置されている。レンズ14及びレンズ15を組み合わせ集光レンズとして機能し、レンズ後側の焦点位置に配置された被照射面16に集光する。
【0022】レンズアレイ13によりレンズ22の数に等しい数で分割された光束は、集光レンズ14、15により被照射面16上の同一の領域を照射するように重なることになる。逆に言えば、被照射面16上の一点に至る光束は、レンズアレイ13の各エレメントレンズ22を透過した光束の重ね合わせで構成される。また、この被照射面13上の一点に至る光束は、各エレメントレンズ22の透過光の同一の角度スペクトラム成分を有するものとなるが、このことは、被照射面16がレンズ14及びレンズ15の後側焦点面、即ちフーリエ変換面であることより明らかである。
【0023】ここで、被照射領域の端点17に至る光束の内、レンズアレイ13内の一つのエレメントレンズ22aとそれと隣接するエレメントレンズ22bを透過した光束に注目すると、この2光束間にはdNAの光路長差が生じている。従って、この光路長差をLc より大とすると、被照射面上の端点17に至る光束は、互いにインコヒーレントすることができ、スペックルノイズを低減させることができる。
【0024】被照射領域内のさらに光軸19に近い点についても、同様の考えに基づき、各エレメントレンズ22からの光路長差がLc より大であれば、スペックルノイズを低減することができる。従って、エレメントレンズの開口数NAは、できるだけ大であることが望ましい。
【0025】但し、少なくとも光軸19上の点18に至る光束間には、光路長差は生じてないが、被照射領域の光軸付近の限られた部分にスペックルノイズが生じるとしても、被照射領域全体として、スペックルノイズのコントラストを低減させることができる。また、その場合にも、他のスペックルノイズを低減する照明方法と組み合わせて、さらに効果的にスペックルノイズの低減を図ることができる。さらに、以下の実施形態例2として示すように、コヒーレント光源を相互に独立した複数のレーザーから構成することによっても、より効果的にスペックルノイズを低減させることができる。
【0026】例えば画像表示装置の照明光源として、本実施形態例の照明装置20を用いることにより、スペックルノイズを低減させ、画像の品質を向上させることができる。
【0027】照明装置の実施形態例2本実施形態例は、本発明に係る照明装置の実施形態の別の例であって、図4は本実施形態例の照明装置の構成を示す模式図である。本実施形態例の照明装置50は、光軸49上に、順次、配置された、相互に独立した複数個(図4では3個図示)の半導体レーザー光源41からなるコヒーレント光源40と、コヒーレント光源からの出射光をコリメートする第1のレンズアレイ42と、第2のレンズアレイ43と、レンズ44及びレンズ45の組み合わせ集光レンズを構成要素とし、光軸49に直交する被照射面46に光を照射する装置である。第2のレンズアレイ43は、実施形態例1のレンズアレイ13と同じ構成を備え、同じ作用を有する。また、レンズ44とレンズ45は、実施形態例1のレンズ14とレンズ15とそれぞれ基本的に同じ構成で同じ作用を有する。
【0028】コヒーレント光源40は、複数個の半導体レーザー光源41から成り、各半導体レーザー41は、図2に示したように、複数の波長で発振する。各半導体レーザー41から出射された光束は、それぞれ、コヒーレント光源40を構成する半導体レーザー41の数とほぼ同数のエレメントレンズ52から成る第1のレンズアレイ42に入射し、それぞれ、コリメートされる。光束は、さらに第2のレンズアレイ43に至るが、第2のレンズアレイ43を構成するエレメントレンズ52の数は、半導体レーザー光源41の数よりも多い。よって、第2のレンズアレイ43では、一つの半導体レーザー光源の出射光は、複数個のエレメントレンズ52を透過して被照射面46に至る。第2のレンズアレイ43を通って被照射面46に至る過程は、実施形態例1と同様である。
【0029】以上の構成により、実施形態例2では、実施形態例1と同様に、半導体レーザー41から出射され、第2のレンズアレイ43の異なるエレメントレンズ52を透過した光束は、互いにインコヒーレント化する。これにより、被照射面16でのスペックルノイズを低減することができる。
【0030】さらに、本実施形態例では、被照射面46の光軸49上の点48に至る光束は、互いにインコヒーレントであるから、被照射面46全体にわたってスペックルノイズを低減することができる。即ち、コヒーレント光源を構成するレーザー光源がN個であったとすると、光軸上のスペックルノイズコントラストは、1/(N)0.5 となる。さらに、光軸49からそれた点では、dNA>Lc が満たされれば、実施形態例1で説明したように、さらにスペックルノイズが低減される。
【0031】なお、図4では、その基本的な作用を説明するために、略線的に第1のレンズアレイ42及び第2のレンズアレイ43を構成する要素レンズの数をそれぞれ3、7としたが、これに限らないのは言うまでもない。一般的には、半導体レーザー、第1及び第2のレンズアレイは、各々を構成するエレメントレンズが2次元的に配列される。その場合も、上記に示したのと同様の効果に従いスペックルノイズを低減させることができる。また、一般的にコヒーレント光源を構成する半導体レーザーの数は多数であるほど、スペックルノイズの低減化には有利である。
【0032】また、実施形態例1では、レンズアレイ13の後段の集光レンズとして、レンズ14、15の2枚の組み合わせレンズを用い、また、実施形態例2でも、第2のレンズアレイ43の後段の集光レンズとして、レンズ44、45の2枚の組み合わせレンズを用いているが、これに限られるわけではなく、集光できる限り、単一のレンズでも、3枚以上の組み合わせレンズでも良い。また、レンズアレイ13及び43を構成する要素レンズは、一定間隔で周期的に配置されている必要は、必ずしもない。
【0033】また、実施形態例1及び実施形態例2では、複数の周波数で発振するマルチモードの半導体レーザーを光源の例として示したが、マルチモード半導体レーザーは、本来、複数の発振波長で発振するものでも良い、また、単一波長で発振する半導体レーザーの注入電流に高周波信号を重畳させることによって、複数の波長の光を得ることもできる。このようなマルチモードの半導体レーザーは、一般的にLc が小さく、上記に示したスペックルノイズ低減の効果を得るための構成が比較的容易である。しかし、コヒーレント光源としてはマルチモードの半導体レーザーに限られるものではなく、同様の原理を用いれば、有限のコヒーレンス長を有するレーザー一般に適用できることは言うまでもない。
【0034】照明方法の実施形態例本発明に係る照明方法は、実施形態例1又は実施形態例2の照明装置を使用することにより容易に実施することができる。例えば、実施形態例1の照明装置20を使用することにより、半導体レーザで構成されたコヒーレント光源11からコヒーレント光を出射させ、出射したコヒーレント光に、複数個の要素レンズ22が並置されたレンズアレイ13を通過させて要素レンズの数に等しい複数の光束に分割する。次いで、分割された複数個の光束を集光レンズ14、15によって集光し、集光レンズ14、15の焦点位置に位置するほぼ同一の被照射領域16に照明する。これにより、被照射面16のスペックルノイズを低減することができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、コヒーレント光を出射するコヒーレント光源と、並置された複数個の要素レンズを有し、コヒーレント光源から出射したコヒーレント光をほぼ要素レンズの数に等しい複数個の光束に分割するレンズアレイと、焦点位置でほぼ同一の被照射領域を照明するように、複数個の光束を集光する集光レンズとを備えることにより、被照射面のスペックルノイズを低減する照明装置を実現している。更に、詳細に説明すると、(1)コヒーレント光源からの光束が、相互に異なる光路と光路長をもって被照射面上の一点に至り、かつそれらがインコヒーレントに重なるため、被照射面のスペックルノイズを低減できる。
(2)コヒーレント光源を複数の波長で発振するマルチモードレーザーとすれば、生起させるべき光路差が比較的小さいので、同一の開口数のエレメントレンズから成るレンズアレイを用いたとしても、被照射領域上のより広い区域でスペックルノイズの低減を図ることができる。
(3)コヒーレント光源を複数のレーザーから構成すると、被照射領域前面においてさらに効果的にスペックルノイズを低減させることができる。
(4)さらに、本発明よる照明装置を用いて、画像表示装置あるいは露光装置を構成すれば、スペックルノイズの低減された高品位な画像あるいは露光を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成11年3月18日(1999.3.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−268603(P2000−268603A)
【公開日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【出願番号】 特願平11−74329