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【発明の名称】 車両のための前照灯装置
【発明者】 【氏名】キルステン レツィンスキー

【氏名】エルヴィン ヴィットマイヤー

【氏名】ハインツ グリム

【要約】 【課題】車両のための前照灯装置1であって、ビームを発するための光源2と、光源によって放射されたビームの少なくとも一部を光放射方向で車両の手前の領域に反射させるための反射鏡3とを有している形式のものを改良して、ロービーム機能及び/又はハイビーム機能と並んで霧燈機能も満たすことができるようなものを提供する。

【解決手段】前照灯装置1が拡散レンズ10を有していて、該拡散レンズ10が反射鏡3によって反射されたビームの放射路内にもたらされるようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両のための前照灯装置(1)であって、ビームを放射するための光源(2)と、光源によって放射されたビームの少なくとも一部を光放射方向で車両の手前の領域に反射させるための反射鏡(3)とを有している形式のものにおいて、前照灯装置(1)が拡散部材(10)を有していて、該拡散部材(10)が反射鏡(3)によって反射されたビームの放射路内にもたらされるようになっていることを特徴とする、車両のための前照灯装置。
【請求項2】 前照灯装置(1)の少なくとも反射鏡(3)と光源(2)とは、反射鏡(3)によって反射されたビームがプリズム(9)及びこのプリズム(9)の後ろに配置された拡散部材(10)にぶつかるように、第1の旋回軸線(8)を中心にして旋回可能である、請求項1記載の前照灯装置。
【請求項3】 第1の旋回軸線(8)が、光放射方向に対して垂直でしかもほぼ水平方向に延びている、請求項2記載の前照灯装置。
【請求項4】 プリズム(9)と拡散部材(10)とが、光源(2)及び反射鏡(3)の下側に配置されている、請求項2又は3記載の前照灯装置。
【請求項5】 プリズム(9)が、第2の旋回軸線(11)を中心にして旋回可能である、請求項2から4までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項6】 第2の旋回軸線(11)が、ほぼ水平でしかも光放射方向に対して垂直に延びている、請求項2から5までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項7】 前照灯装置(1)の少なくとも反射鏡(3)と光源(2)とが、第1の旋回軸線(8)を中心にして下方に旋回可能であって、拡散部材(10)が、反射鏡(3)によって反射されたビームの放射路内に旋回可能に構成されている、請求項1記載の前照灯装置。
【請求項8】 拡散部材(10)が拡散レンズとして構成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項9】 拡散部材(10)が、反射鏡(3)によって反射されたビームの側方拡散を高めるように働く、請求項1から8までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項10】 反射鏡(3)によって拡散部材(10)を通って車両の手前の領域に反射されるビームの前記側方拡散が+/−80゜である、請求項9記載の前照灯装置。
【請求項11】 前照灯装置(1)が、ロービームのための位置とハイビームのための位置との間で調節可能な、車両の手前の領域で明暗境界を生ぜしめるためのシェード(4)を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項12】 シェード(4)が少なくとも部分的に、反射鏡によって反射せしめられるビームの放射路から退出するように旋回可能である、請求項11記載の前照灯装置。
【請求項13】 前照灯装置(1)がレンズ装置(5)を有していて、該レンズ装置(5)が、反射鏡(3)によって反射されたビームを車両の手前の領域に集束させる、請求項1から12までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項14】 反射鏡(3)が、多楕円面形状に形成されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項15】 前照灯装置(1)が、ヘッドライトレンジを調節するための手段(13,14)を有している、請求項1から14までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項16】 光源(2)がガス放電ランプとして構成されている、請求項1から15までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項17】 光源(2)がキセノンランプとして構成されている、請求項16記載の前照灯装置。
【請求項18】 拡散部材(10)が反射鏡(3)によって反射されたビームの放射路内にもたらされた時に、光源(2)の光束が減少される、請求項1から17までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両特に自動車のための前照灯装置であって、ビームを発するための光源と、光源によって放射されたビームの少なくとも一部を光放射方向で車両の手前の領域に反射させるための反射鏡とを有している形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】このような形式の前照灯装置は、種々異なるものが従来技術により公知である。前照灯装置がスイッチオンされた時に、光源はビーム(光線)を放射する。ビームの少なくとも一部が反射鏡にぶつかって、この反射鏡によって、車両の手前の領域の投光方向に変向せしめられる。車両の手前の領域における光の分布は、種々異なる手段によってほぼ任意に変えることができる。この手段は、例えば反射鏡を種々異なる形状(例えば楕円面形状;elllipsoid、放物線面状;paraboloid又は多重楕円面形状;poly-ellipsoid)に形成すること、及びビームの放射路内にシェードを設けることを含んでおり、このビームの放射路内にシェードを設ける作業には、絞り形状の種々異なる構成、特に車両の手前の領域で任意の明暗境界を生ぜしめるための構成が含まれる。その他の手段としては、ビームの放射路内にレンズをもたらし、このレンズによってビームを集束させて、車両の手前の領域に変向させることができる。このような手段は、ロービーム又はハイビームにおける光の分布に影響を与えるために、従来技術に従って設けられる。さらに霧燈における光の分布に影響を与えるために、ビームの放射路内に拡散部材、一般的には拡散ガラスを設けることが公知である。
【0003】また、所定の光源を選択することによって、前照灯装置の光束及びひいては車両の手前の領域における輝度にも影響を及ぼすことができる。光源としてガス放電ランプ特にキセノンランプを使用することによって、光束は従来のハロゲンランプに対して約2倍乃至3倍だけ高められる。
【0004】公知の前照灯装置は、光の分布を変化させるための具体的な構成つまり使用された構成に従って、所定の照明機能特にロービーム、ハイビーム又は霧燈を満たすことができる。このそれぞれの照明機能は、一部が法律的に規定されている所定の特性を有している。従って例えばロービームのためには、光放射方向が約1%だけ下方に傾けられる、つまり10m離れたスクリーン上において最大集中部が、光学的ゼロ位置(HV)から約10センチメートルだけ下方にずらされるように、特徴付けられている。1パーセントの相対的な傾斜は、約0.57゜の絶対傾斜に相当する。しかもロービームは左右非対称の光分布を有している。つまり右側通行においては、明暗境界の範囲は、光学的なゼロ位置(HV)から右側に約15゜だけ上昇せしめられているので、右側の車道縁部は、対向通行をまぶしく(眩惑)することなしに、より良好に照明される。ハイビームのためには例えば、光放射方向はほぼ水平に延びるように、つまりハイビームの最大集中部が光学的なゼロ位置を取り囲むように、ほぼ水平に延びている。さらにまた、ハイビームは左右対称の光分布(つまり15゜の上昇なし)と、鮮明でない明暗境界(つまり放射路から離れたシェードを有していないか又はこれを1つしか有していない)とを有している。霧燈のためには、光放射方向は約2%だけ下方に傾けられて、つまり最大集中部は、10m離れたスクリーンにおいて約10センチメートルだけ光学的なゼロ位置(HV)から下方にずらさるように、特徴付けられている。2パーセントの相対傾斜は、約1.14゜の絶対傾斜に相当する。しかもロービームは左右対称の分布(つまり15゜上昇なし)を有している。さらにまた、霧燈は典型的な形式で、ロービーム又はハイビームよりも小さい光束を有していて、運転者のまぶしさを減少するために、車両のできるだけ低い位置に配置されている。また霧燈は、ロービーム又はハイビームよりも著しく広範囲に、車両手前の領域を照明する。
【0005】このような種々異なる照明機能の種々異なる特性のために、従来技術によれば特にガス放電ランプを備えた最近の構造の前照灯装置においては、それぞれの照明機能のために、それぞれの照明機能に特別に調整された別個の前照灯装置を設けることが一般的に行われている。従来技術(例えばドイツ連邦共和国特許公開第4407108号明細書)によれば、ロービーム機能もハイビーム機能も満たすことができる前照灯装置が公知であるが、ロービーム若しくはハイビームもまた霧燈の特性も満たすことができる前照灯装置はいまだ公知ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は、冒頭に述べた形式の前照灯装置を改良して、ロービーム機能及び/又はハイビーム機能と並んで霧燈機能も満たすことができるようなものを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決した本発明によれば、冒頭に述べた形式の前照灯装置において、前照灯装置が拡散部材を有していて、該拡散部材が反射鏡によって反射されたビームの放射路内にもたらされるようになっている。
【0008】霧燈を特徴付ける光分布を車両手前の領域で得ることができるようにするために、本発明による前照灯装置は拡散部材を有しており、この拡散部材は反射鏡によって反射されたビームの放射路内にもたらすことができる。拡散部材は、本発明による形式で反射されたビームの放射路内にもたらすことができるようにするためには、必ずしも拡散部材自体が可動である必要はない。ビームが拡散部材にぶつかるようにに、ビーム放射路を変向させることも考えられる。特に、本発明による前照灯装置は拡散部材を有しており、この拡散部材は、前照灯装置のロービーム機能若しくはハイビーム機能においては、ビーム放射路の外に位置していて、霧燈機能のためには任意の形式でビーム放射路内にもたらされるようになっている。
【0009】
【発明の効果】本発明による前照灯装置は、ロービーム機能及び/又はハイビーム機能の他に霧燈機能も満たすことができる。これによって付加的な反射鏡は省くことができ、また別個の霧燈前照灯装置のための完全な光源−部分セット(ガス放電ランプ例えば前置装置、点火装置、ランプソケット、ランプ、ケーブルその他)を省くことができる。本発明による前照灯装置の特別な利点は、霧燈機能が作動されている時にはロービーム若しくはハイビームが強制的にスイッチオフされるという点にある。何故ならば、光源のビームは霧燈機能のために使用されるからである。これによって、運転者自体のまぶしさは著しく減少される。
【0010】本発明の有利な実施態様によれば、前照灯装置の反射鏡と光源とは、反射鏡によって反射されたビームがプリズム及びこのプリズムの後ろに配置された拡散部材にぶつかるように、第1の回軸線を中心にして旋回可能である。このような構成によれば、光源は反射鏡と共に、反射されたビームがプリズムにぶつかり、次いで拡散部材にぶつかるまで、ロービームのための位置若しくはハイビームのための位置から出るように旋回せしめられる。拡散部材は、放射路が拡散部材に変向されることによって、反射鏡によって反射されたビームの放射路内にもたらされる。
【0011】プリズムは、ビームがプリズム及び拡散円板に変向されることに基づいてビームの光学的なずれを補償し、ビームが公知の特性を有する霧灯として拡散円板を通過するように、ビームを変向(偏光)させる。プリズムを多数のプリズム部材から組み合わせて構成することもできる。プリズムの代わりに、ビームの光学的なずれを補償することができる別の光学的な構成素子を使用してもよい。
【0012】この実施態様は、拡散部材を調節するための付加的な調節部材を必要としないという利点を有している。拡散部材を反射されたビームの放射路内にもたらすためには、反射鏡を光源と共に簡単に旋回させるだけでよい。このために、多くの車両において既に設けられているヘッドライトレンジ調整(Leuchtweiteregelung;ビーム到達距離調整)のための調節モータを使用することができる。この調節モータの調節領域は相応に広げられており、それによって反射鏡によって反射されたビームの放射路は、これがプリズムにぶつかるまで旋回させることができる。
【0013】第1の旋回軸線が光放射方向に対して垂直及び鉛直に延びていて反射鏡が光源と共に側方に旋回せしめられ、それによってビームがプリズムにぶつかるように構成することも考えられる。しかしながら、第1の旋回軸線は有利な形式で、光放射方向に対して垂直で、しかも水平に延びている。このように延びる第1の旋回軸線を中心にして反射鏡を光源と共に旋回させるために、広い調節範囲を有するヘッドライトレンジ調整のための調節モータを使用することができる。プリズムと拡散部材とは有利には光源及び反射鏡の下側に配置されている。車両のできるだけ深い位置から発せられる霧灯は、車両の運転者がまぶしさで眩惑される可能性を減少する。何故ならば、霧灯は有る程度霧内を照射し、霧によって運転者の視界に反射されることがないからである。
【0014】本発明の有利な実施態様によれば、プリズムが、第2の旋回軸線を中心にして旋回可能である。プリズムを第2の旋回軸線を中心にして旋回させることによって、霧灯の光放射方向の傾きは、法律的な規定に従って調節することができる。調節しようとする傾きは、前照灯装置の組み込み高さに従って車両毎に変化せしめられる。次いでプリズムは調節された傾斜位置に固定することができる。また、プリズムを第2の旋回軸線を中心にして、車体の縦軸線における車体の傾きに関連して、例えば不均一な負荷に基づいて又は車道の凹凸を走行する際に、車道表面に対して相対的に調節される。この場合、プリズムの傾斜の調節は、有利には拡散又は調整を介して行われる。第2の旋回軸線が、ほぼ水平でしかも光放射方向に対して垂直に延びていてもよい。
【0015】本発明の別の有利な実施態様によれば、前照灯装置の少なくとも反射鏡と光源とが、第1の旋回軸線を中心にして下方に旋回可能であって、拡散部材が、反射鏡によって反射されたビームの放射路内で旋回可能に構成されている。この構成によれば、拡散部材自体が、反射されたビームの放射路内に旋回せしめらる。光源を第1の旋回軸線を中心にして下方に旋回させることによって、光放射方向は2パーセントまで下方に傾けられ、それによって、10メートル離れて配置されたスクリーン上の光の分布は、光学的なゼロ位置(HV)から20センチメートルだけ下方にずらされる。前照灯装置の霧灯機能のために放射路内もたらされた拡散部材は、光源と共に反射鏡を2パーセントだけ傾斜させることと協働して、霧灯のための特徴的な光の分布を車両手前の領域で生ぜしめる。このような構成は、特に小さく構成できるという利点を有している。
【0016】本発明の有利な実施態様によれば、拡散部材が拡散レンズとして構成されている。有利な形式で、拡散部材は、反射鏡によって反射されたビームの側方拡散を高めるように作用する。反射鏡によって拡散部材を通って車両の手前の領域に反射されるビームの前記側方拡散が+/−80゜である。
【0017】本発明の有利な実施態様によれば、前照灯装置が、ロービームのための位置とハイビームのための位置との間で調節可能な、車両の手前の領域で明暗境界を生ぜしめるためのシェードを有している。シェードは、反射鏡によって反射されたビームがシェードを介して車両手前の領域に傾斜されるように、配置されている。ロービームのためには、絞りはビームの放射路内にもたらされている。この場合は、シェードの上縁部は、車両手前の領域内で明暗境界として構成される。ハイビームのためには、シェードは、反射されたビームの放射路から離れている。車両手前の領域には、明確な明暗境界はもはや構成されず、ビームはより大きいヘッドライトレンジを有している。
【0018】有利には、シェードは少なくとも部分的に、反射鏡によって反射せしめられるビームの放射路から退出するように旋回可能である。シェードは、例えば部分領域を有しており、この部分領域によって、ロービームの明暗境界内での15゜上昇が生ぜしめられる。この部分領域は、放射路から退出旋回可能に構成されている。これによって、例えば右側通行のために設計された車両において明暗境界の上昇が水平線内に下降せしめられ、それによって左側通行において、対向通行の眩惑は避けられる。このような明暗境界の15゜の部分的下降は、ツーリストレーズング(Touristenloeseung)として表示されている。このように構成された前照灯装置は、ロービームのためにハイビームのためにも、また付加的な霧灯のために使用することができる。このような3つの照明機能のためには、光源と反射鏡と光源・部分セット(Lichtquellen-Teilesatz)とを有する前照灯装置だけが必要である。このような形式の前照灯装置は、特に小さい構造及び安価に製造することができる。
【0019】本発明の別の有利な実施態様によれば、前照灯装置がレンズ装置を有していて、該レンズ装置が、反射鏡によって反射されたビームを車両の手前の領域に集束させる、ことが提案されている。
【0020】また本発明の別の有利な実施態様によれば、反射鏡が、多楕円面形状に形成されている。このように構成された反射鏡を備えた前照灯装置は、多楕円面システム(PES)として表されている。PESは一般的に、シェードの部分的な下降を許容する、ツーリストレーズングを有している。前照灯のツーリスト解決策は、霧灯の特徴付けられた光分布を生ぜしめるために考慮される。これによって、明暗境界の15゜上昇を下降させるための付加的な構成部材は必要ない。
【0021】さらにまた、前照灯装置は、ヘッドライトレンジを調節するための手段を有している。この手段は、例えば調節モータとして、またこの調節モータを制御するための制御装置として構成されている。この手段を用いて、前照灯装置若しくは反射鏡、光源及び場合によってシェードを、ほぼ水平に延びる第1の旋回軸線を中心にして、ロービームのための位置若しくはハイビームのための位置から2パーセントまで下方に傾けることができるので、10メートル離れた配置されたスクリーン上における霧灯の最大集中部は、光学的なゼロ位置(HV)から20センチメートルだけ下方にずらされる。光放射方向を下降させるための付加的な構成部材は省くことができる。
【0022】光源はガス放電ランプ有利にはキセノンランプとして構成されていれば、有利である。本発明による前照灯装置の利点は、特に、光源としてガス放電ランプを備えている前照灯装置において有効である。
【0023】本発明による前照灯装置が霧灯機能においてまぶしさをさらに少なくするために、拡散部材が反射鏡によって反射されたビームの放射路内にもたらされた時に、光源の光束が減少されるように構成することが、提案されている。
【0024】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図示の実施例を用いて具体的に説明する。
【0025】図1には、本発明による前照灯装置の全体が符号1で示されている。前照灯装置1は、車両特に自動車に配置されていて、車両の手前の領域を照明するために使用される。前照灯装置1は、ビームを放射するための光源2と、光源2から放射されたビームの少なくとも一部を光線放射方向13で車両手前の領域に反射させるための反射鏡3とを有している。さらに前照灯装置1は、シェード4を有しており、このシェード4を介して、反射鏡3によって反射されたビームが放射される。また、前照灯装置1はレンズ装置5を有しており、このレンズ装置5は、反射鏡3によって反射されたビームを車両手前の領域に集束させる。前照灯装置1の反射鏡3は、多楕円面形状に構成されている。
【0026】前照灯装置1に対して約10メートルの間隔を保ってスクリーン6が図示されており、このスクリーン6で、前照灯装置1の光分布が明らかである。スクリーン6上での光分布の垂直軸線Vと水平軸線Hとの交点が、光学的なゼロ位置HVとみなされる。
【0027】前照灯装置1は、図1ではロービームのための位置が実線で示されている。このロービームのための位置で、前照灯装置1のための光の分布は明瞭な明暗境界7を有しており、この明暗境界は水平軸線Hの下側約1%に位置している。つまりスクリーン6上の光分布の最大集中部は、光学的なゼロ位置HVから約10cm下方にずらされている。明暗境界7は、シェード4の上縁部によって生ぜしめられる。さらにロービームは左右非対称の光分布を有している。つまり右側通行用に設定された前照灯装置1においては、明暗境界7の領域は、光学的なゼロ位置HVから右方向に約15゜上昇されているので、対向交通をまぶしくすることなしに、右側の道路縁部が良好に照らし出される。
【0028】前照灯装置1は簡単な形式で霧燈のための位置(破線で示されている)にもたらすことができる。このために、反射鏡3と光源2とレンズ装置5とが、光放射方向13に対して水平及び垂直に延びる旋回軸線8を中心として、反射鏡3によって反射されたビームがプリズム9に当たる程度に、下方に旋回せしめられる。プリズム9は、ビームの偏光に基づくビームの光学的なずれを補償するために使用される。プリズム9にぶつかるビームは、プリズム9の反対側でこのプリズム9から出て、プリズム9の後ろに配置された拡散レンズ10にぶつかる。この拡散レンズ10によって、反射鏡3によって反射されたビームの側方拡散が、+/−80゜よりも大きい値に高められる。
【0029】旋回軸線8を中心とした反射鏡3、光源2及びレンズ装置5の旋回運動において、シェード4はその最初の位置に維持される。旋回軸線8は、シェード4の上縁部から間隔を保って、反射鏡3の頂部の方向にずらして配置されている。反射鏡3及び光源2を旋回させることによって、反射鏡3及び光源2に対して相対的なシェード4の上縁部が上昇せしめられる。このようなシェード4の上縁部の上昇は、霧燈において光分布の明暗臨界12が低下する時に行われる。シェード4の上縁部は、霧燈の光放射方向14が2%下方に傾けられるまで上昇せしめられている。つまり、スクリーン6上の最大強度は、光学的なゼロ位置HVから約20cm下方にずらされている。さらにまた、霧燈の光分布において、15゜の上昇が明暗境界12の水平方向の位置に低下される。これは例えば、シェード4が部分領域を有していて、この部分領域によってロービームの明暗境界7内での15゜上昇が得られるようになっていることによって達成される。この部分領域は、霧燈のための位置でビームの放射路から外に旋回せしめられる。
【0030】プリズム9は、光放射方向14に対して垂直に延びる水平な第2の旋回軸線11を中心にして旋回可能である。これによって光放射方向14は霧燈時に垂直方向で調節することができる。
【0031】図2には、本発明による前照灯装置1の第2実施例が示されている。この実施例においては、拡散レンズ10は、反射鏡3によって反射されたビームの放射路内で旋回可能である。図2には、霧燈のための位置にある拡散レンズ10が示されている。反射鏡3と光源2とレンズ装置3とは、旋回軸線8を中心にして下方に旋回せしめられる。この旋回運動によって、シェード4の上縁部は再び反射鏡3及び光源2に対して相対的に上昇せしめられ、これによって霧燈の明暗境界12が下降せしめられる。シェード4の部分領域旋回させることによって、またロービームの明暗境界7内で15゜上昇させることによって、15゜上昇が、明暗境界の水平方向の位置に低下せしめられる。
【0032】光源2を有する反射鏡3を旋回軸線8を中心に旋回させることは、ヘッドライトレンジ調節のためのステップモータ16によって行われる。このためにステップモータ16は、制御装置17によって適当な形式で制御される。しかも前照灯装置1は、拡散レンズ10を旋回させるための調節部材15を有している。
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成12年2月28日(2000.2.28)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2000−251512(P2000−251512A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願2000−51697(P2000−51697)