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【発明の名称】 スポットライト
【発明者】 【氏名】麻奥 正城

【要約】 【課題】円形状と縦長略楕円形状の両方の照射面を得られ、縦長略楕円形状の照射面において、照明効率や安全性が低下するような虞れのないスポットライトを提供する。

【解決手段】平凸レンズ3を光軸6に対し傾斜させた時、略楕円形状の照射面が得られる。フィラメント1aの向きは正規の位置なので安全性に問題はなく、照明効率が低下する虞れもない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電球と、反射鏡と、前面レンズと、灯体等からなり、電球中心と反射鏡中心とを結ぶ線を光軸とし、その光軸上に前面レンズを配置したスポットライトにおいて、前面レンズを光軸に対し傾斜自在に設けたことを特徴とするスポットライト。
【請求項2】 上記前面レンズを、光軸に交差する縦方向軸の軸回りを回動自在に設けて光軸に対し傾斜自在としたことを特徴とする請求項1記載のスポットライト。
【請求項3】 上記前面レンズを、光軸の軸回りを回動自在に設けたことを特徴とする請求項2記載のスポットライト。
【請求項4】 上記電球が、格子状のフィラメントを有する白熱電球であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のスポットライト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスポットライトに関し、特に、舞台、ステージ等におけるフォロー用のスポットライトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種スポットライトとして、電球と、球面反射鏡と、平凸レンズと、これらの光学部品の関係位置を調整する機構とを灯体内に収容してなり、電球中心と反射鏡中心とを結ぶ線を光軸とし、その光軸上に平凸レンズを配置し、球面反射鏡及び電球と平凸レンズとの間隔を変化させて照射径を調整可能としたものが知られている。このような従来のスポットライトにおいては、前面レンズが固定されているので、舞台上では円形の照射面が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】処で、舞台上の特定の人物等を際立たせるべくフォロースポットを得ようとする場合、図3中に斜線で示すように縦長略楕円形状の照射面イが要求されるが、従来のスポットライトでは、図4(a)に示す光学原理により照射領域が幅広になり、図3中に仮想線で示す円形の照射面ロになるので、人物の周囲に無駄な照射領域ハが存在する。尚、図3は実使用状態における照射面を示す図、図4は光学原理を示す模式図である。
【0004】上記縦長略楕円形状の照射面イを得る手段として、図4(c)に示すように、電球を回転させ光軸6に対してフィラメント1aを所定角度α傾斜させることが考えられる。すなわち、光線は光学原理(スネルの法則)に従うため、レンズ3への入射角f1、f2を変化させることにより照射面の像を変化させることが出来る。しかし乍ら実際には、前記したフィラメントを傾斜させる方法では、フィラメント1aに厚みがあることと光軸6上に光源が存在する等の理由から効果的に入射角を変化させることが困難であり、例えばフィラメント1aの傾斜角度αを15度とした場合、レンズ3への入射角f1は約19.9度、f2は約20度とほぼ同程度であって、照射面ロ’はほぼ円形になる。また、フィラメント1aを傾斜させた場合、電球中心と光軸6とがずれるため電球配光φの高光度部分が利用できず、照度が低下して照明効率の低下を招くという問題がある。さらに電球の使用位置が正規の位置ではないため、光軸6が水平位置から下方又は上方へ傾斜するのに伴いフィラメント1aにおいて接触が生じ易くなり、安全性に問題が生じる虞れもあった。
【0005】本発明はこのような従来事情に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、円形状と縦長略楕円形状との両方の照射面を容易に得ることが出来、且つ縦長略楕円形状の照射面において、照明効率の低下や安全性に問題が生じるような虞れのない、新規なスポットライトを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するために本発明は、請求項1では、電球と、反射鏡と、前面レンズと、灯体等からなり、電球中心と反射鏡中心とを結ぶ線を光軸とし、その光軸上に前面レンズを配置したスポットライトにおいて、前面レンズを光軸に対し傾斜自在に設けたことを特徴とする。
【0007】このように形成した場合、図4(a)に示すように、光軸6に対し前面レンズ3が直角の時は入射角f1とf2が等しく、照射領域が幅広になって図3中に示すような円形の照射面ロが得られる。一方、図4(b)に示すように、前面レンズ3を光軸6に対し所定角度θ傾斜させた時は、レンズ中心が光軸から外れるためレンズを傾斜させた分だけ確実に入射角が変化し、これに伴い光線の屈折角も変化し、照射領域が幅狭になって図3中に示すような略楕円形状の照射面イが得られる。例えば、レンズの傾斜角度θが15度の場合、入射角f1は約5度、f2は約33度と、効果的に入射角を変化させることが出来る。またこの時、電球の向きは正規の位置にあるので安全性に問題はなく、しかも電球中心と光軸とが一致しており電球配光φの高光度部分が利用できるので、照明効率が低下するようなことはない。
【0008】上記前面レンズ3を、光軸6に交差する縦方向軸を中心として所定角度傾斜させた場合、図3中に示すような縦長な略楕円形状の照射面イが得られる。
【0009】また前記したように、効果的に入射角を変化させることができるので、前面レンズの傾斜角度θは、最大15度程度で、実用上十分な縦長略楕円形状の照射面を得ることができる。
【0010】上記前面レンズを、光軸に交差する縦方向軸を中心として所定角度傾斜させた状態で、光軸の軸回りへ回転させれば、上記略楕円形状の照射面の角度を、縦長から横長に至るまでの間で任意に調整することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例を図1〜図4に基づき説明すると、図中、1は格子状のフィラメント1aを有する白熱電球、2は球面反射鏡、3は前面レンズとしての平凸レンズ、4は電球1及び球面反射鏡2と平凸レンズ3との離間距離を調整する調整機構、5は前記各部材を収容する灯体を示す。
【0012】灯体5は比較的長い筒状に形成され、その内部に、電球1、球面反射鏡2、平凸レンズ3を設置し、且つ電球1中心と球面反射鏡2中心とを結ぶ線を光軸6とし、その光軸6上に平凸レンズ3を配し、さらに電球1及び球面反射鏡2と平凸レンズ3との間隔を調整機構4により変化させて、照射径を調整可能としている。
【0013】調整機構4は、ハンドル7の操作で回動する螺軸8に摺動部材9を前後摺動自在に装着し、この摺動部材9に、支軸10を介してレンズ支持枠11を取付け、レンズ支持枠11内に平凸レンズ3を装着し、ハンドル7の操作で摺動部材9と共に平凸レンズ3が前後摺動して、電球1及び球面反射鏡2と平凸レンズ3との間隔を調整可能に形成している。尚、図示しないが、調整機構の他例として、ハンドルの操作で摺動部材と共に電球1及び球面反射鏡2が前後摺動して、電球1及び球面反射鏡2と平凸レンズ3との間隔を調整可能に形成することも可能である。
【0014】支軸10はレンズ支持枠11の下面に一体的に固定すると共に、摺動部材9に回動自在に装着し、且つ摺動部材9の下面側に突出する支軸下端には操作摘み12を設け、さらに摺動部材9には支軸10を回動不能に固定するビス等の固定部材13を設けて、固定部材13を緩めた状態で操作摘み12を回動操作することで支持枠11と共に平凸レンズ3が回動するようにしている。すなわち、平凸レンズ3を、光軸6に交差する縦方向軸(支軸10)の回りを回動自在に設け光軸6に対し傾斜自在に形成している。また平凸レンズ3は、光軸の軸回りを回動自在に支持されている。具体的な構成としては、図示しないが、灯体5をランプハウスとレンズ筒に分離し、そのレンズ筒をランプハウスに対し、光軸を中心に回転自在に設けることが例示出来る。
【0015】以上のように構成した本例のスポットライトは、図1(a),図2(a),図4(a)に示すように、光軸6に対し平凸レンズ3がほぼ直角の状態である時、入射角f1、f2はほぼ等しく、照射領域が幅広になって図3中に仮想線で示すような円形の照射面ロが得られる。
【0016】この状態から操作摘み12の操作により、図1(b),図2(b),図4(b)に示すように、平凸レンズ3を光軸6に対し所定角度θ傾斜させると、レンズ中心が光軸から外れるためレンズを傾斜させた分だけ確実に入射角が変化し、これに伴い光線の屈折角も変化し、照射領域が幅狭になって図3中に斜線で示すような縦長略楕円形状の照射面イが得られる。またこの時、電球1の向きは正規の位置にあるのでフィラメント1aにおける接触の虞れはなく、安全性に問題はない。またフィラメント1aの向きが正規の向きであり、電球1の光軸とスポットライトの光軸6とが一致していて電球配光(φ)の高光度部分が適正に利用出来るので、照明効率が低下するようなこともない。さらに、平凸レンズ3の傾斜角度θは、最大15度程度で実用上十分な縦長略楕円形状の照射面イを得ることができる。また前述の如く、灯体5をランプハウスとレンズ筒に分離しそのレンズ筒をランプハウスに対し光軸6を中心に回転自在に設けるなどにより、光軸6を中心に回転可能な機構を設けて平凸レンズ3を所望角度θ傾斜させた状態で光軸6の回りを回転させれば、上記略楕円形状の照射面イの角度を、縦長から横長に至るまでの間で任意に調整することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、前面レンズを光軸に対して傾斜自在な構成としたので、フィラメントを傾斜させた場合のように安全性に問題が生じたり、照明効率が低下するような不具合が生じることがない。よって、実用可能な配光を維持しつつ、略円形の照射面から略楕円形の照射面までを容易に得られる、演出効果大なる新規なスポットライトを提供できた。
【0018】また、前面レンズの傾斜方向を、光軸に交差する縦方向軸を中心として傾斜させるものとした場合は、縦長略楕円形状の照射面が得られ、さらに前面レンズを光軸周りに回転可能とすることで、前記略楕円形状の照射面の角度を、縦長から横長に至るまでの間で任意に調整することが可能になる。
【0019】また、電球として格子状のフィラメントを有する白熱電球を用いた場合、フォロー用のスポットライトとしての実用性が大きい等、多くの効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】390032573
【氏名又は名称】丸茂電機株式会社
【出願日】 平成11年2月25日(1999.2.25)
【代理人】 【識別番号】100068607
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 政名 (外2名)
【公開番号】 特開2000−251501(P2000−251501A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−48234