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【発明の名称】 排煙機能付き太陽光採光装置
【発明者】 【氏名】山田 和三

【氏名】宮本 哲雄

【氏名】小林 清人

【氏名】道明 和夫

【氏名】府川 隆一

【氏名】青木 宏憲

【氏名】太田 政幸

【氏名】加藤 英樹

【氏名】戸田 一也

【要約】 【課題】排煙機能と太陽光採光機能とを有する装置であって、保守要員が排煙機能を作動できないときにも、排煙機能を必要時に常に作動できるようにした排煙機能付き太陽光採光装置を提供する。

【解決手段】排煙機能付き太陽光採光装置1は、下枠2と、下降時に下枠2を覆う上枠3と、この上枠3を昇降させる自動開閉装置4とを備えている。上枠3には、2枚の採光プリズム33a,33bと、これを覆う透明カバー31と、採光プリズムを回転駆動する回転駆動装置34a,34bと、採光プリズムを太陽の位置に応じた適正な回転角となるように回転駆動装置を制御する制御装置35とか設けられ、回転駆動装置及び制御装置に電力を供給する太陽電池36等の電源が透明カバー31内に配置されている。自動開閉装置4は、Xアーム41,42と昇降用モータ46とを備え、昇降用モータ46は、保守要員による手動操作又は煙検知機能Kの煙検知機能の検知信号に基づく自動開閉装置4の自動操作により作動して、排煙口を形成するようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建築物の屋根に形成される天井開口に取り付けられる下枠と、この下枠に対して昇降可能に取り付けられる上枠とを有し、前記上枠には、1枚又は所定間隔隔てて配置される複数枚の採光プリズムと、この採光プリズムを覆う透明カバーと、前記採光プリズムを回転駆動する回転駆動装置と、前記採光プリズムを太陽の位置に応じた適正な回転角となるように前記回転駆動装置を制御する制御装置とが設けられ、また前記上枠を昇降用モータにより昇降させる昇降用モータと、前記回転駆動装置、制御装置及び前記上枠を昇降制御する自動開閉装置に夫々給電する外部電源と、煙検知機能とを備え、上記煙検知機能の検知信号に基づき上記自動開閉装置を作動して前記昇降用モータを駆動して上枠を昇降し、排煙口を形成するようにしたことを特徴とする排煙機能付き太陽光採光装置。
【請求項2】 上記外部電源に代え、給電用の電源として太陽電池を設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の排煙機能付き太陽光採光装置。
【請求項3】 上記太陽電池の発電電力を蓄電する蓄電池をさらに設けるようにしたことを特徴とする請求項2記載の排煙機能付き太陽光採光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば博物館、美術館、公会堂、病院等の建築物の天窓に配置される排煙機能付きの太陽光採光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】不特定多数の入場者がある上記のような建築物では、居室の床面積が一定以上の場合、万一の火災に備えて有毒な煙やガスを屋外に排出する排煙装置の設置が義務づけられている。なお、排煙装置は、天井に設けられた排煙口から排煙ダクトを介して煙等を屋外に排出する天井付排煙装置と、窓、壁等に設けられて直接屋外に煙り等を排出する壁付排煙装置とに分類され、この壁付排煙装置の一種として天窓型排煙装置がある。
【0003】従来の天窓型排煙装置は、天井開口に設けられた下枠と、この下枠に対してXアーム等を用いて上下動可能な上枠とを有している。通常時には、上枠が下降位置にあり、上枠に設けられたガラス、若しくは透明樹脂により天井開口が閉塞されて採光窓として機能し、火災時には上枠を上昇させることにより上枠と下枠との間に空隙を生じさせ、排煙口として機能させる。上枠の昇降は、昇降用モータを利用してXアームを駆動する自動開閉装置により行われる。
【0004】一方、屋根から太陽光を効率よく室内に導く装置として、太陽光採光装置が知られている。この装置は、太陽光が最も効率よく室内に導かれるように、内蔵する平板プリズムの方向を昇降用モータを用いた回転駆動装置により、太陽の高度、方位に合わせて変化させる。これらの天井型排煙装置と太陽光採光装置とは、共に屋根に取り付けられる装置ではあるが、従来は別個の設備として設けられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、天井型排煙装置と太陽光採光装置とを別個の設備として取り付ける場合には、屋根の構造が複雑になると共に、別個に施工するためコストもかかる。また、排煙装置に設けられた自動開閉装置、太陽光採光装置に設けられた回転駆動装置は、いずれも電源を必要とするが、商用電源を利用すると配線等の電気工事が必要となり、これもコストアップの一因となる。現在の排煙機能の作動は、係員の判断により手動により行うことになっているが、火災等の非常時に保守要員としての係員が何らかの事情で、排煙機能を作動できない事態が生じたときには、安全のため、自動的に排煙機能を作動できるようにしたフェイルセーフ機能の設置も要望されている。
【0006】本発明は、上述した従来技術の課題(問題点)を解決するものであり、排煙機能と太陽光採光機能とを有する装置であって、商用電源を利用せずに駆動することができる排煙機能付き太陽光採光装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる排煙機能付き太陽光採光装置は、上記の課題を解決するために、請求項1に記載のものでは、建築物の屋根に形成される天井開口に取り付けられる下枠と、この下枠に対して昇降可能に取り付けられる上枠とを有し、前記上枠には、1枚又は所定間隔隔てて配置される複数枚の採光プリズムと、この採光プリズムを覆う透明カバーと、前記採光プリズムを回転駆動する回転駆動装置と、前記採光プリズムを太陽の位置に応じた適正な回転角となるように前記回転駆動装置を制御する制御装置とが設けられ、また前記上枠を昇降用モータにより昇降させる昇降用モータと、前記回転駆動装置、制御装置及び前記上枠を昇降制御する自動開閉装置に夫々給電する外部電源と、煙検知機能とを備え、上記煙検知機能の検知信号に基づき上記自動開閉装置を作動して前記昇降用モータを駆動して上枠を昇降し、排煙口を形成するように構成した。
【0008】このように煙検知機能の検知信号に基づいて自動的に昇降用モータを駆動して排煙口を形成するように構成すると、本来は排煙口の開閉操作を行う保守要員が不在時又は他の作業に気を取られていたため火災等の検知に遅れが生じたり、検知不能の折りにも、上記のように排煙機能が作動するので、排煙機能のフエイルセーフ機能として有効である。
【0009】また、請求項2に記載のものでは、上記外部電源に代え、給電用の電源として太陽電池を設けるように構成した。このように給電用の電源として太陽電池を設けるように構成すると、外部電源による電力消費を節約できる省エネルギー効果がある。
【0010】さらに、請求項3に記載のものでは、上記太陽電池の発電電力を蓄電する蓄電池をさらに設けるように構成した。このように太陽電池に蓄電池を附属させるように構成すると、太陽電池による発電が停止又は減少する夜間や又は曇天のときにも、又は外部電源使用の際、停電した時にも、蓄電池に蓄電されている電力を活用して煙検知及びこの煙検知に基づく排煙機能を円滑に作動させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排煙機能付き太陽光採光装置の一実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施の形態にかかる排煙機能付き太陽光採光装置の概略構成を示す説明図、図2は昇降機構の具体的機構を示す斜視図、図3は図2の機構を内側から見た側面図である。
【0012】排煙機能付き太陽光採光装置1は、建築物の屋根に形成された天井開口に取り付けられる平面形状が矩形の下枠2と、この下枠2に対して昇降可能に取り付けられ、下降時に下枠2を覆う上枠3と、この上枠3を昇降させる自動開閉装置4とを備えている。
【0013】上枠3には、上下に所定間隔離れて配置された2枚の採光プリズム33a、33bと、この採光プリズムを覆う透明カバー31と、採光プリズムを回転駆動する回転駆動装置34a、34bと、採光プリズムを太陽の位置に応じた適正な回転角となるように回転駆動装置を制御する制御装置35とが設けられ、回転駆動装置34a、34b及び制御装置35、及び自動開閉装置4の昇降用モータ46に対して電源となる太陽電池36が図示せぬ支持手段を介して上枠3の透明カバー31内に配置されている。なお、電源として商用電源等の外部電源を使用するときは、太陽電池36に代えて外部電源からのリード線が配置されることになる。
【0014】採光プリズム33a、33bは、微少な帯状のプリズムが多数配列して構成される巨視的に平板状のプリズムであり、入射した光を所定の角度屈折させて射出させる。これらの採光プリズムは、図示せぬ支持機構により水平面内で回転可能に支持されている。回転駆動装置34a、34bは、それぞれ制御装置35からの指令により回転駆動されるモータ、モータの回転を減速して伝達する減速ギヤ列、このギヤ列に噛み合う駆動ギヤを備えており、駆動ギヤが各採光プリズム33a、33bの外周に設けられたギヤに噛み合っている。回転駆動装置34a、34bを作動させると、駆動ギヤの回転により採光プリズムの方向が変化する。2枚の採光プリズムを組み合わせてその回転方向を独立して定めることにより、任意の方向から入射する太陽光を室内に向けた一定方向に合わせることができる。
【0015】制御装置35は、マイクロコンピュータを主体に構成され、太陽の運行に伴う採光プリズムの制御データが予め記憶されており、日時、装置の設置された地理的な位置、およびその方位に応じて各採光プリズム33a、33bの回転角度が最適な角度となるよう回転駆動装置34a、34bのモータを制御する。
【0016】自動開閉装置4は、図1及び図2に示すように、対向する2辺に片側2組づつ設けられたXアーム41、42及び43、44と、これとは異なる辺に設けられたXフリーアーム45と、昇降用モータ46と、昇降補助用の押しばね55、及びその関連部材とから構成される。昇降用モータ46は、図示せぬ操作スイッチの操作により、太陽電池又は外部電源からの電力を受けて回動し、Xアーム41〜44を揺動させて上枠3を昇降させる。なお、Kは煙センサ等の煙検知検知機能で、図示のように下枠2上に設置し、制御装置35に検知信号を伝えるように構成する。
【0017】ここで、図2と、図2に示される各Xアーム41、42を内側から見た図3とを参照して自動開閉装置4の詳細について説明する。各Xアーム41、42は、それぞれ軸41A、42Aで回転自在に連結された片41aと41b、片42aと42bからそれぞれ構成されており、上枠3及び下枠2の内側に配置されている。Xアーム41の一方の片41aの下方端は、下枠2に支持された回転軸に回動自在に軸支されており、揺動中心と同軸で歯車47が固着されている。なお、46aは連結シャフトで、この連結シャフト46aを介して昇降用モータ46の回転が歯車47に伝達される。この歯車47は、下枠2に設けられた昇降用モータ46の回転軸に取り付けられた出力歯車と噛み合っており、片41aは昇降用モータ46の駆動によって下枠2側を揺動軸として揺動する揺動腕となっている。
【0018】Xアーム41の他方の片41bの上方端は、上枠3の内側の辺に沿って配置された摺動案内溝51の端部に備えられた回転軸に回動自在に軸支された揺動軸側端となっており、辺41bの下方端は、下枠2の内側の辺に沿って配置された摺動案内溝53にスライド自在に連結されている。これにより、片41bは、他方の片41aが昇降用モータ46の駆動によって揺動する際に、上枠3側を揺動軸として揺動する揺動腕となっている。
【0019】上記のXアーム41と対をなすもう一方のXアーム42の一方の片42aは、下端が下枠2に軸支された揺動腕であり、上端は上枠3に配置された摺動案内溝51にスライド自在に連結している。他方の片42bは、下端が下枠2に設けられた摺動案内溝53にスライド自在に連結している。
【0020】また、下枠2の摺動案内溝53内をスライドする片41bの下端と片42bの下端とは、連結バー54により連結されている。さらに、この連結バー54には、図2に示すように外側に突出するピストン56が取り付けられており、下枠2に固定された調整ボルト57とピストン53との間に、押しばね55が介装されている。
【0021】連結バー54により2つのXアーム41、42を連結することにより、昇降用モータ46の駆動による一方のXアーム41の片41aの揺動が他方のXアーム42に伝達され、安定した昇降が可能となる。また、押しばね55は、連結アーム54を図中の矢印で示すように昇降用モータ46側への押圧力を与えており、この押しばね55の押圧力を上枠3の重量に合わせて適宜設定することにより、上枠を上昇させる際の駆動力の一部を押しばね55に負担させることができ、昇降用モータ46に必要とされるトルクを小さく抑えることができる。他辺側のXアーム43、44も、それぞれ交差位置で連結された2つの片を有し、上述したXアーム41、42と同様に構成されている。
【0022】上記の構成によれば、通常時には、図3に実線で示したように上枠3を下降位置に設定して下枠2に重ねることにより、太陽電池又は外部電源で作動する太陽光採光装置として機能し、太陽の位置に応じて効率よく太陽光を室内に導くことができる。また、火災等の非常時には、保守要員の手動により、又は保守要員が作動不能のときには、煙検知機能Kの検知信号に基づき、自動開閉装置4を作動し、その昇降用モータ46を駆動して上枠3を図1、図2、及び図3(本図では二点鎖線で示す)に示すように上昇させ、上枠3と下枠2との間に排煙口として機能する空隙を生じさせる。火災時には、煙やガスがこの空隙から屋外に排出される。
【0023】なお、電源として太陽電池を用いるときは、図1に示すように、太陽電池36は、汚れによる劣化を防ぐためには図1に示すように透明カバー31内に設けることが望ましいが、これには限られず、上枠3の透明カバー31の外側、あるいは下枠2に設けてもよい。また、上枠3を昇降させるためには、上記のような昇降用モータを利用した自動開閉装置のみでなく、手動操作による装置を用いてもよい。また、自動開閉装置の昇降用モータ46は、夜間に作動が必要となる場合もあるため、図示しないが、太陽電池36により蓄電される蓄電池を併設し、この蓄電池によっても駆動可能とすることが望ましい。
【0024】
【発明の効果】本発明の排煙機能付き太陽光採光装置は上記のように構成されるから、次のような優れた効果を有する。
(1)請求項1に記載のように、煙検知機能を備え、この煙検知機能の検知信号に基づいて自動的に昇降用モータを駆動して排煙口を形成するようにすると、本来は排煙口の開閉操作を行う保守要員が不在時又は他の作業に気を取られていたため火災等の検知に遅れが生じたり、検知不能の折りにも、上記のように排煙機能が作動するので、排煙機能のフエイルセーフ機能として有効である。
【0025】(2)また、請求項2に記載のように、給電用の電源として太陽電池を設けるようにすると、外部電源による電力消費を節約できる省エネルギー効果がある。
【0026】(3)さらに、請求項3に記載のように、太陽電池に蓄電池を附属させるようにすると、太陽電池による発電が停止又は減少する夜間や又は曇天のときにも、又は外部電源使用の際、停電した時にも、蓄電池に蓄電されている電力を活用して煙検知及びこの煙検知に基づく排煙機能を円滑に作動させることができる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【識別番号】390025313
【氏名又は名称】株式会社菱晃
【識別番号】000210986
【氏名又は名称】中央発條株式会社
【出願日】 平成11年2月22日(1999.2.22)
【代理人】 【識別番号】100075797
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 春弥 (外1名)
【公開番号】 特開2000−243111(P2000−243111A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−42764