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【発明の名称】 自動車用ヘッドライト
【発明者】 【氏名】ジャン・ポール ラヴィエル

【氏名】セザール ロペス モンテネグロ

【要約】 【課題】

【解決手段】この自動車用ヘッドライトは、2つの異なるビームを発生するように、リフレクタ(6)と光源(8)とを相対的に移動させるカム機構(12)を有している。カム機構(12)は、第1カム部材(20)と第2カム部材(22)とを備え、水平軸(X)の周りの第1カム部材(20)の回転運動を、第2カム部材(22)の第1の並進運動に変換する。本発明の目的は、第1の並進運動を、水平軸の方向に行わせ、構成部品の数、大きさ、及びリフレクタと光源との相対的な移動距離を減少させることにある。本発明によれば、前記第1の並進運動は、水平軸(X)の方向に行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2つの異なるビームを発生させるように、リフレクタ(6)と光源(8)とを相対的に移動させるようになっており、かつ第1カム部材(20)と第2カム部材(22)とを備え、水平軸(X)の周りの第1カム部材(20)の回転運動を、第2カム部材(22)の第1の並進運動に変換するカム機構(12)を有する自動車用ヘッドライトであって、前記第1の並進運動を、水平軸(X)の方向で行わせるようにしたことを特徴とする自動車用ヘッドライト。
【請求項2】 第1カム部材(20)及び第2カム部材(22)は、水平軸(X)と直交する面において、第2の並進運動を行わせるようになっていることを特徴とする、請求項1記載の自動車用ヘッドライト。
【請求項3】 第1カム部材(20)は、第2カム部材(22)に対して回転している時に、第2カム部材(22)を、水平軸(X)の方向に押圧するようになっていることを特徴とする、請求項1または2記載の自動車用ヘッドライト。
【請求項4】 前記第1カム部材(20)及び前記第2カム部材(22)の少なくとも一方は、水平軸(X)と直交する方向に延び、かつ前記水平軸(X)の周りで円弧状となっている傾斜部(24)(26)を含んでいることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用ヘッドライト。
【請求項5】 前記第1カム部材(20)及び前記第2カム部材(22)は、ランプ(18)及びランプホルダ(16)の通路を形成していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用ヘッドライト。
【請求項6】 ヘッドライト(1)が自動車にマウントされると、前記第1の並進運動が、水平軸(X)に沿って行われるようになっていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の自動車用ヘッドライト。
【請求項7】 ヘッドライト(1)が自動車にマウントされると、前記第2の並進運動が、垂直軸(Y)に沿って行われるようになっているようになっていることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載の自動車用ヘッドライト。
【請求項8】 リフレクタ(6)と光源(8)とを相対的に移動させることにより、すれ違いビームと走行ビームとを切り換えることができるようになっていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の自動車用ヘッドライト。
【請求項9】 前記第1カム部材(20)及び前記第2カム部材(22)の一方は、小型モータ(33)により水平軸(X)の周りに回転駆動されるように、ラック(29)を有していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の自動車用ヘッドライト。
【請求項10】 小型モータ(33)に、すれ違いビーム及び走行ビーム用の電気配線を用いて給電し、かつこれを制御することを特徴とする、請求項9記載の自動車用ヘッドライト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用ヘッドライトに関し、特に、ヘッドライトのリフレクタと光源との相対運動により、単一の光源で、2つの異なるビームを選択的に照射しうる自動車用ヘッドライトに関する。
【0002】
【従来の技術】上述した種類のヘッドライトは、公知である。例えば、フランス国特許公開第2765308号には、光源に対して、2つの位置の間を移動するリフレクタを有するヘッドライトが記載されている。このヘッドライトでは、リフレクタが、照射方向に並進運動(直線運動)し、次に、光源を支持する要素を傾斜移動させ、ビームをやや上昇させるように、調節装置を制御することにより、リフレクタが2つの位置の間を移動するようになっている。
【0003】この種のヘッドライトは、構成部品の数、大きさ、及びリフレクタの移動距離のために、エンジンルームの利用可能な空間が制限されている小型車や中型車には、好ましいものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消した自動車用ヘッドライトを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、2つの異なるビームを発生するように、リフレクタと光源とを相対的に移動させるようになっており、第1カム部材と第2カム部材とを備え、水平軸の周りの第1カム部材の回転運動を、第2カム部材の第1の並進運動に変換するカム機構を有する自動車用ヘッドライトであって、前記第1の並進運動を、水平軸の方向で行わせるようにしたことを特徴とする自動車用ヘッドライトである。
【0006】第1の並進運動は、水平軸の方向で行われ、構成部品の数、大きさ、及びリフレクタと光源との相対的な移動距離は、上述した従来のヘッドライトに比べて減少させられている。
【0007】能力が限られた従来の製造設備により、単一の光源から2つの異なるビームを発生しうるように、多くの部品で製造されている従来のヘッドライトと比べて、少ない部品でヘッドライトは製造されるため、製造工程を簡略化することができる。従って、本発明によるヘッドライトは、容易に製造することができ、かつ標準化することができる。このため、ランプ支持体であるランプホルダ及びカム機構を、全ての自動車のヘッドライトに対して共通のものとすることができ、ヘッドライトの製造コストを抑えることができる。
【0008】第1カム部材及び第2カム部材は、水平軸と直交する垂直軸の方向に、第2の並進運動をするようになっているのが好ましい。それにより、少ない部品でもって、主にすれ違いビーム位置において、リフレクタを光源に対して、より正確に位置させることができる。
【0009】本発明による好ましい特徴によれば、第1カム部材及び第2カム部材の一方は、小型モータにより水平軸の周りを回転駆動されるように、ラックを有している。小型モータは、すれ違いビーム及び走行ビーム用の電気的配線を用いて供給できる電力により制御されるのが好ましい。従って、従来のヘッドライト用に設けられている、自動車の配線を変更する必要はない。
【0010】第1カム部材が第2カム部材に対して回転すると、第2カム部材に、その軸方向の推力をあたえるようになっているのが好ましい。
【0011】本発明の他の好ましい特徴によれば、第1カム部材及び第2カム部材の少なくとも一方は、水平軸と直交する面から離れて延び、前記水平軸の周りで円弧状となっている面を有する傾斜部を含んでいる。
【0012】前記第1カム部材及び前記第2カム部材は、ランプ及びランプホルダの通路を形成しているのが好ましい。
【0013】本発明の好ましい実施例において、ヘッドライトを自動車にマウントすると、前記第1の並進運動(直線運動)は水平軸方向に、前記第2の並進運動(直線運動)は垂直軸の方向に行われるようにするのが好ましい。
【0014】本発明の特徴及び利点は、以下に図面を用いて説明する、非限定的な好ましい実施例から、より詳しくわかると思う。
【0015】
【実施態様】図1は、本発明によるヘッドライト(1)の断面図である。このヘッドライト(1)は、ケーシング(2)、前面ガラス(4)、リフレクタ(6)、光源(8)、及びベースプレート(10)を備えている。照射方向であるケーシング(2)の前方には、前面ガラス(4)が設けられている。ケーシング(2)内には、ランプホルダ(16)及びランプ(18)からなる光源(8)と、リフレクタ(6)とが密閉されている。
【0016】また、ヘッドライト(1)は、光源(8)に対してリフレクタ(6)を移動させるカム機構(12)と、リフレクタ(6)を保持して、その移動を案内するガイド(14)とを備えている。
【0017】リフレクタ(6)は、ヘッドライト(1)が概ね水平軸(X)の方向に照射できるように向いており、前面ガラス(4)とベースプレート(10)との間に位置している。ランプ(18)は、リフレクタ(6)に設けられた孔を貫通し、概ねリフレクタ(6)の焦点に位置している。
【0018】カム機構(12)により、光源(8)に対して、リフレクタ(6)に、すれ違いビーム位置(PC)と走行ビーム位置(PR)との間を移動させることができる。ヘッドライト(1)は、すれ違いビーム位置(PC)ではすれ違いビームを照射し、走行ビーム位置(PR)では走行ビームを照射する。
【0019】すれ違いビーム位置(PC)と走行ビーム位置(PR)との間のリフレクタ(6)の移動方向を、矢印(F)で示す。図1では、明確のために、すれ違いビーム位置(PC)と走行ビーム位置(PR)との間の移動距離を、実際よりも長く示してある。実際には、リフレクタ(6)をすれ違いビーム位置(PC)から前方に2mm移動させることにより、光度的に良好な走行ビームを得ることができる。
【0020】リフレクタ(6)を、すれ違いビーム位置(PC)から走行ビーム位置(PR)に移動させる場合には、まず、水平軸(X)に沿って、ベースプレート(10)から前方に2mmだけ第1の並進運動(直線運動)を行わせ、次に、垂直軸(Y)に沿って、上方に1mmだけ第2の並進運動(直線運動)を行わせる。
【0021】水平軸(X)の方向にリフレクタ(6)を直線運動させると、その焦点は光源(8)の焦点からずれる。それにより、ビームをリフレクタ(6)のすれ違いビーム位置(PC)でカットオフして減衰し、狭いビームを、遠方に水平方向に均一に配光することができる。
【0022】ビームの配光及び走行ビームの輪郭は、ヨーロッパの標準的な走行ビームのものである。すれ違いビーム位置(PC)において、ビームは、交通規則で規定された高さでカットオフされるようになっている。
【0023】リフレクタ(6)を、垂直軸(Y)の方向に対して上方に移動させることにより、上述したように配光されたビームが、適切な高さの走行ビームとして道路に照射される。
【0024】カム機構(12)は、第1カム部材(20)及び第2カム部材(22)からなっている。図2、図3、及び図4は、カム機構(12)の動作を示している。図2及び図3は、リフレクタ(6)、第1カム部材(20)及び第2カム部材(22)を有するカム機構(12)、及びベースプレート(10)を示している。第2カム部材(22)は、リフレクタ(6)に固着されている。第1カム部材(20)は、ベースプレート(10)に対して、水平軸(X)の周りを回転可能になっている(図2及び図3に、第1カム部材(20)の回転方向を矢印で示してあり、この方向を時計回りとする)。
【0025】第1カム部材(20)及び第2カム部材(22)は、それぞれ、中央に貫通孔を有する環状リングであり、ランプ(18)の通路(19)を構成している。
【0026】環状リングである各カム部材(20)(22)は、水平軸(X)と概ね直交する2つの面を有している。第1カム部材(20)の第1の面は、ベースプレート(10)と接しており、ビームの照射方向、つまり水平軸(X)の方向を向いている。第2の面には、通路(19)の周りで円弧状のカム面となっている、第1傾斜部(24)が形成されている。第1カム部材(20)が時計回りで回転すると、第1傾斜部(24)は、第2カム部材(22)から遠ざかる。
【0027】環状リングである第2カム部材(22)の第2の面は、リフレクタ(6)に固着され、第1の面には、通路(19)の周りで円弧状のカム面となっている、第2傾斜部(26)が形成されている。第1カム部材(20)が反時計回りで回転すると、第2傾斜部(26)は、第1傾斜部(24)と係合する。
【0028】各傾斜部(24)(26)は、互いに係合し、かつ滑動するようになっている。図2に示すように、第1カム部材(20)が、第2カム部材(22)に対して、水平軸(X)の周りを時計回りで回転すると、第1カム部材(20)は、水平軸(X)に沿って、第1カム部材(20)から離れる方向に第2カム部材(22)に直線運動させる。
【0029】これに対し、図3に示すように、第1カム部材(20)が、第2カム部材(22)に対して、水平軸(X)の周りを反時計回りで回転すると、第1カム部材(20)は移動して、第2カム部材(26)と係合する。第2カム部材(22)の係止部(28)により、第1カム部材(20)が、それ以上回転しないようになっている。
【0030】図4からわかるように、環状リングである第1カム部材(20)の外周面には、放射状の歯が形成された円弧状のラック(29)が設けられている。ラック(29)は、図5及び図6に示すように、小型モータ(33)に固定された歯車(30)と協働する。小型モータ(33)により、第1カム部材(20)は、水平軸(X)の周りを回転駆動される。
【0031】図5及び図6は、それぞれ、本発明によるヘッドライトの斜視図及び分解斜視図である。
【0032】図6に示すヘッドライト(1)は、ビームの照射方向である水平軸(X)に沿って、各部品を組み立てることにより構成されている。各部品は、ランプ(18)、ベースプレート(10)、第1カム部材(20)、第2カム部材(22)、リフレクタ(6)、及びマスクであるソケット(34)からなっている。
【0033】リフレクタ(6)には、ねじ(38)に嵌合される3つの突起部(36)が設けられ、第2カム部材(22)は、3つのねじ(38)により、リフレクタ(6)にねじ止めされる。
【0034】第2カム部材(22)は、2つの貫通孔(41)(42)がそれぞれ設けられた3つの耳部(40)を有している。第2カム部材(22)は、貫通孔(41)へ挿入したねじ(38)により、リフレクタ(6)にねじ止めされている。ベースプレート(10)は、貫通孔(42)へ挿入したねじピン(43)及びばね(44)により、リフレクタ(6)に保持されている。
【0035】ねじピン(43)及びばね(44)により、リフレクタ(6)は、ベースプレート(10)に対して、水平軸(X)及び垂直軸(Y)に沿って、すれ違いビーム位置(PC)と走行ビーム位置(PR)との間を移動することができるようになっている。ばね(44)は、走行ビーム位置(PR)からすれ違いビーム位置(PC)に向かって、ヘッドライトを偏向させる戻しばねとして作用する。
【0036】ベースプレート(10)は、ヘッドライト(1)からのビームの照射方向に延び、通路(19)の周りで円筒状になっている突起部(45)を有している。第1カム部材(20)は、突起部(45)に嵌合され、水平軸(X)の周りを回転する時に案内される。
【0037】各カム部材、つまり、第1カム部材(20)及び第2カム部材(22)は、3つの傾斜部を有している。カム部材(20)(22)の各傾斜部は、対応する傾斜部と協働するようになっている。各傾斜部は、対応するカム部材(20)(22)を構成する環状リングからなっており、水平軸(X)の周りを時計方向に回転させられると、平面部(51)を押圧する。平面部(51)は、水平軸(X)に対して垂直に設けられている。
【0038】光源(8)に対するリフレクタ(6)の第1の直線運動は、実際には、係止部(28)ではなく、平坦部(51)により係止される。これにより、ノイズ及び衝撃を制限でき、また、ランプ(18)が白熱電球の場合には、そのフィラメントの可使時間を延ばし、放電ランプの場合には、ビームの切換時に不具合が生じないようになっている。
【0039】小型モータ(33)を固定する支持板(35)は、ベースプレート(10)に固定されている。図7に示すように、支持板(35)及びベースプレート(10)には、開口が形成され、歯車(30)がこの開口を通過し、ラック(29)と協働する。
【0040】小型モータ(33)は、従来のヘッドライトの適切な配線を変更することなく、自動車のすれ違いビーム及び走行ビーム用の電気的配線を用いて供給できる電力により制御される。
【0041】図6に示すように、ランプ(18)を保持するクリップ(46)は、タング(47)によりベースプレート(10)に保持されている。
【0042】図5に示すように、ランプ(18)は、コネクタ(48)を介して、自動車の電源回路に接続されている。
【0043】ヘッドライト(1)は、ベースプレート(10)にねじ止めされる固定ラグ(50)により、自動車のシャーシにマウントされている。
【0044】上述したリフレクタ(6)は、ベースプレート(10)、つまり自動車のシャーシに固着されたヘッドライト(1)のランプ(18)に対して可動である。しかし、変形として、リフレクタ(6)を自動車のシャーシに固定し、ランプ(18)をリフレクタ(6)に対して可動としてもよい。
【0045】また、第1傾斜部(24)及び第2傾斜部(26)を、協働するねじで構成してもよい。その場合には、ねじの間に十分な隙間を設け、一方の内面から他方の内面にねじを止めたり外したりする方向と直交する方向に、ねじを移動させるのが好ましい。
【0046】上述した本発明のヘッドライトは、単一の光源で、すれ違いビームと走行ビームとを選択的に発生するものであるが、フォグランプのビームと走行ビームとを選択的に発生するようにしてもよい。
【出願人】 【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【出願日】 平成12年2月22日(2000.2.22)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外2名)
【公開番号】 特開2000−243107(P2000−243107A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願2000−43844(P2000−43844)