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【発明の名称】 ロービーム及びハイビーム用の自動車の前照灯装置、並びに前照灯をロービームからハイビーム若しくはハイビームからロービームに切換えるための方法
【発明者】 【氏名】エルヴィン ヴィットマイヤー

【氏名】ハインツ グリム

【要約】 【課題】ケーシング2内に光源3と反射鏡4とが配置されており、光源3が、調節部材によって、反射鏡4に対して相対的にロービームのための位置とハイビームのための位置との間で切換可能である形式の、ロービーム及びハイビーム用の自動車の前照灯装置を改良して、ロービームのための位置とハイビームのための位置との間の切換が、できるだけ小さく軽量な構造の調節部材によって行うことができ、この調節部材によって相変わらず確実かつ信頼できる切換機能が保証されるようなものを提供する。

【解決手段】反射鏡4が、ケーシング2に対して相対的にヘッドライトレンジ調整のためのモータ9によって可動であって、前記調節部材が、ヘッドライトレンジ調整のためのモータ9と2つの電磁石11,16とを有している
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロービーム及びハイビーム用の自動車の前照灯装置であって、ケーシング(2)を有していて、該ケーシング(2)内に光源(3)と反射鏡(4)とが配置されており、光源(3)が、調節部材によって、反射鏡(4)に対して相対的にロービームのための位置とハイビームのための位置との間で切換可能である形式のものにおいて、反射鏡(4)が、ケーシング(2)に対して相対的にヘッドライトレンジ調整のためのモータ(9)によって可動であって、前記調節部材が、ヘッドライトレンジ調整のためのモータ(9)と2つの電磁石(11,16)とを有していることを特徴とする、ロービーム及びハイビーム用の自動車の前照灯装置。
【請求項2】 前照灯装置(1)が制御ユニット(10)を有していて、該制御ユニット(10)が、ヘッドライトレンジ調整のためのモータ(9)と、ロービームのための位置とハイビームのための位置との間を切り替えるための電磁石(11、16)とを制御するようになっている、請求項1記載の前照灯装置。
【請求項3】 光源(3)が、切換えを行うためにロービームのための位置とハイビームのための位置との間で反射鏡(4)に対して相対的に可動である、請求項1又は2記載の前照灯装置。
【請求項4】 光源(3)が、反射鏡(4)の光軸(5)に対してほぼ平行にしゅう動可能である、請求項3記載の前照灯装置。
【請求項5】 光源(3)が、反射鏡(4)の光軸(5)に対して垂直に旋回可能である、請求項3又は4記載の前照灯装置。
【請求項6】 光源(3)が、反射鏡(4)の光軸(5)に対して水平、かつ光軸(5)に対して間隔を保って延びる光源旋回軸線(6)で、反射鏡(4)に旋回可能に支承されている、請求項5記載の前照灯装置。
【請求項7】 第1の電磁石(11)が、作動状態で反射鏡(4)に対して相対的にロービームのための位置に又はハイビームのための位置に移動せしめられる光源(3)をその反射鏡(4)に対する相対的な位置で保持するように、配置されている請求項3から6までのいずれか1項記載の反射鏡装置。
【請求項8】 前照灯装置(1)が、反射鏡(4)と光源(3)との間でばね部材(12)を有しており、該ばね部材(12)が、光源(3)を反射鏡(4)に対する所定の旋回位置に押しつけ、この際に電磁石(11)をばね力に抗して引っ張るようになっている、請求項7記載の前照灯装置。
【請求項9】 前記旋回位置が、ロービームのための位置に相当する、請求項8記載の前照灯装置。
【請求項10】 ばね部材(12)が押圧ばねとして構成されている、請求項8又は9記載の前照灯装置。
【請求項11】 第1の電磁石(11)が、反射鏡(4)の光軸(5)に対して間隔を保って反射鏡(4)に固定されている、請求項7記載の前照灯装置。
【請求項12】 第1の電磁石(11)の作動側(11a)に向き合って、ばね部材(12)によって第1の電磁石(11)の非作動状態で間隔を保って配置された第1の磁気化可能なフランジ(13)が配置されており、該フランジ(13)が光源(3)に固定されている、請求項11記載の前照灯装置。
【請求項13】 反射鏡(4)が、この反射鏡(4)の光軸(5)に対して水平、かつ光軸(5)に対して間隔を保って延びる反射鏡旋回軸線(8)に沿って延びる反射鏡旋回軸線(8)で、ケーシング(2)に旋回可能に支承されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項14】 第2の電磁石(16)が、作動状態で光源(3)をケーシング(2)に対して相対的な位置で保持する、請求項1から13までのいずれか1項記載の前照灯装置。
【請求項15】 第2の電磁石(16)がケーシング(2)に固定されている、請求項14記載の前照灯装置。
【請求項16】 第2の電磁石(16)の作動側(16a)に向き合って、第2の電磁石(16)の非作動状態で間隔を保って配置された第2の磁気化可能なフランジ(17)が配置されており、該フランジ(17)が光源(3)に固定されている、請求項15記載の前照灯装置。
【請求項17】 第2の電磁石(16)は、この第2の電磁石が作動状態で光源(3)を反射鏡(4)に連結させて、反射鏡旋回軸線(8)を中心にしたケーシング(2)に対する反射鏡(4)の旋回運動が、反射鏡(4)に対して相対的な光源旋回軸線(6)を中心とした旋回運動に変向されるように、前照灯装置(1)内に配置されている、請求項13記載の前照灯装置。
【請求項18】 第2の電磁石(16)が光源(3)に固定されている、請求項17記載の前照灯装置。
【請求項19】 第2の電磁石(16)の作動側(16a)に向き合って、第2の電磁石(16)の非作動状態で間隔を保って配置された第2の磁気化可能なフランジ(17)が配置されており、該フランジ(17)がボーデンケーブル(20)を介して反射鏡旋回軸線(8)に対して間隔を保って反射鏡(4)に接続されており、ボーデンケーブル(20)が、ケーシング(2)に対して相対的な反射鏡旋回軸線(8)を中心とした旋回運動を、反射鏡(4)に対して相対的な第2のフランジ(17)の旋回運動に変向するようになっている、請求項18記載の前照灯装置。
【請求項20】 第2の電磁石(16)が作動された時の反射鏡(4)に対する相対的な第2のフランジ(17)のしゅう動運動が、反射鏡(4)に対して相対的な光源旋回軸線(6)を中心とした旋回運動を生ぜしめる、請求項19記載の前照灯装置。
【請求項21】 第2の電磁石(16)の作動側(16a)と第2のフランジ(17)とが、光源(3)の旋回平面に又はこの旋回平面に対して平行に延びている、請求項16又は20記載の前照灯装置。
【請求項22】 光源(3)が、ガス放電ランプ特にキセンノンランプとして構成されている、請求項1記載の前照灯装置。
【請求項23】 請求項21又は22に記載した前照灯装置(1)をロービームからハイビームに切換えるための方法において、次のような方法段階つまり、第2の電磁石(16)を作動させ、光源(3)をケーシング(2)に対して相対的なその位置で保持し、次いで反射鏡(4)を反射鏡旋回軸線(8)を中心にして、ヘッドライトレンジ調整のためのモータ(9)によって上方に旋回させ、次いで第1の電磁石(11)を作動させて、光源(3)を反射鏡(4)に対して相対的な旋回位置で保持し、次いで第2の電磁石(16)を作動解除し、前照灯(4)を、ヘッドライトレンジ調整のためのモータ(9)によって前照灯旋回軸線(4)を中心にして下方に旋回させる、ことを特徴とする、前照灯装置をロービームからハイビームに切換えるための方法。
【請求項24】 請求項21又は22に記載の前照灯をハイビームからロービームに切換えるための方法において、第1の電磁石(11)の作動を解除することを特徴とする、前照灯をハイビームからロービームに切換えるための方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロービーム及びハイビーム用の自動車の前照灯装置であって、ケーシングを有していて、該ケーシング内に光源と反射鏡とが配置されており、光源が、調節部材によって、反射鏡に対して相対的にロービームのための位置とハイビームのための位置との間で切換可能である形式のもの関する。
【0002】
【従来の技術】このような形式の前照灯装置は例えばドイツ連邦共和国特許公開第4435507号明細書による公知である。この公知の明細書に開示された前照灯装置では、光源が、ロービームのための位置とハイビームのための位置とを切換えるために、反射鏡の光軸方向で及び反射鏡の光軸に対して垂直に移動せしめられるようになっている。光軸に対して垂直とは、旋回平面が垂直方向の延びを有していて、光軸がこの旋回平面内に延びている、ということである。切換えるために、光源は、調節部材によって光源旋回軸線を中心にして反射鏡に対して相対的に旋回せしめられる。光源旋回軸線は、反射鏡の光軸に対して水平に、しかも光軸に対して間隔を保って延びている。光軸に対して水平とは、光源旋回軸線が水平で、しかも光軸に対して垂直に延びている、ということである。調節部材は、電動モータとしても、液圧式又は空圧式の駆動装置としても、或いは電磁石としても構成することができる。
【0003】電磁石は、調節部材としての機能を確実に満たすことができるように、比較的大きく、強く構成する必要がある。電磁石のストロークは、ハイビームのための位置とロービームのための位置との間で前照灯装置を切り換えるために必要な経路だけ進むことができるために十分大きくなければならない。この経路は、適当な増速歯車装置によって短縮することができるが、電磁石は著しく大きい調節力を克服し、それに応じて強く構成する必要があるという不都合な副次的作用を有している。電磁石はより大きく及びより強く構成されればされる程、より重くなり、従ってより大きい組込スペースを必要とする。しかしながら小さい軽量の電磁石では、ロービームのための位置とハイビームのための位置との間を切り換えるための調節部材の機能を確実に満たすことはできない。
【0004】ドイツ連邦共和国特許公開第4435507号明細書により公知の前照灯装置によればヘッドライトレンジを、ヘッドライトレンジ調整のためのモータ及びれと類似のものによって変えることは行われていない。しかしながら、特に強い光束を有する最近の前照灯を組み込む場合には、車両の傾きとは無関係に自動車横軸線を中心にしてヘッドライトレンジを変え、それによって、前照灯が点灯された時に当該車両以外の道路使用者が眩惑されることがないようにすることが重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた欠点に基づいて、本発明の課題は、冒頭に述べた形式の前照灯装置を改良して、ロービームのための位置とハイビームのための位置との間の切換が、できるだけ小さく軽量な構造の調節部材によって行うことができ、この調節部材によって相変わらず確実かつ信頼できる切換機能が保証されるようなものを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決した本発明によれば、冒頭に述べた形式の前照灯装置において、反射鏡が、ケーシングに対して相対的にヘッドライトレンジ(Leuchtweite;ビーム到達距離)調整のためのモータによって可動であって、前記調節部材が、ヘッドライトレンジ調整のためのモータと2つの電磁石とを有している。
【0007】
【発明の効果】本発明の前照灯装置によれば、ロービームのための位置とハイビームのための位置との間で前照灯を切り換えるために、前照灯装置内に既に設けられている、ヘッドライトレンジを調整するためのモータが使用される。このモータによって、一方では、反射鏡のヘッドライトレンジを、一般的に反射鏡の光軸に対して水平でしかもこの光軸に対して間隔を保って延びている反射鏡旋回軸線を中心にして、光軸に対して垂直に調節することができる。ヘッドライトレンジ調整のためのモータは、反射鏡旋回軸線に対して所定の間隔を保って反射鏡に枢着されている。このモータは、直線的なしゅう動運動を行い、これによって反射鏡は反射鏡旋回軸線を中心にして旋回せしめられる。モータを適当に制御することによって、前照灯装置のヘッドライトレンジは、車両の傾斜に関連して、自動車横軸線を中心にして変えられ、これによって、前照灯が点灯された時に当該車両以外の道路使用者が眩惑されることはない。これは特に強い光束を有する最近の前照灯を使用した場合に有利である。
【0008】ヘッドライトレンジを調整するためのモータは、他方では前照灯の本来の切換作業を行う。2つの電磁石は、単に保持機能を行うだけである。第1の電磁石は、前照灯がハイビームのための位置に切り換えられた時に、光源を、反射鏡に対して相対的な相応の位置で保持するために使用される。第2の電磁石は、光源がモータによって切換えられている過程中に、ケーシングに対して相対的な所定に位置で保持されるので、ヘッドライトレンジ調整のためのモータによってケーシングに対して相対的に反射鏡を旋回させると、前照灯はロービームのための位置からハイビームのための位置に切換えられる。
【0009】2つの電磁石が保持機能だけを満たし、切換機能を持たす必要がないという事実に基づいて、これら2つの電磁石は特に軽量で小さい構造で構成することができる。本来の切換機能はヘッドライトレンジ調整のためのモータによって行われるので、電磁石の寸法及び重量は小さいにも拘わらず、相変わらず確実で信頼できる切換機能が保証される。本発明の前照灯によれば、前照灯をロービームとハイビームとの間で切り換えるために、複雑に構成された比較的大きい構造の高価な2重機能モータを使用する必要はない。
【0010】これによって、ヘッドライトレンジ調整のためのモータは、2つの機能を満たすようになっている。一方では、このモータによって前照灯装置のヘッドライトレンジが変えられ、他方では、このモータは、2つの電磁石と協働して、ロービームのための位置とハイビームのための位置との間で前照灯を切り換えるための調節部材の機能を果たす。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の有利な実施形態によれば、前照灯装置が制御ユニットを有していて、該制御ユニットが、ヘッドライトレンジ調整のためのモータと、ロービームのための位置とハイビームのための位置との間を切り替えるための電磁石とを制御するようになっている。ヘッドライトレンジ著性のためのモータによって、一般的な形式で前照灯装置のヘッドライトレンジを変えることができる。照明機能を切換える場合に、つまりロービームをハイビームに切換えるか又はその逆にする場合に初めて、制御ユニットはモータを、ヘッドライトレンジ調整機能から、ロービームのための位置とハイビームのための位置との切り換え機能にもたらす。切換過程が終了した時つまり照明機能が切換えられると、制御ユニットをモータを再び、切換機能から本来のヘッドライトレンジ調整機能にもたらす。
【0012】有利には、光源は、切換えを行うためにロービームのための位置とハイビームのための位置との間で反射鏡に対して相対的に可動である。また有利には、光源は、反射鏡の光軸に対してほぼ平行にしゅう動可能である。これによって、反射鏡によって反射された光束の集中が得られる。選択的に又は付加的に、光源は、反射鏡の光軸に対して垂直に旋回可能である。これによって、反射鏡によって反射された光束を上昇させることができる。
【0013】また本発明の有利な実施形態によれば、光源が、反射鏡の光軸に対して水平、かつ光軸に対して間隔を保って延びる光源旋回軸線で、反射鏡に旋回可能に支承されている。光源は、このような形式で配置された光源旋回軸を中心にして旋回させることによって、反射鏡の光軸に対してほぼ平行にずらされ、また光軸に対して垂直に旋回させられる。これによって、反射鏡によって反射された光束は、集中され、また上昇もされる。反射鏡の光軸に光源旋回軸を形成することも考えられる。このようにすれば勿論、光源は、光源旋回軸線を中心にして旋回させることによっても、光軸に対して平行に光放射方向で後方にずらされることはない。
【0014】本発明の別の有利な実施形態によれば、第1の電磁石を、作動状態で反射鏡に対して相対的にロービームのための位置に又はハイビームのための位置に移動せしめられる光源をその反射鏡に対する相対的な位置で保持するように、配置することが提案されている。
【0015】本発明の有利な実施形態によれば、前照灯装置が、反射鏡と光源との間でばね部材を有しており、該ばね部材が、光源を反射鏡に対する所定の旋回位置に押しつけ、この際に電磁石をばね力に抗して引っ張るようになっている。前記旋回位置は有利には、ロービームのための位置に相当している。ばね部材は有利には押圧ばねとして構成されている。
【0016】本発明の有利な実施形態によれば、第1の電磁石が、反射鏡の光軸に対して間隔を保って反射鏡に固定されている。また有利には、第1の電磁石の作動側に向き合って、ばね部材によって第1の電磁石の非作動状態で間隔を保って配置された第1の磁気化可能なフランジが配置されており、該フランジが光源に固定されている。第1のフランジは、少なくとも部分的に、磁気化可能な材料より成っている。フランジは、磁気化可能な材料によってコーティングされているか、又は磁気化可能な材料がフランジ内に埋め込まれている。
【0017】反射鏡は、この反射鏡の光軸に対して水平、かつ光軸に対して間隔を保って延びる反射鏡旋回軸線に沿って延びる反射鏡旋回軸線で、ケーシングに旋回可能に支承されていていよい。しかしながらまた、本発明の有利な実施形態によれば、反射鏡が、反射鏡の光軸に対して水平に、また光軸に対して間隔を保って延びている反射鏡旋回軸線でケーシングに旋回可能に支承されている。
【0018】本発明の有利な実施態様によれば、第2の電磁石は、これが、作動状態で光源をケーシングに対して相対的な位置で保持するように、前照灯装置に配置されている。
【0019】本発明の有利な実施形態によれば、第2の電磁石がケーシングに固定されている。また有利な形式で、第2の電磁石の作動側に向き合って、第2の電磁石の非作動状態で間隔を保って配置された第2の磁気化可能なフランジが配置されており、該フランジが光源に固定されている。第2のフランジも少なくとも部分的に、磁気化可能な材料から成っている。
【0020】本発明の前照灯装置の別の有利な実施形態によれば、第2の電磁石は、この第2の電磁石が作動状態で光源を反射鏡に連結させて、反射鏡旋回軸線を中心にしたケーシングに対する反射鏡の旋回運動が、反射鏡に対して相対的な光源旋回軸線を中心とした旋回運動に変向されるように、前照灯装置内に配置されている。反射鏡旋回軸線を中心とした反射鏡の旋回運動は、ヘッドライトレンジ調整のためのモータによって行われる。第2の電磁石は有利には光源に固定されている。
【0021】本発明の有利な実施例によれば、第2の電磁石の作動側に向き合って、第2の電磁石の非作動状態で間隔を保って配置された第2の磁気化可能なフランジが配置されており、該フランジがボーデンケーブルを介して反射鏡旋回軸線に対して間隔を保って反射鏡に接続されており、ボーデンケーブルが、ケーシングに対して相対的な反射鏡旋回軸線を中心とした旋回運動を、反射鏡に対して相対的な第2のフランジの旋回運動に変向するようになっている。
【0022】第2の電磁石が作動された時の反射鏡に対する相対的な第2のフランジのしゅう動運動が、反射鏡に対して相対的な光源旋回軸線を中心とした旋回運動を生ぜしめる。
【0023】また有利な形式で、第2の電磁石の作動側と第2のフランジとが、光源の旋回平面に又はこの旋回平面に対して平行に延びている。
【0024】また本発明の前照灯装置は、光源がガス放電ランプ特にキセンノンランプ(Xenonlampe)として構成されていれば、特に有利である。
【0025】以下に、本発明による前照灯装置をロービームからハイビームに切換えるための方法について詳しく説明する。前照灯装置が切り換えられない場合、ヘッドライトレンジ調整のためのモータは、ヘッドライトレンジ調整のためのモードにある。前照灯装置を切換えるために、モータはヘッドライトレンジ調整のためのモードから切換モードに変えられる。ロービームのための位置では、2つの電磁石が非作動状態にある。光源と反射鏡とは、互いに相対的に及びケーシングに対して所定の初期位置にある。
【0026】前照灯を切換えるために、まず第2の電磁石が作動される。これによって光源はケーシングに対して相対的なその初期位置に保たれる。次の段階で、反射鏡は、反射鏡旋回軸線を中心にしてヘッドライトレンジ調整のためのモータによって垂直上方に旋回せしめられる。光源は、ケーシングに対して相対的にその初期位置に保持されるので、ケーシングに対して相対的に反射鏡を旋回運動させることによって、光源は、押圧ばねのばね力に抗して反射鏡に対して相対的に旋回運動せしめられる。光源が、第1の磁気化可能なフランジが第1の電磁石の作動側に当接するまで旋回せしめられると、この第1の電磁石は、光源をこの旋回位置で反射鏡に対して相対的に保持するために作動せしめられる。
【0027】これによって光源は既に、ハイビームのための位置に達する。次いで、反射鏡を光源と共にその初期位置に旋回させるだけでよい。このために第2の電磁石が作動され、反射鏡は、ヘッドライトレンジ調整のためのモータによって、反射鏡旋回軸線を中心にして垂直下方に旋回せしめられる。次いで前照灯全体がそのハイビーム位置に位置する。
【0028】前照灯装置をハイビームからロービームに切換えるための方法は、著しく簡単である。そのためには、第1の電磁石を作動させるだけでよい。押圧ばねのばね力によって、光源は反射鏡に対して相対的に垂直上方に旋回せしめられ、再びその初期位置を占める。
【0029】本発明による前照灯装置は、1つ又は2つの電磁石が故障した時に、いずれにしても前照灯がロービームのための位置を占め、他の道路使用者が幻惑されることがないように構成されている。第2の電磁石が故障した場合、前照灯はロービームのための位置からハイビームのために位置に切換えられることはできない。第1の電磁石が故障した場合、前照灯はハイビームのための位置から、押圧ばねのばね力によって自動的にロービームのための位置に切り換わる。
【0030】
【実施例】次に本発明を図面に示した2つの有利な実施例を用いて具体的に説明する。
【0031】図1乃至図3には、本発明による前照灯装置の第1実施例が示されている。図示の前照灯装置は、ロービーム(図1の)のための位置から、切換位置(図2)を介してハイビーム(図3)のための位置へ切り換えられる。
【0032】自動車の本発明による前照灯装置はその全体が符号1で示されている。前照灯装置1は、ケーシング2を有していて、該ケーシング2内に光源3と反射鏡4とが配置されている。ケーシング2の代わりに支持フレーム又はこれと類似のものを設けてもよい。ケーシング2によって、前照灯装置1は自動車に固定されている。光源3はガス放電ランプとして構成されている。この光源3は、反射鏡4の光軸5に対して間隔を保って水平に延びる光源旋回軸線6で反射鏡に旋回可能に支承されている。ロービームのための位置とハイビームのための位置とを切り換えるために、光源3は光源旋回軸線6を中心にして、反射鏡4に対して相対的に旋回させることができる。光源旋回軸線6を中心にして旋回させることによって、光源3は反射鏡4の光軸5に沿って後方(光放射方向7とは逆方向に)に、また鉛直方向で下方に(反射鏡4の光軸5から離れる方向に)移動する。それによって、反射鏡4で反射された光束が、ハイビーム用に集中され上昇される。
【0033】反射鏡4は、この反射鏡4の光軸5に対して水平に、しかもこの光軸5に対して間隔を保って延びる反射鏡−旋回軸線8でケーシング2に旋回可能に支承されている。これによって反射鏡4は、ヘッドライトレンジ(ビーム到達距離)を調整するために、ケーシング2に対して相対的に光放射方向7に対して垂直に移動せしめられる。旋回軸線8を中心にして反射鏡4を旋回させるために、前照灯装置1はモータ9を有している。このモータ9は、ヘッドライトレンジを調整するための制御ユニット10によって次のように制御される。つまり、ロービームのための位置又はハイビームのための位置における通常の前照灯作動中に、前照灯装置1のヘッドライトレンジが自動車の傾きに関連して自動車横軸線を中心にして調整されるように、制御される。
【0034】反射鏡4の光軸5に対して間隔を保って、第1の電磁石11がウエブ15を介して反射鏡4に固定されている。第1の電磁石11の作動側11aに対向して、押圧ばね12によって間隔を保たれた第1のフランジ13が配置されている。この第1のフランジ13は、符号14で示されたウエブ構造体を介して光源3に固定されている。第1のフランジ13は、少なくとも部分的に磁気化可能な材料より成っていて、第1の電磁石11の作動時にこの電磁石11の作動側11aで保持される。
【0035】ケーシング2には第2の電磁石16が固定されている。第2の電磁石16の作動側16aに向き合って、これに間隔を保って第2の磁気化可能なフランジ17が配置されており、このフランジ17は、ウエブ構造体14を介して光源3に固定されている。第2の電磁石16の作動側16aと第2のフランジ17とは、旋回平面に又は光源3の旋回平面に対して平行に延びている。第2の電磁石16が作動されると、第2のフランジ17はその作動側16aで保持され、それによって光源13はケーシング2に対する瞬間的な旋回位置で固定される。
【0036】図1乃至図3に示した本発明による前照灯装置1は、それぞれ相対的に可動な3つの構造群を有している。第1の構造群はケーシング2によって形成されていて、このケーシング2に、ヘッドライトレンジを調整するためのモータ9と第2の電磁石16とが固定されている。この第1の構造群に対して相対的に、第2の構造群が反射鏡旋回軸線8を中心にして旋回せしめられる。第2の構造群は、反射鏡4と、ウエブ15と第1の電磁石11とを有している。第2の構造群に対して相対的に、第3の構造群が、光源旋回軸線6を中心にして旋回可能である。第3の構造群は光源3と、ウエブ構造体14と、第1のフランジ13と、第2のフランジ17とを有している。
【0037】本発明による前照灯装置1を、ロービームのための位置(図1)から、ハイビームのための位置(図3)へ切り換えるために、まず第2の電磁石16が作動せしめられ、第2のフランジ17が第2の電磁石16の作動面16aで保持される。次いでヘッドライトレンジを調整するためのモータ9が制御ユニット10によって制御されて、このモータ9は反射鏡4を矢印18の方向で反射鏡旋回軸線8を中心にして角度α(図2参照)だけ旋回せしめられる。光源3は第2の電磁石16が作動されることによって、ケーシング2に対して相対的なその旋回位置で保持されるので、光源3は反射鏡4の旋回運動に追従することはない。ケーシング2に対して相対的な反射鏡4の旋回運動中に、光源3は、第1のフランジ13が第1の電磁石11の作動面11aにぶつかるまで、むしろ押圧ばね12のばね力に抗して反射鏡4に対して相対的に旋回せしめられる。第1の電磁石11が作動されると、それによって第1のフランジ13は第1の電磁石11の作動面11aで保持される。これによって光源3は反射鏡4に対して相対的なその瞬間的な旋回位置で保持される。次いで第2の電磁石16が再び作動解除される。制御ユニット10は、ヘッドライトレンジを調整するためのモータ9を次のような形式で制御する。つまり、反射鏡4が光源3と一緒に、反射鏡旋回軸線8を中心にして矢印19方向で戻り旋回せしめられるように、制御する。こうして前照灯装置1はハイビームのための位置(図3参照)に位置する。反射鏡4は、その初期位置(図1参照)にあって、光源3は、反射鏡4の光軸5に沿って後方に(光放射方向7)ずらされ、鉛直方向で下方に(反射鏡4の光軸5から離れる方向に)旋回せしめられる。
【0038】本発明による前照灯装置1を、ハイビームのための位置からロービームのために位置に再び切り換えて戻すためには、単に第1の電磁石11を作動させるだけでよい。光源3は、押圧ばね12のばね力によって光源旋回軸線6を中心にして再びその初期位置(図1参照)に旋回せしめられる。
【0039】図4及び図5には、本発明による前照灯装置の第2実施例が示されている。図示の前照灯装置は、ロービームのための位置(図4)から、切り換えることなしにハイビームのための位置(図5)に切り換えられる。
【0040】図4及び図5に示した前照灯装置1は、図1乃至図3に示された前照灯装置1とほぼ同様に構成されている。図1乃至図3に示した前照灯装置1との相違点は、第2の電磁石16が光源3のウエブ構造体14に固定されているという点である。第2の電磁石16の作動面16aに向き合って、これに対して間隔を保って第2の磁気化可能なフランジ17が配置されている。第2のフランジ17は、反射鏡旋回軸線8に対して間隔を保ってボーデンケーブル20を介して反射鏡4に結合されている。ボーデンケーブル20は、旋回軸線8を中心としたケーシング2に対する反射鏡4の旋回運動を、反射鏡4に対する第2のフランジ17のしゅう動運動に変換する。第2の電磁石16の作動側16aと第2のフランジ17とは、旋回平面内に延びているか、又は光源3の旋回平面に対して平行に延びている。第2の電磁石16が作動されると、第2のフランジ17はその作動側16aで保持され、それによって反射鏡4に対して相対的な第2のフランジ17のしゅう動運動が、反射鏡4に対して相対的な光源旋回軸線6を中心とした光源の旋回運動に変換される。
【0041】図4及び図5に示された本発明による前照灯装置1は、同様にそれぞれ相対的に可動である3つの構造群を有している。第1の構造群はケーシング2によって形成されていて、このケーシング2にヘッドライトレンジを調整するためのモータ9が固定されている。この第1の構造群に対して相対的に、第2の構造群が反射鏡旋回軸線8を中心にして旋回せしめられる。第2の構造群は、反射鏡4と、ウエブ15と、第1の電磁石11とを有している。第2の構造群に対して相対的に第3の構造群が光源旋回軸線6を中心にして旋回可能である。第3の構造群は、光源3と、ウエブ構造体14と、第1のフランジ13と、第2の電磁石16とを有している。
【0042】本発明による前照灯装置1を、ロービームのための位置(図4)からハイビームのための位置(図5)に切り換えるために、まず第2の電磁石16が作動され、第2のフランジ17が第2の電磁石16の作動側16aで保持される。次いでヘッドライトレンジを調整するためのモータ9が制御ユニット10によって、反射鏡4を矢印18の方向で反射鏡軸線8を中心にして角度α(図2参照)だけ旋回させるように、制御される。第2の電磁石16が作動されることによって、第2のフランジ17が、第2の電磁石の作動面16aで保持されるので、ケーシング2に対して相対的な反射鏡旋回軸線8を中心とした反射鏡4の旋回位置は、ボーデンケーブル20を介して、反射鏡4に対して相対的な光源旋回軸線6を中心とした光源3の旋回運動に移行する。光源3の旋回運動は、押圧ばね12のばね力に抗して行われる。光源3の旋回運動の最後に、第1のフランジ13は第2の電磁石11の作動面11aに突き当たる。第1の電磁石11が作動され、それによって第1のフランジ13は第1の電磁石11の作動面11aで保持される。これによって光源3は反射鏡4に対するその瞬間的な旋回位置で保持される。反射鏡曲率半径つまり、反射鏡旋回軸線8と反射鏡4におけるヘッドライトレンジ調整のためのモータ9の作用点との間の間隔が100mmである場合、ヘッドライトレンジ調整のためのモータ9は、所定の角度から上向きにさせるために、約1.75mmだけ直線運動で戻り移動せしめられる。前照灯装置1の変向機構の他方の作用点は、光源3が所定の角度から上向きにされることに基づいて、角度約0.5゜だけ垂直上方に旋回せしめられるように、配置されている。光源3を垂直上方に旋回させることによって、反射鏡の上向きは補償される。
【0043】こうして前照灯装置1は、そのハイビームのための位置を占める(図5参照)。反射鏡4は、その初期位置(図4参照)から角度αだけ上方に旋回せしめられ、光源3は、反射鏡4の光軸5に沿って後方に(光放射方向7とは逆方向に)ずらされ、鉛直方向で上方(反射鏡4の光軸5から離れて)に旋回せしめられる。
【0044】切換駆動装置外での、通常の前照灯駆動のためには、第2の電動モータ16は再び作動解除される。これによって、ヘッドライトレンジ調整のためのモータ9は公知の形式で前照灯装置1のヘッドライトレンジを調節することができる。
【0045】本発明による前照灯装置1を、ハイビームのための位置からロービームのための位置に切換えて戻すために、第1の電磁石11は作動解除される。光源3は、押圧ばね12のばね力によって光源旋回軸線6を中心にして再びその初期位置(図4参照)に戻し旋回せしめられる。付加的に反射鏡4は、ヘッドライトレンジ調整のためのモータ9によって反射鏡旋回軸線8を中心にして下方に向かって再びその初期位置に戻し旋回せしめられる。
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成12年2月17日(2000.2.17)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2000−243106(P2000−243106A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願2000−40047(P2000−40047)