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【発明の名称】 自動車用灯具
【発明者】 【氏名】今坂 弘憲

【要約】 【課題】クリップやネジを使わずに、インナパネルを簡単にアウタレンズに取付けられる自動車用灯具を提供する。

【解決手段】アウタレンズ2のスラント部9の内面に内側へ突出した段部13を形成すると共に側面部10の内面に受溝11を形成し、インナパネル7の車幅方向外側端17を段部に係合させると共に車幅方向内側端18に形成した突起19を受溝11内に係合させたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面側にアウタレンズを備えたハウジング内にリフレクタとバルブを設けると共に、アウタレンズの車幅方向外側端部に車体の側面まで湾曲して回り込んだスラント部が形成され且つ車幅方向内側端部にハウジング側に曲折した側面部が形成され、該アウタレンズの内面側にリフレクタの開口端とハウジングとの隙間を隠す概略フレーム状のインナパネルが取付けられている自動車用灯具において、前記アウタレンズには、該アウタレンズのスラント部の内面に内側へ突出した段部を形成すると共に側面部の内面に受溝を形成し、前記インナパネルには、前記段部に係合させる車幅方向外側端を形成すると共に前記受溝内に係合させる突起を車幅方向内側端に形成してなることを特徴とする自動車用灯具。
【請求項2】 請求項1に記載の自動車用灯具であって、前記インナパネルのスラント部に対応する部分には、インナレンズを組付けると共に、該インナレンズに対応する部分のハウジングに別のバルブを取付けたことを特徴とする自動車用灯具。
【請求項3】 請求項2に記載の自動車用灯具であって、前記アウタレンズのインナレンズに対応する部分に隆起部を形成することで、該隆起部の後端に段部を形成したことを特徴とする自動車用灯具。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車用灯具であって、前記リフレクタの車幅方向内側には、バルブからの光を光軸に対して車幅方向外側へ向けて反射する延長部が形成されていることを特徴とする自動車用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車用灯具、特に車体の側面まで湾曲して回り込んだ形状のアウタレンズを有する自動車用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の前面の左右両端には、例えば、実開平6ー23111号公報にて知られているヘッドランプ等の灯具が設けられている。この種の灯具は、前面にアウタレンズを備えたハウジング内に、リフレクタとバルブが設けられている。また、アウタレンズの内面には、前記リフレクタの開口端とハウジングとの隙間を隠す概略フレーム状のインナパネルが取付けられている。このインナパネルは、アウタレンズの内面の端部に対して、クリップやネジにより取付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の技術にあっては、インナパネルをクリップやネジによりアウタレンズに取付けていたため、部品点数及び作業工数の増加を招いている。また、アウタレンズにクリップやネジで取付けるための複雑な加工を施す必要があり、アウタレンズの形状が複雑になる。
【0004】そこで、この発明では、このような部品点数の増加や、アウタレンズの形状の複雑化を解決するために、灯具の構造により、アウタレンズの車幅方向外側端部が車体の側面まで湾曲して回り込み且つ車幅方向内側端部がハウジング側に曲折した形状のものがあることに着目し、このような形状をしたアウタレンズを利用することにより、クリップやネジを使わずに、インナパネルを簡単にアウタレンズに取付けられる自動車用灯具を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、表面側にアウタレンズを備えたハウジング内にリフレクタとバルブを設けると共に、アウタレンズの車幅方向外側端部に車体の側面まで湾曲して回り込んだスラント部が形成され且つ車幅方向内側端部にハウジング側に曲折した側面部が形成され、該アウタレンズの内面側にリフレクタの開口端とハウジングとの隙間を隠す概略フレーム状のインナパネルが取付けられている自動車用灯具において、前記アウタレンズには、該アウタレンズのスラント部の内面に内側へ突出した段部を形成すると共に側面部の内面に受溝を形成し、前記インナパネルには、前記段部に係合させる車幅方向外側端を形成すると共に前記受溝内に係合させる突起を車幅方向内側端に形成してなる。
【0006】請求項1に記載の発明によれば、アウタレンズの車幅方向外側のスラント部と、車幅方向内側の側面部が略向かい合った位置関係になっているため、インナパネルの車幅方向外側端を段部に係合させ、車幅方向内側端に形成した突起を受溝内に係合させることにより、インナパネルをアウタレンズに対して確実に取付けることができる。このように、クリップやネジを必要とせずにインナパネルを取付けることができるため、従来のように部品点数や作業工数が増加することはない。また、アウタレンズには、段部と受溝を形成するだけなので、アウタレンズの形状が複雑になることもない。更に、車体前面にあって外観上目立つアウタレンズの車幅方向内側部分は、その側面部に受溝を形成するだけなので大きな形状変化はなく、しかもインナパネルに形成した突起も受溝の中に係合されて見えなくなるため、外観品質上も問題ない。
【0007】請求項2に記載の発明は、インナパネルのスラント部に対応する部分にインナレンズを組付けると共に、インナレンズに対応する部分のハウジングに別のバルブを取付けた。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、スラント部に対応する部分のスペースを利用して別のバルブを取付けたため、ハウジングの内部空間の有効利用が図れる。
【0009】請求項3に記載の発明は、アウタレンズのインナレンズに対応する部分に隆起部を形成することで、該隆起部の後端に段部を形成した。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、別のバルブの存在を強調するデザインのために形成した隆起部の後端の段部を、そのままインナパネルを係合させるために使用できるため、特別に段部を形成する必要がなく、アウタレンズの形状変更が少なくて済む。
【0011】請求項4に記載の発明は、リフレクタの車幅方向内側に、バルブからの光を光軸に対して車幅方向外側へ向けて反射する延長部が形成されている。
【0012】請求項4に記載の発明によれば、リフレクタの車幅方向内側に、バルブからの光を光軸に対して車幅方向外側へ反射する延長部が形成されているため、車両が車幅方向外側へ旋回する際に、旋回する先を照らすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は自動車の前面に設置されるヘッドランプ1を示している。このヘッドランプ1は、前面にアウタレンズ2を設けたハウジング3の中央に、リフレクタ4と前照用バルブ5を収納し、その車幅方向外側に前記前照灯バルブ5と異なるクリアランス用バルブ6を収納した構造になっている。また、アウタレンズ2の内面側には、インナパネル7が取付けられている。
【0014】前記リフレクタ4は、底部側は光軸Xを中心にした左右対称の回転放物面になっているが、車幅方向内側には略前方へ真っ直ぐ延びる延長部8が形成されている。リフレクタ4のうち、回転放物面の部分は、光L1を略前方へ反射し、延長部8は光L2を光軸Xに対して車幅方向外側へ向けて反射する。従って、延長部8で反射した光L2により、車両が走行中に車幅方向外側へ旋回する場合に、旋回する先を照らすことができる。このような構造をしたリフレクタ4は、ハウジング3の内面から離間した状態で取付けられ、リフレクタ4の開口端とハウジング3の内面との間には隙間Sが形成される。この隙間Sを隠すためのものが前記インナパネル7である。
【0015】このインナパネル7は、前述のようにアウタレンズ2に取付けられている。アウタレンズ2の車幅方向外側端部には、車体の側面まで湾曲して回り込んだスラント部9が形成され、車幅方向内側端部及び上下にはハウジング3側に曲折した側面部10が形成されている。即ち、アウタレンズ2の車幅方向外側のスラント部9と、車幅方向内側の側面部10が略向かい合った位置関係になっている。
【0016】アウタレンズ2の側面部10の内面には、上下方向に沿う受溝11が形成されている。また、スラント部9には、前記クリアランス用バルブ6の存在を強調するデザインのために、隆起部12が形成されている。この隆起部12を形成したことにより、該隆起部12の後端には、内側に突出した段部13が形成されている。
【0017】前記インナパネル7は、リフレクタ4の開口縁よりも小さいサイズの開口14を有するフレーム形状をしており、その車幅方向外側には、クリアランス用バルブ6を突出させる孔15が形成され、それを覆うインナレンズ16が組付けられている。そして、インナパネル7の車幅方向外側端17は後側に向けて曲折されている。インナパネル7の車幅方向内側端18も、後側に曲折されていると共に、そこに車幅方向内側向きの突起19が形成されている。従って、このインナパネル7は、車幅方向外側端17を、アウタレンズ2のスラント部9に形成された段部13に係合させ、車幅方向内側端18の突起19を、アウタレンズ2の側面部10に形成された受溝11に係合させることにより、アウタレンズ2の内面に取付けられた状態となる。このインナパネル7は、アウタレンズ2をハウジング3に取付ける前に予め取付けておくもので、アウタレンズ2をハウジング3に取付けることにより、インナパネル7のアウタレンズ2に対する取付状態は更に確実になる。
【0018】このように、この実施形態によれば、インナパネル7の車幅方向における両端部の係合により、インナパネル7をアウタレンズ2に対して確実に取付けることができるため、クリップやネジを必要とせず、部品点数及び作業工数の低減を図ることができる。また。アウタレンズ2には段部13と受溝11を形成するだけなので、アウタレンズ2の形状が複雑になることもない。更に、車体前面にあって外観上目立つアウタレンズ2の車幅方向内側部分は、その側面部10に受溝11を形成するだけなので大きな形状変化はなく、しかもインナパネル7に形成した突起19も受溝11の中に係合されて見えなくなるため、外観品質上問題ない。また、車体の側面に回り込んでいるスラント部9に対応する部分のスペースを利用してクリアランス用バルブ6を取付けたため、ハウジング3の内部空間の有効利用が図れる。
【0019】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、アウタレンズの車幅方向外側のスラント部と、車幅方向内側の側面部が略向かい合った位置関係になっているため、インナパネルの車幅方向外側端を段部に係合させ、車幅方向内側端に形成した突起を受溝内に係合させることにより、インナパネルをアウタレンズに対して確実に取付けることができる。このように、クリップやネジを必要とせずにインナパネルを取付けることができるため、従来のように部品点数や作業工数が増加することはない。また。アウタレンズには段部と受溝を形成するだけなので、アウタレンズの形状が複雑になることもない。更に、車体前面にあって外観上目立つアウタレンズの車幅方向内側部分は、その側面部に受溝を形成するだけなので大きな形状変化はなく、しかもインナパネルに形成した突起も受溝の中に係合されて見えなくなるため、外観品質上も問題ない。
【0020】請求項2記載の発明によれば、スラント部に対応する部分のスペースを利用して別のバルブを取付けたため、ハウジングの内部空間の有効利用が図れる。
【0021】請求項3記載の発明によれば、別のバルブの存在を強調するデザインのために形成した隆起部の後端の段部を、そのままインナパネルを係合させるために使用できるため、特別に段部を形成する必要がなく、アウタレンズの形状変更が少なくて済む。
【0022】請求項4記載の発明によれば、リフレクタの車幅方向内側に、バルブからの光を光軸に対して車幅方向外側へ反射する延長部が形成されているため、車両が車幅方向外側へ旋回する際に、旋回する先を照らすことができる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成11年1月20日(1999.1.20)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−215712(P2000−215712A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−12260