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【発明の名称】 車両用標識灯
【発明者】 【氏名】薩川 秀昭

【氏名】川島 宏之

【氏名】天野 靖之

【要約】 【課題】拡散反射機能を有するリフレクタを備えた小型の車両用標識灯において、反射光量のロスをなくすことにより灯具効率を高める。

【解決手段】灯具基準軸Ax上に配置された光源バルブ12からの光を前方へ拡散反射させる反射面14aを有するリフレクタ14と、その前方に設けられた素通しレンズ16とを備えた構成とする。反射面14aは、その内周縁領域14a1においては灯具基準軸Axと略平行な方向に反射光を射出するとともにその外周縁領域14a2においては灯具基準軸Ax寄りの方向に反射光を射出するように形成する。これにより、反射面14aからの拡散反射光が光源バルブ12や反射面外周側の立ち壁14cに遮られてしまうのを未然に防止し、反射光量のロスをなくす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前後方向に延びる灯具基準軸上に配置された光源バルブと、この光源バルブからの光を前方へ拡散反射させる反射面を有するリフレクタと、このリフレクタの前方に設けられた素通しレンズとを備えてなる車両用標識灯において、上記反射面が、該反射面の内周縁領域においては上記灯具基準軸と略平行な方向に反射光を射出するとともに該反射面の外周縁領域においては上記灯具基準軸寄りの方向に反射光を射出するように形成されている、ことを特徴とする車両用標識灯。
【請求項2】 上記反射面の形状設定が、該反射面からの拡散反射光により照射すべき配光パターンを複数のパターン領域に分割するとともに、これら各パターン領域毎に該パターン領域の照射光量を得るのに必要な光束を算出する一方、該反射面を、上記各パターン領域毎に算出された光束を得るのに必要な立体角で、該各パターン領域に対応する複数の反射領域に分割するとともに、これら各反射領域の傾き分布を、該反射領域からの反射光が上記各パターン領域に照射されるように設定することにより行われている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用標識灯。
【請求項3】 上記素通しレンズにおける上記光源バルブの前方に位置する部位に、該光源バルブからの光を灯具基準軸寄りに集束させる集光レンズ部が形成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用標識灯。
【請求項4】 上記反射面が、該反射面からの拡散反射光の略全量を上記集光レンズ部の周囲に位置する素通しレンズ部へ入射させるように構成されている、ことを特徴とする請求項3記載の車両用標識灯。
【請求項5】 上記集光レンズ部の形状設定が、該集光レンズ部の透過光により照射すべき配光パターンを複数のパターン領域に分割するとともに、これら各パターン領域毎に該パターン領域の照射光量を得るのに必要な光束を算出する一方、該集光レンズ部を、上記各パターン領域毎に算出された光束を得るのに必要な立体角で、該各パターン領域に対応する複数のレンズ領域に分割するとともに、これら各レンズ領域のプリズム頂角分布を、該レンズ領域からの透過光が上記各パターン領域に照射されるように設定することにより行われている、ことを特徴とする請求項3または4記載の車両用標識灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、拡散反射機能を有するリフレクタを備えた車両用標識灯に関するものであり、特に小型の車両用標識灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用標識灯として、図8に示すように、リフレクタ104の反射面104aを複数の拡散反射素子104sで構成して、光源バルブ102からの光を拡散光として前方へ反射させることにより、レンズ106を素通しレンズで構成し、これにより灯具に透明感を持たせた上で所定の配光パターンを得るように構成されたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような構成を採用した場合、同図に示すように、反射面104aからの拡散反射光の一部が、光源バルブ102や反射面104aの外周側の立ち壁104bに遮られてしまい、その分だけ反射光量をロスすることとなる。
【0004】このような反射光量のロスは、大型灯具においては特に問題とはならないが、灯具が小型化するにつれて反射面104aへの入射光量が減少するため、反射光量のロス分の影響が表面化し、これにより灯具効率が低下してしまうという問題がある。
【0005】本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、拡散反射機能を有するリフレクタを備えた小型の車両用標識灯において、反射光量のロスをなくすことにより灯具効率を高めることができる車両用標識灯を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、リフレクタの反射面の構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0007】すなわち、本願発明は、請求項1に記載したように、前後方向に延びる灯具基準軸上に配置された光源バルブと、この光源バルブからの光を前方へ拡散反射させる反射面を有するリフレクタと、このリフレクタの前方に設けられた素通しレンズとを備えてなる車両用標識灯において、上記反射面が、該反射面の内周縁領域においては上記灯具基準軸と略平行な方向に反射光を射出するとともに該反射面の外周縁領域においては上記灯具基準軸寄りの方向に反射光を射出するように形成されている、ことを特徴とするものである。
【0008】上記「素通しレンズ」は、全面にわたって素通し状に形成されたものであってよいことはもちろんであるが、その一部にレンズ機能を有するものであってもよい。
【0009】上記「反射面」における内周縁領域および外周縁領域以外の領域については、その具体的な反射面形状は特に限定されるものではない。
【0010】上記「灯具基準軸と略平行な方向」とは、灯具基準軸と平行な方向のみならず、内周縁領域からの反射光が光源バルブに遮られない範囲内において灯具基準軸に対して斜めの方向をも含む概念である。
【0011】
【発明の作用効果】本願発明に係る車両用標識灯は、そのリフレクタの反射面が灯具基準軸上に配置された光源バルブからの光を前方へ拡散反射させるように構成されているが、該反射面は、その内周縁領域においては灯具基準軸と略平行な方向に反射光を射出するとともにその外周縁領域においては灯具基準軸寄りの方向に反射光を射出するように形成されているので、該反射面からの拡散反射光が光源バルブや反射面外周側の立ち壁に遮られてしまうのを未然に防止することができ、これにより反射光量のロスをなくすことができる。このため、灯具を小型化した場合においても灯具効率を高めることができる。
【0012】したがって、本願発明によれば、拡散反射機能を有するリフレクタを備えた小型の車両用標識灯において、反射光量のロスをなくすことにより灯具効率を高めることができる。
【0013】上記構成において、上記反射面の形状設定方法は特に限定されるものではないが、請求項2に記載したように、該反射面からの拡散反射光により照射すべき配光パターンを複数のパターン領域に分割するとともに、これら各パターン領域毎に該パターン領域の照射光量を得るのに必要な光束を算出する一方、該反射面を、上記各パターン領域毎に算出された光束を得るのに必要な立体角で、該各パターン領域に対応する複数の反射領域に分割するとともに、これら各反射領域の傾き分布を、該反射領域からの反射光が上記各パターン領域に照射されるように設定することにより行うようにすれば、目標配光パターンを得るための試行錯誤を排除して、一度の設計製作により目標配光パターンで灯具前方を照射するリフレクタを得ることができる。そして、これにより灯具の開発期間の短縮および開発コストの低減を図ることができる。
【0014】上記構成において、請求項3に記載したように、上記素通しレンズにおける光源バルブの前方に位置する部位に、該光源バルブからの光を灯具基準軸寄りに集束させる集光レンズ部が形成された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0015】すなわち、従来の車両用標識灯においては、図8に示すように、光源バルブ102から素通しレンズ106へ向かう直射光は、単に放射状に広がる光になってしまうため、灯具配光パターンの形成にはほとんど寄与せず、素通しレンズ106の光源バルブ前方部位は配光制御用として有効に利用されていない。これに対し、請求項3に記載したように、上記集光レンズ部を形成するようにすれば、素通しレンズの光源バルブ前方部位を配光制御用として有効に利用することができるので、灯具効率を高めることができ、その分だけ灯具の小型化を図ることができる。しかも、灯具を前方から観察したとき、レンズ面に集光レンズ部が浮かんで見え、その周囲の素通しレンズ部を透して奥の方に反射面が見えることとなり、これにより灯具に立体感や奥行き感を与えることができる。
【0016】ところで、このようにレンズおよびリフレクタの双方に配光制御機能が付与されている場合、一般には、灯具としての配光制御を精度良く行うことが難しくなるが、上記集光レンズ部が形成されているのは光源バルブ前方部位であり、反射面の前方部位は素通しレンズ部となっているので、集光レンズ部による光源バルブからの直射光の集束制御と、反射面による光源バルブからの入射光の拡散反射制御とを、ある程度機能分離して行うことができる。したがって、灯具としての配光制御を比較的精度良く行うことができる。
【0017】この場合において、請求項4に記載したように、上記反射面を、該反射面からの反射光の略全量を上記素通しレンズ部へ入射させる構成とすれば、集光レンズ部による直射光集束制御と反射面による拡散反射制御とを略完全に機能分離して行うことができるので、灯具としての配光制御を精度良く行うことができる。
【0018】上記集光レンズ部の形状設定方法は特に限定されるものではないが、請求項5に記載したように、該集光レンズ部の透過光により照射すべき配光パターンを複数のパターン領域に分割するとともに、これら各パターン領域毎に該パターン領域の照射光量を得るのに必要な光束を算出する一方、該集光レンズ部を、上記各パターン領域毎に算出された光束を得るのに必要な立体角で、該各パターン領域に対応する複数のレンズ領域に分割するとともに、これら各レンズ領域のプリズム頂角分布を、該レンズ領域からの透過光が上記各パターン領域に照射されるように設定することにより行うようにすれば、目標配光パターンを得るための試行錯誤を排除して、一度の設計製作により目標配光パターンで灯具前方を照射するレンズを得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0020】図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用標識灯を示す正面図であり、図2および3は、そのII-II 線およびIII-III 線断面図である。
【0021】これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用標識灯10は、灯具正面視において円形の外形形状を有する小型のフロントターンシグナルランプであって、前後方向に延びる灯具基準軸(光軸)Axと直交するようにして鉛直方向に延びるフィラメント12a(光源)を有する光源バルブ12と、この光源バルブ12を灯具基準軸Ax上に位置させるようにして該光源バルブ12を固定支持するリフレクタ14と、このリフレクタ14の前方に配置された素通しレンズ16と、この素通しレンズ16の外周縁部を覆う不透明部材からなるカバーリング18とを備えてなっている。
【0022】リフレクタ14は、その後頂部に光源バルブ12を挿着するバルブ挿着孔14bが形成されており、このバルブ挿着孔14bの周囲に、光源バルブ12(のフィラメント12a)からの光を前方へ拡散反射させる反射面14aが形成されている。そして、この反射面14aの外周側には、該反射面14aを囲むようにして立ち壁14cが形成されている。
【0023】素通しレンズ16における光源バルブ12の前方に位置する部位には、該光源バルブ12からの光を灯具基準軸Ax寄りに集束させる集光レンズ部16aが形成されている。この集光レンズ部16aの外形形状は、バルブ挿着孔14bと同じ大きさの円形形状に設定されている。したがって、素通しレンズ16における素通しレンズ部16bは、集光レンズ部16aを囲むようにして円環状に形成されることとなる。集光レンズ部16aは、前面が凸の平凸レンズ状に形成されている。ただし、単純な平凸レンズではなく、灯具基準軸Ax回りの角度位置によって凸形状が徐変する変形平凸レンズとなっている。
【0024】リフレクタ14の反射面14aは、その内周縁領域14a1においては灯具基準軸Axと略平行な方向に反射光を射出するとともに、その外周縁領域14a2においては灯具基準軸Ax寄りの方向に反射光を射出するように形成されている。そして、この反射面14aは、該反射面14aからの拡散反射光の略全量を素通しレンズ16の素通しレンズ部16bへ入射させるように構成されている。すなわち、反射面14aは、フィラメント12aの中心位置(灯具基準軸Ax上の点)Oから該反射面14aへ入射する光に関しては、すべて素通しレンズ16の素通しレンズ部16bへ入射する方向へ反射させるように構成されている。この反射面14aは、段差および稜線が存在しない滑らかな曲面で構成されている。
【0025】本実施形態においては、反射面14aによる光源バルブ12からの入射光の拡散反射制御と、集光レンズ部16aによる光源バルブ12からの直射光の集束制御とにより、所定の配光パターンで灯具前方を照射するように構成されている。そして、本実施形態においては、フロントターンシグナルランプとしての目標配光パターンを、反射面14aにより形成すべき第1目標配光パターンP1と集光レンズ部16aにより形成すべき第2目標配光パターンP2とに分け、これら第1目標配光パターンP1および第2目標配光パターンP2を基にして、反射面14aおよび集光レンズ部16aの形状設定が各々行われるようになっている。
【0026】以下、反射面14aおよび集光レンズ部16aの形状設定手順について説明する。なお、本実施形態においては、説明簡略化のため、第1目標配光パターンP1と第2目標配光パターンP2とが全く同じ配光パターンに設定されているものとして説明する。
【0027】まず、反射面14aの形状設定手順について説明する。
【0028】図4は、反射面14aの形状設定手順を説明するための斜視図である。
【0029】図示のように、まず、灯具前方のスクリーンに第1目標配光パターンP1を設定する。この第1目標配光パターンP1は、楕円形状の配光パターンであって、灯具基準軸Axから楕円周縁部を向けて徐々に光度が低下する光度分布を有している。この第1目標配光パターンP1においては、等光度曲線も多重楕円形状となる。そこで、この第1目標配光パターンP1を、灯具基準軸Axを中心にして同心楕円環状に複数のパターン領域に分割する。次に、各パターン領域毎に該パターン領域の照射光量を得るのに必要な光束を算出する。
【0030】一方、リフレクタ14の反射面14aを、上記複数のパターン領域と同数の複数の反射領域に分割する。その際、これら各反射領域は、灯具基準軸Axを中心にして同心円環状に分割するとともに、上記光束を得るのに必要な立体角が得られるようにように分割する。次に、各反射領域の傾き分布を、該反射領域からの反射光が上記各パターン領域に照射されるように設定する。
【0031】こうして得られた反射面14aは、H線断面(図3に示す断面)において曲率が最も大きく、V線断面(図2に示す断面)へ向けて徐々に曲率が小さくなる凹状曲面となる。
【0032】次に、集光レンズ部16aの形状設定手順について説明する。
【0033】図5は、集光レンズ部16aの形状設定手順を説明するための斜視図である。
【0034】図示のように、まず、灯具前方のスクリーンに第2目標配光パターンP2を設定する。この2目標配光パターンP2は、上述したように、第1目標配光パターンP1と全く同じ配光パターンに設定されている。したがって、この2目標配光パターンP2を構成する各パターン領域の照射光量を得るのに必要な光束の算出方法も、第1目標配光パターンP1の場合と全く同様である。
【0035】一方、素通しレンズ16の集光レンズ部16aの前面を、上記複数のパターン領域と同数の複数のレンズ領域に分割する。その際、これら各レンズ領域は、灯具基準軸Axを中心にして同心円環状に分割するとともに、上記光束を得るのに必要な立体角が得られるようにように分割する。次に、各レンズ領域の傾き分布を、該レンズ領域からの透過光が上記各パターン領域に照射されるように設定する。
【0036】こうして得られた集光レンズ部16aは、V線断面(図2に示す断面)において曲率が最も大きく、H線断面(図3に示す断面)へ向けて徐々に曲率が小さくなる凸状曲面となる。したがって、集光レンズ部16aの周縁部は、V線断面とH線断面とで肉厚が異なったものとなる。本実施形態においては、集光レンズ部16aの周縁部の肉厚が最も薄くなるV線断面において集光レンズ部16aと素通しレンズ部16bとが段差なく接続され、H線断面においては集光レンズ部16aが素通しレンズ部16bに対して前方へ突出した状態になるように構成されている。
【0037】素通しレンズ16の外周縁部を覆うカバーリング18は、その内周縁18aが灯具基準軸Axを中心とする円形形状を有しており、これにより素通しレンズ部16bを円環状に露出させるようになっている。このカバーリング18の内周縁18aは、リフレクタ14の反射面14aからの拡散反射光を遮蔽しない範囲で、反射面14aの外周縁よりもできるだけ灯具基準軸Ax寄りに位置するように形成されている。
【0038】以上詳述したように、本実施形態に係る車両用標識灯10は、光源バルブ12と、これを固定支持するとともに該光源バルブ12からの光を前方へ拡散反射させる反射面14aを有するリフレクタ14と、その前方に設けられた素通しレンズ16とを備えているが、反射面14aは、その内周縁領域14a1においては灯具基準軸Axと略平行な方向に反射光を射出するとともにその外周縁領域14a2においては灯具基準軸Ax寄りの方向に反射光を射出するように形成されているので、反射面14aからの拡散反射光が光源バルブ12や反射面外周側の立ち壁14cに遮られてしまうのを未然に防止することができ、これにより反射光量のロスをなくすことができる。
【0039】したがって、本実施形態に係る車両用標識灯10が小型のフロントターンシグナルランプであるにもかかわらず、その灯具効率を高めることができる。
【0040】または、本実施形態においては、素通しレンズ16における光源バルブ12の前方部位に、該光源バルブ12からの光を灯具基準軸Ax寄りに集束させる集光レンズ部16aが形成されているので、灯具を前方から観察したとき、レンズ面に集光レンズ部16aが円形に浮かんで見え、その周囲の円環状の素通しレンズ部16bを透して奥の方に反射面14aが見えることとなり、これにより灯具に立体感や奥行き感を与えることができる。
【0041】しかも、本実施形態においては、素通しレンズ16の外周縁部を覆うカバーリング18が設けられており、該カバーリング18の円形形状の内周縁18aは、反射面14aの外周縁よりも灯具基準軸Ax寄りに位置するように形成されているので、カバーリング18の内周側において、素通しレンズ部16bを透してカバーリング18から所定距離離れた後方位置に反射面14aが見えることとなる。そして、これにより灯具に一層の立体感や奥行き感を与えることができ、灯具の見映え向上を図ることができる。
【0042】さらに、本実施形態においては、集光レンズ部16aの外径がバルブ挿着孔14bと同じ大きさに設定されているので、この点においても灯具の見映えを向上させることができる。
【0043】また、本実施形態においては、反射面14aおよび集光レンズ部16aが、いずれも段差および稜線が存在しない滑らかな曲面で構成されているので、灯具の透明感を高めることができ、これにより灯具の見映えを一層向上させることができる。
【0044】ところで、本実施形態においては、素通しレンズ16およびリフレクタ14の双方に配光制御機能が付与されているので、このような場合、一般には、灯具としての配光制御を精度良く行うことが難しくなるが、本実施形態においては、集光レンズ部16aとして構成されているのは光源バルブ12の前方部位であり、反射面14aの前方部位は素通しレンズ部16bとなっており、しかも反射面14aからの反射光の略全量が素通しレンズ部16bへ入射するようになっているので、集光レンズ部16aによる光源バルブ12からの直射光の集束制御と、反射面14aによる光源バルブ12からの入射光の拡散反射制御とを、略完全に機能分離して行うことができる。したがって、灯具としての配光制御を精度良く行うことができる。
【0045】また、このように、従来は配光制御用として有効に利用されていなかった素通しレンズ16における光源バルブ12の前方部位を配光制御用として有効利用することにより、灯具効率を高めることができる。したがって、その分だけ灯具の小型化を図ることができる。特に、本実施形態に係る車両用標識灯10のように、灯具がフロントターンシグナルランプである場合には、ヘッドランプに隣接して設けられることが多く、十分な灯具配設スペースを確保することができない場合が多いので、灯具効率の向上により灯具の小型化を図ることが極めて効果的である。
【0046】さらに、本実施形態に係る車両用標識灯10は、リフレクタ14の反射面14aにより形成される第1目標配光パターンP1と、素通しレンズ16の集光レンズ部16aにより形成される第2目標配光パターンP2との合成により、フロントターンシグナルランプとしての目標配光パターンを得るように構成されているが、反射面14aの形状設定が第1目標配光パターンP1を基にして行われるとともに、集光レンズ部16aの形状設定が第2目標配光パターンP2を基にして行われるようになっているので、従来のように目標配光パターンを得るために反射面やレンズの形状を何度も修正するといった試行錯誤を排除して、一度の設計製作により目標配光パターンで灯具前方を照射するリフレクタおよびレンズを得ることができる。
【0047】そして、このように目標配光パターンを容易に得ることができることから、灯具の開発期間の短縮および開発コストの低減を図ることができる。
【0048】上記実施形態においては、集光レンズ部16aの外径がバルブ挿着孔14bと同じ大きさに設定されている場合について説明したが、これ以外の構成を採用することももちろん可能である。また、上記実施形態においては、第1目標配光パターンP1と第2目標配光パターンP2とが全く同じ配光パターンに設定されているものとして説明したが、両者を異なる配光パターンに設定してもよいことはもちろんである。
【0049】図6は、上記実施形態の変形例を示す、図2と同様の図であり、図7は、本変形例により得られる配光パターンを示す、図4と同様の図である。
【0050】これらの図に示すように、本変形例においては、集光レンズ部16aの外径がバルブ挿着孔14bよりも小さい値に設定されており、また、第1目標配光パターンP1と第2目標配光パターンP2とが異なる配光パターンに設定されている。
【0051】すなわち、本変形例においては、目標配光パターンPの中心領域が集光レンズ部16aにより形成される第2目標配光パターンP2で構成されており、目標配光パターンPの周縁領域が反射面14aにより形成される第1目標配光パターンP1で構成されている。第1目標配光パターンP1を得るための反射面14aの形状設定および第2目標配光パターンP2を得るための集光レンズ部16aの形状設定については、上記実施形態と同様の手順で行われるようになっている。
【0052】本変形例においても、リフレクタ14の反射面14aは、その内周縁領域14a1においては灯具基準軸Axと略平行な方向に(やや灯具基準軸Ax寄りの方向に)反射光を射出するとともにその外周縁領域14a2においては灯具基準軸Ax寄りの方向に反射光を射出するように形成されているので、拡散反射光が光源バルブ12や反射面14aの外周側の立ち壁14cに遮られてしまうのを未然に防止することができ、これにより反射光量のロスをなくすことができる。また、その他の点に関しても上記実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。
【0053】上記実施形態においては、反射面14aおよび集光レンズ部16aの形状設定手順において、第1目標配光パターンP1および第2目標配光パターンP2を、灯具基準軸Axを中心にして同心楕円環状の複数のパターン領域に分割するようにしたが、このような幾何学的な分割方法に代えて、第1目標配光パターンP1および第2目標配光パターンP2を、所定光度幅で階層化して分割する方法を採用することも可能である。また、上記実施形態においては、第1目標配光パターンP1と第2目標配光パターンP2との合成によりフロントターンシグナルランプとしての目標配光パターンを得るように構成されているが、反射面14aのみにより、あるいは集光レンズ部16aのみにより、フロントターンシグナルランプとしての目標配光パターンを得るようにしてもよい。
【0054】上記実施形態においては、車両用標識灯10がフロントターンシグナルランプである場合について説明したが、例えば、クリアランスランプ、テールランプ、ストップランプ、バックアップランプ等の他の車両用標識灯においても、上記実施形態と同様の構成を採用することにより、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【出願日】 平成11年1月21日(1999.1.21)
【代理人】 【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
【公開番号】 特開2000−215711(P2000−215711A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−13567