トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】大杉 浩邦

【氏名】鈴木 重夫

【氏名】近藤 俊幸

【氏名】梅山 辰也

【氏名】中田 祥弘

【要約】 【課題】従来のLEDランプを光源とする車両用灯具では、光源基板としてプリント基板を採用するものであったので、形状に対する自由度が低く、例えば立体形状としたレンズには対応できないという問題点を生じていた。

【解決手段】本発明により、光源基板3は非導電性樹脂による基板部3aと導電性樹脂による配線回路部3bとが一体形成されて車両用灯具のレンズ4形状に沿う立体形状とされ、且つ、配線回路部3bにはLEDランプ2が熱的手段により取付けられている車両用灯具1としたことで、従来は不可能であったレンズ4の形状に対する光源基板3の形状の適正化を可能とし、レンズ4が立体形状である車両用灯具1においても配光特性の形成を容易とすると共に、レンズ面の輝度ムラなどの解消も可能として課題を解決するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源基板に取付けられた複数のLEDランプを光源とする車両用灯具において、前記光源基板は非導電性樹脂による基板部と導電性樹脂による配線回路部とが一体形成されて車両用灯具のレンズ形状に沿う立体形状とされ、且つ、前記配線回路部には前記LEDランプが熱的手段により取付けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 前記配線回路部と前記LEDランプとを取付けるための前記熱的手段が、前記配線回路部を加熱して行う熱カシメであることを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】 前記配線回路部と前記LEDランプとを取付けるための前記熱的手段が、前記LEDランプの脚部を加熱し前記配線回路部を軟化させ挿入する熱挿着であることを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項4】 前記配線回路部と前記LEDランプとを取付けるための前記熱的手段が、前記LEDランプの脚部に導電性樹脂により一体成形された接合部と、前記前記配線回路部との超音波溶着であることを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用灯具に関するものであり、詳細には比較的に小電力のLEDランプのが光源として採用され、これにともない複数のLEDランプが光源基板に取付けられるものとされている車両用灯具に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の車両用灯具90の構成の例を示すものが図6であり、LEDランプ91は、適宜の回路が形成されたガラスエポキシ基材のプリント基板による光源基板92に取付けられ、ハウジング93とレンズ94とで構成される灯室内に収納されている。
【0003】このときに、前記LEDランプ91は白熱電球に比較して照射角が狭いものであるので、前記光源基板92上に配設されるときのピッチおよびレンズ94との距離が調整され、レンズ94面で光が達していない部分を生じないようにされ、レンズ94の面における輝度ムラの発生が防止されている。また、車両用灯具90としての配光特性の確保のために、レンズ94には基本的に1個のLEDランプ91に対して1つのレンズカット94aが対応するものとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の構成の車両用灯具90において、例えばデザイン向上の目的でレンズ94を車体形状に沿わせるものとすると、このレンズ94は二次元もしくは三次元の立体形状となる。このときに、上記輝度ムラの解消などの目的で、LEDランプ91とレンズ94との距離を均一に保とうとすると、当然に光源基板92も立体形状のものが要求されるものとなるが、従来のプリント基板では対応が不可能であり、結果として輝度ムラの発生など車両用灯具90としての品質が低下を来す問題点を生じるものとなっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した従来の課題を解決するための具体的手段として、光源基板に取付けられた複数のLEDランプを光源とする車両用灯具において、前記光源基板は非導電性樹脂による基板部と導電性樹脂による配線回路部とが一体形成されて車両用灯具のレンズ形状に沿う立体形状とされ、且つ、前記配線回路部には前記LEDランプが熱的手段により取付けられていることを特徴とする車両用灯具を提供することで課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1に符号1で示すものは本発明に係る車両用灯具であり、この車両用灯具1は、光源基板3に取付けられた複数のLEDランプ2が光源として採用されているものである点は従来例のものと同様であるが、レンズ4は車体形状に沿わせるものとされて、二次元もしくは三次元の立体形状とされている。
【0007】従って、前記光源基板3としては、この光源基板3上に搭載されているLEDランプ2の全てをレンズ4に対してほぼ等距離として保持することを図るとき、あるいは、レンズ4に施されているレンズカット4aとLEDランプ2とを正確に対応させたいときなどには、前記レンズ4の立体形状に対応する立体形状としなければならないものとなる。尚、図1中に符号5で示すものはハウジングである。
【0008】そこで、本発明では前記光源基板3の全てを形状の設定に自由度の高い射出成形など金型による成形手段で形成するものであり、図2に示すように本発明においては、この光源基板3の基板部3aも、該基板部3aにLEDランプ2の取付けと給電を行うために敷設される配線回路部3bも共に射出成形などにより形成されるものとなる。
【0009】ここで、配線回路部3bについて考察してみると、第一には、導電性が要求されるものであり、第二には、従来のハンダ付けに相応するようなLEDランプ2に対する取付手段が要求されることである。そこで、第一の導電性については、本発明では、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ナイロン樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂など適宜の成形用の樹脂材料にハンダなどの金属粉を成形後の体積抵抗が10-4Ω・cm以下となる適量を混和するものであり、このようにすることで、通常の樹脂部材とほぼ同様に成形可能となる。
【0010】また、上記のように成形が可能であることは、上記で得られた導電性樹脂は熱可塑性である性質を維持しているものであるので、前記LEDランプ2の取付けに当たっては、例えば超音波振動による熱溶着、あるいは、熱カシメなど熱的手段によりLEDランプ2の端子部2aを配線回路部3bに固着を行えば、機械的取付と電気的接続とが同時に行えるものとなる。
【0011】ここで、前記光源基板3を形成するときには、例えば前記配線回路部3bを金型による射出成形で予めに形成しておき、この配線回路部3bを基板部3aを形成するための金型内の所定位置に設置し、しかる後に金属粉が添加されていない非導電性の樹脂部材を注入して基板部3aを形成するものとすれば、配線回路部3bと基板部3aとは一体化して本発明の光源基板3が得られるものとなる。
【0012】図3は、前記LEDランプ2の光源基板3への熱的係着手段の一例を示すものであり、この実施形態では前記光源基板3の導電性樹脂で形成された配線回路部3bには、LEDランプ2の端子部2aが挿入可能な貫通穴3cが設けられると共に、背面側には前記貫通穴3cと同軸としたボス3dが設けられている。
【0013】そして、取付けを行う際には先ず貫通穴3cにLEDランプ2の端子部2aを挿入し、この状態で前記ボス3dを図示のようにテーパー状とした加熱治具10を圧接し、ボス3dを軟化させて径を減縮させれば、LEDランプ2の取付けが行えると共に、電気的接続も完了する。
【0014】次いで、上記の構成とした本発明の車両用灯具1の作用および効果について説明を行う。上記のように射出成形などにより光源基板3を形成するものとしたことで、従来のプリント基板により形成していた光源基板よりも形状の自由度が大幅に向上し、レンズ4の立体形状に対する対応が容易なものとなる。また同時にLEDランプ2の向かう方向なども貫通穴3cの調整などにより規制できるものとなる。
【0015】よって、例えばLEDランプ2とレンズ4との距離を均一とするなど配光特性を設定するときに有利となる条件が容易に実現可能となるものであり、同時にレンズ4面における光ムラの解消なども可能となり、総合的に車両用灯具1の性能の向上が可能となるものである。
【0016】図4は本発明の別の実施形態を要部で示すものであり、前の実施形態ではLEDランプ2と光源基板3との取付けは熱カシメで行っていたが、本発明はこれを限定するものでない。即ち、配線回路部3bを形成する導電性樹脂は熱可塑性の特性を有するものであるので、所定温度を加えることで溶融状態となる。
【0017】この実施形態では上記を利用するものであり、基本的には前記配線回路部3bには前の実施形態で設けられた貫通穴3cもボス3dも設けられることはない。そして、LEDランプ2の取付けにあたっては、端子部2aを適宜温度に加熱し、た状態で配線回路部3bに圧接するものである。
【0018】この加熱された端子部2aの圧接により配線回路部3bは溶融し、端子部2aは配線回路部3b内に挿入され、そして、温度が下がると配線回路部3bは再び固化して端子部2aを保持するものとなる。尚、このときに配線回路部3bに端子部2aよりも小径としたガイド穴3eを設けるなどしておけば、LEDランプ2の取付位置が明確となり、また、挿入を行うときの加圧力も減じられるものとなり、取付作業の実施には好都合である。
【0019】図5に示すものは本発明の更に別の実施形態であり、この実施形態においては、予めにLEDランプ2の端子部2aに配線回路部3bと同一の導電性樹脂を用いて樹脂端子2bを一体形成しておくものである。そして、LEDランプ2と配線回路部3bとの取付けを行うときには、樹脂端子2bと配線回路部3bとを超音波溶着機により溶着する。
【0020】このようにするときには、樹脂端子2bと配線回路部3bとの間の超音波振動による摩擦で発熱し、両者2b、3bが溶着するものとなるので、上記何れの実施形態でも必要とされた外部からの加熱が不要となり、また、発熱も必要部分のみに生じるものとなるので、前記LEDランプ2に対する熱的な影響は低減されるものとなる。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように本発明により、光源基板は非導電性樹脂による基板部と導電性樹脂による配線回路部とが一体形成されて車両用灯具のレンズ形状に沿う立体形状とされ、且つ、前記配線回路部には前記LEDランプが熱的手段により取付けられている車両用灯具としたことで、従来は不可能であったレンズの形状に対する光源基板の形状の適正化を可能とし、レンズが立体形状である車両用灯具においても配光特性の形成を容易とすると共に、レンズ面の輝度ムラなどの解消も可能として、この種の車両用灯具の性能の向上に極めて優れた効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【出願日】 平成11年1月26日(1999.1.26)
【代理人】 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開2000−215709(P2000−215709A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−17182