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【発明の名称】 車両用灯具のコネクタ取付構造
【発明者】 【氏名】岡田 悟

【要約】 【課題】リード線が捻れて絡み合うことを防止すると共に、掴み易く且つハウジングの後壁に組み付け易くし、さらに水密性を高め信頼性を向上させる。

【解決手段】アクチュエータによって光軸を上下に調整自在となした車両用灯具のハウジング後壁に形成した装着孔に取り付けられるコネクタ20を、円筒形状の装着部22と略三角柱形状の本体部23とから構成し、アクチュエータから導出される三本のリード線を接続する端子27、27、27を、略三角形状をなす位置に配列し且つ前記コネクタ20の回転中心Cでない位置に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アクチュエータによって光軸を上下に調整自在となした車両用灯具のハウジング後壁に装着孔を形成し、前記アクチュエータから導出される三本のリード線をそれぞれの端子に接続する、装着部及び本体部からなるコネクタを、前記装着孔に前記装着部を嵌入させて前記装着部の先端部を前記ハウジング内に進入させ、前記コネクタを回転させて前記装着部に設けた爪と前記本体部とで前記ハウジング後壁を挟持して前記ハウジングに取り付ける車両用灯具のコネクタ取付構造であって、前記コネクタの前記三つの端子を、略三角形状をなす位置に配列し且つ前記コネクタの回転中心でない位置に設けたことを特徴とする車両用灯具のコネクタ取付構造。
【請求項2】 前記装着部を円筒形状とし且つ前記本体部を略三角形状としたことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具のコネクタ取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のヘッドランプの光軸を上下に調整自在となすアクチュエータから導出される三本のリード線をそれぞれの端子に接続するコネクタの取付構造に関し、詳細にはリード線を捻ることなくコネクタをハウジングに簡便に取り付けることができ、しかもコネクタを取り付けるハウジングの装着孔を小さくすることのできる車両用灯具のコネクタ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば実開平6−48186号公報には、部品点数及び組立工数を少なくすることができると共にコネクタの取付けスペースを小さくすることのできる車両用灯具のコネクタ取付構造が本願出願人により開示されている。
【0003】かかる車両用灯具のコネクタ取付構造は、図6及び図7に示すように、前面開口を覆ってレンズ101が装着されたハウジング103の後壁105に装着孔107を形成し、矩形状のコネクタ本体部109と小径の先端筒部111とを有し前記ハウジング103内に設けたバルブに電力を供給するためのコネクタ113を、前記装着孔107にその先端筒部111を嵌入させてハウジング103内に進入させ、該先端筒部111に設けた爪115、115とコネクタ本体部109とで前記後壁105を挟持して、前記コネクタ113をハウジング103に取り付けた構成とされている。
【0004】このように、コネクタ113を直接ハウジング103に取り付けた構成であるから、コネクタ113を取り付けるブラケットが不要で、部品点数を少なくすることができると共に組立工数も少なくすることができる。また、装着孔107にコネクタ113の先端筒部111を嵌入させたものであるから、ハウジング103の後方にコネクタ113を取り付けるスペースは小さなもので良いことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記車両用灯具のコネクタ取付構造においては、バルブから導出されるリード線117、117は二本であり、そのリード線117、117と接続される端子119、119は図7に示すように所定間隔を置いて同一線上に配置されている。
【0006】しかし、上記構成で三本のリード線117、117、117を同一線上に配置した場合には、図8に示すように端子119、119、119がインライン上に並ぶことになり、コネクタ113を回転させてハウジング103に取り付ける際にリード線117、117、117同士が捻れて絡み合ってしまう虞れがある。
【0007】また、三本のリード線117、117、117を同一線上に配置した場合には、コネクタ113の上記装着孔107に嵌入される部分の直径が大きくなるため、それに合わせて該装着孔107を大きくする必要がある。大きくしてしまうと、水密性の点で好ましくない。
【0008】この他、コネクタ本体部109が矩形状であることから、コネクタ113を回し難くハウジング103に装着しずらいという不具合もある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上述の課題を解決するために提案されたものであり、三本のリード線をそれぞれ接続する端子を、略三角形状をなす位置に配列すると共にコネクタの回転中心でない位置に設ける。
【0010】このように、三つの端子を略三角形状をなす位置に配列すると共にコネクタの回転中心でない位置に設けることで、コネクタをハウジングに取り付ける際にそれぞれの端子に接続されるリード線が捻れず、また絡み合うことなく、該コネクタがハウジングに取り付けられる。
【0011】さらに、三つの端子を略三角形状をなす位置に配列することで、コネクタの装着部の外径を小さくすることができ、それに応じてハウジングに形成される装着孔を小さなものとすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した車両用灯具のコネクタ取付構造の具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、自動車のヘッドランプに本発明を適用したものである。
【0013】ヘッドランプ1は、図1及び図2に示すように、主としてハウジング2とレンズ3とバルブ(図示は省略する)とリフレクター4とからなる。ハウジング2の前面開口側には、この前面開口を覆うようにしてレンズ3が取り付けられている。そして、このハウジング2には、図示しないバルブとリフレクター4とが設けられている。
【0014】本実施形態のヘッドランプ1においては、例えばトランクに荷物を載せたことにより自動車のフロント部分が上方に持ち上がってしまったとき等に、自動的又は手動によりヘッドランプ1の光軸を上下に調整し路面に対して所定の基準角度に維持する光軸上下調整機構と、手動で光軸を左右に調整する光軸左右調整機構とが設けられている。
【0015】光軸上下調整機構は、図1に示すように、ハウジング2の後壁5に設けられたアクチュエータ6と、このアクチュエータ6によって進退動作する進退ロッド7と、この進退ロッド7に連結される連結部材8とからなり、自動的に光軸調整自在な構成とされている。
【0016】進退ロッド7は、アクチュエータ6によって図1中矢印Xで示す前後方向に進出し且つ後退するようになっている。連結部材8は、リフレクター4の背面下端側に設けられた円筒形状をなすリブ9の中に固定されており、上記進退ロッド7の先端部と連結されている。従って、アクチュエータ6を動作させて進退ロッド7を進出後退させることで、リフレクター4が図1中一点鎖線で示すように上下し、その結果ヘッドランプ1の光軸が上下に調整される。
【0017】光軸左右調整機構は、図1に示すように、先端側部に雄ねじ10が形成されたアジャストスクリュー11と、アジャストスクリュー11の後端部に設けられた歯車12と、上記雄ねじ10と螺合するスクリューマウンテン13とからなる。この光軸左右調整機構は、図2に示すように、リフレクター4の上端側左右部分にそれぞれ設けられている。
【0018】アジャストスクリュー11は、ハウジング2の後壁5にプッシュナット17によって回転自在に固定されている。歯車12は、いわゆるかさ歯車として形成されており、上記アジャストスクリュー11の後端部に取り付けられている。また、この歯車12には、六角ナット15が一体化されている。
【0019】スクリューマウンテン13は、リフレクター4の背面上端側に設けられたリブ16の先端に固定されている。スクリューマウンテン13には、雌ねじ18が形成されており、上記アジャストスクリュー11の雄ねじ10と螺合するようになっている。
【0020】上記構成の光軸左右調整機構において、リフレクター4を左右方向に傾けるには次のように行う。先ず、ドライバーDの先端をボス14の側面に開けた挿入孔からその内部に進入させ、該ドライバーDを回して歯車12を回転させることによりアジャストスクリュー11を回転させる。アジャストスクリュー11が回転すると、その先端部の雄ねじ10とスクリューマウンテン13の雌ねじ18が螺合して、リフレクター4を引き寄せ又は遠ざかる方向に動かす。この調整を行うことで、リフレクター4の向きを左右方向に調整することができる。
【0021】なお、六角ナット15を直接回しアジャストスクリュー11を回転させて、上記リフレクター4の左右方向の向きを調整するようにしてもよい。
【0022】そして本実施形態においては、図3に示すように、上記アクチュエータ6から導出される三本のリード線19、19、19をそれぞれの端子に接続させるコネクタ20が、上記ハウジング2に取り付けられている。
【0023】上記コネクタ20は、図3及び図4に示すように、主としてハウジング2の後壁5に形成された円形の装着孔21に嵌入される装着部22と、ハウジング2の外側に飛び出る形で設けられる本体部23とからなる。
【0024】装着部22は、図3及び図4に示すように、上記装着孔21に嵌入されるに足る大きさの円筒形状とされており、その外周縁に複数個の爪24が設けられている。かかる爪24は、図4(a)に示すように、円周を約四等分した位置にそれぞれ設けられており、装着孔21に形成された爪挿入孔(図示は省略する)よりハウジング2内に臨むようになされている。そして、この装着部22には、コネクタ20をハウジング2に取り付けたときに上記装着孔24を密閉するための円環状のシール部材であるパッキン26が装着されている。
【0025】本体部23は、図3及び図4に示すように、コネクタ20を掴み易くして組立性をアップさせるために、角部を丸めた略三角柱形状として形成してある。かかる本体部23は、オスコネクタとして形成されており、図示しないメスコネクタが嵌合するようになされている。この本体部23と装着部22の境界部分には、上記パッキン26の抜け止めとして円盤形状のフランジ部25が形成されている。
【0026】そして、上記コネクタ20には、図4(c)及び図5に示すように、上記三本のリード線19、19、19をそれぞれ接続するための端子27、27、27がその内部に埋め込まれた形で設けられている。これら端子27、27、27は、略三角形状をなす位置に配列され且つコネクタ20の回転中心でない位置に設けられている。詳述すると、上記端子27、27、27は、図4(c)に示すように、コネクタ20の回転中心Cを外した位置であって、三角形の頂点となる位置にそれぞれ配置されている。
【0027】このため、端子27、27、27を同一線上に並べたものに比べて、三角形の頂点となる位置にそれぞれの端子27、27、27を配置すれば、その部分の直径を小さくすることができる。つまり、コネクタ20の装着部22を小さくすることができ、それに応じてハウジング2に形成する装着孔21の径を小さなものとすることができる。その結果、水密性が向上し、信頼性もアップする。
【0028】上記各端子27、27、27に接続されるリード線19、19、19は、上記装着部22の端面から端子27、27、27へと貫通して形成されたリード線導入穴28に入り込んで、それぞれの端子27、27、27とハンダ接続されている。
【0029】上記構成からなるコネクタ20をハウジング2に形成した装着孔21に取り付けるには、それぞれの爪24を装着孔21の一部に形成した切り欠きの位置に合わせて装着部22を装着孔21に嵌入させる。そして、コネクタ20の本体部23を掴んで装着部22をハウジング2内に押し込み、爪24をハウジング2内に入れる。
【0030】次に、パッキン26を弾性変形させるようにしてコネクタ20を押し込みながら回転させて、上記爪24を上記切り欠きの位置からずらし、これら爪24とフランジ部25とでパッキン26を介して後壁5を挟持させる。これにより、コネクタ20は、ハウジング2の後壁5に取り付けられることになる。
【0031】本実施形態では、コネクタ20の本体部23を略三角柱形状としていることから、掴み易く且つハウジング2の後壁5に組み付け易い。また、三つのリード線19、19、19を接続する端子27、27、27を、略三角形状をなす位置に配列し且つコネクタ20の回転中心Cでない位置に設けたことにより、リード線19、19、19が捻れて絡み合うようなことがない。従って、リード線19、19、19が端子27、27、27から断線するといった事故が無く、信頼性の向上が図れる。また、パッキン26を介在させているため、防水性に優れ、漏電するようなことが起こらない。
【0032】また、本実施形態では、コネクタ20をハウジング2の後壁5に直接取り付けた構造であるから、コネクタ20をハウジング2に取り付けるためのブラケットが不要で、部品点数を少なくすることができると共に組立工数も少なくすることができる。
【0033】なお、上述の実施形態では、本発明をヘッドランプに適用したが、これに制限されることはない。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0035】本発明によれば、コネクタの本体部を略三角柱形状としたので、掴み易く且つハウジングの後壁に組み付け易くなり、作業性の向上が図れる。また、三つのリード線を接続する端子を、略三角形状をなす位置に配列し且つコネクタの回転中心でない位置に設けたことにより、リード線が捻れて絡み合うようなことがない。従って、リード線が端子から断線されるようなことが無く、信頼性の向上が実現される。
【0036】また、本発明によれば、三つのリード線を接続する端子を、略三角形状をなす位置に配列しているため、コネクタの装着部の外径を小さなものとすることができ、それに応じてハウジングに形成する装着孔の径を小さなものとすることができる。従って、本発明によれば、水密性の向上を実現でき、信頼性を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成11年1月14日(1999.1.14)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−207913(P2000−207913A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−8398