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【発明の名称】 自動車用前照灯
【発明者】 【氏名】岩切 正司

【氏名】加藤 隆幸

【要約】 【課題】帯電によるレンズの汚れを抑制することができる自動車用前照灯を提供することを課題とする。

【解決手段】ヘッドランプ10は、レンズ14の表面に当接する導電性のエクステンション24を有する。エクステンション24は、突起26、リフレクタ22、バルブソケット20、アース線28を介してボデー30にアースされている。したがって、車両の走行等によって微粒子がレンズ14の表面に衝突し、レンズ14が帯電した場合、エクステンション24等を介してレンズ14から徐々に放電される。したがって、レンズ14の電位が低下し、レンズ14に付着する汚れが減少する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前方に開口部を有するハウジングと、前記ハウジングの開口部に装着されたレンズと、前記レンズと前記ハウジングによって形成されたランプ室内に配置されたランプと、前記レンズに当接され、外部にアースされた導電性部材と、を備えることを特徴とする自動車用前照灯。
【請求項2】 前記導電性部材は、部材の表面に導電性物質を蒸着したものであることを特徴とする請求項1記載の自動車用前照灯【請求項3】 前記レンズは、帯電防止剤を含有する材料から形成されることを特徴とする請求項1または2記載の自動車用前照灯。
【請求項4】 前記レンズは、親水処理が施されたことを特徴とする請求項1または2記載の自動車用前照灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明樹脂レンズ等が使用される自動車用前照灯に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ヘッドランプの形状の多様化、およびマルチリフレクタ化に伴って透明樹脂が広く採用されている。
【0003】このようなヘッドランプの一例を図4に示す。ヘッドランプ1は、ハウジング2の開口端に装着された透明な樹脂レンズ3によって形成されたランプ室4にランプソケット5に支持されたランプ6、リフレクタ7、エクステンション8が配置されている。エクステンション8は、樹脂レンズ3の透明化に伴って、ランプ室4内のリフレクタ7とハウジング2の隙間を外部から遮蔽するために配置されたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなヘッドランプ1が装着された車両が走行すると、空気中にある微粒子等が非導電性のレンズ3の表面に衝突することによって静電気が発生し、レンズ3に帯電することがある。この結果、レンズ表面に塵埃が付着してレンズ3が汚れてしまうことがあった。
【0005】従来技術では、レンズ表面に付着する汚れ(曇り)対策としては、水蒸気対策しかなく、レンズの帯電による汚れに対するものはなかった。
【0006】そこで、本発明は、レンズの帯電に伴う汚れを抑制する自動車用前照灯を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明は、前方に開口部を有するハウジングと、前記ハウジングの開口部に装着されたレンズと、前記レンズと前記ハウジングによって形成されたランプ室内に配置されたランプと、前記レンズに当接され、外部にアースされた導電性部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】請求項1記載の発明の作用について説明する。
【0009】上記の自動車用前照灯が自動車に装着された場合、走行によって空気中に浮遊する微粒子等がレンズに衝突する。この結果、レンズが帯電する。しかしながら、レンズは導電性部材を介して外部にアースされているため、帯電した電荷が徐々に放電される。したがって、レンズの電位が低下し、帯電に伴うレンズの汚れ(塵埃の付着)が抑制される。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記導電性部材は、部材の表面に導電性物質を蒸着したものであることを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明の作用について説明する。
【0012】このように、レンズに当接する既存の非導電性部材の表面に導電性物質を蒸着するだけで、請求項1記載の発明の作用と同等の作用をもたらすことができる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記レンズは、帯電防止剤を含有する材料から形成されることを特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明の作用について説明する。
【0015】レンズが帯電防止剤を含有する部材から形成されているため、走行によってレンズが帯電する可能性が低減され、帯電によるレンズの汚れを一層確実に防止することができる。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記レンズは、親水処理が施されたことを特徴とする。
【0017】請求項4記載の発明の作用について説明する。
【0018】レンズに親水処理が施されたことによって、レンズ表面に粒子が衝突することによって摩擦を生じにくくなり、静電気の発生を抑制することができる。したがって、帯電によるレンズの汚れを一層防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態に係るヘッドランプ(自動車用前照灯)について図1を参照して詳細に説明する。
【0020】ヘッドランプ10は、図1に示すように、一端が開口されたハウジング12と、ハウジング12の開口部に装着されたレンズ14と、ハウジング12とレンズ14によって形成されたランプ室16の内部に配置されたランプ18、ランプ金具20、リフレクタ22、エクステンション24と、から基本的に構成される。
【0021】レンズ14は、非導電性の透明な樹脂材料から形成されている。
【0022】また、エクステンション24は、レンズ14が透明であることよってランプ室16が外部から見えるために、リフレクタ22とハウジング12との隙間を外部から遮蔽するために設けられた部材であり、例えば、アルミニウム蒸着、あるいは金属メッキ等によって表面に導電性の膜が形成されている。エクステンション24の端部には、可撓性を有する突起26が形成されており、突起26の先端が金属製のリフレクタ22の表面に当接している。
【0023】ランプ金具20は、リフレクタ22と当接すると共に、アース線28によってボデー30にアースされている。
【0024】このように構成されたヘッドランプ10の作用について説明する。
【0025】ヘッドライト10を装着した車両が走行することによって、ヘッドランプ10のレンズ14には空気中を浮遊する微粒子等が衝突、摺動する。この結果、レンズ14が帯電する。しかしながら、レンズ14の表面にエクステンション24の端部が当接しているため、エクステンション24、突起部26、リフレクタ22、ランプ金具20、アース線28を介してボデー30へ電荷が流れる。すなわち、レンズ14から徐々に放電が行われる。したがって、レンズ14の電位が徐々に低下し、レンズ14に付着する汚れが減少する。
【0026】一方、空気中の微粒子の濃度が所定範囲にある場合等は、レンズ14が高電位となり、レンズ14からエクステンション24に急激な放電(スパーク)が発生してレンズ14に局部的な汚れが発生するおそれがある。しかしながら、レンズ14はエクステンション24を介して外部にアースされているため徐々に放電され、レンズ14における局部的な汚れの発生を阻止することができる。
【0027】なお、レンズ14を帯電防止剤(界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等、またはその複合のもの等)を含有する材料から形成することによって、レンズ14の帯電を抑制することができる。また、レンズ14に親水処理を施すことによって、微粒子の衝突による静電気の発生を抑制することもできる。
【0028】次に、本発明の第2実施形態に係るヘッドランプについて図2を参照して説明する。第1実施形態と同様な構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0029】ヘッドランプ40において、エクステンション24はレンズ14を貫通してボデー30にアースされている。
【0030】このように構成されたヘッドランプ40は、車両の走行によってレンズ14に静電気が発生した場合にも、レンズ14がエクステンション24を介してボデー30にアースされているため、レンズ14から徐々に放電される。したがって、レンズ14の電位が低下し、レンズ14に付着する汚れが減少する。しかも、レンズ14が高電位となってエクステンション24等に急激な放電(スパーク)をするおそれのある場合にも、エクステンション24を介してレンズ14から徐々に放電されるため、レンズ14が局部的に汚れることを確実に阻止する。
【0031】なお、本実施形態では、エクステンション24がボデー30にアースするために、レンズ14を貫通する構成としたが、ハウジング12を貫通する構成としても良い。
【0032】さらに、本発明の第3実施形態に係るヘッドランプについて図3を参照して説明する。第1実施形態と同様な構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0033】ヘッドランプ50は、図3に示すように、ハウジング12の端部に、貼付あるいはフィルム一体成形等で形成した導電膜52が形成されている。なお、導電膜52は、ランプ室16に面した内側から外部に露出した外側まで連続して形成されている。
【0034】また、エクステンション24に形成された可撓性を有する突起54が導電膜52に当接している。さらに、外部に露出した導電膜52とボデー30は、アース線56によって接続されている。
【0035】このように構成されたヘッドランプ50は、レンズ14に静電気が発生した場合にも、エクステンション24を介してボデーに30にアースされているため、徐々に放電する。したがって、レンズ14の電位が低下し、レンズ14に付着する汚れが減少する。さらに、レンズ14が高電位になってエクステンション24等に急激な放電(スパーク)を行うことを阻止する。したがって、レンズ14に局部的な汚れを発生することはない。
【0036】
【発明の効果】請求項1、2記載の発明では、レンズに当接された導電性部材を外部にアースしたことによって、レンズの電荷が導電性部材を介して外部に徐々に放電されるため、帯電に伴うレンズの汚れを抑制できる。
【0037】請求項3、4記載の発明では、レンズが帯電しにくくなり、レンズの汚れを一層確実に抑制する。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
【出願日】 平成11年1月19日(1999.1.19)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外1名)
【公開番号】 特開2000−207908(P2000−207908A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−10477