| 【発明の名称】 |
車両用灯具の配線部 |
| 【発明者】 |
【氏名】大杉 浩邦
【氏名】鈴木 重夫
【氏名】近藤 俊幸
【氏名】梅山 辰也
【氏名】中田 祥弘
|
| 【要約】 |
【課題】従来の車両用灯具の配線部においては、カプラーと電球ソケットとの間をワイヤーで接続するものであったので、ワイヤーの引回しなど手作業が必要となり、自動化が不可能で灯具全体をコストアップさせる問題点があった。
【解決手段】本発明により、電線部4が導電性樹脂により、非導電性樹脂により形成される基板部5と一体形成され、且つ、電線部4は非導電性性樹脂による基板部5内に必要部分を除き埋設されている車両用灯具の配線部1としたことで、金属粉を混入したことで柔軟性が減じた導電性樹脂を採用して電線部4を形成するときにも、外部応力などにより折損、クラックなどを生じることない配線部1の実現を可能として課題を解決するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カプラー部と電球ソケット部と前記カプラー部と電球ソケット部との間を接続する電線部とから成る車両用灯具の配線部において、前記電線部が導電性樹脂により、非導電性樹脂により形成される基板部と一体形成され、且つ、前記電線部は非導電性性樹脂による基板部内に必要部分を除き埋設されていることを特徴とする車両用灯具の配線部。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は車両用灯具に関するものであり、詳細にはこの車両用灯具を点灯させるための、車体側から給電を行うカプラーから、電球ソケットに至るまでの構成に係るものである。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の配線部90の構成の例を示すものが図5であり、灯具(図示は省略する)に例えば2個の電球91が取付けられている場合、基板92上の適宜位置に各電球毎にコード94が付属するソケット93を取付け、このソケット93の各々からのコード94をカプラー95に配線し、車体側電源との接続を行わせるように構成するものであった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の構成の配線部90においては、ソケット93からカプラー95に配線を行う際には、前記コード94が所定の経路を通るように引き回しを行わなければならず、また、使用時に移動を生じないように適宜なクランプなども行わなければ成らないものとなり、産業ロボットなどによる自動化が困難である問題点を生じている。 【0004】また、前記コード94を使用するに際しては、両端の被覆剥きの作業、あるいは、ソケット93、カプラー95の端子へのカシメ作業など作業工程が多いものとなり、配線部90の生産コストがアップして車両用灯具90全体もコストアップする問題点を生じ、これらの点の解決が課題とされるものとなっていた。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来の課題を解決するための具体的手段として、カプラー部と電球ソケット部と前記カプラー部と電球ソケット部との間を接続する電線部とから成る車両用灯具の配線部において、前記電線部が導電性樹脂により、非導電性樹脂により形成される基板部と一体形成され、且つ、前記電線部は非導電性樹脂による基板部内に必要部分を除き埋設されていることを特徴とする車両用灯具の配線部を提供することで課題を解決するものである。 【0006】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1および図2に符号1で示すものは本発明に係る車両用灯具の配線部であり、この配線部1は、電球10を車両用灯具(図示は省略する)の所定位置に保持するために電球ソケット部2と、この配線部1が車両の電源から電力の供給を受けるためのカプラー部3と、前記電球ソケット部2とカプラー部3との間を電機的に接続する電線部4と、前記電球ソケット部2、カプラー部3および電線部4を保持する基板部5とから構成されている。 【0007】ここで、前記基板部5は従来例のものと同様に樹脂部材の射出成形などで適宜な形状として形成されるものであるが、本発明では、少なくとも電線部4に対しての樹脂化を行い、従来例のもので生じていたコードの引き回し、あるいは、コードの処理に対する作業工数の増加などの解消を図るものである。 【0008】前記電線部4の樹脂化を行うにあたっては、この電線部4を形成する樹脂部材を導電性としなければ成らないが、本発明においてはポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ナイロン樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂など適宜の成形用の樹脂材料にハンダなどの金属粉を、成形後の体積抵抗が10-4Ω・cm以下となる適量を混和したものを採用するものであり、通常の樹脂部材とほぼ同様に成形可能な部材である。 【0009】前記配線部1を形成するときには、例えば前記電線部4を金型による射出成形で予めに形成しておき、この電線部4を基板部5を形成するための金型内の所定位置に設置し、しかる後に上記した金属粉が添加されていない非導電性の樹脂部材を注入して基板部5を形成するものとすれば、電線部4と基板部5とは一体化して本発明の配線部1が得られるものとなる。尚、このときには、上記電球ソケット部2およびカプラー部3も同時に形成されるものである。 【0010】ここで、本発明においては、前記電線部4と基板部5との間の構成に工夫を凝らすものであって、上記にも説明したように電線部4を形成するための導電性樹脂部材には相当量の金属粉が混和されているので、剛性が増し弾力性にやや欠けるものとなり、過大な曲げ応力などが加わると折損する恐れを生じるものとなる。 【0011】よって、本発明では、前記基板部5においては、前記電線部4を非導電性樹脂で形成される基板部5内に埋設することで、より弾力性に富む基板部5(非導電性樹脂)で補強するものである。また、前記電球ソケット部2およびカプラー部3においても後に説明するように非導電性樹脂による補強が行われている。 【0012】ここで、上記した基板部5内へ埋設することの作用および効果について説明を行うと、第一には、上記にも説明したように電線部4が基板部5により上下の両面で挟まれるものと成って機械的な強度が向上し、例えば車両用灯具に取付ける際に加わる応力に対する耐性が増すものとなる。 【0013】そして第二には、上記の埋設により曲げ応力が加わったときの電線部4に加わる応力の状態が変化するものとなる。即ち、板状の部材に曲げ応力を加えると略円弧状にた撓むものとなるが、このときには、板厚の中心を境界として円弧の外側では伸び応力が加わり、円弧の内側では圧縮応力が加わるものといわれている。 【0014】従って、板厚の中心に近いほど伸び側においても圧縮側においても、加わる応力は低減されるものとなり、本発明のように基板部5で電線部4を両側から挟む構成とすることで、電線部4を基板部5の一方の面に沿わせる構成に較べて曲げ応力に対する耐性を増すことができるものである。 【0015】また、上記にも説明したように本発明においては電球ソケット部2およびカプラー部3も、前記電線部4を形成する導電性樹脂と、前記基板部5を形成する非導電性樹脂を用いて一体に形成されているものとされている。よって、この部分、即ち、電球ソケット部2およびカプラー部3においても導電性樹脂の折損の可能性を含むものとなる。 【0016】本発明は、前記電球ソケット部2およびカプラー部3における折損の可能性に対しても対応するものであり、先ず、電球ソケット部2においては、図3に示すように専らに電球10の口金部10aを係着することを目的とする電球係着部2aは弾性に富む非導電性樹脂を用いて形成する。 【0017】そして、電球10に給電を行う電球接点2bは導電性樹脂により形成するものであるが、このときには、前記電球係着部2aにおける変形の少ない部分、例えば、電球係着部2aが基板部5に接続する基部の近傍に設け、電球10の着脱時における電球係着部2aの変形により電球接点2bが受ける応力の低減を図るものである。 【0018】また、図4は前記カプラー部3における同様に導電性樹脂に対する応力低減の構成の例であり、このカプラー部3の前記基板部5を形成する非導電性樹脂を用いて形成されたカプラーケース3aに、前記電線部4を形成する略帯状とした導電性樹脂を一方の面で沿わせる。 【0019】そして前記電線部4の他方の面をもってカプラー接点3bとするものであり、従って、このカプラー部3においては、前記した導電性樹脂は非導電性樹脂(基板部5)により背面から支持され補強される状態となる。従って、車体側からは、図示のように略U字状とした車体側接片11で前記カプラー接点3bとの接触が行われ、電気的接続が行われるものとなる。 【0020】このように構成したことで、本発明の配線部1においては、カプラー部3から電球ソケット部2に至るまでの配線が導電性樹脂により金型による樹脂成形の手段により行われ、従来は手作業で行われていたコードの引き回しを不要とする。また、電球ソケット部2およびるカプラー部3も同時に形成されるものであるので、配線部1の車両用灯具への取付けは単純作業で良いものとなり、産業ロボットによる自動化も容易なものとなる。 【0021】 【発明の効果】以上に説明したように本発明により、電線部が導電性樹脂により、非導電性樹脂により形成される基板部と一体形成され、且つ、電線部は非導電性性樹脂による基板部内に必要部分を除き埋設されている車両用灯具の配線部としたことで、金属粉を混入したことで柔軟性が減じた導電性樹脂を採用して電線部を形成するときにも、外部応力などにより折損、クラックなどを生じることない配線部の実現を可能とするものであり、これにより、配線部の生産性の向上とコストダウンとに極めて優れた効果を奏するものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002303 【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年1月14日(1999.1.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062225 【弁理士】 【氏名又は名称】秋元 輝雄
|
| 【公開番号】 |
特開2000−207907(P2000−207907A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願平11−8359 |
|