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【発明の名称】 車両用灯具の配線部
【発明者】 【氏名】大杉 浩邦

【氏名】鈴木 重夫

【氏名】近藤 俊幸

【氏名】梅山 辰也

【氏名】中田 祥弘

【要約】 【課題】従来のこの種の車両用灯具のの配線部においては、ソケット部もカプラー部もコードで配線を行うものであるので、車両用灯具に組みつける際には被覆剥きなど工程が多く、また引き回しも必要となり自動化が困難であった。

【解決手段】本発明により、配線部1は導電性樹脂と非導電性樹脂との二色成形若しくはインサート形成で回路パターンが形成されている車両用灯具の配線部1としたことで、カプラー部2からソケット部3に至るまでの配線が導電部4により樹脂成形の手段により行われるものとなり、従来は手作業で行われていたコードの引き回しを不要とし自動化を可能として課題を解決するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両用灯具の所定位置に電球を保持し且つ、この電球に対し電源を供給する車両用灯具の配線部において、前記配線部は導電性樹脂と非導電性樹脂との二色成形若しくはインサート形成で回路パターンが形成されていることを特徴とする車両用灯具の配線部。
【請求項2】 前記配線部には外部から給電を受けるためのカプラー部が設けられ、該カプラー部に設けられるカプラー接点が前記非導電性樹脂に一方の面で密接する前記導電性樹脂の他方の面とされていることを特徴とする請求項1記載の車両用灯具の配線部。
【請求項3】 前記電球に給電するための電球接点が、前記導電性樹脂と電球端子とを中継する金属端子で行われていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用灯具の配線部。
【請求項4】 前記電球の保持が前記非導電性樹脂によりその弾性を利用して行われ、前記電球への給電が前記導電性樹脂による電球接点への接触で行われていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用灯具の配線部。
【請求項5】 前記電球接点が前記非導電性樹脂の電球を保持するときの撓みの少ない部分に設けられていることを特徴とする請求項4記載の車両用灯具の配線部。
【請求項6】 前記電球接点が電球を取付けるときの挿入方向に軸を直交させる少なくとも1つの略円筒面とされていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の車両用灯具の配線部。
【請求項7】 前記電球接点には前記電球端子の形状に沿う形状とした嵌合凹部が設けられていることを特徴とする請求項4、請求項5または請求項6記載の車両用灯具の配線部。
【請求項8】 前記導電性樹脂の前記電球接点の近傍には前記非導電性樹脂により弾性部が設けられ、該弾性部により電球の係着動作が行われていることを特徴とする請求項4、請求項5、請求項6または請求項7記載の車両用灯具の配線部。
【請求項9】 前記導電性樹脂には適宜位置に放熱用リブが形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8何れかに記載の車両用灯具の配線部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用灯具に関するものであり、詳細には前記車両用灯具において車両側の配線と接続を行うとき、および、車両側の配線を行った後の電球に給電を行うための灯具内での配線の引回しに係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の配線部90の構成の例を示すものが図11であり、灯具(図示は省略する)に例えば2個の電球91が取付けられている場合、基板92上の適宜位置に各電球毎にコード94が付属するソケット93を取付け、このソケット93の各々からのコード94をカプラー95に配線し、車体側電源との接続を行わせるように構成するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の構成の配線部90においては、ソケット93からカプラー95に配線を行う際には、前記コード94が所定の経路を通るように引き回しを行わなければならず、また、使用時に移動を生じないように適宜なクランプなども行わなければ成らないものとなり、産業ロボットなどによる自動化が困難である問題点を生じている。
【0004】また、前記コード94を使用するに際しては、両端の被覆剥き作業、あるいは、ソケット93、カプラー95の端子へのカシメ作業など作業工程が多いものとなり、配線部90の生産コストがアップして車両用灯具90全体もコストアップする問題点を生じ、これらの点の解決が課題とされるものとなっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来の課題を解決するための具体的手段として、車両用灯具の所定位置に電球を保持し且つ、この電球に対し電源を供給する車両用灯具の配線部において、前記配線部は導電性樹脂と非導電性樹脂との二色成形若しくはインサート形成で回路パターンが形成されていることを特徴とする車両用灯具の配線部を提供することで課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1および図2に示すものは本発明の第一実施形態であり、図中に符号1で示すものは本発明に係る車両用灯具の配線部であり、この配線部1は、電球10を車両用灯具の所定位置に保持するためにソケット部2と、この配線部1が車両の電源から電力の供給を受けるためのカプラー部3と、前記ソケット部2とカプラー部3との間を電機的に接続する導電部4と、前記ソケット部2、カプラー部3および導電部4を保持する基板部5とから構成されている。
【0007】ここで、前記基板部5は従来例のものと同様に樹脂部材の射出成形などで適宜な形状として形成されるものであるが、本発明では、少なくとも導電部4に対しての樹脂化を行い、従来例のもので生じていたコードの引き回し、あるいは、コードの処理に対する作業工数の増加などの解消を図るものである。
【0008】前記導電部4の樹脂化を行うにあたっては、この導電部4を形成する樹脂部材を導電性としなければ成らないが、本発明においては、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ナイロン樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂など適宜の成形用の樹脂材料にハンダなど金属粉を、成形後の体積抵抗が10-4Ω・cm以下となる適量を混和したものを採用するものであり、通常の樹脂部材とほぼ同様に成形可能な部材である。
【0009】前記配線部1を形成するときには、例えば前記導電部4を金型による射出成形で予めに形成しておき、この導電部4を基板部5を形成するための金型内の所定位置に設置し、しかる後に上記した金属粉が添加されていない非導電性の樹脂部材を注入して基板部5を形成するものとすれば、導電部4と基板部5とは一体化して本発明の配線部1が得られるものとなる。尚、このときには、前記ソケット部2の電球10を機械的に係着する部分であるソケット機構2aも同時に前記した非導電性の樹脂部材により同時に形成される。
【0010】図3は上記の構成としたときの前記導電部4と電球10の端子部10aとを電機的に接続する別体接点6の構成の例を示すものであり、上記にも説明したように導電部4においては金属粉が混和されているので、弾力性にはやや欠けるものとなり、過大な曲げ応力などが加わると折損する恐れを生じるものとなる。また、弾力性に欠けることで電球10の装着にも必要以上の力が必要となるなど取扱上の問題点も生じる。
【0011】そこで、本発明では一つの実施形態として、例えば燐青銅など適宜な弾性を有する導電性の部材で、一方で前記導電部4に接触し、他方で電球10の端子部10aに接触し、且つ、基板部5に係着する形状に別体端子6を形成し、取付ける構成を提供するものであり、このようにすることで導電部4の折損は防止が可能となるものである。尚、この実施形態以外の折損の防止手段については後にも記載する。
【0012】このときに前記配線部1が電球10の端子部10aに電力を供給するためには車体側から電力の供給を受けなければ成らず、よって、配線部1にはカプラー部3の具備が必要となるが、このカプラー部3においても上記と同様に導電部4に折損などの可能性を生じるものとなる。
【0013】図4は前記カプラー部3における構成の例を示すものであり、前記基板部5を利用して形成されたカプラーケース3aに、導電部4が一方の面で密接するものとして前記導電部4の他方の面をもってカプラー接点3bとされている。従って、このカプラー部3においては、導電部4は基板部5により背面から補強される状態となる。従って、車体側からは、図示のように略U字状とした車体側接片11で1面での接触が行われる。
【0014】このように構成したことで、本発明の配線部1においては、カプラー部3からソケット部2に至るまでの配線が導電部4により樹脂成形の手段により行われ、従来は手作業で行われていたコードの引き回しを不要とする。また、ソケット部2における前記別体端子6の取付けも所定形状のものを所定位置に取付けるのみの単純作業であるので、例えば産業ロボットによる自動化が可能となる。
【0015】図5は本発明に係る配線部1の第二実施形態を要部であるソケット部21で示すものであり、前の第一実施形態では前記導電部4と電球10の端子部10aは別体端子6を経由して電気的な接続が行われていたが、この第二実施形態では導電部4を直接に端子部10aに接触させ、前記別体端子6の省略を図るものである。
【0016】このときにこの第二実施形態では、前記ソケット部21の電球10の端子部10aを挟持するための一方のソケット壁を導電部4で形成し電球接点21aとし、他方のソケット壁を基板部5で形成して電球係着部21bとしている。このようにしたことで、端子部10aを挿入するときには、より弾性に富む電球係着部21bが変形して端子部10aを係着するものとなり、導電部4で形成された電球接点21aはそれ程の変形を生じることがないものとなるので、クラックや折損の発生は回避できるものとなる。
【0017】ここで、上記第二実施形態においては、導電部4で形成した電球接点21aには変形を生じさせないことを前提として設計が行われているものであるので、それを一層確実とするためには、図中に示すように補強を兼ねて放熱リブ21cを設けるものとしても良い。
【0018】図6は本発明の第三実施形態を示すものであり、上記の第二実施形態では電球接点21aは全面で電球10の端子部10aに接触を行うものとなり、即ち、広い面積で接触するものとなって、接触圧が不足し接触抵抗が増加する懸念を生じるものとなる。
【0019】この第三実施形態は上記の懸念を解消するために行われたものであり、前記電球接点21aには電球10の挿着方向と略直交する軸を有する円筒状の突出面21dを設け、この突出面21dを電球接点とすることで電球10の端子部10aとの接触面積を減じて接触圧を増し、接触抵抗の低減を図るものである。尚、前記突出面21dは、1つの電球接点21aに対し1個所に限定されるものではなく、図示のように複数箇所に設けても良いものである。
【0020】図7は本発明の第四実施形態を示すものであり、前の第三実施形態では電球10の端子部10aと直交する方向で接触面積を減じて接触圧を得ていたが、これは、直交する方向に限定されるものではなく、図示のように電球接点21aに端子部10aと平行する方向に嵌合凹部21eを設け、接触圧の増加を図っても良いものである。
【0021】図8は本発明の第五実施形態を示すものであり、前の実施形態は何れも電球10の保持は、他方のソケット壁、即ち電球係着部21bのみの片側で行うものであったが、この第五実施形態ではより確実に電球10の保持を行わせるために両側での保持を目的とするものである。
【0022】よって、この第五実施形態においては、基板部5で形成される電球係着部21bは両側に設けられ、より確実に電球10の端子部10aを保持するものとされている。そして、電球接点21fは前記電球係着部21bに撓みを生じない部分、この実施形態では基部に設けられ、クラックなどの発生を防止されている。尚、前記電球接点は前記電球係着部21bに撓みを生じない部分であれば何れの位置でも良く、例えば図9に第六実施形態として示すように、電球係着部21bの先端部分に位置するように電球接点21gを設けても良いものである。
【0023】図10は本発明の第七実施形態であり、前の実施形態では何れも電球係着部21bの撓みで電球10の端子部10aを保持するものとされていたが、電球係着部21bに撓みを生じることは、前述したそれぞれの電球接点に対しては依然としてクラック発生の可能性を含むものとなる。従って、この第七実施形態では電球接点の近傍となる基板部5の部分に弾性部7を設け、この弾性部7を撓ませることで電球係着部21bの撓みを減少させクラックを防止すると共に接点圧も向上させようと図るものである。
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように本発明により、配線部は導電性樹脂と非導電性樹脂との二色成形若しくはインサート形成で回路パターンが形成されている車両用灯具の配線部としたことで、本発明の配線部においては、カプラー部からソケット部に至るまでの配線が導電部により樹脂成形の手段により行われるものとなり、従来は手作業で行われていたコードの引き回しを不要とする。
【0025】よって、従来は機械化、自動化による無人化が困難であり、手作業に頼らざるを得なかった、車両用灯具における電球の取付作業を産業ロボットなどにより完全無人化することが可能となり、この種の車両用灯具のコストダウンに極めて優れた効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【出願日】 平成11年1月14日(1999.1.14)
【代理人】 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開2000−207906(P2000−207906A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−8357