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【発明の名称】 信号灯
【発明者】 【氏名】小林 秀行

【要約】 【課題】インナーレンズの取付部の剛性を高めると共に位置決めを向上させ、且つ見栄えの良い信号灯を提供することにある。

【解決手段】前方反射部7と暗部9を有し、該前方反射部7にバルブLPを臨ませて保持するハウジング1と、該バルブLPを覆ってハウジング1の前面開口側に装着されるアウターレンズ3と、該バルブLPの光を暗部9に導くインナーレンズ5とを備えた信号灯において、上記インナーレンズ5を、前方反射部7と暗部9の境界線41の一部を切り欠いて形成されたインナーレンズ取付凹部37に嵌合して取付けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前方反射部と暗部を有し、該前方反射部にバルブを臨ませて保持するハウジングと、前記バルブを覆って前記ハウジングの前面開口側に装着されるアウターレンズと、前記バルブの光を後方に導くインナーレンズとを備えた信号灯において、前記インナーレンズは、前記前方反射部と前記暗部の境界線の一部を切り欠いて形成された凹部に嵌合して取付けられていることを特徴とする信号灯。
【請求項2】 前記境界線の一部が切り欠かれた部分の稜線は、前記ハウジングを斜め上方から見たときに、前記境界線と連続した曲線とされていることを特徴とする請求項1記載の信号灯。
【請求項3】 前記凹部の底部が前記稜線より低いことを特徴とする請求項1又は2記載の信号灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロントターン及びサイドターンの両方の機能を併せ持つ信号灯に関し、詳細には、インナーレンズの取付構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車の前側コーナー部には、信号灯が取り付けられている。信号灯は、例えば図8に示すように、バルブ101を保持するハウジング103と、該バルブ101を覆ってハウジング103の前面開口側に装着されるアウターレンズ105とを備えている。
【0003】上記ハウジング103は、自動車の前方に向けて上記バルブ101の光りを照射する前方反射部107と、車体側方に回り込んで形成されバルブ101の直射光が届かない暗部(ダミー部)109とを有して構成されている。
【0004】上記信号灯では、上記バルブ101からの光を後方に導くためのインナーレンズ111が、上記ハウジング103に取り付けられている。かかるインナーレンズ111は、上記前方反射部107と上記暗部109との間に、締結用ねじ113によってハウジング103にねじ止め固定されている。
【0005】このインナーレンズ111には、上記バルブ101からの光Hvを後方に導くためのプリズム115が形成されている。上記バルブ101から照射された光Hvの一部は、上記インナーレンズ111に導かれ、該インナーレンズ111のプリズム115によって偏光された後、上記アウターレンズ105の車体側部寄りに設けられたプリズム117に照射されるようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車のデザインに合わせてアウターレンズ105の曲率が、図8中二点鎖線で示すようにきつくなると、上記バルブ101の光Hvを上記インナーレンズ111によって後方に導くことができなくなる。
【0007】すなわち、上記アウターレンズ105の曲率がきつくなればなる程、上記インナーレンズ111を取り付けているハウジング103の取付部119が上記光Hvを遮るようになるため、後方に光Hvを導くことが難しくなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上述の課題を解決するために提案されたものであり、インナーレンズを、ハウジングを構成する前方反射部と暗部の境界線の一部を切り欠いて形成した凹部に嵌合して取り付ける。
【0009】このように、ハウジングの前方反射部と暗部の境界線の一部を切り欠いて形成した凹部に嵌合してインナーレンズを取り付けることで、該インナーレンズの取付部の剛性が向上すると共に位置決めも容易となるばかりか、切欠部によって光が邪魔されることがなくなり、当該光を後方に効率良く導くことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、自動車の前側コーナー部に取り付けられる信号灯に本発明を適用したものである。
【0011】本実施形態の信号灯は、図1ないし図7に示すように、バルブLPを保持するハウジング1と、該バルブLPを覆って該ハウジング1の前面開口側に装着されるアウターレンズ3と、ハウジング1に取り付けられるインナーレンズ5とからなっている。
【0012】上記ハウジング1は、図1及び図6に示すように、例えば合成樹脂を射出成形することによって形成されており、上記バルブLPの光Hvをアウターレンズ3を介して車体前方に照射する前方反射部7と、車体側方に回り込んで形成されバルブLPの直射光が届かない暗部9とからなっている。
【0013】上記前方反射部7は、図1、図2、図5及び図6に示すように、前面部11と立壁部13と底部15と天面部17とから構成され、それぞれの内面にアルミ蒸着や銀色塗装がなされることによって凹状の反射鏡として機能するようになっている。
【0014】上記立壁部13は、図6に示すように、バルブLPの軸LPCと平行な垂直壁ではなく、該軸LPCに対して傾斜して設けられている。上記前面部11には、上記バルブLPが保持されるバルブソケット19を装着させるバルブ取付孔部21が形成されている。このバルブ取付孔部21に取り付けられたバルブLPは、上記前方反射部7に臨むようになっている。
【0015】一方、暗部9は、図1ないし図6に示すように、車体側部の形状に合致した曲面形状として、図5の垂直線に対して鋭角のなす角度θを持って形成されている。そのため、この暗部9には、上記バルブLPの直射光が届かないようになっている。そして、この暗部9の外側面には、アルミ蒸着や銀色塗装がなされている。
【0016】そして、上記ハウジング1には、図1及び図5に示すように、このハウジング1をヘッドランプ(図示は省略する)に取り付けるための取付ステー23が設けられている。かかる取付ステー23は、上記天面部17に一体的に設けられており、その先端の屈曲部にねじ取付孔25を有している。
【0017】また、上記ハウジング1には、図3及び図4に示すように、先端に球体が形成されたピボット部材(図示は省略する)を取り付けるピボット取付ボス27が形成されている。かかるピボット取付ボス27は、上記底面部15に一体的に形成されている。上記ピボット取付ボス27に取り付けられたピボット部材は、その先端に形成された球体を車体に形成されたピボット受け部(図示は省略する)に嵌合させて、上記ハウジング1を上記車体に装着せしめる。
【0018】また、上記ハウジング1には、上記ピボット部材を上記ピボット取付ボス27に嵌合させ易くするためのガイドピン29、31、33が形成されている。これらガイドピン29、31、33の内、一つのガイドピン29は、ピボット取付ボス27に隣接した底面部15の裏面側に設けられ、他のガイドピン31、33は、前面部11の裏面側にそれぞれ設けられている。
【0019】上記アウターレンズ3は、図6に示すように、上記バルブLPを覆って上記ハウジング1の前面開口側に装着されるようになっている。かかるアウターレンズ3は、例えば着色透明又は透明なクリアレンズとされている。
【0020】上記インナーレンズ5は、図6に示すように、上記バルブLPからの光Hvを車体後方に導く役目をするもので、上記バルブLPとは反対側の面にプリズム39を有した断面略L字状のレンズとして形成されている。かかるインナーレンズ5は、上記前方反射部7と上記暗部9の間に形成されたインナーレンズ取付凹部37に嵌合して取り付けられている。
【0021】上記インナーレンズ取付凹部37は、図1ないし図3に示すように、上記前方反射部7と上記暗部9の境界線41の一部を切り欠くようにして形成されている。かかるインナーレンズ取付凹部37は、上記インナーレンズ5の取付固定部の形状にほぼ応じた凹みとして、上記前方反射部7と上記暗部9との境界部に形成されている。このインナーレンズ取付凹部37の底面37aは、上記境界線41が形成される位置よりも低く、且つ後述する切り欠きによる稜線51aの位置よりも低い位置とされている。
【0022】そして、このインナーレンズ取付凹部37の底面37aには、上記インナーレンズ5を位置決めするための突起43とインナーレンズ5をねじ止めするためのボス穴45が形成されている。上記ボス穴45には、図7に示すように、上記インナーレンズ5を上記インナーレンズ取付凹部37に固定するためのねじ47が螺合するようになっている。なお、上記ねじ47による上記インナーレンズ5の取付を確実なものとするために、ボス穴45が形成されるボス49を、上記インナーレンズ取付凹部37とは反対側に突出させてねじ部の長さを充分確保している。
【0023】上記境界線41は、図2に示すように、円弧状をなす曲線として形成されており、その一部が上記インナーレンズ取付凹部37によって切り欠かれている。この境界線41の一部が切り欠かれた部分(これを以下、切欠部51という)は、図1及び図6に示すように、中央部が上方に突出する山なり状のR形状とされ、且つ切欠部51の稜線51aの両端部51b、51cがその稜線51aの中央位置よりも前方に出ており、しかも上記暗部9と連続するようになされている。そのため、上記切欠部51の稜線51aは、図1に示すように、上記ハウジング1を斜め上方から見たときに、あたかも上記境界線41と連続した曲線となるように見える。
【0024】このように、上記切欠部51において、上記境界線41に連続した曲線となるように上記稜線51aを形成しているため、外観上見栄えが良い。上記切欠部51にR形状を付けないと、上記稜線51aが上記境界線41に連続した曲線に見えず外観上見栄えが悪くなる。
【0025】以上のように構成された信号灯においては、上記バルブLPからの光Hvが、上記前方反射部7の反射鏡によってアウターレンズ3を介して車体前方に照射される。また、このバルブLPからの一部の光Hvは、図6に示すように、上記インナーレンズ5によって上記暗部9に導かれ、アウターレンズ3に形成されたプリズム53に照射されて、該アウターレンズ3を介して車体後方に向けて照射される。
【0026】インナーレンズ5によって導かれた光Hvは、上記前方反射部7と上記暗部9の境界線41の一部を切り欠いてインナーレンズ取付凹部37を形成したことにより、上記光Hvを遮る部分が無くなり、上記切欠部51を通って上記プリズム53へと導かれる。このようにすれば、図8で説明した上記なす角度θが鋭角であっても、上記バルブLPの光Hvを上記暗部9に導くことができる。
【0027】また、インナーレンズ5をインナーレンズ取付凹部37に嵌合して取り付けているので、インナーレンズ5の取付部の剛性が高まると共に、該インナーレンズ5の取り付けを容易なものとすることができる。
【0028】また、上記インナーレンズ取付凹部37の底面37aが上記切欠部51の稜線51aよりも低いため、この信号灯を車体側方から見たときに、上記切欠部51が影になってインナーレンズ5を取り付けるねじ47が見えなくなり、外観上見栄えが良くなる。特に、アウターレンズ3が透明である場合は、その内部が目視により見えるため、本発明は工業的価値がある。
【0029】以上、本発明を適用した具体的な一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
【0030】例えば、上記アウターレンズ3に横方向のプリズムを形成すれば、バルブLPからの光Hvが拡散して更に見栄えが良くなる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0032】本発明の信号灯によれば、インナーレンズを、前方反射部と暗部の境界線の一部を切り欠いて形成された凹部に嵌合して取付けているので、該インナーレンズによってバルブからの光を後方に導くことができる。また、インナーレンズを凹部に嵌合させているため、該インナーレンズの取付部の剛性を高めることができると共に、該インナーレンズの取り付けを容易に取り付けることができる。
【0033】また、本発明の信号灯によれば、インナーレンズを嵌合させる凹部の底面を切欠部の稜線よりも低くしているため、信号灯を車体側方から見たときに、上記切欠部が影になってインナーレンズを取り付けるねじが見えなくなり、外観上見栄えが良くなる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成11年1月11日(1999.1.11)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−207905(P2000−207905A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−4456