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【発明の名称】 高輝度発光線条体
【発明者】 【氏名】加藤 富久

【氏名】井澤 栄二

【要約】 【課題】太陽光線・照明光の受光光線を蓄光して、高輝度の発光を外周から放散して長時間持続できる高輝度発光線条体を提供する。

【解決手段】アルミニウム線または銀線等の可視光線の高反射表層を有する芯材2を、蓄光発光剤4入りの樹脂質の蓄光発光層3に埋め込んだ線体形状の高輝度発光線条体1が特徴である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可視光線の高反射率の材質からなる表層、または、可視光線高反射性の白色系表層を有する線状の芯材に、該芯材を埋め込む蓄光発光剤入り蓄光発光層を設けた構造を特徴とする高輝度発光線条体。
【請求項2】 アルミニウム線材または銀線材を芯材とする請求項1の高輝度発光線条体。
【請求項3】 任意の機械的性質を有する核体の外周に、可視光線反射表層を設けた芯材からなる請求項1の高輝度発光線条体。
【請求項4】 蓄光発光剤が、アルカリ土類アルミン酸塩を結晶母体としたものからなる請求項1・請求項2・請求項3のいずれかの高輝度発光線条体。
【請求項5】 蓄光発光剤が、硫化物蛍光体からなる請求項1・請求項2・請求項3のいずれかの高輝度発光線条体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、夜間または暗い雰囲気中で発光作用する線条体にして、安全柵・漁具・動物忌避柵・装飾装置・鑑賞装置・各種物品の盗難防止具・救急具等の広範囲の用途領域において、それ等の諸物品の構成要素または付属品として使用する高輝度発光線条体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、前記例示の多様な領域の諸物品の構成要素または付属品として、柔軟質のロープ体や柔軟質・剛質の細長部材の線条体が広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の前記線条体は自発光性を有しない為、例えば危険場所・工事現場の安全柵、または夜間使用の漁具・釣り具の構成要素として暗い雰囲気中で使用された場合、それ等柵・用具等が視認困難なための不安全や不便をもたらすことがあり、また、線条体の両端に錠止部材を備えた実用新案登録第3024157号・実開昭63−201174号公報に示される「ワイヤ錠・自転車錠」は暗中での視認把握が困難な為、夜間の解錠操作がしづらく、その上、第三者が無施錠自転車と誤認して寸借使用(ちょい借り)や盗心を発作的に誘発する不具合がある。
【0004】さらに、従来の線条体を用いるイルミネーション等の美的装飾装置においても、線条体自体の発光性がない為、その線条体に極めて多数個の電飾灯を連設せざるを得なく、装飾効果が一様化されると共に、その装飾装置の設定に多大の手数を要してコスト高になる。
【0005】さらに、一方では、夜間往行する野生動物による農作物を保護する為に、野生動物侵入防止柵を従来の線条体によって設定すると、やすやすと破壊されて侵入されてしまうケースがある。本発明は、以上の従来技術の難点を解消すると共に、線条体の新規用途開発を可能にする高輝度発光線条体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の技術課題を解決する本発明の高輝度発光線条体は「可視光線の高反射率の材質からなる表層、または、可視光線高反射性の白色系表層を有する線状の芯材に、該芯材を埋め込む蓄光発光剤入り蓄光発光層を設けた」構造になっている。
【0007】即ち、本発明の高輝度発光線条体は、前記蓄光発光層が受ける太陽光・照明光を蓄光させて線条体の長手方向外周から発光させると共に、前記の表層要件の芯材によって、その発光のうちの芯材方向に行うものを反射させて、高輝度の発光を外周から放散可能にした構造が特徴である。
【0008】そして、その芯材は、前記の表層要件を具備するアルミニウム材・銀材等で全体を形成したり、或は、柔軟質または硬質の任意材質の核体の外周に「表面処理・メッキ処理・金属蒸着・金属箔巻き着け・塗料塗布」等の公知手段によって前記要件の表層を付加して形成される。そして、前記の蓄光発光層は公知の「アルカリ土類アルミン酸塩を母体結晶とした蓄光発光性物質」または「硫化物蛍光体の蓄光発光剤」の微粒子を透明または光透過性の樹脂に内在させて構成される。
【0009】なお、本発明における線条体とは、断面形状が円形・楕円形・長円形・多角形の線状形状のもの、断面形状が細長い帯状形状のもの、或はそれ等以外の異形断面形状を含めた条体を意味する。そして、蓄光発光層の内側に存在させる芯材は前記の線条体形状と相似形状・非相似形状のものが任意に選択されて単数または複数にセットされ、前記の蓄光発光層に埋め込まれる。
【0010】
【作用】前記構成の本発明の高輝度発光線条体は、太陽光線・夜間照明光を受けると、その受光が蓄光発光剤入りの蓄光発光層に入光して蓄光されて表面から放散されるので、夜間等の暗い雰囲気中の線条体が自発光して視認可能となり「光る線条体」として機能する。そして、その蓄光発光層の内側には前記要件の芯材表層が存在するので、線条体の中心方向に向う発光が、その表層によって線条体の外周方向へ反射されて本来の外周方向発光と合体集合するので、高輝度の放散光を長時間持続して自発光することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高輝度発光線条体(以下、単に発光線条体という)の実施形態を説明する。まず、第一実施形態を示す図1参照、この実施形態の発光線条体1は「アルミニウム線または銀線からなる横断面円形の芯材2」と、芯材2の外周を埋め込む「蓄光発光剤4の微細粒子を密にして均一に混入した透明の樹脂(透明性12ナイロン・透明塩化ビニール等)からなる蓄光発光層3」によって細長円形線の線条体に形成されている。
【0012】なお、この実施形態のものは、蓄光発光剤4として「アルカリ土類アルミン酸塩を母体結晶となし、ユウロピウム(EU)を賦活剤、ジスプロシウム(Dy)またはネオジム(Nd)を賦活助剤とした蛍光体(例えば根本特殊化学株式会社製の登録商標ルミノーバ)」の粒状物(概ね20〜50ミクロンサイズ)が用いてある。
【0013】以上の図1実施形態の発光線条体1は、芯材2の全体が可視光線反射率が概ね90%以上の高反射率を有するので芯材2の表層からの反射能がよく、前記の作用を顕著に奏して外周から高輝度の放散光7を自発光することができる。そして、芯材2が軟質にして可塑性に優れるアルミニウム材(熱処理を施したアルミニウム材)・銀材で全体が構成されているので発光線条体1の形状自在性に富み、コイル状連続形態・波形形態・文字図形形態・リング形態等の多様な形状に曲げ成形し、多目的多用途に利用できる。
【0014】続いて、図2を参照して本発明の発光線条体1の他の実施形態を説明する。まず、図2(A)のものは「任意の金属質・樹脂質・繊維質のいずれかの線材からなる核材5」の外周に「可視光線高反射率の物質からなる光線反射表層6」を設けた芯材2によって構成され、この芯材2の外周に図1実施形態と同様な蓄光発光層3」が設けられた発光線条体1になっている。
【0015】即ち、この図2(A)実施形態のものは図1実施形態の単一材質の芯材2に代えて、線材としての多様な性状を有する核材5の外周に光線反射表層6を付加することによって、発光線条体1の芯材2としての表層要件を具備し、かつ、軽量性・柔軟性・可塑性等の必要な線条体としての機械的性状とコスト要件を満足することができる形態に構成されたもので、核材5としては前記の諸要件のうち必要なものを満足する「鉄材・樹脂材・管状体・コイルリング体・繊維材」等の任意なものが選択的に使用される。
【0016】そして、光線反射表層6は、核材5としての材質に適する「アルミニウム・銀・銅・クロム・亜鉛・ニッケル等の可視光線高反射性のメッキ層」または「アルミニウム蒸着」「アルミニウム箔の巻き着け」等の公知手段によって形成したり、或は、可視光線高反射性の「白色系樹脂の薄膜被覆」「白色系塗料の塗布」によって形成する。
【0017】以上の図2(A)の実施形態の発光性線条体1は、任意材質の芯材2によって形成し、線条体として用途別に要求される剛性・弾性・可塑性・引張り強度等の機械的性質を用途別ニーズに整合させた多様品質・低コストの発光線条体1に成形できる実用性に富むメリット作用がある。
【0018】一方、図2(B)(C)(D)のものは、発光線条体1・芯材2の断面形状の多様な変化を例示したもので、図示例示のように楕円形状・長円形状・または、受発光面積を増大させて短時間に蓄光発光できる星形形状等にすることがあり、複数の芯材2を並列内在させる形態も必要に応じて採択される。
【0019】つぎに、図3を参照して前記の表層要件を有する高輝度発光線条体1の使用例を説明する。即ち、この使用例はホテルの客室ドアの開き防止用のロックロープ10として用いたもので、端部のループ部11を連結した発光線条体1A・1Bからなりそのロックロープ10の一端を建物壁の固定部12に連結すると共に、他端をドア側のスライドレール13に着脱自在に嵌め着けセット可能にした形態になっている。このロックロープ10によると室内消灯後にもドアロックの施錠状態が確認できる。そして、2本の発光線条体1を鎖状に連結した形態からなるので、曲げて施錠したときの曲げ応力の発生がなく、係止ポイントを図示点線のようにスライドさせ易い。
【0020】なお、本発明の発光線条体1は前記の例示以外に、前記の可視光線高反射率のメッキ層を有する金属素線を撚合したワイヤロープの芯材2になし、そのワイヤロープの外周に現れる金属素線のメッキ層を光線反射表層6として機能させたり、金材・金メッキの芯材2を用いることがある。なお、本発明の発光線条体1のサイズは、ロープ代用の細目径の場合では外直径が概ね2〜3粍、芯材の直径が概ね1〜2粍である。
【0021】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明の高輝度発光線条体は、暗い雰囲気中において、高輝度に発光作用して残光時間も長く維持できるので光る線条体として有効に機能し、以下に例示する用途において、諸装置・諸物品の性能向上が促進できる。即ち、工事現場・危険場所の安全柵や工事建物の廻りに張るテンシヨナーロープに用いると夜間における安全柵の存在視認が可能になって安全性が向上し、夜間使用の釣り具・漁具・水上救命具等に用いるとそれ等用具の視認把握が容易になって取扱い性が向上し、使用効果が向上する。
【0022】そして、農作物等への野生動物侵入防止柵・網として使用すると、書間の太陽光・夜間照明等を受けた発光線条体が暗中で淡く光って野生動物が忌避する発光形態となるので、侵入防止が一段と効果的になり、また、前記の自転用ロープ錠のロープに使用すると、発光によって解錠操作がし易く、施錠状態の視認性によって駐輪車の寸借防止や盗難予防性が向上する。
【0023】さらに、イルミネーション等の電飾装置に用いると、自由な形状・形態に簡便に整形設定できるので、電飾装置自体の設定がし易く従来物より低コストになると共に、線条連続発光による新規フィーリングの電飾ができる。そして、図形輪郭や文字形状に自在整形して夜間の各種表示手段に応用したり、夜間使用の各種物品に連結して使い易くしたり、さらに、水族館の鑑賞用水槽等の水草・器物を造形して鑑賞効果の向上を促進したり、振楽器に付設して振り動作のアピール用に応用する等の多分野広領域の新規用途開発が可能にして、それ等各分野の各種装置・物品の機能・使用効果の一段の向上ができる。以上の諸効果がある。
【出願人】 【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
【出願日】 平成11年1月20日(1999.1.20)
【代理人】 【識別番号】100084526
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 賢美
【公開番号】 特開2000−207902(P2000−207902A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−11625