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【発明の名称】 種々の特性を有する光束を発生するための車両用ヘッドライト装置
【発明者】 【氏名】ベルンハルト ヴェルナー

【氏名】ミヒャエル ハム

【氏名】ヘンニング ホグレーフェ

【氏名】ドリス ベーベル

【要約】 【課題】種々の異なる特性を有する光束の発生のため必要なヘッドライトユニットの数を低減でき、それにより作製コスト及び所要スペースを低減できるヘッドライト装置を提供すること。

【解決手段】それぞれ1つの光源を有する複数のヘッドライトユニットを備えた少なくとも1つのヘッドライトを有し種々の特性を有する光束を発生するための車両用ヘッドライト装置において、少なくとも1つのヘッドライトユニットを、当該のヘッドライトユニットにより、少なくとも2つの相異なる特性を有する光束が発生可能であるように構成したこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 種々の特性を有する光束を発生するための車両用ヘッドライト装置であって、複数のヘッドライトユニット(12、14、16)を備えた少なくとも1つのヘッドライト(10)を有し、前記複数のヘッドライトユニット(12、14、16)は、それぞれ少なくとも1つの光源(21、31、41、51)を有し、前記複数のヘッドライトユニット(12、14、16)により、少なくとも1つの特性を有するそれぞれ1つの光束が発生可能であり、前記の複数のヘッドライトユニット(12、14、16)は、種々の組み合わせで同時に作動可能である当該の車両用ヘッドライト装置において、前記複数のヘッドライトユニット(12、14、16)のうちの少なくとも1つが、次のように構成されている、即ち、当該のヘッドライトユニットにより、少なくとも2つの相異なる特性を有する光束が発生可能であるように構成されていることを特徴とする種々の特性を有する光束を発生するための車両用ヘッドライト装置。
【請求項2】 前記複数のヘッドライトユニット(12、14、16)のうちの少なくとも1つは、次のように構成されている、即ち、当該のヘッドライトユニットにより交互に防眩特性を有する光束又はアッパービーム特性付きの光束が発生可能であることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】 前記複数のヘッドライトユニットのうちの少なくとも1つ(12)は、1つの反射器(20)及び1つの光源(21)を有し、前記光源(21)は、少なくとも、防眩特性を有する光束の発生のための位置と、アッパービーム特性を有する光束の発生のための位置との間で、反射器(20)に対して相対的に可動であることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】 前記光源(21)は、防眩特性を有する光束の発生のための位置と、アッパービーム特性を有する光束の発生のための位置との間の少なくとも1つ中間位置へ可動であることを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項5】 前記複数のヘッドライトユニットのうちの少なくとも1つ(12)は、1つの反射器(20)と、1つの光源(31)と、光出射方向で反射器(20)の後に配置された1つのレンズ(32)と、反射器(20)−レンズ(32)間に配された1つの絞り減衰装置(33)とを有し、ここで、前記絞り減衰装置(33)は、次のように可変であり、即ち、防眩特性を有する光束の発生のため、反射器(20)により反射された光の一部を遮蔽し、光束の1つの明−暗境界を発生するように可変であり、前記の明−暗境界によりアッパービーム特性を有する光束の発生のため、反射器(20)により反射された光を、少なくとも実質的にヘッドライトユニットから出射させるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項6】 絞り減衰装置(33)は、防眩特性を有する光束の発生のための状態と、アッパービーム特性を有する光束の発生のための状態との間の少なくとも1つ中間状態へ調整セッティング可能であることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】 前記複数のヘッドライトユニットのうちの少なくとも1つ(12)は、絞り減衰装置(19)を有し、該絞り減衰装置(19)によっては、当該のヘッドライトユニットにより発生された光束により生ぜしめられる車両前方の近傍距離範囲領域の照明が可変であり、ここで、前記車両前方の近傍距離範囲領域における照度が絞り減衰装置(19)により減衰可能であることを特徴とする請求項2から6項までのうち何れか1項記載の装置。
【請求項8】 当該のヘッドライトユニット(12)は、次のように構成されている、即ち、これにより発生された光束が水平方向で可変であるように構成されている請求項2から7項までのうち何れか1項記載の装置。
【請求項9】 前記複数のヘッドライトユニットのうちの少なくとも1つ(14)は、次のように構成されている、即ち、これにより集光された光束が発生され、この集光された光束により、実質的に車両前方のアッパービーム−距離範囲領域が照明されるように構成されていることを特徴とする請求項1から8項までのうち何れか1項記載の装置。
【請求項10】 前記複数のヘッドライトユニットのうちの少なくとも1つ(16)は、次のように構成されている、即ち、当該の複数のヘッドライトユニットのうちの少なくとも1つ(16)により発生された光束の経路、経過が水平方向及び/又は垂直方向で可変であるように構成されていることを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】 前記複数のヘッドライトユニットのうちの少なくとも1つ(16)は、次のように構成されている、即ち、当該の複数のヘッドライトユニットのうちの少なくとも1つ(16)により発生された光束が、水平方向で可変であり、当該の可変の光束により車両前方の側方距離範囲領域が照明されるように構成されている請求項1から10項までのうち何れか1項記載の装置。
【請求項12】 当該のヘッドライトユニット(16)は、次のように構成されている、即ち、前記のヘッドライトユニット(16)により発生された光束の経路、経過が水平方向に可変であるように構成されている請求項11項記載の装置。
【請求項13】 当該のヘッドライトユニット(16)により、片側に配向された光束が発生され、この発生された片側に配向された光束により側方距離範囲領域(96、97)が照明され、前記側方距離範囲領域(96、97)は、ヘッドライトユニット(12)により生ぜしめられた光束により照明される領域(82)を越えて外方へ延びており、前記側方距離範囲領域(96、97)は、光束の経路、経過が水平方向で変化したとき照明されるものであるように構成されていることを特徴とする請求項8及び11又は12記載の装置。
【請求項14】 それを以て少なくとも1つのヘッドライトユニット(12、14、16)の1つの光源(21、31、41、51)が作動される電力が可変であることを特徴とする請求項1から13項までのうち何れか1項記載の装置。
【請求項15】 少なくとも1つのヘッドライトユニット(12、14、16)の光源(21、31、41、51)は、ガス放電ランプであることを特徴とする請求項1から14項までのうち何れか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、請求項1の上位概念による種々の特性を有する光束を発生するための車両用ヘッドライト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】そのようなヘッドライト装置はDE4313914A1から公知である。当該のヘッドライト装置は、複数のヘッドライトユニットを有し、該複数のヘッドライトユニットにより、所定の特性を有する光束が発生可能である。ヘッドライトユニットは種々の組合せで同時に作動可能である。光束の各特性に対して1つの別個のヘッドライトユニットが設けられ、該ヘッドライトユニットにより、たんに、当該の1つの特性を有する1つの光束が発生可能である。このことは、ヘッドライ装置に対する大きな作製コスト及び更にすべてのヘッドライトユニットの収容のための大きな所要スペースを要する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題とするところは、種々の異なる特性を有する光束の発生のため必要なヘッドライトユニットの数を低減でき、それにより作製コスト及び所要スペースを低減できるヘッドライト装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題は、請求項1の構成要件により解決される、即ち、種々の特性を有する光束を発生するための車両用ヘッドライト装置であって、複数のヘッドライトユニットを備えた少なくとも1つのヘッドライトを有し、前記複数のヘッドライトユニットは、それぞれ少なくとも1つの光源を有し、前記複数のヘッドライトユニットにより、少なくとも1つの特性を有するそれぞれ1つの光束が発生可能であり、前記の複数のヘッドライトユニットは、種々の組み合わせで同時に作動可能である当該の車両用ヘッドライト装置において、前記複数のヘッドライトユニットのうちの少なくとも1つが、次のように構成されている、即ち、当該のヘッドライトユニットにより、少なくとも2つの相異なる特性を有する光束が発生可能であるように構成されているのである。
【0005】引用請求項には、本発明のヘッドライトユニットの有利な実施形態及び発展形態が記載されている。請求項2の構成により、防眩光及びアッパービームの発生のため、たんに1つのヘッドライトユニットしか必要でないようになる。請求項7の構成により、濡れた道路での対向交通の眩光を回避できる。請求項8の構成により、ヘッドライトユニットから送出された光束の方向を、走行路の経過、経路又は車両のその他の作動条件へ適合させることが可能になる。請求項9の構成により、車両前方のアッパービーム範囲領域の照明の増強を可能にする。請求項10の発展形態は例えば、光束の方向の適合化を可能にし、ここで防眩光の場合、遠方範囲領域は明―暗境界を下回り、アッパービームの場合は、遠方範囲領域は明―暗境界を上回る。図11の構成により、殊にカーブ走行の際の照明の改善を可能にする。請求項13による発展形態では、わずかな数のヘッドライトユニットにより、小さな曲率半径及び大きな曲率半径を以ての走行の際、照明を改善することを可能にする。
【0006】
【実施例】本発明の複数の実施例が図示してあり、以降詳述する。
【0007】本発明の車両用、殊に自動車用ヘッドライト装置は、種々の特性を有する光束の発生に用いられる。前記ヘッドライト装置は、公知形式で、公知のように車両の前端に配されたヘッドライト10を有し、そのうち図1には例えばただ1つが示してある。ヘッドライト10は、複数のヘッドライトユニット12,14,16を有し、複数のヘッドライトユニット12,14,16により異なる特性を有する光束が生ぜしめられる。光束の特性とはそれの水平及び/又は垂直方向での経路経過、それの明―暗境界、到達距離及びそれにより生ぜしめられる照度、分布を称する。ヘッドライトユニット12,14,16の数をわずかにするため、前記複数のヘッドライトユニット12,14,16のうち少なくとも2つの相異なる特性を有する光束が発生可能であるように構成されている。
【0008】前記複数のヘッドライトユニット12,14,16のうち少なくとも1つは、次のように構成されている、即ち、当該のヘッドライトユニットにより選択的に防眩特性を有する、例えば防眩光に対する少なくとも1つの光束又はアッパービーム特性付きの少なくとも光束が発生可能であるように構成されている。図7には、ヘッドライト10の前方に間隔をおいて配された測定スクリーン80が示されており、この測定スクリーン80は、ヘッドライトユニット12により生ぜしめられた光束により照明される。測定スクリーン80の水平方向中心平面は、HHで表され、それの垂直方向中心平面はVVで表されている。水平方向中心平面HH及び垂直方向中心平面VVは、点HVにて交差する。防眩光特性を有する、ヘッドライトユニット12により生ぜしめられた光束により、測定スクリーン80の領域82が照明される。ヘッドライトユニット12は、右側交通に対して設計され、ここで、領域82は、上向きでは、非対称の明―暗境界により画されている。明―暗境界は、対向交通側上で、即ち、測定スクリーン80の左側にて、水平方向セクション83を有し、この水平方向セクションは、中心平面HHをほぼ1%下回っている。自己の交通側では、即ち、測定スクリーン80の右側では、明―暗境界は、水平方向セクション83から出発して上昇するセクション84を有し、このセクション84の勾配角度は、水平方向中心平面HHに関してほぼ15°である。領域82における照度の分布は、等しい照度の複数の線、所謂等照度曲線85を用いて示してある。領域82中では明―暗境界のすぐ下方のゾーン86にて、そして、垂直方向中心平面VVの幾らか右方に最高の照度が存在する。
【0009】アッパービーム特性付きの、ヘッドライトユニット12により生ぜしめられた光束により、測定スクリーン80の領域87が照明される。領域87では、同じく複数の等照度曲線88が示してあり、ここで、点HVの回りのゾーン88にて、最高の照度が存在する。領域87は、際立った明―暗境界を有しない。
【0010】図2には、第1実施例によるヘッドライトユニット12が示してある。ヘッドライトユニット12は、反射方式により構成されており、反射器2及び光源21を有し、この光源21は、白熱ランプ又は有利にはガス放電ランプである。光源21を有する反射器20は、保持体又はケーシング22内に調整移動可能に配されている。ケーシング22の光出射開口は、透光性ディスク23でカバーされており、この透光性ディスクは、滑らかなディスクとして構成され得、又は光学的プロイール成形部を有し得、この光学的プロフィール成形部により、通過する光が偏向及び/又は分散され得る。反射器20は、金属又はプラスチックから成り得、それの頂部領域内にて光源21に対する開口24を有する。光源21は、ランプ支持体25内に保持されており、このランプ支持体25は、少なくとも間接的に反射器にて少なくとも水平方向に延びる軸26を中心として旋回可能に支承されている旋回軸26はランプ支持体25の上縁の近くのところを延びている。光源21は、それのガラス管球―この中にそれの作動の際、アーク27が形成される−を通り、その結果それのアーク27から発せられた光が反射器20の凹面に湾曲された反射面により反射される。光源21には遮蔽装置28が配され得、この遮蔽装置により、光源21から送出された光の一部が遮蔽され、その結果、その光は反射器20には当たらないようになる。遮蔽装置28により、ヘッドライトユニット12から送出された、防眩光特性付きの光束の明―暗境界を生じさせ得る。
【0011】ランプ支持体25には旋回軸26に対して偏心的に調節部材ないし調整装置29が作用係合し、この調整装置を用いて、ランプ支持体25を光源21と共に軸26を中心として旋回可能である。電動モータは有利にステップモータとして構成され得る。調整装置29は、代替選択的に例えば、伝動装置を介してランプ支持体25に作用するロッドを推動する電動モータを有し得る。更に、代替選択的に調整装置29は、ランプ支持体25に作用するロッドの推動のための液圧又は空気力学的駆動部をも有し得る。調整装置29により、ランプ支持体25は、その中に保持された光源21と共に防眩光に対する1つの終端位置と、アッパービームに対する1つ又は複数の位置との間で可動である。図2には、ランプ支持体25及び光源21は、実線でそれの防眩光に対する終端位置にて示してある。ランプ支持体25は、ストッパ37に当接した状態におかれ得、このストッパ37により、反射器20に関して、防眩光に必要な光源21の精確な配置が確保される。ランプ支持体25は、反射器20に対して相対的に反時計針方向で最も大きく旋回された位置におかれている。光源21は反射器20に対して相対的に次のように配置されている、即ち、それのアーク27から発せられた光が、反射器により、下方へ傾斜した光束として反射され、この光束は、明―暗境界83、84及び図示の照度、分布を有する測定スクリーン80の領域82を照明するように配置されている。明―暗境界83,84は、遮蔽装置28により、及び/又は光源21のガラス管球の不透光性の被覆38により生ぜしめられ得、及び/又は反射器20の相応の形状により生ぜしめられ得、前記の反射器20によっては、それが明―暗境界83,84を有するように反射される。
【0012】図2には、ランプ支持体21及び光源21が破線で、それのアッパービームに対する終端位置にて示されており、この終端位置ではランプ支持体25は、時計針方向に最も大きな程度旋回されたそれの位置に置かれている。光源21は、アッパービームに対するそれの終端位置にて、それの防眩光に対する終端位置にに対して反射器20の頂部へ向かって、そして下方へ動かされる。ランプ支持体25は、それのアッパービームに対する終端位置にてストッパに当接した状態におかれ得る。付加的に遮蔽装置28は、全く、又は部分的に、光源21からそれのアッパービームに対する位置にて送出される光のビーム路外に除外し得る。反射器20に対して相対的な光源21の変化された配置関係により、光源21から送出された光が、防眩光に対するそれの配置構成の場合におけるとは異なった特性を以て反射器20により反射される。光源21を有するヘッドライトユニット12によりそれのアッパービームに対する終端位置にて生ぜしめられる光束により、測定スクリーン80は、図7に示すように、破線で示す領域87にて照明される。領域87では、照度の分布の明示のため等照度曲線88が記入してある。ここで、点HVの周りのゾーン89にて、最高の照度が存在し、この最高の照度は、領域82のゾーン86におけるより高い。アッパービーム特性付き光束により照明される領域87は、防眩光特性付きの光束により照明される領域82に比して上方へシフトされており、際立った明―暗境界を有しておらず、照度の一層高い最大値を有する。
【0013】ランプ支持体25は光源21と共に防眩光の終端位置と、アッパービームに対する終端位置との間の2つ、又は複数の中間位置へ旋回可能であり、ここで、ヘッドライトユニット12により生ぜしめられた光束の特性が変化し得、ここで、当該の特性が防眩光に対する終端位置から出発して、アッパービームに対する終端位置へ変化するようにし、それにより、測定スクリーン80上に光束により照明される領域が上方へシフトされ、明―暗境界は一層明瞭に際立たなくなり、照度の最大値は一層より高くなる。光源21を有するランプ支持体25の旋回を例えば車両の速度に依存して行い得、ここで速度の増大と共に光源21は、更に、アッパービームに対する終端位置に向かって旋回される。このことは、例えば、眩光を惹起せずに対向交通のないアウトバーン上で走行の際行い得る。
【0014】図3には第2実施例に対するヘッドライトユニット12が示してあり、ここではヘッドライトユニット12は、投影方式に従って構成されている。ヘッドライトユニット12は、反射器30を有し、この反射器30中には白熱ランプ又はガス放電ランプの形態の光源31が挿入されている。光出射方向で反射器30の後にレンズ32が設けられており、反射器30とレンズ32との間に絞り33が設けられている。光出射方向で反射器30の後に透光性のディスクないしガラス板34を設け得、このディスクないしガラス板は、滑らかなディスクないしガラス板又は光学的プロフィール又は成形体を有し得る。反射器30により、光源31から発せられた光が、収束光束として反射される。絞り33は不透光性に構成され得、ここで、或1つの位置―ここでは当該の反射器30により反射された光束がビーム光路内に突入するーと、それとは別の1つの位置―該位置では、反射器30により反射された光束がビーム、光路内に突入しないか、又は少なくともずっと極わずかしか突入しないーとの間で可動である。絞り33は例えば調節部材35を用いて軸36を中心として旋回可能であり得る。代替選択的に絞り33は、位置固定的に配され得、可変の透光性を有し得、ここで絞り33は、高い透光性の状態と、わずかな透光性の状態との間で切換可能である。防眩光に対するヘッドライトユニット12の作動位置にて、絞り33は、反射器30により反射された光束のビーム光路内に突入するか、ないしわずかな透光性の状態におかれる。ここで、絞り33により、反射器30により反射された光束の一部が遮蔽され、そして絞り33のところに達し、レンズ32を通る光束が或1つの明―暗境界を有する。防眩光に対する特性を有する、ヘッドライトユニット12によって発生される光束により、測定スクリーン80の領域82が、図7に示すように照明される。アッパービームに対する作動位置では絞り33は、反射器30により反射された光束は少なくとも部分的にビーム光路外に旋回され、もしくは、高い透光性の状態におかれ、その結果反射器30により反射される光束の比較的大きな部分が、レンズ32を通過し、ヘッドライトユニット12外に出射し得る。ヘッドライトユニット12により生ぜしめられた、アッパービーム特性の光束により、測定スクリーン80の領域87が図7に示すように照明される。1つの絞りの代わりに光出射方向に相次いで配された2つ以上の絞りを設け得、これらの2つ以上の絞りは、合わさって、又は、相互に無関係に可動、ないしそれの透光性について可変であり得る。絞り33は、複数のステップ段階で、又は、連続的に可動であり得、ここで、当該の絞り33は、防眩光に対するそれの位置―ここでは、当該の絞りはビーム光路内に最も大きな程度突入する−から出発して、それのアッパービームに対する位置へ益々向うように配され、そしてビーム光路内へ突入する程度が一層わずかになるように前述のような可動性を有し得る。ここで絞り33により生ぜしめられる明―暗境界は益々高くなる。同様に、絞り33の透光性は、段階的に、又は連続的に防眩光発生のためのわずかな透光性の状態とアッパービーム発生のための高い透光性の状態との間で可変であり、その結果明―暗境界の位置状態及び/又は生ぜしめられる照度を可変できる。
【0015】ヘッドライトユニット12に対する光源21ないし31としてガス放電ランプを使用する場合、それの作動には、電気的補助装置18が必要なものであり、この電気的補助装置18により、点弧後ガス放電ランプ21の安定した作動が確保される。それを以て、ガス放電ランプ21が電力が可変であり、それにより、ガス放電ランプ21から送出された光束が可変にされ得る。例えば、ベース照明に対してガス放電ランプを比較的わずかな電力で作動でき、例えば、ほぼ32Wワットで作動でき、街路照明には比較的高い電力、例えばほぼ35Wで、そして、アウトバーン照明又はアッパービームは更に高められた電力、例えばほぼ38Wで作動され得る。
【0016】第1又は第2実施例によるヘッドライトユニット12は、絞り装置19を有し、この絞り装置により、発生された光束の一部を少なくとも部分的に遮蔽でき、当該の発生された光束により領域82の下方ゾーンが照明される。領域82の下方ゾーンは、車両前方の近傍範囲領域に相応する。絞り装置19は、例えば透光性の絞りとして構成され得、この透光性絞りは、前記の或1つの位置と、これとは別の1つの位置との間で可動である、即ち、前記の或1つの位置とは、絞りが反射器20ないし30により反射された光束のビーム光路内に突入したり、もしくは、光源21,31と反射器20,30との間のビーム光路内に突入するような1つの位置であり、前記の1つの位置とは別の1つの位置とは、当該の絞りが光路外に配されている1つの位置のことである。代替選択的に絞り装置19は位置固定的に配置され、可変の透光性を有し得る。近傍範囲領域を強く照明しようとする場合には、絞り装置19は、高い透光性の状態におかれ、そして、近傍範囲領域を単に弱く照明しようとする場合には、絞り装置19は、低い透光性の状態におかれる。近傍範囲領域の照明の減光は殊に、濡れた道路面の場合とか対向交通の眩光を回避するのに、有利である。道路の状態をセンサ装置を用いて検出でき、ここで、近傍範囲領域の照明の減光を自動的に制御して行い得る。
【0017】図4には、集光された光束を生じさせるため用いられる。ヘッドライトユニット14の1実施例を示す。ヘッドライトユニット14は、有利には、反射方式に従って構成されており、反射器40及び光源41を有し、この光源41は、白熱ランプ又はガラス放電ランプであり得る。ヘッドライトユニット14の光出射開口は、透光性のディスクないしガラス板42がカバーされ、このディスクないしガラス板は、滑らかなディスク又は光学的プロフィール又は成形体であってよく、それにより、通過する光が、分散及び/又は偏向される。反射器40は、有利に、少なくとも、ほぼ垂直方向に延びる軸43を中心として調節部材44を用いて旋回可能である。軸43を中心としての反射器40の可能な旋回角度は、ほぼ5°ないしほぼ10°であってよい。付加的に反射器40は、ほぼ水平方向に延びる軸45を中心として旋回可能であってよい。軸45を中心としての反射器40の可能な旋回角度は、ほぼ1°〜ほぼ2°であってよい。
【0018】図8には、ヘッドライトユニット14により生ぜしめられる光束による照明の際の測定スクリーン80の様子を示す。反射器40を有するヘッドライトユニット14により第1位置にて生ぜしめられる光束により、測定スクリーン80は、1つの領域90にて照明され、この1つの領域は、測定スクリーン80の垂直方向中心平面VVの右方では、領域82の明―暗境界のセクション84下方に前記領域82に隣接して配されている。領域90は、領域82に比して、一層わずかな拡がりを有し、殊に、垂直方向で領域82よりわずかな延在拡がりを有する。従って、ヘッドライトユニット41により生ぜしめられた車両前方の車道の近傍範囲領域は照明されないか、又はたんにわずかしか照明されない。従って、ヘッドライトユニット14により生ぜしめられた光束によっては、自己の交通側でのアッパービーム領域の照明がスポット的に増強される。垂直軸43を中心としての反射器40の旋回によりヘッドライトユニット14により生ぜしめられた光束により照明される領域90は、水平方向にシフトされ得、そして、水平軸45を中心としての反射器40の旋回により領域90を垂直方向にシフトし得る。例えば、ヘッドライトユニット14により生ぜしめられた光束により防眩光のためのヘッドライトユニットの作動位置にて、遠方範囲領域の照明は、領域の明―暗境界83,84のセクション83,84下方にて増強され、前記領域82は、ヘッドライトユニット14により生ぜしめられた光束で照明されるものである。アッパービームに対するヘッドライトユニットの作動位置にてヘッドライトユニット14により生ぜしめられた光束により照明される領域が高められ、持ち上げられ、測定スクリーン80の中央に向かって図8中破線で示す位置へシフトされヘッドライトユニット12により生ぜしめられる光束のほかに付加的に遠方領域の照明を増強するものである。車両の右側及び左側ヘッドライト10においてそれぞれのヘッドライトユニット14により異なる光束が生ぜしめられるようにし得る。例えば左側ヘッドライトのヘッドライトユニット14により生ぜしめられた光束により、明―暗境界のセクション84下方の領域90を照明でき、一方右側ヘッドライトのヘッドライトユニット14により生ぜしめられる光束により、明―暗境界のセクション83下方の測定スクリーン80の左側の領域91が照明される。車両の両側のヘッドライトのヘッドライトユニット14において、反射器40の調節手段を設け得、又は1つの側のヘッドライトのヘッドライトユニット14においてのみ設け得る。ヘッドライトユニット12へのヘッドライトユニット14の付加接続を、例えば自動的に車両の高速度のもとで行い得る。ヘッドライトユニット14の付加接続が防眩光に対するヘッドライト装置の作動位置にて行われる場合、ヘッドライトユニット14により生ぜしめられた光束で明―暗境界下方の照明を行わせなければならない。更に、ヘッドライトユニット14の付加接続を、自動的に、濡れた路面、又は対向交通の状態―このことはセンサ装置により検出され得る―において行ない得、遠方領域における可視条件を改善し得る。更に、ヘッドライトユニット14を、それ自体日中走行照明としてヘッドライトユニット12の作動をせずに使用することもできる。
【0019】ヘッドライトユニット14は、第1又は第2の実施例によるヘッドライトユニット12のように構成され、図2に相応して可動の光源31を有し得、又は、図1に相応して、絞りーこれは可動又は可変の透光性を有するーを有し得る。これにより、ヘッドライトユニット14から送出された光束を次のよう可変できる、即ち、防眩光を支援する場合明―暗境界下方の遠方領域における照明が行われ、アッパービームを支援する場合明―暗境界上方の遠方領域における照明が行われるように可変できる。ヘッドライトユニット14の反射器30及びヘッドライトユニット12の反射器20を相互に結合し得、それにより、両ヘッドライトユニット12,14から送出された光束の明―暗境界の同じ配置構成を確保するものである。
【0020】図5に、それにより車両前方の側方領域を照明する片側で配向された光束を生じさせるために使用されるヘッドライトユニットの1実施例を示す。ヘッドライトユニット16は、有利に、反射方式により構成され、反射器50及び光源51を有し、この光源51は、白熱ランプ又はガス放電ランプであり得る。ヘッドライトユニット16の光出射開口は、透光性のディスクないしガラス板52でカバーされており、この透光性ディスクないしガラス板52は、滑らかなディスクないしガラス板として構成され得、又は光学的プロフィール又は成形体を有し得、この光学的プロフィール又は成形体により通過する光が分散及び/又は偏向される。図9には、ヘッドライトユニット16により生ぜしめられる光束による照明の際の測定スクリーン82が示してある。光束により領域92又は93が照明され該領域92又は93は領域82の明―暗境界83,84下方に配されている。領域92は、測定スクリーン80の垂直中心平面VVの右方に配されており、領域93は中心平面VVの左方に配されている。車両の左ヘッドライトのヘッドライトユニット16により生ぜしめられた光束により右領域92が照明され、左領域93が右ヘッドライトのヘッドライトユニット16により生ぜしめられた光束により照明されるように構成し得る。代替選択的に領域92,93の対応関係を逆にしてもよく、その結果右領域92は、車両の右ヘッドライトのヘッドライトユニット16により生ぜしめられた光束により照明され、左領域93は、車両の左ヘッドライトのヘッドライトユニット16により生ぜしめられた光束により照明される。
【0021】領域92,93は、それぞれ水平方向で、例えば、垂直中心平面VVの右方ないし左方ほぼ10°〜ほぼ60°に亘って達している。垂直方向では領域92,93は、領域82と、ほぼ同じ延在範囲を有し、前記領域82は、防眩光による特性を有するヘッドライトユニット12により生ぜしめられた光束により照明される。カーブ走行の際車両前方の照明を改善するためヘッドライトユニット16が設けられている。車両が、右カーブを走行する場合、ヘッドライトユニット16は、付加接続され、該ヘッドライトユニット16により右領域912が照明され、そして、車両が、左カーブを走行する場合ヘッドライトユニット16が付加接続され、該ヘッドライトユニット16により生ぜしめられる。車道の経路経過の検出を1つ又はセンサ装置により実施でき、例えば、ステアリングのふれを検出するセンサ装置により、又は車両前方の周囲を検出するビデオセンサ装置により検出できる。更に、車道の経路経過の検出をナビゲーションシステムを用いて検出することもでき、このナビゲーションシステムは、道路ネットワーク及び車両の実際の位置に付いての情報を処理する。ヘッドライトユニット16の付加接続を、車両の走行方向インジケータ作動状態の場合にも行い得、曲げ方向での照明状態の改善を達成することもできる。
【0022】ヘッドライトユニット16を2つ以上のヘッドライトサブユニットに細分化でき、前記ヘッドライトサブユニットにより異なった強さの側方配向を有する光束が発生される。例えばヘッドライトユニット16は、或1つのヘッドライトサブユニットー該ヘッドライトサブユニットによりそれにより垂直中心平面VVの傍らに水平、延在方向ほぼ10°〜ほぼ40°に亘る領域を照明する1つの光束が発生されるーと、更なる1つのヘッドライトサブユニットー該ヘッドライトサブユニットにより、それにより垂直中心平面VVの傍らに水平延在方向ほぼ30°〜ほぼ60°に亘る領域を照明するーとを有する。曲率半径に依存して、ヘッドライトユニット16の適当なヘッドライトサブユニットを付加接続し得、ここで、大きな曲率半径の場合ほぼ10°〜40°の領域を照明するヘッドライトサブユニットが付加接続され、小さな曲率半径の場合ほぼ30°〜ほぼ60°の領域を照明するヘッドライトサブユニットが付加接続され、又は両ヘッドライトサブユニットが付加接続される。
【0023】ヘッドライトユニット12へのヘッドライトユニット16の付加接続を例えばわずかな速度の場合自動的に行うこともでき、このことは、例えば市街交通において行われ、車両前方の側方照明を改善するものである。ここで、車両の両ヘッドライトユニット16が付加接続される。更にヘッドライトユニット16の付加接続を路面の濡れた状態、降雨、降雪、又は霧の場合行い得る。このことは、当該条件の検出のため適当なセンサ装置使用の場合自動的に行うこともできる。更にヘッドライトユニット16の付加接続を、対向交通の場合に対しても行って、車両前方の側方照明を改善し、以て車両操縦装置の方向付け、配向を容易化することも可能である。
【0024】図6にはヘッドライト16の変化実施形態が示してあり、このヘッドライト16の変化実施形態では反射器50は調節部材54を用いてほぼ垂直方向に延びている軸53を中心として旋回可能である。ヘッドライトユニット16により生ぜしめられた光束により、図10に示すように測定スクリーン90の領域94ないし95が照明され、この測定スクリーン90の領域94ないし95は、ほぼ30°〜50°に亘っての水平方向延在範囲を有する。ヘッドライトユニット16の反射器50の旋回により、領域94ないし95を、反射器50の最小の旋回のもとで次のように配置できる、即ち、当該の領域が垂直方向中心平面の傍らにほぼ10°〜ほぼ40°〜ほぼ60°に亘って延び、一方反射器50の最大の旋回のもとで領域94ないし95は、ほぼ30°〜ほぼ60°〜ほぼ80°に亘って延びるように配置できる。反射器50の旋回は走行したカーブの曲率半径に依存して行われ、ここで、曲率半径が小であればある程、反射器50は益々それだけ一層旋回される。当該の実施形態によるヘッドライトユニット16の付加接続を、車両の走行方向インジケータ作動状態においても行い得る。
【0025】ヘッドライトユニットの更なる実施形態では、ヘッドライトユニット12は、次のように構成される、即ち、当該のヘッドライトユニット12又は第1実施例による少なくともそれの反射器20ないし反射器30、レンズ32及び絞り33から成るモジュールが、ほぼ垂直に延びる軸を中心として旋回可能であるー図6のヘッドライトユニット16の構成と類似してーように構成される。付加的に光束を発生するヘッドライトユニットが設けられ、当該の光束により、垂直中心平面の1つの例でのみ測定スクリーン80が照明される。ここで、ヘッドライトユニット12にて旋回により、当該のヘッドライトユニット12により生ぜしめられた光束により照明された領域82が水平方向で所定の程度左方又は右方へシフトされ得る。ここで、ヘッドライトユニット12における旋回角度は制限され得、例えばほぼ5°〜ほぼ20°に制限され得、ここで旋回により車両前方の照明の改善が、比較的大きな曲率半径を以ての右又は左カーブの走行の際達成される。ヘッドライトユニット16により生ぜしめられた光束により、或1つの領域が照明され、この或1つの領域は、水平方向でほぼ20°〜ほぼ60に亘り、垂直中心平面VVの傍らに延在する。ヘッドライトユニット16は、小さな曲率半径のカーブの走行の際ヘッドライトユニット12に付加接続される。ヘッドライトユニットの付加接続を次のような場合にも行い得る、即ち、曲がり方向での照明の改善を達成するため車両に走行方向インジケータが作動状態におかれた場合にも、当該の付加接続を行うことができる。
【0026】ヘッドライトユニット16により生ぜしめられた光束により側方の領域が照明され、この側方の領域は、外方に向かって、ヘッドライトユニット12により生ぜしめられた光束により照明される領域を越えて延びる。図11には、領域82と共に測定スクリーン80が示してあり、この領域82は、ヘッドライトユニット12によりそれの非旋回位置状態にて生ぜしめられた光束により照明される。破線で示すのは、右方又は左方へヘッドライトユニット12の旋回された状態での領域82である。右又は左でのヘッドライトのヘッドライトユニット16により生ぜしめられた光束により垂直中心平面VVの右側の領域96が照明され、この領域96が右外方へ向かって領域82を越えて延びている。領域82は、右方へ旋回されたヘッドライトユニット12の状態のもとで、当該のヘッドライトユニット12により生ぜしめられた光束により照明される。他のヘッドライトのヘッドライトユニット16により生ぜしめられた光束により垂直中心平面VVの左側の領域97が照明され、この領域97は左外方へ向かって領域82を越えて延びており、この領域82は、左方へ旋回されたヘッドライトユニット12の状態のもとでこのヘッドライトユニット12により生ぜしめられた光束により照明される。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、種々の異なる特性を有する光束の発生のため必要なヘッドライトユニットの数を低減でき、それにより作製コスト及び所要スペースを低減できるヘッドライト装置を実現することができたという効果が奏される。
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外3名)
【公開番号】 特開2000−195312(P2000−195312A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平11−375123