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【発明の名称】 照明装置
【発明者】 【氏名】石田 照夫

【氏名】田村 武己

【要約】 【課題】周方向に拡散する余分な光を漏らすことなく確実に遮断するのは勿論のこと、バンドアー先端の開口面積の調整及び補助羽根の位置決めを容易且つ敏速に行えるようにした照明装置を提供する。

【解決手段】左右の先細羽根22の表面における上部と下部に、バンドアー2先端の開口部が灯体1の前方周縁と略同形の矩形状に調整した時に上下の矩形羽根12の側端側と先細羽根22の上下端との間に形成される隙間Hを閉塞可能な板状の補助羽根3を備え、補助羽根3は、先細羽根22から突出した状態でその突出端部3aを矩形羽根12の内面に当接させて隙間Hを閉塞する突出位置と先細羽根22の面積内に収納される収納位置との間を蝶番状に回動させる軸支部4により軸支してなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 灯体の前方周縁に略矩形板状の上下の矩形羽根と、前方先細板状の左右の先細羽根とからなるバンドアーを備え、該矩形羽根と該先細羽根を開閉することによりバンドアー先端の開口面積を調整して照射範囲を可変できるように構成した照明装置において、先細羽根表面の上部と下部に、バンドアー先端の開口部を灯体の前方周縁と略同形の矩形状に調整した時に矩形羽根の側端側と先細羽根の上下端との間に形成される隙間を閉塞可能な板状の補助羽根を備え、該補助羽根は、先細羽根の上下端から突出した状態でその突出端部を矩形羽根の内面に当接させて前記隙間を閉塞する突出位置と先細羽根の面積内に収納される収納位置との間を蝶番状に回動させる軸支部により軸支してなることを特徴とする照明装置。
【請求項2】 前記補助羽根と前記先細羽根に、該補助羽根を前記突出位置と前記収納位置に掛止保持する掛止機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】 前記掛止機構が、オス部材とメス部材の組合わせによるホックからなり、前記突出位置における前記補助羽根と前記先細羽根との間と、前記収納位置における前記補助羽根と前記先細羽根との間に配置されていることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舞台照明等に用いられる照明装置、特に、灯体の前方に照射される光の範囲を可変するバンドアーを備えた照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、舞台照明等に用いられる照明装置には、灯体の前方周縁に略矩形板状の上下の矩形羽根と、前方先細板状の左右の先細羽根とからなるバンドアーを備え、該矩形羽根と該先細羽根を開閉することにより、矩形羽根と先細羽根で区画されるバンドアー先端の開口面積を調整して照射される光の範囲を可変できるように構成したものがある。そして、この照明装置は、矩形羽根の左右の側端側内面を先細羽根の上下端に当接させてバンドアー先端の開口面積を狭めたとき以外の場合、例えば、バンドアー先端の開口部が、灯体の前方周縁と略同形の矩形状に調整された場合等に、矩形羽根の側端側内面と先細羽根の上下端との間に隙間が形成され、この隙間から灯体内のランプの光が漏れる。そこで、上記の照明装置の改良として、先細羽根の側面の上下に、扇形をした補助羽根を先細羽根と平行の状態で回動するようにその中心部で軸支し、この扇形の補助羽根を上記隙間の面積に応じて無段階に回動調整することにより、先細羽根の上下端から補助羽根の円弧側を突出させ、この突出した補助羽根の円弧側が前記隙間を閉塞するように構成されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、柔らかい光を比較的広い範囲で前方に照射するフラッドライト等においてバンドアーの役割は、照射範囲を細かく可変することよりも、周方向に拡散する余分な光を漏らすことなく遮断することの方が重要である。よって、バンドア先端の開口面積の調整は、1〜2段階程度で十分であり、通常、バンドアー先端の開口部を灯体の前方周縁と略同形の矩形状に調整した状態、又は、左右の先細羽根の上下端に上下の矩形羽根の内面を当接させてバンドアー先端の開口部を狭めた状態に設定される場合が多い。しかしながら、上述した扇形の補助羽根を備えた従来例では、補助羽根が無段階に回動するため、バンドア先端の開口面積の調整及び補助羽根の位置決め操作が面倒であり時間もかかる。その上、補助羽根が扇形状であるため、上下の矩形羽根の角度によっては、上記した隙間を完全に塞ぐことができず光が漏れる場合もある。
【0004】本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その目的とする処は、周方向に拡散する余分な光を漏らすことなく確実に遮断するのは勿論のこと、バンドアー先端の開口面積の調整及び補助羽根の位置決めを容易且つ敏速に行えるようにした照明装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の技術的手段として、請求項1は、灯体の前方周縁に略矩形板状の上下の矩形羽根と、前方先細板状の左右の先細羽根とからなるバンドアーを備え、該矩形羽根と該先細羽根を開閉することによりバンドアー先端の開口面積を調整して照射範囲を可変できるように構成した照明装置において、先細羽根表面の上部と下部に、バンドアー先端の開口部を灯体の前方周縁と略同形の矩形状に調整した時に矩形羽根の側端側と先細羽根の上下端との間に形成される隙間を閉塞可能な板状の補助羽根を備え、該補助羽根は、先細羽根の上下端から突出した状態でその突出端部を矩形羽根の内面に当接させて前記隙間を閉塞する突出位置と先細羽根の面積内に収納される収納位置との間を蝶番状に回動させる軸支部により軸支してなることを要旨とする。請求項2は、前記補助羽根と前記先細羽根に、該補助羽根を前記突出位置と前記収納位置に掛止保持する掛止機構を設けたことを要旨とする。請求項3は、前記掛止機構が、オス部材とメス部材の組合わせによるホックからなり、前記突出位置における前記補助羽根と前記先細羽根との間と、前記収納位置における前記補助羽根と前記先細羽根との間に配置されていることを要旨とする。尚、前方先細板状とは、灯体前方に向かって面積が縮小されている部分を有する板状である形状を示し、具体的には台形状の板の上短辺を灯体前方に向けた形状を含む。また、先細羽根表面とは、先細羽根の外側表面と内側表面の両方を含むことを意味する。また、蝶番状に回動させる軸支部とは、先細羽根の表面において軸方向を略水平にした状態で補助羽根を上下に回動するようにした構成を示し、例えば、補助羽根の一端が固定された蝶番を先細羽根の表面に略軸水平に固定する構成である。また、掛止機構は、例えば、フックと該フックに着脱可能な掛止部等により構成可能であり、好ましくは、オス部材とメス部材の組合わせによるホックから構成される。
【0006】上記技術的手段によれば、本発明は下記の作用を奏する。
(請求項1)矩形羽根と先細羽根で区画されるバンドアー先端の開口部を灯体の前方周縁と略同形の矩形状に調整するときには、補助羽根を回動させて突出位置にした状態で上下の矩形羽根を閉じることにより、補助羽根の突出端部に矩形羽根の内面が当接するため、矩形羽根の左右の側端側内面と先細羽根の上下端との間に形成される隙間を閉塞して灯体内の光が外周方向に漏れるのを防止すると共に、矩形羽根が位置決めされる。また、バンドアー先端の開口部を狭めるために矩形羽根の内面を直接先細羽根の上下端に当接させるときには、補助羽根を回動させて先細羽根の面積内に収納させることにより、補助羽根が邪魔になることなく上下の矩形羽根の先端側を狭めることができる。
(請求項2)補助羽根と先細羽根に設けた掛止機構により、補助羽根が突出位置と収納位置とにおいて掛止される。
(請求項3)前記掛止機構が、ホックからなり、突出位置における補助羽根と先細羽根との間と、収納位置における補助羽根と先細羽根との間に配置されることで、前記二位置における補助羽根の掛止を容易且つ確実にする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至5は、本発明に係わる一実施の形態である照明装置Aを示す。照明装置Aは、図1に示すように、前方を開口した箱状の灯体1と、この灯体1に収納された光源部5と、光源部5を後方から覆うようにして灯体1の内面に固定された反射鏡6と、灯体1の前方周縁に設けられたバンドアー2等を備え、バンドアー2先端の開口面積を調整して照射範囲を可変できるように構成したフラッドライトである。
【0008】灯体1は、金属板を曲げ加工することにより、前方を開口した箱状に形成されている。そして、この灯体1の外側面には、コの字形を呈するアーム7が回動可能に取付けられており、このアーム7が照明装置Aを舞台やスタジオ等における所望の箇所に固定可能にしている。
【0009】光源部5は、灯体1の内側面に、ハロゲンランプ15がソケットを介して水平状に複数支持され、全面に多数の小孔を有すると共に内面が反射面となっている反射カバー25が、複数のハロゲンランプ15の前方側を覆うようにして灯体1の内側面に固定されてなる。尚、この光源部5は、ハロゲンランプ15が前方に発した光の一部を反射カバー25の多数の小孔に通過させると共に、残りの光を反射カバー25の内面により後方に反射させ、この反射された光とハロゲンランプ15が直接後方に発した光とを後述する反射鏡6により前方に発することにより、柔らかな明かりを効率良く照射するように構成されており、公知技術によるものである。
【0010】反射鏡6は、灯体1前方の上下縁から光源部5の後方に向かって縦断面放物線状に湾曲した金属板であり、その前面部が光を拡散して反射させる反射面になっている。
【0011】バンドアー2は、上下対称に設けられた二枚の矩形羽根12,12と、左右対称に設けられた二枚の先細羽根22,22と、先細羽根22の表面における上部と下部とに軸支部4を介して軸支された補助羽根3,3と、補助羽根3及び先細羽根22に設けられた掛止機構10とを備え、上下二枚の矩形羽根12,12及び左右二枚の先細羽根22,22を回動させることにより、これらの矩形羽根12,12と先細羽根22,22で区画される先端部の開口面積を調整して光の照射範囲を可変できるように構成されている。
【0012】矩形羽根12は、金属板を平面視略矩形状に形成してなり、その左右両端における後方側に内向きに小板部12a,12aが突設され、後端部が灯体1の前方周縁における上側と下側とに回動可能に軸支されている。
【0013】先細羽根22は、矩形状金属板の上下辺の前側半部を斜めにカットした略台形状に形成してなり、その台形状における上短辺部分を前方に向けた状態で、後端部を灯体1の前方周縁の左側と右側とに回動可能に軸支している。
【0014】尚、矩形羽根12の小板部12aは、上下の矩形羽根12,12の先端側を狭めてその内面を先細羽根22の上下の斜辺部22aに当接させたときに、先細羽根22後方側の上下に形成される隙間を塞ぐことにより、灯体内の光が側面側に漏れないようにしている。
【0015】補助羽根3は、金属板を略矩形状に形成してなり、先細羽根22の外表面における上部と下部とに軸支部4が設けられ、この軸支部4により上下に回動可能に軸支されている。そして、この補助羽根3は、バンドアー2先端の開口部を灯体1の前方周縁と略同形の矩形状に調整するときには、回動されて先細羽根22の上下端から突出させた突出端部3aを矩形羽根12の内面に当接させた位置(以降、突出位置と称する)で、矩形羽根12の左右の側端側内面と先細羽根22の上下端側の斜辺部22a及び水平端部22bとの間に形成される隙間H(図2における破線によるハッチング部分)を閉塞する。また、上下の矩形羽根12,12の先端側を狭めてその内面を先細羽根22の上下の斜辺部22aに直接当接させるときには、先細羽根22の中央方向に回動させることにより、先細羽根22の面積内に収納された位置(以降、収納位置と称する)となる。
【0016】軸支部4は、二枚の小片部4a,4aが回動可能に軸支されている一般的な蝶番であり、リベットあるいはネジ等により、二枚の小片部4a,4aの一方が先細羽根22の表面に水平状に固定されると共に、他方が補助羽根3の一辺に固定されている。
【0017】掛止機構10は、補助羽根3に設けたメス部材8と先細羽根22に設けたオス部材9との組合わせからなるホックであり、補助羽根3を突出位置にした状態の補助羽根3と先細羽根22との間に配置されると共に、補助羽根3を収納位置にした状態の補助羽根3と先細羽根22との間にも配置されている。
【0018】メス部材8とオス部材9は、一般的に用いられている金属製のホックであり、本実施の形態とオスメスを逆にして、オス部材9を補助羽根3に設け、メス部材8を先細羽根22に設けるようにした構成としてもよいのは勿論である。そして、これらメス部材8とオス部材9は、図3及び4に示すように、補助羽根3と先細羽根22とのそれぞれに貫通されて固定され、突出位置と収納位置とにおいて補助羽根3を掛止させる。
【0019】次に、上記した照明装置Aの作用について説明する。バンドアー2先端の開口部を灯体1の前方周縁と略同形の矩形状に調整するときには、補助羽根3を突出位置にした状態で上下の矩形羽根12を閉じれば、補助羽根3の突出端部3aに矩形羽根12の内面が当接するため、矩形羽根12の左右の側端側と先細羽根22の上下端の斜辺部22a及び水平端部22bとの間に形成される隙間Hを閉塞して、灯体1内の光が外周方向に漏れるのを防止すると共に、矩形羽根12が位置決めされる(図5(a)参照)。また、バンドアー2先端の開口部を狭めて先細羽根22の上下端の斜辺部22aを直接矩形羽根12の内面に当接させるときには、補助羽根3を回動させて収納位置にすることにより、補助羽根3が邪魔になることなく上下の矩形羽根12の先端側を狭めることができる(図5(b)参照)。尚、突出位置と収納位置とにおいて、補助羽根3は、掛止機構10により掛止されるためばたつくことがない。
【0020】尚、掛止機構10は、上記構成に限るものではなく、例えば、先細羽根22にフックを設け補助羽根3にこのフックに掛止する掛止部を設けた構成であっても構わない。
【0021】また、上記掛止機構10を省き、軸支部4を回動時に摺動抵抗を有するものにして、補助羽根3が突出位置と収納位置とで静止すように構成しても構わない。
【0022】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)矩形羽根と先細羽根で区画されるバンドアー先端の開口部を灯体の前方周縁と略同形の矩形状に調整するときには、補助羽根の突出端部に矩形羽根の内面が当接するため、矩形羽根の左右の側端側と先細羽根の上下端との間に形成される隙間を閉塞して灯体内の光が外周方向に漏れるのを確実に防止すると共に、矩形羽根を位置決めできる。また、バンドアー先端の開口部を狭めるために矩形羽根の内面を直接先細羽根の上下端に当接させるときには、補助羽根が先細羽根の面積内に収納されるので邪魔になることなく上下の矩形羽根の先端側を狭めることができる。よって、上下の矩形羽根の先端側を狭めるパターンが、前記した二通りのみになるため、従来構造のものと比較してバンドアー先端の開口面積の調整及び補助羽根の位置決めを容易且つ敏速に行うことができ、舞台演劇において場面が変わる場合等にも照射範囲を速やかに変更できる。
(請求項2)更に、補助羽根と先細羽根に設けた掛止機構により、補助羽根を突出位置と収納位置とにおいて掛止するため、無造作に補助羽根を操作したとしても、前記二位置において補助羽根を確実に静止できる上、補助羽根のばたつきにより補助羽根と矩形羽根との間から灯体内の光が漏れるのを防止できる。
(請求項3)更に、掛止機構にホックを用いることで、突出位置と収納位置における補助羽根の掛止を容易且つ確実にする上、掛止機構を簡素で低コストな構造にでき、補助羽根の操作性が良いバンドアーを備えた安価な照明装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】595172182
【氏名又は名称】株式会社テレビ東京
【識別番号】390032573
【氏名又は名称】丸茂電機株式会社
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】 【識別番号】100068607
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 政名 (外2名)
【公開番号】 特開2000−195304(P2000−195304A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−372218