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【発明の名称】 スポットライトにおけるカッタ―装置
【発明者】 【氏名】田中 庸道

【要約】 【課題】羽根位置の再現性に優れ、微調整も容易であると共に、羽根板がアパーチャ部から外れるような虞れのないスポットライトのカッター装置を提供する。

【解決手段】歯車部材24とガイド孔5との係合により、カッター羽根2はアパーチャ部1中心を支点として回動する。操作軸(螺軸)23を回転させると雌螺子部材22と一体に羽根板21が摺動する。よって、自在にスライドする従来技術に比べ、羽根位置の再現性に優れると共に微調整が容易であり、且つ羽根板21がアパーチャ部1から外れるような虞れなく、アパーチャ部1を通過する光を任意枠形にカットすることが出来る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アパーチャ部を備えた支持枠内に配する複数枚のカッター羽根を、各カッター羽根に設けた操作軸の手動操作により、アパーチャ部へ向けて摺動自在且つアパーチャ部の周方向へ回動自在に設けて、アパーチャ部を通過する光を任意枠形にカットし得るよう形成したスポットライトのカッター装置において、各カッター羽根をアパーチャ部中心を支点として回動自在に支持すると共に、アパーチャ部に向けてカッター羽根を摺動させる摺動機構を各カッター羽根ごとに設けたことを特徴とするスポットライトのカッター装置。
【請求項2】 上記支持枠にアパーチャ部の周方向へ沿うガイド部を設けると共に、上記各カッター羽根には、前記ガイド部に係合してカッター羽根の回動を案内する被ガイド部を設けた請求項1記載のカッター装置。
【請求項3】 アパーチャ部の周方向へ沿って等間隔ごとに設けたガイド孔により上記ガイド部を形成すると共に、カッター羽根の操作軸に回転自在に装着した歯車部材により上記被ガイド部を形成した請求項2記載のカッター装置。
【請求項4】 アパーチャ部の周方向に沿うよう設けた円形立面により上記ガイド部を形成すると共に、前記円形立面に摺接する環状板により上記被ガイド部を形成した請求項2又は3記載のカッター装置。
【請求項5】 羽根板に雌螺子部材を取付けると共に、該雌螺子部材に螺動自在に螺合する螺軸からなる操作軸を支持枠に固定状に配して、上記カッター羽根と摺動機構を形成した請求項1〜4の何れか1項記載のカッター装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスポットライトにおけるカッター装置に関し、詳しくは、複数枚のカッター羽根を手動によりスライドさせて光を任意枠形にカットするスポットライトのカッター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種カッター装置は、金属薄板からなる羽根板に操作軸を固定したカッター羽根を、アパーチャ部を囲むよう複数枚、通常は上下左右4枚のカッター羽根を配し、各カッター羽根は、前後二枚の押え板からなる支持枠内にて圧接状態で重合状に保持してスライド自在とし、操作軸の操作で各カッター羽根を個々にスライド方向に動かして、アパーチャ部を通過する光を台形,三角形,菱形,スリット形等の任意枠形にカットするようになっている。
【0003】このような従来技術によれば、各カッター羽根が無段階にスライド可能であるため、羽根位置の再現に熟練性を要すると共に、微調整が困難であるという問題があった。また、各カッター羽根がスライド自在で且つ位置決めした羽根が容易に移動しないよう、前後二枚の押え板の間に各カッター羽根を圧接状態に重ねてコイルバネの圧力で押圧保持しているので、手動による各羽根の操作が重くなり、必ずしも操作性が良いとは言えないという問題もあった。
【0004】上記問題点を解消するものとして、例えば特開平7−6601号に開示されるように、マスク板を調整部材のネジ軸部の回転によって進退するようにすると共に、調整部材を回動支点を中心に回転自在としたマスク装置も提案されているが、このような構造によれば、マスク板の回動支点がアパーチャ部の手前、すなわち光軸の手前に位置するので、マスク板がアパーチャ部から外れる虞れがあった。
【0005】本発明は上述の従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、羽根位置の再現性に優れ、微調整も容易であると共に、羽根板がアパーチャ部から外れるような虞れのないカッター装置を提供することにある。また本発明の他の目的は、各カッター羽根の押圧保持を軽負荷にして羽根操作を容易に行え、位置決め状態では軽度の振動等でずれない程度の固定をすることが出来るカッター装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために本発明のカッター装置は、各カッター羽根をアパーチャ部中心を支点として回動自在に支持すると共に、アパーチャ部に向けてカッター羽根を摺動させる摺動機構を、各カッター羽根ごとに設けたことを要旨とする。
【0007】このような構成によれば、各カッター羽根は、操作軸の手動操作により、アパーチャ部中心を支点として回動すると共に、摺動機構によりアパーチャ部に向けて摺動するので、自在にスライドする従来技術に比べ、羽根位置の再現性に優れると共に微調整が容易であり、且つ羽根板がアパーチャ部から外れるような虞れなく、アパーチャ部を通過する光を任意枠形にカットすることが出来る。
【0008】アパーチャ部中心を支点としてカッター羽根を回動自在に支持するための具体的構成としては、支持枠にアパーチャ部の周方向へ沿うガイド部を設けると共に、上記各カッター羽根には、前記ガイド部に係合してカッター羽根の回動を案内する被ガイド部を設けるようにすることが例示できる。
【0009】より具体的には、アパーチャ部の周方向へ沿って等間隔ごとに設けたガイド孔により上記ガイド部を形成すると共に、カッター羽根の操作軸に回転自在に装着した歯車部材により上記被ガイド部を形成する構成、若しくは、アパーチャ部の開口縁に沿うよう設けた円形立面により上記ガイド部を形成すると共に、前記円形立面に摺接する環状板により上記被ガイド部を形成する構成等が例示でき、これら構成を組み合わせることも可能である。
【0010】歯車部材を用いた場合、ガイド孔との係合により、羽根板の回動方向に対して軽度の振動等でずれない程度の固定をすることが出来、各カッター羽根の押圧保持力を、従来に比べ軽負荷のものとすることが出来る。
【0011】円形立面と環状板とを用いる場合、円形立面は、略円筒形状又は円筒形の中途部を切り欠いた円弧形状等を含む構成とすることが出来る。また円形立面と環状板を用いる場合、例えば一方に係合凸部を、他方に係合凹部を設け、これら凹凸係合が適宜間隔ごとになされるようにしたり、円形立面と環状板の摺接に所定の負荷がかかるようにすることで、羽根板の回動方向に対して軽度の振動等でずれない程度の固定をすることが出来、各カッター羽根の押圧保持力を、従来に比べ軽負荷のものとすることが出来る。
【0012】アパーチャ部に向けてカッター羽根を摺動させる摺動機構の具体的構成としては、羽根板に雌螺子部材を取付けると共に、該雌螺子部材に螺動自在に螺合する螺軸からなる操作軸を支持枠に固定状に配することが例示できる。この場合、雌螺子部材と螺軸との螺合により、羽根板の摺動方向に対して軽度の振動等でずれない程度の固定をすることが出来、各カッター羽根の押圧保持力を、従来に比べ軽負荷のものとすることが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の二例を図面を参照して説明する。図1〜図3に示すカッター装置は、アパーチャ部1を囲むよう上下左右に配した4枚のカッター羽根2を、円筒形の支持枠3内にて、アパーチャ部1へ向けて摺動自在且つアパーチャ部1の周方向へ回動自在に設けて、アパーチャ部1を通過する光を任意枠形にカットし得るよう形成したものである。
【0014】各カッター羽根2は、金属薄板により略扇形状に形成した羽根板21の中心部に雌螺子部材22を固定すると共に、その雌螺子部材22により摺動及び回動操作用の操作軸23を支持してなる。
【0015】夫々の羽根板21は、支持枠3の上板31に設けた突部4aと、下板32に固定したコイルスプリング4bとの間に配設され、これら突部4aとコイルスプリング4bにより、操作軸23による摺動操作と回動操作を容易に行い得る程度の押圧力をもって重合状に保持されている。
【0016】操作軸23は螺軸からなり、該操作軸23を雌螺子部材22に螺動自在に螺合させて、アパーチャ部1に向けてカッター羽根2を摺動させる摺動機構を形成すると共に、羽根板21の摺動方向に対して軽度の振動等でずれない程度の固定をすることが出来るようにして、コイルスプリング4bによる各カッター羽根の押圧保持力を、従来に比べ軽負荷のものとしている。
【0017】操作軸23の外端部には、歯車部材24が回動自在に装着されると共に、操作用の摘み25をビス等で固定してある。
【0018】支持枠3は、環状板からなる上板31と下板32の中心部に、アパーチャ部1に連通する窓孔33を有し、且つ上板31と下板32の外周縁の間に、歯車部材24の凹溝24aに嵌合する周縁板34を設けて、歯車部材24がアパーチャ部1の周方向に沿って摺動するようガイドすると共に、操作軸23のアパーチャ部1方向への摺動を規制している。
【0019】上板31の外周縁にはアパーチャ部1の周方向へ沿って、歯車部材24の歯車ピッチと同間隔ごとにガイド孔5を設け、歯車部材24とガイド孔5との係合により、アパーチャ部1中心を支点としてカッター羽根2が回動すると共に、羽根板21の回動方向に対して軽度の振動等でずれない程度の固定をすることが出来るようにして、コイルスプリング4bによる各カッター羽根2の押圧保持力を、従来に比べ軽負荷のものとしている。
【0020】以上のように構成した本例のカッター装置は、操作軸23の操作でカッター羽根2を回動させると共に、操作軸23の回動操作で羽根板21を摺動させて、アパーチャ部1を通過する光を任意枠形にカットすることが出来る。よって、各カッター羽根2の操作性に優れると共に微調整も容易に行うことが出来、且つ再現性にも優れる等の効果がある。
【0021】図4及び図5に示すカッター装置は、アパーチャ部1の開口縁に沿う円形立面6を設けると共に、その円形立面6に摺接する環状板7をカッター羽根2に設けて、アパーチャ部1中心を支点としてカッター羽根2が回動するようにしている。それ以外の部分は前述の実施の形態と同様の構成であるため、重複する説明を省略する。
【0022】円形立面6は窓孔33の開口縁に沿って立上がるよう下板32に形成し、環状板7は円形立面6に外側から回動自在に嵌合するよう形成する。
【0023】操作軸23の先端には該操作軸23を回動自在に支持する軸受26を設け、該軸受26を環状板7に固定すると共に、操作軸23における摘み25と軸受26の間に螺動自在に螺合する雌螺子部材22に羽根板21を固定している。
【0024】そうして、円形立面6と環状板7の摺接によりカッター羽根2がアパーチャ部1中心を支点として回動すると共に、操作軸23の回動操作による雌螺子部材22の螺動により羽根板21が摺動して、アパーチャ部1を通過する光を任意枠形にカットするように形成している。この例によれば、カッター羽根2の回動中心のずれが生じる虞れが無く、操作性、再現性の更なる向上が期待できる。
【0025】尚、この例において、例えば円形立面6の周方向に沿って適宜間隔ごとに係合凹部を設け、環状板7に係合凸部を設け、これら係合凹部と凸部の凹凸係合が適宜間隔ごとになされるようにしたり、円形立面6と環状板7の間に摩擦部材等を介在させて両者の摺接に所定の負荷がかかるようにすることで、カッター羽根2の回動方向に対して軽度の振動等でずれない程度の固定がなされるようにしても良い。またこの例において、上述した歯車部材24とガイド孔5を形成しても良いことは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、アパーチャ部中心を支点としてカッター羽根を回動自在に支持すると共に、アパーチャ部に向けてカッター羽根を摺動させる摺動機構を各カッター羽根ごとに設けたので、羽根位置の再現性に優れると共に微調整が容易であり、しかも羽根板がアパーチャ部から外れるような虞れもない、操作性に優れたカッター装置を提供することが出来た。
【0027】支持枠側にガイド孔を設け、カッター羽根側に歯車部材を設けて、カッター羽根の回動をガイドするようにした場合、歯車部材とガイド孔の係合により、回動方向に対して軽度の振動等でずれない程度の固定をすることが出来、各カッター羽根の押圧保持力を軽負荷にして、操作性の更なる向上が期待できる。
【0028】支持枠側に円形立面を設け、カッター羽根側に環状板を設けて、カッター羽根の回動をガイドするようにした場合、回動中心のずれが生じる虞れが無く、操作性、再現性の更なる向上が期待できる。
【0029】雌螺子部材の螺動によって羽根板を摺動させるようにした場合、摺動方向に対して軽度の振動等でずれない程度の固定をすることが出来、各カッター羽根の押圧保持力を軽負荷にして、操作性の更なる向上が期待できる。
【出願人】 【識別番号】390032573
【氏名又は名称】丸茂電機株式会社
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】 【識別番号】100068607
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 政名 (外2名)
【公開番号】 特開2000−195302(P2000−195302A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−373684