トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 太陽光採光装置
【発明者】 【氏名】加藤 昇三

【氏名】小此木 章

【氏名】高橋 一夫

【氏名】冨士本 宜意

【氏名】長嶋 香織

【要約】 【課題】太陽光採光装置の制御精度を向上させ、採光効率も向上され、天候検出の精度も向上できるようにした太陽光採光装置を提供する【解決手段】 採光プリズム101a、101bを備え、太陽の高度に応じて採光プリズムのプリズム角が適正な角度となるように制御する太陽光採光装置において、各区分に受光素子を備えた複数の区分に等分に仕切られた底壁に対して太陽光を直接又は遮光体を介して間接的に入射させ、上記各受光素子の検出出力に基づいて太陽光の光軸を検出するようにした面型の光軸検出器104を備え、この面型の光軸検出器からの毎時の検出信号に基づいて上記採光プリズムの太陽光の高度の変化に基づくプリズム角の制御を行うように構成した。また、天候検出器105を備え、面型の光軸検出器104からの毎時の検出信号の平均照度と最高照度の差又は両者の比率に基づいて毎時の天候を検知するように構成した。

【解決手段】採光プリズム101a、101bを備え、太陽の高度に応じて採光プリズムのプリズム角が適正な角度となるように制御する太陽光採光装置において、各区分に受光素子を備えた複数の区分に等分に仕切られた底壁に対して太陽光を直接又は遮光体を介して間接的に入射させ、上記各受光素子の検出出力に基づいて太陽光の光軸を検出するようにした面型の光軸検出器104を備え、この面型の光軸検出器からの毎時の検出信号に基づいて上記採光プリズムの太陽光の高度の変化に基づくプリズム角の制御を行うように構成した。また、天候検出器105を備え、面型の光軸検出器104からの毎時の検出信号の平均照度と最高照度の差又は両者の比率に基づいて毎時の天候を検知するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1枚又は複数枚の採光プリズムを備え、太陽の高度に応じて採光プリズムのプリズム角が適正な角度となるように制御するようにした太陽光採光装置において、各区分に受光素子を備えた複数の区分に等分に仕切られた底壁に対して太陽光を直接又は遮光体を介して間接的に入射させ、上記各受光素子の検出出力に基づいて太陽光の光軸を検出するようにした面型の光軸検出器を備え、この面型の光軸検出器からの毎時の検出信号に基づいて上記採光プリズムの太陽光の高度の変化に基づくプリズム角の制御を行うようにしたことを特徴とする太陽光採光装置。
【請求項2】 面型の光軸検出器として、箱の上面を拡散板で構成し、この拡散板と箱の底壁を等分に仕切る仕切板を設け、上記仕切板は上記拡散板よりも所定高さだけ上方に突出されており、また仕切板の平面形状を十字型に形成し、上記底壁において上記仕切板によって仕切られた各部に同数の受光素子を配置するように構成した光軸検出器を用いるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の太陽光採光装置。
【請求項3】 面型の光軸検出器として、複数の領域に区分された拡散板と、前記拡散板の各領域に応じて一つずつ設けられ、各領域に入射して拡散された光を受光して光量に応じた信号を出力する複数の受光素子と、前記拡散板の各領域に入射する光量のバランスが光の入射方向に応じて変化するように前記受光素子および前記拡散板より光入射側の空間を前記領域毎に仕切る仕切板と、前記拡散板より光入射側の空間に配置された空気よりも屈折率が高い屈折部材と、前記受光素子から出力される信号を演算して光の入射方向を求める演算手段とを備えるように構成した光軸検出器を用いるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光採光装置。
【請求項4】 面型の光軸検出器として、光の屈折率が空気よりも大きな光透過材料で形成し、上面に遮光マークを取り付けるか、又はスリットを形成することにより、或いは周囲と色相の異なるマーク等を取り付けることにより上面に構成される光学マークを備え、側面を遮光した構造とした光屈折部材と、前記光屈折部材の底面に2次元的に配設された受光素子とを備えて構成した光方向検出器を用いるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光採光装置。
【請求項5】 1枚又は複数枚の採光プリズムを備え、太陽の高度に応じて採光プリズムのプリズム角が適正な角度となるように制御するようにした太陽光採光装置において、各区分に受光素子を備えた複数の区分に等分に仕切られた底壁に対して太陽光を直接又は遮光体を介して間接的に入射させ、上記各受光素子の検出出力に基づいて太陽光の光軸を検出するようにした面型の光軸検出器を設け、この面型の光軸検出器からの毎時の検出信号の平均照度と最高照度の差又は両者の比率に基づいて毎時の天候を検知するようにしたことを特徴とする太陽光採光装置。
【請求項6】 面型の光軸検出器として、箱の上面を拡散板で構成し、この拡散板と箱の底壁を等分に仕切る仕切板を設け、上記仕切板は上記拡散板よりも所定高さだけ上方に突出されており、また仕切板の平面形状を十字型に形成し、上記底壁において上記仕切板によって仕切られた各部に同数の受光素子を配置するように構成した光軸検出器を用いるように構成した光軸検出器を用いるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の太陽光採光装置。
【請求項7】 面型の光軸検出器として、複数の領域に区分された拡散板と、前記拡散板の各領域に応じて一つずつ設けられ、各領域に入射して拡散された光を受光して光量に応じた信号を出力する複数の受光素子と、前記拡散板の各領域に入射する光量のバランスが光の入射方向に応じて変化するように前記受光素子および前記拡散板より光入射側の空間を前記領域毎に仕切る仕切板と、前記拡散板より光入射側の空間に配置された空気よりも屈折率が高い屈折部材と、前記受光素子から出力される信号を演算して光の入射方向を求める演算手段とを備えるように構成した光軸検出器を用いるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の太陽光採光装置。
【請求項8】 面型の光軸検出器として、光の屈折率が空気よりも大きな光透過材料で形成し、上面に遮光マークを取り付けるか、又はスリットを形成することにより、或いは周囲と色相の異なるマーク等を取り付けることにより上面に構成される光学マークを備え、側面を遮光した構造とした光屈折部材と、前記光屈折部材の底面に2次元的に配設された受光素子とを備えて構成した光軸検出器を用いるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の太陽光採光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は面型の光軸検出器を用いた太陽光採光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光採光装置に適用されている従来の光軸検出器は、例えば、特開平8−43199号公報に開示されている筒形の光軸検出器が存在する。この先行技術の光軸検出器は、図21に示すように複数の受光素子J1〜J4を設けた筒Tの塞がれた頂面Taに光を導入する穴Tbを設け、該穴Tbから導入される光を複数の受光素子J1〜J4により検出し、各受光素子J1〜J4の受光量の違いによって、光の方向、すなわち、光軸を検出するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の技術のものでは、次のような問題があった。
(1)小孔から入射する太陽光により形成される光点を直接受光素子上に形成して入射方向を検出する構成であるため、受光素子のサイズを一定とすると、検出範囲を大きくするためには円筒の高さが小さくなって検出の分解能が低くなり、分解能を高めようとして円筒の高さを大きくすると検出範囲が狭くなる。
(2)また、広い検出範囲にわたって高い分解能を確保するためには、受光素子のサイズを大きくして円筒の高さ、径を共に大きくしなければならず、検出器が大型化してしまう。
(3)また、太陽光は採光プリズムを介して採光されるため室内側に虹に分光してしまうことによっても検出精度が低下するという問題があった。
(4)更に、上記穴が塵等によって塞がれてしまった場合には、検出不能になってしまうという致命的な問題もあった。
これらの問題点があっため、従来の光軸検出器を備えた太陽光採光装置では効率の良い採光制御ができないと共に、このような光軸検出器の検出出力に基づく天候の検出を精度良く行うことが困難であるという問題点があった。
【0004】本発明は、上記の問題点(課題)を解決して、採光プリズムを用いた太陽光採光装置に対して適用しても適正な精度が得られるような面型の光軸検出器を用いて太陽光採光装置の制御精度を向上させ、採光効率も向上され、天候検出の精度も向上できるようにした太陽光採光装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載した太陽光採光装置においては、1枚又は複数枚の採光プリズムを備え、太陽の高度に応じて採光プリズムのプリズム角が適正な角度となるように制御するようにした太陽光採光装置において、各区分に受光素子を備えた複数の区分に等分に仕切られた底壁に対して太陽光を直接又は遮光体を介して間接的に入射させ、上記各受光素子の検出出力に基づいて太陽光の光軸を検出するようにした面型の光軸検出器を備え、この面型の光軸検出器からの毎時の検出信号に基づいて上記採光プリズムの太陽光の高度の変化に基づくプリズム角の制御を行うように構成した。このように構成すると、太陽光の光軸の検出に用いられる太陽光が点ではなく所定の面積を通過する太陽光となるため、太陽光の光軸を精度よく検出できるので、その検出結果に基づく採光制御の精度も向上させることができる。
【0006】また、請求項2に記載した太陽光採光装置では、面型の光軸検出器として、箱の上面を拡散板で構成し、この拡散板と箱の底壁を等分に仕切る仕切板を設け、上記仕切板は上記拡散板よりも所定高さだけ上方に突出されており、また仕切板の平面形状を十字型に形成し、上記底壁において上記仕切板によって仕切られた各部に同数の受光素子を配置するように構成した光軸検出器を用いるように構成した。このように構成すると、入射した光は、その角度によって、仕切板の上方を通過して仕切板の向こう側の拡散板に入射するものと、仕切板の手前の拡散板に入射するものとが、仕切られた各部に配置された受光素子による受光量によって判別することができ、結局、各受光素子による受光量の差に基づいて光の光軸を適切に検出することができる。また、平面形状を十字型に形成したことにより、箱内を4等分することになり、2次元方向からの光の検出ができるから太陽光の光軸の検出精度を向上できるので、太陽光採光装置の採光制御の精度も向上できる。
【0007】また、請求項3に記載した太陽光採光装置においては、面型の光軸検出器として、複数の領域に区分された拡散板と、前記拡散板の各領域に応じて一つずつ設けられ、各領域に入射して拡散された光を受光して光量に応じた信号を出力する複数の受光素子と、前記拡散板の各領域に入射する光量のバランスが光の入射方向に応じて変化するように前記受光素子および前記拡散板より光入射側の空間を前記領域毎に仕切る仕切板と、前記拡散板より光入射側の空間に配置された空気よりも屈折率が高い屈折部材と、前記受光素子から出力される信号を演算して光の入射方向を求める演算手段とを備えるように構成した光軸検出器を用いるように構成した。このように構成すると、拡散板を仕切板で複数の領域に分け、各領域の拡散板を透過した光量を検出する構成とすることにより、検出器のサイズを大きくすることなく、広い検出範囲にわたって高い分解能を確保可能な光方向検出器とすることができ、また、拡散板の入射側に屈折部材を設けたことにより、屈折部材を設けない場合と比較して検出可能な入射角度の範囲をより広くすることができるから、太陽光採光装置の採光制御の精度も分解能の拡大に伴って、さらに向上させることができる。
【0008】また、請求項4に記載した太陽光採光装置においては、面型の光軸検出器として、光の屈折率が空気よりも大きな光透過材料で形成し、上面に遮光マークを取り付けるか、又はスリットを形成することにより、或いは周囲と色相の異なるマーク等を取り付けることにより上面に構成される光学マークを備え、側面を遮光した構造とした光屈折部材と、前記光屈折部材の底面に2次元的に配設された受光素子とを備えて構成した光軸検出器を用いるように構成した。このように構成すると、光軸検出器の上面から、受光素子を配設した底面までは、光屈折率の大きな光屈折部材で構成されることになるので、光屈折部材による屈折作用により、光方向検出器に入射した光は光方向検出器の中心近傍に曲げられるので、光方向検出器の底面積を小さく抑えることができ、通常の2次元受光素子を用いることができる。従って、太陽光採光装置の製作コストを抑えることが可能となる。
【0009】また、請求項5に記載した太陽光採光装置においては、1枚又は複数枚の採光プリズムを備え、太陽の高度に応じて採光プリズムのプリズム角が適正な角度となるように制御するようにした太陽光採光装置において、各区分に受光素子を備えた複数の区分に等分に仕切られた底壁に対して太陽光を直接又は遮光体を介して間接的に入射させ、上記各受光素子の検出出力に基づいて太陽光の光軸を検出するようにした面型の光軸検出器を設け、この面型の光軸検出器からの毎時の検出信号の平均照度と最高照度の差又は両者の比率に基づいて毎時の天候を検知するように構成した。このように構成すると、所定の面積を通過する太陽光の光量に基づいて平均照度や最高照度が得られるため、これらに基づき演算して判定・検出される天候も的確なものとすることができる。
【0010】また、請求項6に記載した太陽光採光装置においては、面型の光軸検出器として、箱の上面を拡散板で構成し、この拡散板と箱の底壁を等分に仕切る仕切板を設け、上記仕切板は上記拡散板よりも所定高さだけ上方に突出されており、また仕切板の平面形状を十字型に形成し、上記底壁において上記仕切板によって仕切られた各部に同数の受光素子を配置するように構成した光軸検出器を用いるように構成した。このように構成すると、入射した光は、その角度によって、仕切板の上方を通過して仕切板の向こう側の拡散板に入射するものと、仕切板の手前の拡散板に入射するものとが、仕切られた各部に配置された受光素子による受光量によって判別することができ、結局、各受光素子による受光量の差に基づいて光の光軸を適切に検出することができ、また、平面形状を十字型に形成したことにより、箱内を4等分することになり、2次元方向からの光の検出ができるから太陽光の照度の検出精度を向上できるので、天候の検出精度も向上できる。
【0011】また、請求項7に記載した太陽光採光装置においては、面型の光軸検出器として、複数の領域に区分された拡散板と、前記拡散板の各領域に応じて一つずつ設けられ、各領域に入射して拡散された光を受光して光量に応じた信号を出力する複数の受光素子と、前記拡散板の各領域に入射する光量のバランスが光の入射方向に応じて変化するように前記受光素子および前記拡散板より光入射側の空間を前記領域毎に仕切る仕切板と、前記拡散板より光入射側の空間に配置された空気よりも屈折率が高い屈折部材と、前記受光素子から出力される信号を演算して光の入射方向を求める演算手段とを備えるように構成した光軸検出器を用いるように構成した。このように構成すると、拡散板を仕切板で複数の領域に分け、各領域の拡散板を透過した光量を検出する構成とすることにより、検出器のサイズを大きくすることなく、広い検出範囲にわたって高い分解能を確保可能な光方向検出器とすることができ、また、拡散板の入射側に屈折部材を設けたことにより、屈折部材を設けない場合と比較して検出可能な入射角度の範囲をより広くすることができるから、天候の検出精度も分解能の拡大に伴って、さらに向上させることができる。
【0012】また、請求項8に記載した太陽光採光装置においては、面型の光軸検出器として、光の屈折率が空気よりも大きな光透過材料で形成し、上面に遮光マークを取り付けるか、又はスリットを形成することにより、或いは周囲と色相の異なるマーク等を取り付けることにより上面に構成される光学マークを備え、側面を遮光した構造とした光屈折部材と、前記光屈折部材の底面に2次元的に配設された受光素子とを備えて構成した光軸検出器を用いるように構成した。このように構成すると、光軸検出器の上面から、受光素子を配設した底面までは、光屈折率の大きな光屈折部材で構成されることになるので、光屈折部材による屈折作用により、光方向検出器に入射した光は光方向検出器の中心近傍に曲げられるので、光方向検出器の底面積を小さく抑えることができ、通常の2次元受光素子を用いることができる。従って、天候の検出ができる太陽光採光装置の製作コストを抑えることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明を適用した太陽光採光装置の一実施の形態を図1を用いて説明する。図1は、本発明を適用した太陽光採光装置の概略構成を示す説明図である。同図において、100は本発明の太陽光採光装置で、これは図示のように採光プリズム101a、101b、この採光プリズムを駆動するモータ、歯車機構等より成る回転駆動装置102、マイコン等の演算記憶装置を主体に構成される制御装置103、面型の光軸検出器104及び天候検出器105を配置して構成される。なお、106はドーム状のカバーである。この場合、面型の光軸検出器104は、以下に具体的な実施の形態で説明するように、各区分に受光素子を備えた複数の区分に等分に仕切られた底壁に対して太陽光採光装置100から出される直達光としての太陽光を直接又は遮光体を介して間接的に入射させ、上記各受光素子の検出出力に基づいて太陽光の光軸を検出するように構成するものとする。また、太陽光採光装置100は図示しないが、建物の屋根等の採光部に設置され、室内に太陽光を採光できるように設置されているものとする。上記構成において、太陽Sからの太陽光SLが太陽光採光装置100に入射されると、カバー106を経て、採光プリズム101a,101bにより適度の屈折をされ、室内及び光軸検出器104へ直達光として採光及び入射される。この結果、制御装置103からは太陽高度の変化に対応して回転駆動装置102を駆動し、採光プリズム101a,101bが最適なプリズム角となるように制御するものである。この場合、光軸検出器104は、前述のように面型の光軸検出器となっているため、太陽光の光軸の検出に用いられる太陽光が点ではなく所定の面積を通過する太陽光となり、太陽光の光軸を精度よく検出できるので、その検出結果に基づき制御装置103に基づいて行う採光制御は適切なものとなり、精度の良いものとなる。なお、光軸検出器104は、図1では作図の都合上、太陽光採光装置100の横に配置し、光ファイバー等でその出射光を光軸検出器104に導いて入射する態様で図示してあるが、太陽光採光装置100の下方に配置するのが構成も簡素となり望ましい。一方、天候検出器105は、光軸検出器104の検出出力により毎時の太陽の光量又は照度を検出することにより、晴天時の光量又は照度と比較することにより、毎時の天候を晴天或いは曇天、雨天と判定するものである。このような天候検出器105の判定出力により、太陽光採光装置100の運転モードを自動的に適切なものに設定することができる。
【0014】次に、本発明の太陽光採光装置に適用して好適な面型の光軸検出器の実施の形態を図面を用いて説明する。以下の説明では、光軸検出器の構成と光軸の検出動作を主体に説明するが、上述の天候検出器105との連携で、以下の各光軸検出器によって天候が適切に判定できるものであるので、その説明については省略する。
第1の実施の形態:以下、図2乃至図7を参照して、本発明の太陽光採光装置に用いられる光軸検出器の第1の実施の形態を説明する。図2は第1の実施の形態による光軸検出器の全体の構成の概略を示す斜視図であり、まず、箱1がある。この箱1は有底箱状をなしていて、長方形又は正方形をなす底壁1aと、この底壁1aの四辺においてそれぞれ立設された4個の側壁1bとから構成されている。箱1の上端は開口部となっていて、該開口部に載置される長方形又は正方形の拡散板3が取り付けられている。
【0015】又、箱1及び拡散板3により囲まれた空間を2等分するように1枚の仕切板5が設けられている。この仕切板5は平板型をなしていて、その下端は箱1の底壁1aに当接・固定されていて、その上端は拡散板3を貫通して上方に突出・形成されている。又、仕切板5は反射板として構成されている。そして、仕切板5によって、箱1及び拡散板3により囲まれた空間は2等分されていて、室7a、7bとなっている。これら各室7a、7b内には、受光素子9a、9bが配置されている。これら各受光素子9a、9bは、仕切板5に接近した位置に配置されている。
【0016】上記構成において、その動作原理を図3を用いて説明する。図3は2個に区画された室7a、7bの様子を示した図である。太陽光SLの入射に対して、太陽光SLの内、仕切板5に入射した光は仕切板5を反射し、拡散板3を通って室7b内に入射する。そして、そこに配置されている受光素子9bによって検出される。一方、仕切板5の上方に入射した太陽光SLは仕切板5を反射することなく、そのまま室7a側の拡散板3を介して、室7a内に入射し、そこに配置されている受光素子9aによって受光される。このような作用によって、室7a側の受光素子9aの受光量と室7b側の受光素子9bの受光量とが異なったものとなり、それら受光量の違いから太陽光aの光軸を検出しようとするものである。
【0017】又、拡散板3としては、図4、図5の拡散特性に示すように二つのタイプがあり、図4に示すのは完全拡散型のものであり、図5に示すのは拡散小型のものである。いずれのタイプの拡散板を使用してもよいが、図4の完全拡散型を使用する方が、後述する図6に示す特性図から光軸を入射角の正弦値に比例的に検出できるので望ましい。
【0018】又、図3の太陽光の角度と受光素子9a、9bによる検出電流値の差の関係をみてみると、図6に示すようなものとなる。図6は横軸に太陽光の入射角度をとり、縦軸に受光素子9a、9bによる検出電流値の差をとって、両者の関係を示す特性図である。尚、同図中実線のAで示すのが図4に示した完全拡散型の拡散板を使用した場合であり、一点鎖線のBで示すのが図5に示す拡散小型の拡散板を使用した場合である。いずれの場合にも、受光素子9a、9bによる検出電流値から、太陽光の入射角度に従って光軸を検出することができる。
【0019】又、太陽光の入射角度θと各受光素子9a、9bによる検出光量の関係をみてみると、図7に示すようなものとなる。図7中実線のAで示すのが図3の箱1における右側の室7aの光量であり、図7中破線のBで示すのが箱1の左側の室7bにおける光量である。又、それらの光量の差を図中一点鎖線のCで示す。又、仕切板を反射板とした例で、図3中θの小さな領域で説明すると、上記左、右の室における光量(IL )、(IR )、及び左、右の室の光量の差(IL−IR )及び和(IL+IR)は次の式(1)〜(4)により算出される。
IL =I・w・cosθ+I・h・sinθ・・・・・・(1)
IR =I・w・cosθ−I・h・sinθ・・・・・・(2)
IL−IR =2I・h・sinθ・・・・・・・・・・・ (3)
IL+IR =2I・w・cosθ・・・・・・・・・・・ (4)
従って光量の差と和の比は(5)式のようになる。
(IL−IR)/(IL+IR)=(h/w)・tanθ・・(5)
但し、図3に示すように、wは箱1の幅の半分を意味し、hは箱1より上方に突出している仕切板5の高さである。
【0020】第2の実施の形態:次に、図8を参照して、第2の実施の形態の光軸検出器を説明する。第1の実施の形態の場合には、板状の1枚の仕切板によって箱内を2等分した構成であったが、第2の実施の形態の場合には、2枚の仕切板によって箱内を4等分するものである。尚、前記第1の実施の形態の場合と同一部分には同一符号を付して示す。本実施の形態のものでは、図8に示すように、箱1及び拡散板3により囲まれた空間を4等分するように2枚の仕切板5a、5bが設けられている。即ち、2枚の仕切板5a、5bを中央で交差して平面形状が十字型を形成するようにする。尚、仕切板5a、5bの下端は箱1の底壁1aに当接・固定されていて、その上端は拡散板3を貫通して上方に突出・形成されている。又、上記仕切板5a、5bは反射板として構成されている。
【0021】そして、上記十字型の仕切板5a、5bによって、箱1及び拡散板3により囲まれた空間は4等分されていて、室7a、7b、7c、7dに区分されている。これら各室7a、7b、7c、7d内には、受光素子9a、9b、9c、9dが配置されている。そして、このように箱1及び拡散板3により囲まれた空間は4等分して、室7a、7b、7c、7dとし、これら各室7a、7b、7c、7d内に、受光素子9a、9b、9c、9dを配置した場合には、4個の受光素子9a、9b、9c、9dによる検出値の差から太陽光の光軸を検出することになるから、第1の実施の形態の場合に比べてより高い精度で光軸を検出することができる。
【0022】第3の実施の形態:図9は、本発明の第3の実施の形態にかかる光方向検出器11の概略構成を示す断面図である。光軸検出器11は、全体を覆う外箱12を有している。外箱12は、図中下側に底面12aを有すると共に、周囲に側面12bを有し、上方は開放されている。外箱12内の空間は、底面12aに対して垂直に配置された仕切板13により二等分され、仕切板13の高さは、外箱12の側面12bと等しく設定されている。なお、外箱12の内面は光を反射させない吸収面、仕切板13の表面は反射面として加工されている。
【0023】仕切板13により区切られた外箱12内の一方の空間には、図中上側となる光束の入射側から順に、第1の屈折部材14a、拡散板15の第1の領域15a、第1の受光部16aが配置されている。また、他方の空間には、同様に第2の屈折部材14b、拡散板15の第2の領域15b、第2の受光部16bが配置されている。仕切板13は、拡散板15の各領域15a、15bに入射する光量のバランスが光の入射方向に応じて変化するように受光部16a、16bおよび拡散板15より光入射側の空間を領域毎に仕切っている。なお、この明細書では、拡散板を、拡散面や、拡散加工、拡散剤の塗布されたものも含む用語として使用している。
【0024】拡散板15の第1、第2の領域15a、15bは、仕切板13により仕切られた外箱12内の空間のほぼ半分をカバーする幅を有しており、仕切板13を挟んで対称に中央側に寄せて配置されている。第1、第2の受光部16a、16bは、上側に開放する有底の内箱17a、17bと、これらの内箱内の底面に固定された第1、第2の受光素子18a、18bとを備えている。拡散板15は、これらの内箱17a、17bの上側の開口部に固定されている。第1、第2の受光素子18a、18bは、拡散板15の各領域15a、15bに応じて一つずつ設けられたフォトダイオード等の光電変換素子であり、各領域に入射して拡散された光を受光して光量に応じた信号を出力する。
【0025】第1、第2の屈折部材14a、14bは、拡散板より光入射側の空間に配置された空気よりも屈折率が高い透明な直方体状のブロックである。屈折部材14a、14bは、ガラスや、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の透明材料で形成される。ポリカーボネートはアクリル樹脂よりも紫外線に対する耐性が強いため、樹脂を用いる場合にはポリカーボネートを利用する。
【0026】図10は、第3の実施の形態の光軸検出器11への太陽光の入射の様子を示す説明図である。この図10に基づき図9も参照し各部のサイズについて説明する。屈折部材14a、14bは前述のように直方体であるため、光入射側の表面S1と拡散板15に対向する裏面S2とは互いに平行な平面で構成されている。この場合、屈折部材の厚さをh、表面S1の仕切板13に直交する方向の幅をW1、裏面S2での反射時の臨界角をα、拡散板15の仕切板13に直交する方向の幅をW2として、以下の式(6)、(7)がほぼ成立するように設計されている。
tanα=W2/h ・・・(6)
W1=2・W2 ・・・・・(7)屈折部材14a、14bの厚さhは5〜10mm、厚さhと内箱17a、17bとの高さを足した外箱12の高さは10〜20mmの範囲内で設定されることが望ましい。また、屈折部材の屈折率を1.5とすると、臨界角は約41.8゜となり、W2≒0.9hとなる。
【0027】上記の構成によると、光束は屈折部材14a、14bに入射して屈折し、その一部がそれぞれ仕切板13により区切られた拡散板15の2つの領域15a、15bに入射する。拡散板15への入射光量は、仕切板13により遮られた側の領域が少なくなり、遮られない側の領域が多くなり、その光量のバランスが入射角度に依存して変化することとなる。例えば、図10に示すように光束が入射角度θで図中右上側から入射する場合、拡散板15の第1の領域15aへは屈折部材14aをそのまま透過した光のみが達し、その入射光量は入射光束の幅P1に相当するのに対し、第2の領域15bへは屈折部材14b内をそのまま透過した光と仕切板13の位置で反射された光とが達し、その入射光量は入射光束の幅P2に相当する。
【0028】拡散板15の第1の領域15aに達する光量Laと第2の領域15bに達する光量Lbとは、入射光束の光束密度をLとして、次の式(8)、(9)で求められる。
La=L×cosθ×{W2−(h×sinθ/n)} ・・・(8)
Lb=L×cosθ×{W2+(h×sinθ/n)} ・・・(9)
上記の式(8)、(9)より、各領域15a、15bに達する光量と入射角度θとの関係は以下の式(10)のようになる。
(La−Lb)/{(La+Lb)/2}=h×sinθ/n・W2 ・・・(10)
【0029】拡散板15に入射した光束は、一様に拡散されて入射方向に依存する成分が打ち消され、それぞれの一部が受光素子18a、18bにより受光される。受光素子18a、18bの受光量は拡散板15の各領域15a、15bへの入射光量にほぼ比例し、受光素子18a、18bの出力信号は受光量にほぼ比例するため、式(10)の光量La、Lbに第1、第2の受光素子18a、18bの出力信号をそれぞれ当てはめることにより、光束の入射方向との相関をとることができる。
【0030】上記のように屈折部材14a、14bを設けることにより、屈折部材を設けない場合と比較して検出可能な入射角度の範囲をより広くすることができる。すなわち、屈折部材14a、14bがない場合には、仕切板13の頂点から拡散板15の第1の領域15a、第2の領域15bの外側の端部に向けて引いた線分の角度が測定できる限界となる。例えば、図10の例では入射角度θが42度程度より大きくなると、それ以上の角度で入射する光束は拡散板15の第1の領域15aには入射しないため、二つの受光素子18a、18bの出力差の変化が小さくなり、判別が困難になる。これに対して、本実施の形態のように屈折部材14a、14bが設けられている場合には、上記の限界角度以上の角度で入射した光束も、屈折部材14a、14bにより屈折されて拡散板15の第1の領域15aに達するため、二つの受光素子18a、18bの出力差の変化が大きく、広い入射角度の範囲にわたって高い分解能で入射角度を求めることができる。
【0031】また、前述の式(6)、(7)がほぼ成立するように設計すると、拡散板15は仕切板13で反射される光束が達し得る全範囲をカバーするのに必要十分なサイズとなる。従って、図10に示すように、内箱17a、17bの外方の底面と側面12bとを除去した構成とすることができる。入射角度を高い分解能で検出するためには、入射角度の変化に対する光量バランスの変化が大きい方が望ましい。そして、この光量バランスの差を生じさせる光量変化の大きい部分が、仕切板13からの反射光が達する範囲である。したがって、拡散板15の各領域15a、15bを、仕切板13からの反射光をカバーするのに必要十分なサイズに設定することにより、光量バランスの変化を最も大きく検出することができる。また、拡散板が小さければコストは安くなり、領域全体の光量を平均化して検出する上でも有利である。
【0032】図11は、上記の受光素子18a、18bから出力される信号を演算する演算回路20の一例を示す回路図である。第1の受光素子18aの出力電流をIa、第2の受光素子18bの出力電流をIbとする。演算回路20は、受光素子18a、18bの出力電流の差(Ia−Ib)を求める比較器21、出力電流の和(Ia+Ib)を求める加算器22と、加算器22の出力である和信号(Ia+Ib)を2で割ることにより平均信号(Ia+Ib)/2を得る1/2除算器23と、比較器21の出力である差信号(Ia−Ib)を1/2除算器23の出力である平均信号(Ia+Ib)/2で割ることにより入射角度信号(Ia−Ib)/{(Ia+Ib)/2}を求める除算器24とから構成されている。除算器24の出力である入射角度信号(Ia−Ib)/{(Ia+Ib)/2}は、太陽光の入射角度に対応する信号としてターミナルTから出力される。なお、このような演算回路20の機能は、太陽光採光装置において採光制御を行うために、通常設けられるマイコン等の演算記憶手段を用いて演算プログラムによって処理するようにしてもよい。
【0033】図12は、図11の演算回路20により求めた入射角度信号(Ia−Ib)/{(Ia+Ib)/2}と光束の入射角度との相関を示す特性図である。この特性図に示されるように、入射角度信号は入射角度の正弦値にほぼ対応しており、入射角度±90゜の広い範囲にわたって入射角度信号に基づいて入射角度を求めることができる。なお、演算回路20又はその演算機能を実現する演算処理としては、上記のように受光素子から出力される信号の差と平均とに基づいて入射角度に対応する信号を求めるほか、1/2除算器23を用いずに信号の差と和とに基づいて光の入射方向を決定することもできる。
【0034】第4の実施の形態:次に、図13に基づいて本発明に適用する第4の実施の形態の光軸検出器を説明する。第4の実施形態の光軸検出器11aは、屈折部材19a、19bの形状が第3の実施形態とは異なる点を除けば、他の構成は第3の実施例と同一である。即ち、第1の屈折部材19aは、裏面S2が拡散板15の第1の領域15aに対向する幅W2の部分で表面S1に対して平行に形成され、拡散板15に対向しない部分は表面S1に向けて傾斜面S3として形成されており、全体として断面が台形状となっている。第2の屈折部材19bは、仕切板13を介して第1の屈折部材19aと対称形である。各屈折部材19a、19bの外側の頂角βは、臨界角αのほぼ余角である。屈折部材19aに傾斜面S3に達する角度で入射する光束は、第3の実施の形態においても拡散板15には入射せず、入射角度検出のために利用されていない。そこで、本実施の形態では、屈折部材19aの一部を直方体から切り欠くことにより、受光素子18a、18bにより検出される光量を変えることなく、屈折部材の軽量化、低コスト化を図るようにしたものである。
【0035】第5の実施の形態:本発明の太陽光採光装置に用いる光軸検出器の第5の実施の形態を図14(A)、(B)及び図15を用いて説明する。図14(A)、(B)は第5の実施の形態の光軸検出器を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は縦断側面図である。図14(A)、(B)に示すように、第5の実施の形態の光軸検出器30の主要構成は、光屈折部材32と、光屈折部材32の底面32bに2次元的に配設された受光素子34である。また、光屈折部材32は、光の屈折率が空気よりも大きな、例えば、ガラスや、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の光透過材料で形成し、その上面32aに遮光材で形成された光学マーク36を設け、側面32cには、光が侵入しないようにアルミニウムやニッケル、ステンレス等の金属製の光反射面を備えた遮光板38が取り付けられている。なお、光学マーク36は、本実施の形態のものでは、光屈折部材32の上面32aに、図14(A)に示すように、遮光材を十字状に取り付けることによる形成される。また、ここでは、光学マーク36の交点を36aとしている。
【0036】以上の構成において、第5の実施の形態の光軸検出器30により、実際に、例えば太陽光採光装置における太陽光の光軸を算出する方法について図15を用いて説明する。図15は、第5の実施の形態の光軸検出器30を用いて太陽光の光軸を算出する方法を示す縦断側面図である。図15に示すように、光屈折部材32の上面32aの鉛直線に対してαの入射角度で太陽光が入射したとする。次に、光屈折部材32に入射した太陽光が光屈折部材32の屈折作用により、入射後、光屈折部材32の上面32aの鉛直線に対してβの屈折角度に曲げられたとする。
【0037】そして、光学マークの交点36aの位置より水平方向に距離xだけ離れた位置で、受光素子34が光学マークの交点36aの影を検出したとすると、距離xと入射角度α及び屈折角度βには次の関係がある。
x=h・tan(β)=h・tan[sin-1{sin(α)/n}] (11)ここで、光屈折部材32の厚みをh、屈折率をnとした。また、屈折率nは、n=sin(α)/sin(β)である。従って、式(11)を解くことにより、次の(12)式が得られる。
α=sin-1[n・sin{tan-1(x/h)}] (12)従って、図15に示す距離xを検出することにより、光屈折部材32の上面32aの鉛直線に対する入射角度αは、式(12)に代入するだけで算出することができる。
【0038】なお、図示による説明は省略するが、第5の実施の形態の光軸検出器の縦断側面に垂直な縦断側面についても光屈折部材の上面の鉛直線に対する入射角度を同様の方法により求めることができるので、2次元的に太陽光の入射角度を算出でき、太陽光の光方向を特定することができる。
【0039】ところで、従来の光軸検出器は、上面から入射後、空気に満たされた空間を通過するため、光は入射後も直線的な経路を経て受光素子で受光されていた。従って、光軸の検出精度を上げるために光軸検出器本体の高さを高くするようにすると、それに伴って底面積を大きくしなければならず、製作コストが増大する問題があったことは上述した。しかし、図15に示すように、第5の実施の形態の光軸検出器30では、種々の入射角度の光は光屈折部材32による屈折作用を受けるので、光軸検出器30の中心方向に曲げられ、周縁部の受光素子34には光が入射しなくなる。そのため、従来の光軸検出器よりも底面積を大幅に小さくできるので、通常の2次元受光素子が使えたり、高価な受光素子34の使用個数を減らすことができたりして、製作コストを低減することができる。或いは受光素子34の使用個数をそのままにして、光軸検出器30の高さを高くとれるので、製作コストを抑えながら太陽光の光軸の検出精度を高めることができる。また、光屈折部材32の側面32cには、金属製の光反射面を備えた遮光板38が取り付けられている。これにより、光を吸収することによる光屈折部材32の温度上昇を防ぐことができ、従って温度変化による屈折率の変化を防止できるので、光軸の検出精度の高い光軸検出器30とすることができる。
【0040】次に、上記第5の実施の形態に用いる光屈折部材32の材料として、ポリカーボネートやアクリル樹脂といった光透過材料を用いる例で説明をしたが、ここで、光屈折部材32の材料の適切な屈折率について述べる。図15に示す光の入射角度αと距離xとの関係は、式(11)示されているが、これに種々の透過率における入射角度αと距離x/hの関係をグラフにしたものを図16(A)に示す。図16(A)において、横軸は入射角度αで、単位は度である。一方、縦軸は距離xと高さhとの比(x/h)であり、これは無次元量である。同図(A)には、屈折率nが、夫々n=1.10、1.21、1.33、1.46、1.61、1.77の各場合について、図15に示す入射角度αと、光学マーク16の影の検出位置までの水平距離xの関係がプロットされている。同図(A)に示されるように、屈折率nが小さな値の1.10の場合は、入射角度αが90度に近い値の時は、x/hの値は2.0以上になり、底面積を小さく抑えることができないことがわかる。従って、この値では、本発明の光方向検出器10に取り入れる屈折率nとしては不適切である。
【0041】一方、屈折率nが大きな1.77の値の場合は、入射角度αの値が70度を超えた近辺からx/hの値の変化が少なくなり、横軸にやや平行になってきているのが示されている。このことは、本実施の形態の光軸検出器30の底面積を小さく抑えるという点からは望ましいが、入射角度αの値が大きくなると距離xの分解能が悪くなり、結果として光軸の検出精度が低減することにつながる。従って、この値では、本実施の形態の光軸検出器30に取り入れる屈折率nとしては不適切である。従って、光屈折部材12の材料の適切な屈折率については、1.2から1.6程度が望ましい値であることがわかる。
【0042】なお、図16(B)に、屈折率が1.45の場合において、入射角度αとx/hとの関係をプロットしたグラフを示す。同図(B)に、最小2乗法で当該グラフにフィットさせた直線が示されているが、このように、屈折率が1.2から1.6程度の場合は、入射角度αとx/hとの関係はほぼ直線(比例関係)となり、底面積を小さく抑えられ、また光方向の検出精度もよい、ほぼ理想的な屈折率であることがわかる。
【0043】第6の実施の形態:次に、第6の実施の形態の光軸検出器を図17(A)、(B)を用いて説明する。図17(A)、(B)は、第6の実施の形態の光軸検出器を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は縦断側面図である。図17(A)、(B)に示すように、本実施の形態の光軸検出器30Aの主要構成は、上記第5の実施の形態に示したもの同様に、光透過材料で形成した光屈折部材32と、光屈折部材32の底面32bに2次元的に配設された受光素子34で、また、光屈折部材32の側面32cには、光が侵入しないように金属製の光反射面を備えた遮光板48が取り付けられている。なお、本実施の形態の光軸検出器30Aでは、光屈折部材32の上面32aには、光学マーク46として、十字状のスリット46b、46cが設けられた金属製の光反射面を備えた遮光板48が取り付けられていることに構成上の特徴がある。十字状のスリット46b、46cの交点を46aとして示してある。
【0044】以上の構成で、本実施の形態の光軸検出器30Aにより光軸を算出する場合は、図17(A)、(B)に示す、スリット46b、46cを透過した光を光屈折部材32の底面32bに2次元的に配設された受光素子34で検出することにより行う。即ち、上記第5の実施の形態では、図14(A)、(B)に示す遮光材で形成された光学マークの交点36aの影を検出することにより光軸を算出していたが、第6の実施の形態のものでは、光学マーク46のスリット46b、46cの交点46aを透過した光自体を検出することにより光軸を算出するものである。なお、光を受光素子34が検出した後の光軸の算出原理は、第5の実施の形態の場合と同様であるので説明は省略する。
【0045】ところで、本実施の形態の光方向検出器30Aは、第5の実施の形態のものとは異なり、光屈折部材32の上面32aの大部分を金属製の光反射面を備えた遮光板48で覆っているので、光を吸収することによる光屈折部材32の温度上昇に伴う屈折率の変化を防ぐ効果が更に向上するので、光軸の検出精度を一層高くすることができる。
【0046】第7の実施の形態:本発明の太陽光採光装置に用いる第7の実施の形態の光軸検出器を図18(A)、(B)を用いて説明する。図18(A)、(B)は、第7の実施の形態の光軸検出器を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は縦断側面図である。図18(A)、(B)に示すように、本実施の形態の光軸検出器30Bの主要構成は、上記第5及び第6の実施の形態に示したものと同様に、光透過材料で形成した光屈折部材52と、光屈折部材52の底面52bに2次元的に配設された受光素子34で、また、光屈折部材52の側面52cには、光が侵入しないように金属製の光反射面を備えた遮光板38が取り付けられている。また、第6の実施の形態で示したものと同様に、本実施の形態の光軸検出器30Bでは、光屈折部材52の上面52aは、光学マーク56として十字状のスリット56b、56cが設けられた金属製の光反射面を備えた遮光板58が取り付けられている。
【0047】また、本実施の形態の光軸検出器30Bでは、図18(A)、(B)に示すように、光屈折部材52の形状が四角錐台に形成されていることに構成上の特徴がある。ところで、光屈折部材52を透過する光は、図15のような経路で光屈折部材52を透過するので、光学マーク56を小さくすると、光屈折部材52の上面52aの周辺部は光が透過しなくなり不要となる。従って、このように、光屈折部材52を四角錐台に形成すると、無駄な材料を省いた、廉価で軽量でかつ低コストの光方向検出器30Bとすることができる。また、光屈折部材52の側面52cの傾斜角度は、光学マーク56の端部から入射する光の臨界角に適合するように決めると、最小でかつ光の検出漏れを無くした理想的な光方向検出器30Bとすることができる。本実施の形態における光軸検出器30Bでの光軸検出方法は、上記第6の実施の形態で示したものと同様であるので説明は省略する。
【0048】なお、上記第5、第6、第7の各実施の形態における光軸検出器では、光学マークとしては、2つの線分を十字状に交差させたものを用いたが、これにより、例えば、光学マークの交点がゴミ等により塞がれても、他の線分の形状から交点の算出が十分に可能であり、このような光軸の検出が不能となる事態の発生を防止することができる効果がある。
【0049】第8の実施の形態:図19は第8の実施の形態の光軸検出器を示すもので、本実施の形態のものの特徴は、第7の実施の形態のものにおいて、光学マークの形状に変形を加えたもので、図19に示すように、上面52aの光学マーク66を、上面52aの対角線に沿って斜めに交差させたものである。
【0050】第9の実施の形態:図20は第9の実施の形態の光軸検出器を示すもので、本実施の形態のものの特徴は、第7の実施の形態のものにおいて、同図に示すように、上面52aに設ける光学マーク76として、その光学マーク76の延長線が交点を有するような線分を用いるようにしたものである。図示のように、上面52aの光学マーク76、76を長方形状の上面52aの対角線上に交差させるようにすると、線分の長さを長く確保できるので、上面52aの面積を小さくでき、結果としてこれら検出器の小型化に一層貢献できる。
【0051】また、上記光学マークはこのように線分を交差させたものに限らず、例えば○、◎印等の種々の光学マークへの変更が可能である。上述したように、光学マークの汚損による光軸の検出が不能となる事態を防止するために、上記十字状の光学マークの例で説明したが、例えば、光軸検出器を、太陽光採光装置のドーム内に収納して使用する場合は、汚損の心配が無くなるので、従来の光方向検出器のように、点状の光学マークとしてもよい。また、上記実施の形態では、光屈折部材の形状として直方体或いは四角錐台形状のもので説明した例を示したが、光屈折部材の形状はこれに限定されず、種々の変更が可能である。例えば、円錐台形状としてもよい。
【0052】
【発明の効果】本発明の太陽光採光装置は、上述のように構成したために、以下のような優れた効果を有する。
(1)請求項1に記載のように、1枚又は複数枚の採光プリズムを備え、太陽の高度に応じて採光プリズムのプリズム角が適正な角度となるように制御するようにした太陽光採光装置において、各区分に受光素子を備えた複数の区分に等分に仕切られた底壁に対して太陽光を直接又は遮光体を介して間接的に入射させ、上記各受光素子の検出出力に基づいて太陽光の光軸を検出するようにした面型の光軸検出器を備え、この面型の光軸検出器からの毎時の検出信号に基づいて上記採光プリズムの太陽光の高度の変化に基づくプリズム角の制御を行うように構成すると、太陽光の光軸の検出に用いられる太陽光が点ではなく所定の面積を通過する太陽光となるため、太陽光の光軸を精度よく検出できるので、その検出結果に基づく採光制御の精度も向上させることができる。
(2)また、請求項2に記載のように太陽光採光装置に用いれらる面型の光軸検出器として、箱の上面を拡散板で構成し、この拡散板と箱の底壁を等分に仕切る仕切板を設け、上記仕切板は上記拡散板よりも所定高さだけ上方に突出されており、また仕切板の平面形状を十字型に形成し、上記底壁において上記仕切板によって仕切られた各部に同数の受光素子を配置するように構成した第1の実施の形態の光軸検出器を用いるように構成すると、入射した光は、その角度によって、仕切板の上方を通過して仕切板の向こう側の拡散板に入射するものと、仕切板の手前の拡散板に入射するものとが、仕切られた各部に配置された受光素子による受光量によって判別することができ、結局、各受光素子による受光量の差に基づいて光の光軸を適切に検出することができる。また、平面形状を十字型に形成したことにより、箱内を4等分することになり、2次元方向からの光の検出ができるから太陽光の光軸の検出精度を向上できるので、太陽光採光装置の採光制御の精度も向上できる。
(3)また、請求項3に記載のように、太陽光採光装置に用いれる面型の光軸検出器として、複数の領域に区分された拡散板と、前記拡散板の各領域に応じて一つずつ設けられ、各領域に入射して拡散された光を受光して光量に応じた信号を出力する複数の受光素子と、前記拡散板の各領域に入射する光量のバランスが光の入射方向に応じて変化するように前記受光素子および前記拡散板より光入射側の空間を前記領域毎に仕切る仕切板と、前記拡散板より光入射側の空間に配置された空気よりも屈折率が高い屈折部材と、前記受光素子から出力される信号を演算して光の入射方向を求める演算手段とを備えるように構成した第2の実施の形態の光軸検出器を用いるように構成すると、拡散板を仕切板で複数の領域に分け、各領域の拡散板を透過した光量を検出する構成とすることにより、検出器のサイズを大きくすることなく、広い検出範囲にわたって高い分解能を確保可能な光方向検出器とすることができ、また、拡散板の入射側に屈折部材を設けたことにより、屈折部材を設けない場合と比較して検出可能な入射角度の範囲をより広くすることができるから、太陽光採光装置の採光制御の精度も分解能の拡大に伴って、さらに向上させることができる。
(4)また、請求項4に記載のように、太陽光採光装置に用いれる面型の光軸検出器として、光の屈折率が空気よりも大きな光透過材料で形成し、上面に遮光マークを取り付けるか、又はスリットを形成することにより、或いは周囲と色相の異なるマーク等を取り付けることにより上面に構成される光学マークを備え、側面を遮光した構造とした光屈折部材と、前記光屈折部材の底面に2次元的に配設された受光素子とを備えて構成した第3の実施の形態の光軸検出器を用いるように構成すると、光軸検出器の上面から、受光素子を配設した底面までは、光屈折率の大きな光屈折部材で構成されることになるので、光屈折部材による屈折作用により、光方向検出器に入射した光は光方向検出器の中心近傍に曲げられるので、光方向検出器の底面積を小さく抑えることができ、通常の2次元受光素子を用いることができる。従って、太陽光採光装置の製作コストを抑えることが可能となる。
(5)また、請求項5に記載のように、1枚又は複数枚の採光プリズムを備え、太陽の高度に応じて採光プリズムのプリズム角が適正な角度となるように制御するようにした太陽光採光装置において、各区分に受光素子を備えた複数の区分に等分に仕切られた底壁に対して太陽光を直接又は遮光体を介して間接的に入射させ、上記各受光素子の検出出力に基づいて太陽光の光軸を検出するようにした面型の光軸検出器を設け、この面型の光軸検出器からの毎時の検出信号の平均照度と最高照度の差又は両者の比率に基づいて毎時の天候を検知するように構成すると、所定の面積を通過する太陽光の光量に基づいて平均照度や最高照度が得られるため、これらに基づき演算して判定・検出される天候も的確なものとすることができる。
(6)また、請求項6に記載のように太陽光採光装置に用いれる面型の光軸検出器として、前記した第1の実施の形態の光軸検出器を用いるように構成すると、入射した光は、その角度によって、仕切板の上方を通過して仕切板の向こう側の拡散板に入射するものと、仕切板の手前の拡散板に入射するものとが、仕切られた各部に配置された受光素子による受光量によって判別することができ、結局、各受光素子による受光量の差に基づいて光の光軸を適切に検出することができ、また、平面形状を十字型に形成したことにより、箱内を4等分することになり、2次元方向からの光の検出ができるから太陽光の照度の検出精度を向上できるので、天候の検出精度も向上できる。
(7)また、請求項7に記載のように、太陽光採光装置に用いれる面型の光軸検出器として、前記した第2の実施の形態の光軸検出器を用いるように構成すると、拡散板を仕切板で複数の領域に分け、各領域の拡散板を透過した光量を検出する構成とすることにより、検出器のサイズを大きくすることなく、広い検出範囲にわたって高い分解能を確保可能な光方向検出器とすることができ、また、拡散板の入射側に屈折部材を設けたことにより、屈折部材を設けない場合と比較して検出可能な入射角度の範囲をより広くすることができるから、天候の検出精度も分解能の拡大に伴って、さらに向上させることができる。
(8)また、請求項8に記載のように、太陽光採光装置に用いれる面型の光軸検出器として、前記した第3の実施の形態の光軸検出器を用いるように構成すると、光軸検出器の上面から、受光素子を配設した底面までは、光屈折率の大きな光屈折部材で構成されることになるので、光屈折部材による屈折作用により、光方向検出器に入射した光は光方向検出器の中心近傍に曲げられるので、光方向検出器の底面積を小さく抑えることができ、通常の2次元受光素子を用いることができる。従って、天候の検出ができる太陽光採光装置の製作コストを抑えることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成10年12月7日(1998.12.7)
【代理人】 【識別番号】100075797
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 春弥 (外1名)
【公開番号】 特開2000−173325(P2000−173325A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−346969