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【発明の名称】 車両用前照灯
【発明者】 【氏名】深沢 勝利

【氏名】西 明

【要約】 【課題】従来の放電灯を光源とする前照灯においてはソケットおよび反射鏡に設けられるシールドに個別に部品の取付けや配線を行うものであるので、組立工数が増加し、コストアップの問題点を生じていた。

【解決手段】本発明により、ソケット部シールドケース5には反射鏡部シールド2aに接続する端子5bが設けられ、ソケット部シールドケース5がイグナイタ回路3のグランドラインとソケット4に給電を行う配線7のシールド被覆8を介して車両のグランドに接地が行われている車両用前照灯1としたことで、この車両用前照灯1がソケット4とソケット部シールドケース5とがアース電位に接続されている状態として一体化が行われているものとし、加えて、ソケット部シールドケース5に灯体接触端子5bを設け反射鏡部シールド2aと接続が行われるものとしたことで、組立と配線とを簡素化して課題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源に放電灯が採用されソケットにイグナイタ回路が付属されると共に、前記ソケットにはソケット部シールドケースが設けられ反射鏡の背面には反射鏡部シールドが施されて成る車両用前照灯において、前記ソケットのソケット部シールドケースには前記反射鏡部シールドに接続する端子が設けられると共に、前記ソケット部シールドケースが前記イグナイタ回路のグランドラインと前記ソケットに給電を行う配線のシールド被覆を介して車両のグランドに接地が行われていることを特徴とする車両用前照灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用の前照灯に関するものであり、詳細には光源にメタルハライドランプなど放電灯が採用され、点灯装置中でも高圧を発生する部分であるイグナイタ回路をソケットに付属させる構成とされた前照灯に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の前照灯90の構成の例を示すものが図3であり、この前照灯90の反射鏡91が樹脂部材で形成されているときには、光源である放電灯92からの電磁波雑音を遮蔽するために、背面に金属の蒸着膜などにより反射鏡部シールド91aが設けられている。
【0003】また、ソケット93には放電灯92の起動時には約30000Vの高圧が発生するイグナイタ回路94が危険防止の目的などで一体化されているが、このイグナイタ回路94も電磁波雑音の発生源となるので別体としたソケット部シールド94aが設けられるものとされる。
【0004】このときに、前記ソケット部シールド94aにおいては、上記したようにイグナイタ回路94が高圧を発生するものであるので、リーク防止の面からイグナイタ回路94を一旦樹脂ケース94bで封止し、その外側を略函状としたソケット部シールド94aで覆うものとしている。
【0005】また、前記反射鏡部シールド91aとソケット部シールド94aとは車両のアース電位に接続されなくては遮蔽効果が得られないものであるので、反射鏡部シールド91aはソケット部シールド94aに螺着などにより接続されると共にソケット部シールド94aは前記イグナイタ回路94に給電するためのインバータ回路などとした電源供給回路95からの配線96のシールド被覆96aを一部、分岐させソケット部シールド94aに螺着するなどでアース電位に接地されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の構成の前照灯90においては、この前照灯90の組立工程において、反射鏡部シールド91aとソケット部シールド94aとの接続作業、および、ソケット部シールド94aと配線96との接続作業を必要とするものとなり組立工程が煩雑化する問題点を生じている。
【0007】また、車両の使用者側においても放電灯92の交換を行う際には、反射鏡部シールド91aとソケット部シールド94aとの接続を解除し、更にソケット部シールド94aとシールド被覆96aとの接続を解除した後でなければソケット93が取外し可能とならず手間を要すると共に、放電灯92の交換を行った後には上記と逆の手順を行わなければ成らず作業が煩雑化する問題点を生じている。
【0008】上記の問題点を解決するために、図4に示すように反射鏡部シールド91aは平編線91bにより別に車体のアース電位に接続を行い、放電灯92を交換する際の反射鏡部シールド91aとソケット部シールド94aとの接続の着脱を行わなくても良いものとして使用者側の負担を低減を図るものも提案されているが、組立工程における工数は平編線91bを追加使用することで寧ろ増加し、本質的な解決策とは成らないものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来の課題を解決するための具体的な手段として、光源に放電灯が採用されソケットにイグナイタ回路が付属されると共に、前記ソケットにはソケット部シールドケースが設けられ反射鏡の背面には反射鏡部シールドが施されて成る車両用前照灯において、前記ソケットのソケット部シールドケースには前記反射鏡部シールドに接続する端子が設けられると共に、前記ソケット部シールドケースが前記イグナイタ回路のグランドラインと前記ソケットに給電を行う配線のシールド被覆を介して車両のグランドに接地が行われていることを特徴とする車両用前照灯を提供することで課題を解決するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1に符号1で示すものは本発明に係る車両用前照灯であり、この車両用前照灯1は光源として放電灯10が採用され、反射鏡2の背面には金属の蒸着膜などによる反射鏡部シールド2aが設けられ、また、イグナイタ回路3を付属するソケット4には金属部材で略函状に形成されたソケット部シールドケース5が設けられ電磁波雑音の遮蔽を行うものである点は従来例のものと同様である。
【0011】ここで、本発明では前記ソケット4とソケット部シールドケース5との一体化を行うと共に。前記反射鏡部シールド2aとソケット部シールドケース5との接続をイグナイタ回路3を経由して行うものであり、図2にも要部で示すように、電源供給回路6(図1参照)からの配線7のシールド被覆8は、イグナイタ回路3を構成する高圧トランス31bなどの部品を搭載するためのプリント基板31のアースライン31aに接続されている。
【0012】また、前記アースライン31aには前記ソケット部シールドケース5と接続を行うための金属部材で形成された接続用バー32がハンダ付けなど適宜な手段で取付けられ、この接続用バー32には例えば雌端子状とした基板側接続部32aが設けられ、前記ソケット部シールドケース5に雄端子状として設けられるケース側接続部5aと嵌着可能とされている。
【0013】尚、図中に符号33で示すものは高圧トランス31bからのソケット部シールドケース5へのリーク発生を防止するための樹脂ケース33であり、組立が終わった時点で内部に樹脂が注入され固化が行われて、一層の絶縁性の向上が図られると共に、前記イグナイタ回路3の耐湿牲の向上が図られるものである。
【0014】また、前記ソケット部シールドケース5には前記反射鏡部シールド2aに接触するための灯体接触端子5bが適宜寸法として設けられている。このときに、前記反射鏡部シールド2aは上記にも説明したように金属の蒸着膜などで形成され機械的強度が低いものであるので、前記灯体接触端子5bが当接する部分に金属部材などで補強し接片部2bを形成するなどは自在である。また、このときに補強する部分に灯体接触端子5bと嵌合する接続形状を形成しておくことも自在である。
【0015】尚、放電灯10においては、ソケット4には高電圧が印加されているものであるので、例えば使用者の不用意な取扱いによる感電事故を防止するために、意識的に灯体接触端子5bと反射鏡部シールド2a(接片部2b)との接続を容易に取外しができないように設定することも充分考えられるが、本発明ではこのような場合でも電気的な接続と機械的な接続とは分離して形成することが可能であり、設計的に自由度が増すものとなる。
【0016】次いで、本発明の作用および効果について説明を行う。上記の構成としたことで、ソケット部シールドケース5は、このソケット部シールドケース5内に、イグナイタ回路3が組込まれた樹脂ケース33を挿着するときに、同時に前記接続用バー32を介してアースラインとの接続が行われるものとなり、アースラインとの接続を行うための工程を不要とする。
【0017】また、反射鏡部シールド2aにおいても、ソケット部シールドケース5に灯体接触端子5bが設けられたことで、放電灯10にソケット4を係着させれば、反射鏡部シールド2aはソケット部シールドケース5に灯体接触端子5bで接続されるものとなり、即ち、接続を行うべき全ての箇所が別に接続のための作業を行うことなく接続されるものとなり。車両用前照灯1の組立工程を簡素化する。
【0018】また、使用者側において放電灯10の交換を行う際にも、放電灯10からソケット4はソケット部シールドケース5を取外す手間なく取外しができるものとなり、しかも、この取外しにともないソケット部シールドケース5と反射鏡部シールド2aとの接続も解除できるものとなるので、交換作業が容易となる。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように本発明により、ソケットのソケット部シールドケースには反射鏡部シールドに接続する端子が設けられると共に、ソケット部シールドケースがイグナイタ回路のグランドラインとソケットに給電を行う配線のシールド被覆を介して車両のグランドに接地が行われている車両用前照灯としたことで、第一には、この車両用前照灯がソケットとソケット部シールドケースとがアース電位に接続されている状態として一体化が行われているものとなるので、組立工程時において、ソケットとソケット部シールドケースとを個別に取付ける作業をなくし、加えて、ソケット部シールドケースに灯体接触端子を設け反射鏡部シールドと組付けるのみで接続が行われるものとしたことで、この両者間の配線作業も不要とし、もって、生産効率の向上、コストダウンなどに極めて優れた効果を奏するものである。
【0020】また、上記の構成としたことで使用者側における放電灯の交換時においては、ソケットと放電灯とはソケット部シールドケースの取外作業などを行うことなく取外しが可能なものとなり、即ち、従来からの白熱電球を光源とした前照灯と同じ交換方法で良いものとして、作業を容易なものとし、実用性の向上にも極めて優れた効果を奏するものとする。
【出願人】 【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【出願日】 平成10年12月4日(1998.12.4)
【代理人】 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開2000−173311(P2000−173311A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−346160