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【発明の名称】 航空標識灯
【発明者】 【氏名】井手 勝幸

【要約】 【課題】LEDを用いて構成することにより、光源の長寿命化及び発光効率を向上させることができるとともに、低コストで最適な発光制御を行うことのできる航空標識灯を提供するにある。

【解決手段】本発明の航空標識灯1では、光源としての複数のLED3aを上面に配設した基板3b上に上部に径の大きな開口部、下部に径の小さな開口部をそれぞれ有して扇状に形成した着色反射板3cが所定数のLED3aを包囲するように基板3b上に装着される。該着色反射板3cは内面(上面A)及び外面(下面B)によって対応するLED3aの光をそれぞれ反射するもので、内面と外面との少なくとも一方がLED3aの発光色(例えば青色)と同色に着色されている。灯体2の上部に装着されるグローブ4は光源3部をカバーするための透明部材で形成されている。よって、消灯時でも、外光反射によりその反射光が発光色となるため、灯火の識別を可能にし、且つ光源の長寿命化及び発光効率の向上化に寄与する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 灯体と;この灯体の上部に配置され、複数の発光ダイオード素子からなる光源と;前記複数の発光ダイオードをその上面に配設した基板と;上部に径の大きな開口部、下部に径の小さな開口部をそれぞれ有して扇状に形成した反射手段を前記基板上の所定数の発光ダイオードを包囲するように前記基板上に装着することで、内面及び外面によって対応する発光ダイオード素子の光をそれぞれ反射するとともに、該反射手段の内面と外面との少なくとも一方が前記発光ダイオードの発光色と同色に着色された反射手段と;前記灯体の上部に装着され、前記光源、前記基板及び前記反射手段をカバーするための透光部材で形成されたグローブと;を具備したことを特徴とする航空標識灯。
【請求項2】 前記基板は、その上面が前記発光ダイオードの発光色と同色に着色して構成されたもので、前記発光ダイオードは、青色の光を発する青色発光ダイオードを用いたことを特徴とする請求項1に記載の航空標識灯。
【請求項3】 灯体と;この灯体の上部に配置され、複数の発光ダイオード素子からなる光源と;前記複数の発光ダイオードをその上面に配設した基板と;前記光源及び前記基板を収容するように前記灯体に装着され、該光源による光を所定方向に照射するように開口部が形成された灯体ユニットと;前記灯体ユニットの開口部に装着されたカバー部材と、前記複数の発光ダイオードの明るさを外部より操作される位相制御によって階調毎に変化させる階調制御が可能なもので、接続された定電流電源ラインに流れる階調電流を取り込み、該階調電流から定電圧源を発生させて得た電流によって前記発光ダイオードを発光させるとともに、外部の操作により位相制御で可変される電流を検出し、検出結果に基づき前記発光ダイオードの発光階調信号に変換し、該発光階調信号に基づき前記発光ダイオードによる発光を階調毎に駆動制御する駆動回路部と;を具備したことを特徴とする航空標識灯。
【請求項4】 前記駆動回路部は、前記定電流電源ラインに流れる階調電流を元に前記発光ダイオードに付勢する定電圧を生成する定電圧回路と;該定電圧回路により生成された定電圧に基づき得られた発光ダイオード電流によって前記発光ダイオードを発光させるLED駆動回路と;前記定電流電源ラインに流れる階調電流を取り込み、外部の操作により位相制御で可変される前記階調電流を検出し、検出結果を出力する電流検出回路と;前記電流検出回路からの検出結果に基づき、前記位相制御による階調に応じた前記発光ダイオードの発光階調信号に変換し、該発光階調信号に基づき前記LED駆動回路による発光ダイオードの発光を駆動制御する階調変換回路と;を具備して構成されたことを特徴とする請求項3に記載の航空標識灯。
【請求項5】 前記階調変換回路は、発光ダイオード電流の波高値に対応した前記発光階調信号を出力するもので、前記LED駆動回路は、可変抵抗を備え、該発光階調信号に基づき可変抵抗による抵抗値を変化させることにより、前記発光ダイオードの発光を階調制御することを特徴とする請求項4に記載の航空標識灯。
【請求項6】 前記階調変換回路は、前記発光階調信号として前記発光ダイオードの点滅の比率変調とするパルス幅制御信号を出力するもので、前記LED駆動回路は、前記発光ダイオード電流の供給を時間的にオン・オフするスイッチング素子を備え、前記パルス幅信号に基づき該スイッチング手段によるオン・オフ時間を制御することにより、前記発光ダイオードの発光を階調制御することを特徴とする請求項4に記載の航空標識灯。
【請求項7】 前記駆動回路部は、前記定電流電源ラインに流れる階調電流を元に前記発光ダイオードに付勢する定電圧を生成する定電圧回路と;該定電圧回路により生成された定電圧に基づき得られた発光ダイオード電流によって前記発光ダイオードを発光させるLED駆動回路と;前記定電流電源ラインに流れる階調電流を取り込み、外部の操作により位相制御で可変される前記階調電流を検出し、検出結果を出力する電流検出回路と;前記電流検出回路からの検出結果に基づき、前記位相制御による階調に応じた前記発光ダイオードの発光階調信号に変換し、該発光階調信号に基づき前記LED駆動回路による発光ダイオードの発光を駆動制御する階調変換回路と;前記発光ダイオードの温度または周囲温度を検出する温度検出回路と;前記該温度検出手段からの検出結果に基づき所定の発光出力を得るための補正信号を作成し、該補正信号に応じて前記LED駆動回路による発光ダイオード電流を変化させる補正回路と;を具備して構成されたことを特徴とする請求項3に記載の航空標識灯。
【請求項8】 前記階調変換回路は、前記発光階調信号として前記発光ダイオードの点滅の比率変調とするパルス幅制御信号を出力するもので、前記LED駆動回路は、前記発光ダイオード電流の供給を時間的にオン・オフするスイッチング素子及び可変抵抗を備え、前記パルス幅信号に基づき該スイッチング手段によるオン・オフ時間を制御すると同時に、前記補正回路からの補正信号に応じて前記可変抵抗の抵抗値を変化させることにより、前記発光ダイオードの発光の階調制御及び温度の変化に伴う発光補正制御することを特徴とする請求項7に記載の航空標識灯。
【請求項9】 前記温度検出回路は、前記複数の発光ダイオードを整列させるための整列板が設けられた場合には、該整列板の温度を検出し、検出結果を出力することを特徴とする請求項7に記載の航空標識灯。
【請求項10】 前記光源が少なくとも2つの点滅制御可能な光源で構成された場合には、前記駆動回路部は、前記発光階調信号としての前記発光ダイオードの点滅の比率変調とするパルス幅制御信号と、前記少なくとも2つの光源を点滅制御するための点滅信号との論理積をとり、該論理積に基づき、各光源毎に発光ダイオード群が抵抗を介して直列に接続して成る直列回路の電流供給をオン・オフするスイッチング素子のオン・オフ時間を制御することにより、前記発光ダイオードによる発光の階調制御及び点滅発光制御することを特徴とする請求項3に記載の航空標識灯。
【請求項11】 前記少なくとも2つの光源は、黄色の光を発光する黄色発光ダイオードを用いてそれぞれ構成されたものであることを特徴とする請求項10に記載の航空標識灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空港の滑走路や誘導路等に用いられる航空標識灯に関し、特に光源の長寿命化及び発光効率の向上化を図ることができるとともに、その発光状態を最適に制御することの可能な航空標識灯に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、空港の滑走路や誘導路等に用いられる航空標識灯では、滑走路への誘導や離着時の誘導、あるいは侵入経路への誘導等を、厳しい気象条件でもその明かりによって明確且つ確実に飛行機の操縦者に認識させるために、発光効率の向上が望まれている。また、航空標識灯では、過酷な使用条件でも耐えうる耐久性はもとより、その光源の長寿命化も望まれている。
【0003】通常、このような航空標識灯は、その目的に応じて様々な形態のものが製造されており、また、これらの標識灯の光源としては、従来より調光制御が容易な白熱電球が用いられている。このような従来における白熱電球を用いた光源で構成された航空標識灯の一例を図13に示す。
【0004】図13は従来の白熱電球を用いた光源で構成された地上型の航空標識灯の一例を示す構成図であり、図13(a)は光を全方向に照射可能な全方向タイプのもの、図13(b)は光を1方向または2個併設することで2方向に光を照射可能な2方向タイプのもの、図13(c)は誘導時に警戒を促すことを主に目的とした点滅タイプのものをそれぞれ示している。
【0005】順に説明すると、図13(a)に示すように全方向タイプの航空標識灯50は、滑走路等の誘導灯として用いられており、例えば青い色を全方向に照射することにより、誘導路灯としての役割を果たすようになっている。
【0006】該航空標識灯50は、例えば地上に設置される灯体51と、この灯体51の上面に装着される光源としての白熱電球52と、該白熱電球52の光を水平方向に対して指向性良好に照射するとともに垂直方向にも照射するためのレンズ53と、これらのレンズ53及び白熱電球52を収容する青色に着色されたグローブ54とで主に構成されている。グローブ54が青色に着色されることで、全方向に青色の光を照射することができる。また、水平方向については、レンズ53が白熱電球52の周囲を囲んでいるので、指向性が良好な青色の光を照射することが可能となる。
【0007】ところが、上記航空標識灯51では、光源として白熱電球が使用されているため、素子寿命が短く、また、上記のように例えば青色光を得るために白熱電球の白色光を、青色に着色したグローブを介して照射するようにしているため、発光効率が非常に悪いという不都合がある。そこで、周知のように素子寿命の短い白熱電球に代えて、長寿命でありしかも青色の発光ダイオード(以下、LEDと記載)を用いたLED式標識灯も提案されている。
【0008】しかし、このような提案によるLED式標識灯では、LEDは、高発光効率化のため素子そのものは透明樹脂レンズで構成したものを使用し、また、複数のLED素子を配設した基板と配光を制御する反射板と透明のグローブとで構成しているが、高効率化のための透明レンズLED及び透明グローブを使用しているため、消灯時には発色しない。このため、消灯時には従来のように青色グローブ54による色別灯火の識別ができないという欠点があり、また、単純に青色グローブを用いると、LED発光色も青色なので発光効率に悪影響を及ぼすこともあるという欠点もあった。
【0009】一方、図13(B)に示すような一方向あるいは2方向タイプの航空標識灯60は、例えば色フィルタ65の色に対応した光を水平方向に照射することにより、滑走路等の誘導灯としての役割を果たすようになっている。
【0010】該航空標識灯60は、例えば地上に設置される灯体61と、この灯体61の上面に装着される光源としての白熱電球62と、該白熱電球62の光を集光して照射する反射鏡63と、該反射鏡63の反射光を透過して対応する色の光を照射する色フィルタ65と、該色フィルタ65の表面部を防護する防護ガラス66と、これらの光学系部材を収容するためのユニット64とで主に構成されている。反射鏡63,色フィルタ65を用いることで、水平方向における照射色光の指向性が良好となる。例えば滑走路の進入灯とする赤光色の航空標識灯においては、赤色フィルタを介して赤色発光するようにして構成されており、赤色の照射光の指向性も良好である。また、このような航空標識灯64を背後に対向配置して構成することにより、2方向のタイプの航空標識灯と成す。
【0011】ところが、上述したように光源の素子寿命の長寿化を考慮すると、やはりこの種のタイプの航空標識灯60においても、LEDの採用が望ましい。また、例えば赤色LEDの複数を用いて標識灯を構成することで、光源の長寿命化は勿論、赤色フィルター不要等の利点も得られることになる。
【0012】通常、航空標識灯では、夜間や薄暮又は雨天、霧天時などの視認外部条件によって灯火の明るさを加減(階調)制御する必要がある。この明るさの階調信号は、従来の白熱電球の負荷に対応した位相制御の段階状の定電流ラインパワーとして与えられようになっている。したがって、単に光源を白熱電球からLED表示素子に代えたとしても、LED式の標識灯では、図14の階調電流に応じた発光出力の特性図に示すように、光源素子の階調特性が異なるため、この信号をそのままLED式標識灯60に適用することは不可能である。つまり、図14に示すようにLEDを用いた場合には、同じ階調電流にも関わらず、白熱電球よりも明るくなり、必要以上の発光強度となるため、操縦者にまぶしく煩わしくなり、標識灯としては不適であるという不都合もある。
【0013】また、LEDは、温度変化により発光出力も変化する特性をもっており、例えば赤色LEDは、図15に示すような温度特性を有している。つまり、温度が上昇すれば発光出力が低下するような特性である。また、このような航空標識灯は、上述したように明るさを加減(階調)制御する必要があるが、一定の規定された明るさを維持する必要もある。さらに、航空標識灯では屋外で用いるため、灯器内の電気回路は密閉構造内に構成されることと、またメンテナンスの時間が夜間の空港閉鎖時間などに限定されることから使用部品は信頼性の高いものが要求され、灯火の発熱による冷却のファン等は用いられず、自然冷却構造である必要がある。
【0014】以上のような理由から、単純にLEDを用いた標識灯においては点灯時の発熱によって温度が上昇し、また強制冷却も困難なことから発光出力の一定規定値に維持することが困難となる欠点もあった。
【0015】また、従来例としての点滅タイプの航空標識灯では、図13(c)に示すように、例えば地上に設置される灯体71と、この灯体71の上面に装着された例えば2つの白熱電球73a,73bと、これらの光源73a,73bからの光を集光してそれぞれ照射する反射鏡74a,74bと、これらの反射鏡74a,74bの反射光を透過して対応する色の光をそれぞれ照射する色フィルタ75a,75bとで主に構成されている。これらの反射鏡74a,74b,色フィルタ75a,75bを用いることで、水平方向における照射色光の指向性が良好となり、また図示しない調光制御部からの点滅信号が供給されることで、これら2つの光源部72A,72bは、点滅発光するようになっている。
【0016】ところが、上述したように光源の素子寿命の長寿化を考慮して、この種のタイプの滑走路警戒灯70(RGL灯火ともいう)においても、LEDの採用が望まれており、また、上述したように1対の灯火を交互に点滅させることが必要であり、さらに夜間や薄暮又は雨天・霧天時などの視認外部条件によって灯火の明るさを加減(階調)制御させる必要がある。しかしながら、、LEDの明るさを加減するにはLED電流の波高値を変えてやる制御方法が考えられるが、この制御方法では、定電流回路を用いることになり、LEDの限流回路としての抵抗回路に比べて高価となり、特に灯火光源としてLED素子を複数用いて構成した場合には、高コストとなってしまうという問題点もあった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来の航空標識灯では、光源の長寿命化に鑑み従来の白熱電球に代えて長寿命のLEDの使用が考えられるが、このLEDを使用すると、例えば青色グローブを用いて青色光を照射する全方向タイプでは、発光効率に悪影響を及ぼしてしまい、また、一方向又は2方向タイプでは、階調電流に応じて最適な発光出力が得られず、またLEDの温度変化に応じて発光効率が変化してしまい、さらに点滅灯火可能なタイプのものでは、最適な点滅灯火とするには高価な発光回路が必要なり高コストとなってしまうといった様々な問題点があった。
【0018】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、LEDを用いて構成することにより、光源の長寿命化及び発光効率を向上させることができるとともに、低コストで最適な発光制御を行うことのできる航空標識灯の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の航空標識灯は、灯体と;この灯体の上部に配置され、複数の発光ダイオード素子からなる光源と;前記複数の発光ダイオードをその上面に配設した基板と;上部に径の大きな開口部、下部に径の小さな開口部をそれぞれ有して扇状に形成した反射手段を前記基板上の所定数の発光ダイオードを包囲するように前記基板上に装着することで、内面及び外面によって対応する発光ダイオード素子の光をそれぞれ反射するとともに、該反射手段の内面と外面との少なくとも一方が前記発光ダイオードの発光色と同色に着色された反射手段と;前記灯体の上部に装着され、前記光源、前記基板及び前記反射手段をカバーするための透光部材で形成されたグローブと;を具備したことを特徴とする。
【0020】請求項2記載の発明の航空標識灯は、請求項1に記載の航空標識灯において、前記基板は、その上面が前記発光ダイオードの発光色と同色に着色して構成されたもので、前記発光ダイオードは、青色の光を発する青色発光ダイオードを用いたことを特徴とする。
【0021】請求項1,2記載の発明によれば、内面及び外面によって対応する発光ダイオード素子の光をそれぞれ反射するとともに、該反射手段の内面と外面との少なくとも一方が前記発光ダイオードの発光色と同色に着色された反射手段を設けたことによって、点灯時には、その発光ダイオードによる青色光を全方向に照射することができ、また、消灯時には、外光によってその反射手段の着色が反射されるので、消灯時においても、その航空標識灯の種類を識別可能にできる。さらに、光源として発光ダイオードを用いているので、光源の長寿命化及び発光効率を向上させることも可能である。
【0022】請求項3記載の発明の航空標識灯は、灯体と;この灯体の上部に配置され、複数の発光ダイオード素子からなる光源と;前記複数の発光ダイオードをその上面に配設した基板と;前記光源及び前記基板を収容するように前記灯体に装着され、該光源による光を所定方向に照射するように開口部が形成された灯体ユニットと;前記灯体ユニットの開口部に装着されたカバー部材と、前記複数の発光ダイオードの明るさを外部より操作される位相制御によって階調毎に変化させる階調制御が可能なもので、接続された定電流電源ラインに流れる階調電流を取り込み、該階調電流から定電圧源を発生させて得た電流によって前記発光ダイオードを発光させるとともに、外部の操作により位相制御で可変される電流を検出し、検出結果に基づき前記発光ダイオードの発光階調信号に変換し、該発光階調信号に基づき前記発光ダイオードによる発光を階調毎に駆動制御する駆動回路部と;を具備したことを特徴とする。
【0023】請求項4記載の発明の航空標識灯は、請求項3に記載の航空標識灯において、前記駆動回路部は、前記定電流電源ラインに流れる階調電流を元に前記発光ダイオードに付勢する定電圧を生成する定電圧回路と;該定電圧回路により生成された定電圧に基づき得られた発光ダイオード電流によって前記発光ダイオードを発光させるLED駆動回路と;前記定電流電源ラインに流れる階調電流を取り込み、外部の操作により位相制御で可変される前記階調電流を検出し、検出結果を出力する電流検出回路と;前記電流検出回路からの検出結果に基づき、前記位相制御による階調に応じた前記発光ダイオードの発光階調信号に変換し、該発光階調信号に基づき前記LED駆動回路による発光ダイオードの発光を駆動制御する階調変換回路と;を具備して構成されたことを特徴とする。
【0024】請求項5記載の発明の航空標識灯は、請求項4に記載の航空標識灯において、前記階調変換回路は、発光ダイオード電流の波高値に対応した前記発光階調信号を出力するもので、前記LED駆動回路は、可変抵抗を備え、該発光階調信号に基づき可変抵抗による抵抗値を変化させることにより、前記発光ダイオードの発光を階調制御することを特徴とする。
【0025】請求項6記載の発明の航空標識灯は、請求項4に記載の航空標識灯において、前記階調変換回路は、前記発光階調信号として前記発光ダイオードの点滅の比率変調とするパルス幅制御信号を出力するもので、前記LED駆動回路は、前記発光ダイオード電流の供給を時間的にオン・オフするスイッチング素子を備え、前記パルス幅信号に基づき該スイッチング手段によるオン・オフ時間を制御することにより、前記発光ダイオードの発光を階調制御することを特徴とする。
【0026】請求項3乃至請求項6の発明によれば、パルス幅発光制御と発光ダイオード電流波高値制御とのどちらか一方の制御が可能な駆動回路部を設けたことによって、従来通りの標識灯用定電流電源に接続し、且つ灯火の階調制御を行うことが可能となり、長寿命で且つ発光効率の高いLED式航空標識灯を提供することが可能となる。また、LED式標識灯の設置に伴い、新たに配線工事等もする必要がないので、全体的なコストを低減することも可能となる。
【0027】請求項7記載の発明の航空標識灯は、請求項3に記載の航空標識灯において、前記駆動回路部は、前記定電流電源ラインに流れる階調電流を元に前記発光ダイオードに付勢する定電圧を生成する定電圧回路と;該定電圧回路により生成された定電圧に基づき得られた発光ダイオード電流によって前記発光ダイオードを発光させるLED駆動回路と;前記定電流電源ラインに流れる階調電流を取り込み、外部の操作により位相制御で可変される前記階調電流を検出し、検出結果を出力する電流検出回路と;前記電流検出回路からの検出結果に基づき、前記位相制御による階調に応じた前記発光ダイオードの発光階調信号に変換し、該発光階調信号に基づき前記LED駆動回路による発光ダイオードの発光を駆動制御する階調変換回路と;前記発光ダイオードの温度または周囲温度を検出する温度検出回路と;前記該温度検出手段からの検出結果に基づき所定の発光出力を得るための補正信号を作成し、該補正信号に応じて前記LED駆動回路による発光ダイオード電流を変化させる補正回路と;を具備して構成されたことを特徴とする。
【0028】請求項8記載の発明の航空標識灯は、請求項7に記載の航空標識灯において、前記階調変換回路は、前記発光階調信号として前記発光ダイオードの点滅の比率変調とするパルス幅制御信号を出力するもので、前記LED駆動回路は、前記発光ダイオード電流の供給を時間的にオン・オフするスイッチング素子及び可変抵抗を備え、前記パルス幅信号に基づき該スイッチング手段によるオン・オフ時間を制御すると同時に、前記補正回路からの補正信号に応じて前記可変抵抗の抵抗値を変化させることにより、前記発光ダイオードの発光の階調制御及び温度の変化に伴う発光補正制御することを特徴とする。
【0029】請求項9記載の発明の航空標識灯は、請求項7に記載の航空標識灯において、前記温度検出回路は、前記複数の発光ダイオードを整列させるための整列板が設けられた場合には、該整列板の温度を検出し、検出結果を出力することを特徴とする。
【0030】請求項7乃至請求項請求項9の発明によれば、前記発光ダイオードの温度または周囲温度を検出する温度検出回路、前記該温度検出手段からの検出結果に基づき所定の発光出力を得るための補正信号を作成し、該補正信号に応じて前記LED駆動回路による発光ダイオード電流を変化させる補正回路とを設けることによって、発光ダイオードの温度変化に伴い変化する発光効率を一定に発光制御することが可能となり、また、その発光を階調に応じて階調制御することも可能となる。その他の動作及び効果は、上記請求項3乃至請求項6の発明と同様である。
【0031】請求項10記載の発明の航空標識灯は、請求項3に記載の航空標識灯において、前記光源が少なくとも2つの点滅制御可能な光源で構成された場合には、前記駆動回路部は、前記発光階調信号としての前記発光ダイオードの点滅の比率変調とするパルス幅制御信号と、前記少なくとも2つの光源を点滅制御するための点滅信号との論理積をとり、該論理積に基づき、各光源毎に発光ダイオード群が抵抗を介して直列に接続して成る直列回路の電流供給をオン・オフするスイッチング素子のオン・オフ時間を制御することにより、前記発光ダイオードによる発光の階調制御及び点滅発光制御することを特徴とする。
【0032】請求項11記載の発明の航空標識灯は、請求項10に記載の航空標識灯において、前記少なくとも2つの光源は、黄色の光を発光する黄色発光ダイオードを用いてそれぞれ構成されたものであることを特徴とする。
【0033】請求項10及び請求項11の発明によれば、発光ダイオード群で構成された光源を少なくとも2つ設けて点滅タイプ航空標識灯を構成した場合でも、上記発明と同様に従来通りの標識灯用定電流電源に接続し、且つ灯火の階調制御及び点滅発光制御を行うことが可能となり、長寿命で且つ発光効率の高いLED式航空標識灯を提供することが可能となる。さらに、駆動回路部は簡単な直列回路構成となっていることから、高価な定電流回路を設けずとも上記の如く階調制御及び点滅制御が可能であり、よってコスト低減にも大きく寄与する。
【0034】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1乃至図3は本発明に係る航空標識灯の第1の実施の形態を示し、図1は光源としてLED表示素子を用いて構成された地上型の航空標識灯の一例を示す構成図、図2は図1の航空標識灯の上面図、図3は図2の航空標識灯のAーA´線断面図である。
【0035】本実施の形態では、光源として長寿命の複数のLEDを用いるとともに、これらのLEDの発した光を反射する、例えば青色に着色された反射鏡を所定の位置に介在させるように設けて構成することにより、仮に消灯時でも、発色作用が得られることで、従来、消灯時における航空標識灯の色の識別が不可能であった課題を解決するようにしている。
【0036】図1に示すように、本実施の形態の全方向タイプの航空標識灯1は、滑走路等の誘導灯として用いられており、例えば青い色を全方向に照射することにより、誘導路灯としての役割を果たすようになっている。
【0037】具体的な構成としては、上記航空標識灯1は、例えば地上に設置される灯体2と、この灯体2の上面に装着され、複数のLED3a,基板3b,及び着色反射板3cを含んで構成された光源部3と、この光源部3を収容するとともに、前記灯体2に上面に取り付けられる外周カバーとしてのグローブ4とで主に構成されている。
【0038】光源部3において、複数のLED3aは、例えば青色の光を発光するもので、図2に示すように基板3b上に中心(基板との中心)を介して複数並設され、基板上のパターン、接続コード及び主の配線コード(パワーラインともいう)を介して図示しない管制塔や調光制御室等に接続されるようになっている。これにより、図示しない管制塔や調光制御室等から階調信号が供給されることにより、複数のLED3aの青色発光が制御される。なお、これらのLED3aのそのものは、高発光効率可能な透明樹脂レンズで構成されたものである。
【0039】一方、前記着色反射板3cは、例えば図3に示すように円筒形状の両面反射部材が扇状に広って形成されたもので、下部の開口部が小さく、上部の開口部が広くなるように形成されたものである。また、該着色反射板3cは、図3に示すように上面(内面)Aが、例えば青色の着色されるように構成している。また、この場合、着色反射板3cの下面Bについては、図3に示すように水平方向における光の反射性能及び指向性を向上させるために、着色はなされていない。必要であれば、下面Bを所定の色に着色するように構成しても良い。
【0040】このような構成の着色反射板3cは、図3に示すように、基板3b上の所定数のLED3aを包囲するように該基板上3bに装着されるようになっている。
【0041】また、前記グローブ4は、従来とは異なり、例えば着色されていない透明ガラス部材で形成されたもので、LED3aの発色光や上記着色反射板3cによる反射光を全方向に透過して照射する。また、該航空標識灯1を外部からの損傷を防止する役割も有している。
【0042】このような構成により、包囲された所定数のLED3aからの発色光が直接光、及び該着色反射板3cの上面Aによって反射され、扇状に上方向へと照射するとともに、同時に、該着色反射板3cによって包囲されない他の複数のLED3aからの発色光は、該着色反射板3cの下面Bによって反射されることで、水平方向にしかも指向性が良好に照射することが可能となる。
【0043】本実施の形態においては、上記着色反射板3cの上面A全体が例えば青色に着色されているので、該航空標識灯1が消灯時の場合でも、外光(例えば太陽光)が当たれば発色することになるので、灯火の識別が可能である。
【0044】したがって、従来の航空標識灯(図13(a)参照)と比較すると、光源として指向性が高いLEDを用いているので、発光効率も高く、また指向性等の発光性能も向上させることができ、しかも光源の長寿命化も図ることが可能となる。さらに、消灯時でも、外光がその着色反射板3cに反射することによって発色できるので、航空標識灯自体の認識も可能となり、また、従来技術のように白熱電球からの所定の青色を得るための濃色に着色したグローブを用い、発光効率が低いものから透明又は淡青色のガラス部材のグローブに代えて構成しているので発光効率の高いものを実施、提供することもできる。
【0045】尚、本実施の形態では、前記着色反射板3cの下面Bは、主要反射面のため、仮に着色しようとする場合には、青の着色反射面としてダイクロイック蒸着面となるように構成しても良い。また、基板3bについては、なにも言及してはいないが、その上面に同様の色を着色するように構成しても良い。また、該基板上にLEDを整列させるための整列板を重ねて載設する場合には、該整列板の上面に同様の色を着色するように構成すれば良い。
【0046】ところで、本発明の航空標識灯は、光源を白熱電球からLEDに代えて構成した場合でも、予め白熱電球用として決められた階調電流値に基づき最適な発光状態となるように補正し、制御することも可能である。このような実施の形態を図4乃至図7に示す。
【0047】図4乃至図7は本発明に係る航空標識灯の第2の実施の形態を示し、図4は光源としてLEDを用いて構成された一方向又は2方向タイプの航空標識灯の構成例を示す側面図、図5は図4の航空標識灯に搭載された駆動回路部の具体例を示すブロック図、図6は図4の駆動回路部内のLED駆動回路部部の回路構成例を示す回路図、図7は図5の駆動回路部によるパルス幅制御動作を説明するためのタイミングチャートである。尚、図4に示す装置は、図1と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0048】本実施の形態では、従来の白熱電球の負荷に対応した位相制御の段階状の階調信号が供給された場合でも、白熱電球のとき同様な発光特性が得られるようにLEDの駆動(発光)を補正し制御する駆動回路部を設けたことが特徴である。
【0049】全体的な構成としては、一方向あるいは2方向タイプの航空標識灯1Aは、例えば地上に設置される灯体2と、この灯体2の上面に配置され、固定台2a、駆動回路部5を介して基板3b上の照射方向側に複数並設された光源としてのLED3aと、これらの構成部品収容するためのカバーユニット6と、複数のLED3aによる発光を透過するとともに、透過光の照射方向側に設けられ、これらの内装部材を防護する防護ガラス7とで主に構成されている。
【0050】したがって、発光時には、取り付けられたLED3aに応じて青色光あるいは赤色光が前記防護ガラス7を介して水平方向に照射されることになり、誘導灯としての役割を果たすことができるようになっている。また、このような航空標識灯1Aを背後に対向配置して構成することにより、2方向のタイプの航空式標識灯と成す。
【0051】本実施の形態における航空標識灯1Aでは、光源が白熱電球である航空標識灯用に階調信号(階調電流)が流れるパワーライン(配線ライン)に、上記構成のLED式航空標識灯1Aを接続した場合でも、搭載された駆動回路部5によって、白熱電球のとき同様な発光特性が得られるようにLEDの駆動(発光)が補正制御するようにしている。このような駆動回路部5を図5を参照しながら詳細に説明する。
【0052】本実施の形態の航空標識灯1Aは、図5に示すように従来より使用されている定電流電源11(CCRともいう)のパワーラインLCに接続される。該定電流電源11は、管制塔や調光制御室からの遠隔操作信号(階調切換信号)を取り込む入力端子10を介して取り込んだ階調切換信号に基づき灯火の明るさを変えるところの階調タップ切替を行い、これにより得られた階調タップに応じた階調電流をパワーラインLCに供給する。つまり、この階調タップに応じた階調電流は、予め白熱電球用として設定されたものである。このような階調例を下記の表1に示す。
【0053】
【表1】

このような階調電流(階調タップ電流ともいう)が流れるパワーラインLCに接続された航空標識灯1Aには、駆動回路部5が備えられている。したがって、前記パワーラインLC12からの階調電流は、駆動回路部5内に設けられた定電圧回路部12及び定電流検出回路部14に供給される。
【0054】定電圧回路部12は、供給された階調電流から一定した定電圧を作成し、LED駆動回路部13に供給する。LED駆動回路部13は、供給された定電圧に基づきLED3aを発光させる。
【0055】一方、電流検出回路部13は、取り込んだ階調電流からパワーラインLCに流れる階調電流値を検出し、検出結果を階調変換回路部15に与える。階調変換回路部15は、検出結果に基づき、例えば上述した図14に示す白熱電球の発光出力曲線、つまり、上記表1に示す階調電流に応じた明るさが得られるような階調電流値を補正するための階調信号を生成し、生成した階調信号を上記LED駆動回路部13に与える。
【0056】LED駆動回路部13は、その階調信号を取り込み、LED駆動回路部5内の可変抵抗値を変化させることにより、LED3aに流れる階調電流値自体を制御して白熱電球と同様の発光出力(表1参照)が得られるようにLED3aの発光制御を行う。
【0057】例えば、単に階調信号に基づきLED電流を変えて発光制御する方法では、LED駆動回路部13は、単純には限流抵抗で一定電流を流す回路で構成されるが、前述の灯火の明るさを変化させるために可変型定電流回路で構成されたものである。このLED駆動回路部をさらに詳細に説明すると、図6に示すように、図中の定電流回路であるLED駆動回路部13は、基本的な回路構成であるが、トランジスタQ1はそのベース回路に基準電圧源V1と抵抗R1を有し、またエミッタ回路に抵抗R2を有して構成されている。ベース回路の入力信号が“OFF”時、すなわちLED3aを点灯する信号時には、V1=I1×R2+VBEで示されるLED電流I1が一定電流として流れることになる。このとき、VBEはトランジスタQ1のベース・エミッタ間の順電圧である。また、抵抗R2は可変式のものであり、この抵抗R2による抵抗値は、上述したように前記階調変換回路部15からの変調された階調信号に基づき決定されることにより、結果的にLED電流I1を、図14で示す白熱電球とLEDの階調特性の違いを補正する所定の値に可変する。
【0058】これにより、LED3aを設けて航空標識灯1Aを構成し、白熱電球用の階調電流が流れるパワーラインLCに接続した場合でも、白熱電球使用時と同様の階調電流に応じた発光特性を得ることが可能となる。
【0059】また、本誌実施の形態では、上述したようにLED駆動回路部13を、前記可変型定電流回路の代りにLEDをパルス幅制御方式で駆動するように構成しても良い。この場合には、例えばLED駆動回路13をパルス幅制御回路(PWM)として構成する。具体的には、図6に示すトランジスタQ1のベースにスイッチ手段としての他のトランジスタのコレクタ(図示せず)を接続し、該トランジスタのエミッタを接地するとともに、ベースには、パルス幅制御回路(図示せず)からのパルス信号を与えるように構成する。つまり、このパルス幅制御回路は、階調変換回路部15からの階調信号に基づきパルス幅を制御し、このパルス信号を用いて前記スイッチング素子としてのトランジスタのオン時間を調整制御する。これによりLED電流I1は時間的に点滅制御されることにより、その結果LED3aの明るさを可変することになり、白熱電球使用時と同様の階調電流に応じた発光特性を得ることが可能となる。
【0060】次に、上記パルス幅制御方法による発光補正動作を図7を参照しながら詳細に説明する。
【0061】いま、図4に示すLED3aを用いて構成された航空標識灯1Aを点灯させるものとする。この場合、LED3aの発光特性は、上述した図14に示すように通常は白熱電球の発光特性と比べて、直線的なものとなり、つまり、階調電流の階調(表1参照)に応じて常に高いものとなり、つまりその発光出力の差を補正する必要がある。
【0062】そこで、LED駆動回路部内のパルス幅制御回路(図示せず)は、階調変換回路部15(図5参照)による階調信号から、LED3aの発光出力がその階調電流値に応じた高い発光出力を得る必要が有る場合(高階調時)には、図7(a)に示すようなパルス幅が広いパルス信号を生成し、図示しないスイッチング素子のオン時間を調整する。これにより、時間的に長くLED電流I1が点滅制御されることで、LED3aは、階調電流値に応じて最適な発光出力となる。
【0063】一方、前記パルス幅制御回路(図示せず)は、階調変換回路部15(図5参照)による階調信号から、LED3aの発光出力がその階調電流値に応じた低い発光出力を得る必要が有る場合(低階調時)には、図7(b)に示すようなパルス幅が狭いパルス信号を生成し、図示しないスイッチング素子のオン時間を調整する。これにより、時間的に短くLED電流I1が点滅制御されることで、LED3aは、階調電流値に応じて最適な発光出力となる。
【0064】したがって、本実施の形態によれば、上述した駆動回路部による発光制御により、従来通りの標識灯用定電流電源に接続し、且つ灯火の階調制御を行うことが可能となり、長寿命で且つ発光効率の高いLED式航空標識灯を提供することが可能となる。また、LED式標識灯の設置に伴い、新たに配線工事等もする必要がないので、全体的なコストを低減することも可能である。
【0065】ところで、前記第2の実施の形態のようなLED式航空標識灯では、LEDの温度が変化した場合には、この温度変化に応じて発光出力が変化してしまい、一定した発光出力が得られないことは、従来技術でも説明した通りである。
【0066】そこで、本発明では、LEDの温度が変化した場合でも、この温度変化に応じて発光出力を補正し、常に安定した一定発光出力を得ることも可能である。このような実施の形態を図8及び図9に示す。
【0067】図8及び図9は本発明に係る航空標識灯の第3の実施の形態を示し、図8は一方向又は2方向タイプのLED式航空標識灯に搭載された駆動回路部の具体例を示す回路構成図、図9は図8の駆動回路部によるLED電流の波高値制御動作及びパルス幅制御動作を説明するためのタイミングチャートである。尚、図8に示す回路は、図5あるいは図6に示す回路と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0068】本実施の形態では、LEDの温度による発光出力の補償制御を行うもので、前記実施の形態にて説明した本質的な視覚条件に対応する標識灯の明るさ制御の階調制御(例えばパルス幅制御)と、温度補償制御としてLED電流の波高値制御とをそれぞれ実施することにより、LEDの温度が変化した場合でも、安定した発光出力が得られるように構成したことが前記実施の形態と異なる点である。
【0069】LED式航空標識灯の全体の概略構成としては、前記第2の実施の形態における航空標識灯1A(図4参照)と同様である。
【0070】また、本実施の形態のLED式航空標識灯には、図示はしないが図5に示す駆動回路部5(図5参照)が設けられており、また図8に示すように該駆動回路部5内のLED駆動回路部13内には、前記第2の実施の形態と同様にLEDを駆動するための定電流回路及び標識灯の灯火の明るさを外部からの階調制御信号を受け、パルス幅制御に変換するパルス幅制御部20(PWM)が設けられている。定電流回路及びパルス幅制御部20の動作については、前記第2の実施の形態と略同様である。
【0071】本実施の形態における特徴となる点は、図8に示すように上記定電流回路、パルス幅制御部20及びスイッチング素子(トランジスタQ2)を設けた他に、LEDに生じた温度を検出する温度検出回路部21と補償回路部22を設けてLED駆動回路部を構成したことが特徴である。
【0072】つまり、温度検出回路部21は、LEDに生じた温度を検出し、検出結果を補償回路部22に与える。補償回路部22は、供給された検出結果に基づき、LEDの発光出力が、例えば図15に示す特性とは異なりある一定した所定レベルの発光出力となるように補正するための補正信号(抵抗値)を決定し、これを図8に示す可変抵抗R2に与える。これにより、可変抵抗R2の抵抗値を変化させることにより、LEDに流れるLED電流I1を変化させ、最適なLEDの発光出力が得られるように制御する。
【0073】さらに詳細に構成を説明すると、例えば、図8に示すパルス幅制御部20に接続された入力端子10には、図5中に示す階調変換回路部15からの階調信号が供給されるようになっているが、このときの階調制御信号は、前記第2の実施の形態にて説明したように具体的には電源のタップ(切替)信号として上記表1に示すように規定されているものである。
【0074】また、このような階調信号に基づきパルス幅制御するための回路構成としては、図8に示すように、定電流回路のトランジスタQ1のベースにスイッチ手段としてのトランジスタQ2のコレクタ(図示せず)を接続し、該トランジスタQ2のエミッタを可変抵抗R2の他端に接続するとともに、ベースには、パルス幅制御回路(図示せず)からのパルス信号を与えるように構成する。
【0075】一方、定電流回路においては、トランジスタQ1はそのベース回路に基準電圧源V1と抵抗R1とが接続され、またエミッタ回路には抵抗R2が接続される。したがって、動作時には、前述のパルス幅制御信号によって駆動されるトランジスタQ2を介して点滅制御され、点灯時にはV1=I1×R2+VBEで規定されるLED電流I1が一定電流として流れる。尚、VBEはトランジスタQ1のベース・エミッタ順電圧値である。
【0076】このとき、抵抗R2は上述したように可変式のもので、LEDの温度を温度検出回路部21によって検出され、その後補償回路部22によってLEDの温度(検出温度)に対応してLED電流I1を増減する補正量分としての抵抗値が供給されることで、抵抗値を変化させる。
【0077】次に、本実施の特徴となる動作を図9を参照しながら詳細に説明する。
【0078】いま、図4に示すLED3aを用いて構成された航空標識灯1Aを点灯させるものとする。この場合、LED3aの発光特性は、上述した図15に示すように温度が高くなるにつれてその発光出力が劣化してしまう。したがって、温度の高低に関わらず、常に安定した一定の発光出力を得るための発光補正する必要がある。
【0079】この場合、駆動回路部5は、白熱電球用の標識灯用定電流電源の接続に伴い、階調電流に応じた最適な発光出力が得られるように、前記第2の実施の形態と同様にパルス幅制御する。詳細については、前記第2の実施の形態に説明したので省略する。
【0080】同時に、駆動回路部5は温度補償制御としてLED電流の波高値制御を行う。この場合、駆動回路部5内のLED駆動回路部では、温度検出回路部21によってLEDの温度が検出され、この検出結果を取り込む補償回路部22は、例えば該検出結果からLED3aの温度が低く発光出力をさほど補正する必要がない場合(低温度時:図15参照)には、LED電流をさほど変化させないような補正信号(抵抗値)を決定し、可変抵抗R2の抵抗値を制御して、LED電流の波高値を決定する。つまり、図9(a)に示すようなパルスの高さとなるパルス信号に基づき、スイッチング素子のオン時間及びLED電流を調整する。これにより、LEDの点滅制御とともにLEDの流れる電流値を調整することが可能となり、最適な発光出力を得ることが可能となる。勿論、LED電流の波高値制御は、高階調時及び低階調時にも、図9(a)に示すように実施される。
【0081】一方、補償回路部22は、例えば温度検出回路部21の検出結果からLED3aの温度が高く発光出力が高くなるように補正する必要がある場合(高温度時:図15参照)には、LED電流を大きく変化させるような補正信号(抵抗値)を決定し、可変抵抗R2の抵抗値を制御して、LED電流の波高値を決定する。つまり、図9(b)に示すようなパルスの高さとなるパルス信号に基づき、スイッチング素子のオン時間及びLED電流を調整する。これにより、LEDの点滅制御とともにLEDの流れる電流値を調整することが可能となり、高温温度の場合でも、最適な発光出力を得ることが可能となる。勿論、高温度時の場合でもLED電流の波高値制御は、高階調時及び低階調時にも、図9(b)に示すように実施される。
【0082】したがって、本実施の形態によれば、前記第2の実施の形態と同様の動作、効果する他に、上述した駆動回路部によるLED電流の波高値制御を併用して実施することにより、LEDの温度変化に伴い変化する発光出力を常に安定した規定の所定レベルの発光出力となるように補正制御することが可能となる。よって、様々な気象条件下においても、発光出力が変化しない優れた発光特性を有する航空標識等を提供することができる。
【0083】尚、本実施の形態においては、LEDの温度を検出する方法として、標識灯内に密閉的にLED基板が収納されることから、例えばその灯器内の空間温度を検出するように構成しても良く、また温度検出精度をより向上させるために、複数のLED素子を整列させるために設ける整列板をアルミ材等の熱伝導の良い材質で構成し、放熱効果をもたせるとともに、LEDの温度を検出する方法として、例えばこの整列板自体の温度や放熱効果作用により得られた灯器内温度を検出するようにしても良い。
【0084】ところで、本発明では、航空標識灯が点滅タイプで有る場合にも前記第2及び第3の実施の形態のようにLEDの発光制御を行うことが可能である。しかしながら、前記第2及び第3の実施の形態のように灯火の明るさを階調制御する波高値制御では、上述したように定電流回路が必須の構成要素であるため、通常使用されるLEDの限流回路としての抵抗回路に比べて高価となってしまう。このような不都合を改善した実施形態を図10乃至図12に示す。
【0085】図10乃至図12は本発明に係る航空標識灯の第4の実施の形態を示し、図10は光源としてLEDを用いて構成された点滅タイプの航空標識灯の構成例を示す正面図、図11は図10の航空標識灯に搭載された駆動回路部の具体例を示す回路構成図、図12は図11の駆動回路部によるパルス幅制御動作及び点滅発光制御動作を説明するためのタイミングチャートである。尚、図10に示す装置及び図11に示す回路群は、図4及び図8と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0086】本実施の形態では、高価となる定電流回路(図8参照)に代えて安価の抵抗で構成される限流回路を設けるとともに、入力される点滅信号とパルス幅制御部(図8参照)からの階調信号との論理積を出力するAND回路と、該AND回路の出力信号に基づき限流回路内に接続されたLEDに与えるLED電流を時間的にスイッチングするスイッチング素子Qとを設けることにより、パルス幅制御及び点滅発光制御を行い、階調制御を可能にすることで、コストの低減化を図るように構成したことが前記実施の形態と異なる点である。
【0087】全体的な構成としては、点滅タイプの航空標識灯1B(滑走路警戒灯:RGL灯火)は、図10に示すように、例えば地上に設置される灯体2と、この灯体2の上部に装着された例えば2つのLED群3a,3bと、これらのLED群3a,3bが装着されLED群3a,3bからの光を集光してそれぞれ照射する反射鏡を含んで構成されたLED基板3A,3Bとで主に構成されている。尚、発光色を代える場合には、前記LED基板3A,3B上に反射鏡の反射光を透過して対応する色の光をそれぞれ照射する色フィルタを設けて構成しても良い。
【0088】したがって、これらの反射鏡74a,74b等を用いることで、水平方向における照射色光の指向性が良好となり、また図示しない調光制御部からの点滅信号が供給されることで、これら2つの光源としてのLED群3a,3bは、点滅発光するようになっている。尚、上記LED群3a,3bとしては、黄色の光を発光する黄色LEDを用いることにより、滑走路警戒灯としての役割を果たす。
【0089】本実施の形態では、図10に示す灯体2内にこれらのLED群3a,3bの発光の階調制御及び点滅発光制御を行うための駆動回路部5Aが設けられている。この駆動回路部5Aは、前記実施の形態と同様にRGL灯火を視認外部条件によって明るさを上記表1に示す階調パターンで発光制御する。
【0090】具体的には、駆動回路部5Aにおいては、例えば図11に示すように入力端子10を介して階調信号が取り込まれ、また入力端子30を介して点滅信号が取り込まれるようになっており、階調信号については、前記第2の実施の形態と同様にパルス幅制御を行うパルス幅制御部20に供給、点滅信号については、AND回路に供給する。パルス幅制御部20からの出力もAND回路に供給する。
【0091】AND回路は、これらの入力信号の論理積をとり、つまり、点滅信号のタイミングに基づく階調パルス信号をスイッチング素子Qのベースに供給する。
【0092】一方、どちらか一方のLED群3a,3bを接続した限流回路では、LED素子の複数LED1〜LEDnを1つの直列回路とし、一端は限流素子の抵抗Rを介して電源Vpに接続される。またこの直列回路の他端は他のLED直列回路群と共通接続され、さらにスイッチ素子のトランジスタQのコレクタに接続される。
【0093】このような構成より、簡単な回路構成でパルス幅制御及び点滅発光制御が可能となる。
【0094】次に、本実施の特徴となる動作を図12を参照しながら詳細に説明する。
【0095】いま、図10に示す航空標識灯1B(RGL灯火)を点灯させるものとする。すると、図11に示す駆動回路部5Aは、前記第2の実施の形態と同様に階調パターンに基づくパルス幅制御を行う。つまり、パルス幅制御部20は、高階調時とする必要が有る場合にはパルス幅の広いパルス信号を、低階調時とする必要が有る場合にはパルス幅の狭いパルス信号をAND回路に与える。
【0096】その後AND回路によってこの出力パルスと点滅信号との論理積が出力されることで、スイッチング素子のトランジスタQには、図12(a)または図12(b)に示すような点滅信号のON時に階調信号に応じたパルス幅制御信号が供給されることになる。
【0097】すると、該トランジスタQは、供給されたパルス幅制御信号で高速点滅駆動し、結果として点滅する際の点灯時についても灯火の明るさが階調に応じて制御されるとともに、他方のLED群についても同様に階調制御される。
【0098】また、点滅信号のオンオフに基づき上記2つのLED群は点滅発光制御されることになる。
【0099】したがって、本実施の形態によれば、上述のように灯火の明るさを制御するものとして階調信号に応じたパルス幅制御信号を用いて階調制御及び点滅発光制御することにより、点滅のスイッチ素子の兼用化ができ、またLED電流の限流を抵抗素子で構成することができることで、より安価な標識灯を提供できる。
【0100】尚、本発明は上記第1乃至第4の実施の形態に限定されるものもではなく、例えば各実施の形態における特徴的な構造や発光制御方法を組み合わせて構成しても良く、効果が得られることは明らかである。
【0101】
【発明の効果】以上、述べたように本発明によれば、LEDを光源として用いることにより、光源の長寿命化及び発光効率を向上させることができるとともに、低コストで最適な発光制御を行うことのできる航空標識灯を提供することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
【出願日】 平成10年11月30日(1998.11.30)
【代理人】 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
【公開番号】 特開2000−173304(P2000−173304A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−340680