| 【発明の名称】 |
車両用前照灯 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 薫
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| 【要約】 |
【課題】光源バルブのバルブ本体がリフレクタに挿入されるように構成された車両用前照灯において、リフレクタに熱変形が生じるおそれを低減する。
【解決手段】リフレクタ14におけるバルブ挿入孔14bの周囲に環状壁14jを形成するとともに、該環状壁14jに本体支持部12cを後方から当接せしめるバルブ当接面14kを形成する。そして、環状壁14jには、バルブ当接面14kから前方へ向けて切り欠かれた切欠き部14mを形成し、リフレクタ14の内部空間と外部空間とを連通させる。これによりリフレクタ14の内部空間に生じる熱を上記切欠き部14mを介して外部空間へ放散させる。本体支持部12cとバルブ当接面14kとの当接は、環状壁14jの周方向3箇所において行い、切欠き部14mをこれら3箇所の間に位置する3箇所に各々形成し、放熱性をより高める。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バルブ本体および該バルブ本体を支持する本体支持部からなる光源バルブと、この光源バルブのバルブ本体を挿入するためのバルブ挿入孔が形成されたリフレクタと、を備えてなる車両用前照灯において、上記リフレクタにおける上記バルブ挿入孔の周囲に環状壁が形成されるとともに、該環状壁に上記本体支持部を後方から当接せしめるバルブ当接面が形成されており、上記環状壁に、上記バルブ当接面から前方へ向けて切り欠かれた切欠き部が形成されている、ことを特徴とする車両用前照灯。 【請求項2】 上記本体支持部と上記バルブ当接面との当接が、上記環状壁の周方向3箇所において行われており、上記切欠き部が、上記3箇所の各々の間に位置する3箇所に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。 【請求項3】 上記リフレクタに、上記環状壁の外周面から上記反射面の背面までの延びる放熱フィンが形成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用前照灯。 【請求項4】 上記リフレクタが、上記光源バルブからの光を集束させるようにして前方へ反射させる反射面形状を有しており、このリフレクタからの反射光のうち少なくとも鉛直断面内の子午光束が発散光として入射する位置に集光レンズが設けられるとともに、上記子午光束の集束位置近傍に、上記反射光を遮蔽するシェードが設けられている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用前照灯。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、車両用前照灯、特にその光源バルブの取付構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両用前照灯においては、一般に、図6に示すように、リフレクタ4に光源バルブ2のバルブ本体2bを挿入するためのバルブ挿入孔4bが形成されており、このバルブ挿入孔4bの周囲には環状壁4jが形成されている。そして、この環状壁4jのバルブ当接面4kに光源バルブ2の本体支持部2cを後方から当接させるように構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の車両用前照灯においては、同図に示すように、光源バルブ2の本体支持部2cによってリフレクタ4のバルブ挿入孔4bが略閉塞されてしまうので、光源バルブ2の点灯に伴いその発光部2aから光と共に放射される熱がリフレクタ4の内部空間に籠もりやすく、このためリフレクタ4が高温になって熱変形を生じてしまうおそれがある、という問題がある。 【0004】本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、リフレクタに熱変形が生じるおそれを低減することができる車両用前照灯を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本願発明は、リフレクタに所定の放熱構造を設けることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。 【0006】すなわち本願発明は、請求項1に記載したように、バルブ本体および該バルブ本体を支持する本体支持部からなる光源バルブと、この光源バルブのバルブ本体を挿入するためのバルブ挿入孔が形成されたリフレクタと、を備えてなる車両用前照灯において、上記リフレクタにおける上記バルブ挿入孔の周囲に環状壁が形成されるとともに、該環状壁に上記本体支持部を後方から当接せしめるバルブ当接面が形成されており、上記環状壁に、上記バルブ当接面から前方へ向けて切り欠かれた切欠き部が形成されている、ことを特徴とするものである。 【0007】上記「切欠き部」は、バルブ当接面から前方へ向けて切り欠かれたものであれば、その形状や形成位置等の具体的構成は特に限定されるものではない。 【0008】 【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に係る車両用前照灯は、リフレクタの環状壁にそのバルブ当接面から前方へ向けて切り欠かれた切欠き部が形成されているので、リフレクタの内部空間と外部空間とを連通させることができ、これによりリフレクタの内部空間に生じる熱を上記切欠き部を介して外部空間へ放散させることができる。 【0009】したがって、本願発明によれば、リフレクタに熱変形が生じるおそれを低減することができる。 【0010】上記構成において、請求項2に記載したように、本体支持部とバルブ当接面との当接を環状壁の周方向3箇所において行い、切欠き部をこれら3箇所の間に位置する3箇所に各々形成するようにすれば、光源バルブの支持を安定的に行うようにした上で放熱性を一層高めることができる。 【0011】また、上記構成において、請求項3に記載したように、リフレクタに、環状壁の外周面から反射面の背面までの延びる放熱フィンを形成するようにすれば、これによっても放熱性を高めることができ、かつリフレクタの強度を高めることができる。 【0012】この場合において、「放熱フィン」は単一であってもよいが、これを複数形成するようにすれば、放熱性をより一層高めることができる。 【0013】ところで、いわゆるPES型前照灯においては、一般にリフレクタの内部空間に熱が籠もりやすいので、本願発明の構成を採用することが特に効果的である。 【0014】ここで「PES型前照灯」とは、請求項4に記載したように、リフレクタが、光源バルブからの光を集束させるようにして前方へ反射させる反射面形状を有しており、このリフレクタからの反射光のうち少なくとも鉛直断面内の子午光束が発散光として入射する位置に集光レンズが設けられるとともに、上記子午光束の集束位置近傍にリフレクタの下部反射領域からの反射光を遮蔽するシェードが設けられた車両用前照灯を意味するものである。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。 【0016】図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示す側断面図であり、図2および3は、その平面図および背面図である。 【0017】これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用前照灯10は、PES型前照灯であって、光源バルブ12と、リフレクタ14と、集光レンズ16と、シェード18と、レンズホルダ20とを備えてなっている。 【0018】光源バルブ12は、H7タイプのハロゲンバルブであって、単一のフィラメント12aを有するバルブ本体12bと、このバルブ本体12bを支持する本体支持部12cとからなり、線バネ22によりリフレクタ14の後頂部に取り付けられている。 【0019】リフレクタ14は、樹脂成形品であって、光源バルブ12のフィラメント12aからの光を集束させるようにして前方へ反射させる反射面形状を有している。すなわち、リフレクタ14の反射面14aは、その光軸Axを含む断面形状が略楕円状に形成されており、その楕円の離心率は、鉛直断面において最も大きく、水平断面において最も小さくなるように設定されている。 【0020】リフレクタ14の後頂部には、光源バルブ12のバルブ本体12bを挿入するためのバルブ挿入孔14bが形成されており、このバルブ挿入孔14bの周囲には、光源バルブ12を取り付けるための構造が設けられている(これについては後述する)。一方、リフレクタ14の前端開口部14cには、3本のレンズホルダ固定用アーム14dと、2本のシェード固定用ボス14eと、3本のシェード位置決め支持ピン14fとが、前方へ突出するように形成されている。 【0021】集光レンズ16は、レンズホルダ20に装着された状態で、リフレクタ14からの反射光のうち少なくとも鉛直断面内の子午光束(図1に示す光束)が発散光として入射する位置に設けられている。レンズホルダ20は、集光レンズ16の外径と略同じ内径を有するリング状の樹脂製部材であって、リフレクタ14に固定支持されるようになっている。 【0022】レンズホルダ20への集光レンズ16の装着は、レンズホルダ20に集光レンズ16を後方から嵌め込むことにより行われるようになっている。すなわち、レンズホルダ20の前端内周部には、集光レンズ16の周縁フランジ16aの前面と当接する環状フランジ20aが形成されており、一方、レンズホルダ20の円周方向3箇所には、内周側へ切り起こされるようにして突出する係合片20bが形成されている。そして、これら各係合片20bが、レンズホルダ20に嵌め込まれた集光レンズ16の背面の周縁部と係合するようになっている。 【0023】リフレクタ14に対するレンズホルダ20の固定支持は、該レンズホルダ20の外周面の3箇所においてランス係合により行われるようになっている。すなわち、レンズホルダ20の外周面の3箇所にはランス係合部20cが形成されており、一方、リフレクタ14の各レンズホルダ固定用アーム14dの先端部にはランス14gが形成されている。そして、これら各ランス14gが各ランス係合部20cに係合されるようになっている。なお、各レンズホルダ固定用アーム14dの両側部には、補強用のフランジが形成されている。 【0024】シェード18は、鋼鈑のプレス成形加工品であって、上記反射光の一部を構成する鉛直断面内の子午光束の集束位置近傍に位置するようにしてリフレクタ14に固定支持されている。このシェード18には、リフレクタ14の前端開口部14cの下部領域を扇形に覆うようにして透光開口部18aが形成されており、これによりリフレクタ14の下部反射領域からの反射光を遮蔽するようになっている。 【0025】リフレクタ14に対するシェード18の固定支持は、リフレクタ14の前端開口部14cの左右両側でネジ締め固定により行われるようになっている。すなわち、リフレクタ14のシェード固定用ボス14eは、前端開口部14cの左右両側に形成されており、一方、シェード18には、これら各シェード固定用ボス14eに対応する位置にネジ挿通孔18bが形成されている。そして、これら各ネジ挿通孔18bにネジ24が挿通されて各シェード固定用ボス14eに締め付けられるようになっている。 【0026】リフレクタ14の前端開口部14cの3箇所に形成されたシェード位置決め支持ピン14fは、リフレクタ14の前端開口部14cの上端部2箇所および下端部1箇所に配置されている。各シェード位置決め支持ピン14fは、シェード固定用ボス14eと同じ長さの大径部とその先端面に突出形成された小径部とからなり、小径部をシェード18に形成された位置決め孔18cに挿入させて大径部の先端面にシェード18を当接させるようになっている。そして、これらシェード位置決め支持ピン14fにより、リフレクタ14にシェード18を固定する際のシェード18の位置決めを行うとともに、固定後においてシェード18とリフレクタ14との間にグラツキが生じるのを防止するようになっている。 【0027】シェード18には、リフレクタ14の各レンズホルダ固定用アーム14dとの干渉を回避するため、透光開口部18aの上部を切り広げたアーム挿通用切欠き部18dと、1対のアーム挿通孔18eとが形成されている。 【0028】シェード18は、リフレクタ14を傾動させるためのエイミング部材(図示せず)が取り付けられるエイミングブラケットとしての機能をも果たすようになっている。 【0029】すなわち、シェード18は、リフレクタ14の前端開口部14cよりもかなり大きめのサイズに形成されており、その下部両コーナ部には、その一方にエイミング支点部材(図示せず)が装着される支点孔18fが形成されるとともに、その他方に左右傾動用エイミングスクリュウ(図示せず)と螺合するナットが装着される作用点孔18gが形成されており、さらに、支点孔18fの上方に位置する上部コーナ部には、上下傾動用エイミングスクリュウ(図示せず)と螺合するナットが装着される作用点孔18hが形成されている。 【0030】次に、リフレクタ14に対する光源バルブ12の取付構造について説明する。 【0031】図4は、図2のIV部詳細図であり、図5は、リフレクタ14の後頂部を示す背面詳細図である。 【0032】これらの図に示すように、光源バルブ12の本体支持部12cは、リング部12dを備えており、このリング部12dの上端位置および該上端位置から左右120°の位置には、光源バルブ12をリフレクタ14に取り付ける際の光軸Ax方向の位置決めを行うための突起部12eが形成されている。 【0033】リフレクタ14の背面14hにおけるバルブ挿入孔14bの周囲には、環状壁14jが形成されており、この環状壁14jの後端には、光源バルブ12の本体支持部12cの3つの突起部12eを後方から当接せしめるバルブ当接面14kが形成されている。環状壁14jにおける上記3つの突起部12eに対応する3箇所の各々の間に位置する3箇所には、バルブ当接面14kから前方へ向けて切り欠かれた切欠き部14mが形成されている、これら各切欠き部14mは、リフレクタ14の背面14hに達するように完全に切り欠かれている。このため、環状壁14jは、3つの突起部12eに対応する3箇所のみが柱状に残された状態となっている。 【0034】環状壁14jを構成する3つの柱状部14j1、14j2、14j3のうち、上端部に位置する柱状部14j1の左右両側近傍には、光源バルブ12のリング部12dよりも後方まで延びる断面L字形の係合ピン14nが左右対称形状で形成されている。これら係合ピン14nは、上記リング部12dに形成された左右1対の位置決め用切欠き部12fと係合して光源バルブ12の回転方向の位置決めを行うようになっている。 【0035】環状壁14jを構成する上端部の柱状部14j1および各係合ピン14nの上面には、リフレクタ14の背面14hまで延びる放熱フィン14pが各々形成されている、これら各放熱フィン14pは、背面14hの略上端位置まで延びるように形成されている。 【0036】リフレクタ14の背面14hにおける環状壁14jの左右両側には、線バネ22をネジ26により回動可能に取り付けるバネ支持部14qと、線バネ22の先端部を係止するバネ係止部14rとが形成されている。 【0037】次に、本実施形態の作用について説明する。 【0038】本実施形態に係る車両用前照灯10は、そのリフレクタ14が樹脂製であるが、該リフレクタ14の環状壁14jには、そのバルブ当接面14kから前方へ向けて切り欠かれた切欠き部14mが形成されているので、リフレクタ14の内部空間と外部空間とを連通させることができ、これによりリフレクタ14の内部空間に生じる熱を上記切欠き部14mを介して外部空間へ放散させることができる。 【0039】したがって、本実施形態によれば、リフレクタ14に熱変形が生じるおそれを低減することができる。 【0040】本実施形態に係る車両用前照灯10は、PES型前照灯であり、リフレクタ14の内部空間の容積が小さく、その内部空間に熱が籠もりやすいので、特に効果的である。 【0041】また、本実施形態においては、光源バルブ12の本体支持部12cとバルブ当接面14kとの当接が環状壁14jの周方向3箇所において行われているが、上記切欠き部14mがこれら3箇所の間に位置する3箇所に各々形成されているので、放熱性を一層高めることができる。しかも、これら各切欠き部14mは、環状壁14における、本体支持部12cの3つの突起部12eに対応する3箇所のみを柱状に残すようにして、リフレクタ14の背面14hに達するように完全に切り欠かれているので、放熱性を極めて良好なものとすることができる。 【0042】さらに、本実施形態においては、リフレクタ14に、環状壁14jの外周面から該リフレクタ14の背面14hの略上端位置まで延びる複数の放熱フィン14pが形成されているので、これによっても放熱性を高めることができる。これら複数の放熱フィン14pは、光源バルブ12のバルブ本体12bの上方位置という高温になりやすい位置に形成されているので、放熱効果を一層高めることができる。また、これら放熱フィン14pが形成されることにより、リフレクタ14の強度を高めることができる。 【0043】なお、本実施形態においては、リフレクタ14の内部空間は、リフレクタ14の前端開口部14c側においても外部空間と連通しているので、上記光源バルブ取付構造と相俟って放熱効果をより一層高めることができる。 【0044】本実施形態においては、上記各切欠き部14mが、リフレクタ14の背面14hに達するように完全に切り欠かれたものとなっているが、リフレクタ14の背面14hに達しない場合であっても、切欠き部が形成されていれば、これによりリフレクタ14の内部空間に生じる熱を外部空間へ放散させることができるので、その分リフレクタ14に熱変形が生じるおそれを低減することができる。 【0045】また、本実施形態においては、光源バルブ12がH7タイプのハロゲンバルブである場合について説明したが、H4タイプ等の他のハロゲンバルブを用いた場合、あるいは放電バルブ等を用いた場合においても、本実施形態と同様の光源バルブ取付構造を採用することにより、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、放電バルブは点灯により高熱になりやすいので、本実施形態の構成を採用することが効果的である。 【0046】さらに、本実施形態においては、PES型前照灯について説明したが、通常の前照灯においても、本実施形態と同様の光源バルブ取付構造を採用することにより、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001133 【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
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| 【出願日】 |
平成10年11月16日(1998.11.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099999 【弁理士】 【氏名又は名称】森山 隆
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| 【公開番号】 |
特開2000−149621(P2000−149621A) |
| 【公開日】 |
平成12年5月30日(2000.5.30) |
| 【出願番号】 |
特願平10−324836 |
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