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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】山田 哲夫

【要約】 【課題】従来の車両用灯具においてはアウターレンズに施される拡散カット間の接合線が観視者に強く認識されるものとなり、アウターレンズが画一的となり、透明感が感じられず品質感が演出できないなどの問題点を生じていた。

【解決手段】本発明により、少なくともアウターレンズ4に施される拡散カット41が、凸シリンドリカルレンズカット41aと凹シリンドリカルレンズカット41bとが交互に配置された構成とされ、且つ、それぞれのレンズカット41a、41b間が滑らかに接続されている車両用灯具1としたことで、アウターレンズ4面に拡散カット間の接合線が表れないものとし、この接合線が強く意識されてアウターレンズ4全体か画一的に見えデザインを損なったり、あるいは視線が遮られて透明感が失われるなどをなくして課題を解決するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 反射鏡もしくはインナーレンズに一方向への拡散を行う拡散カットが施されアウターレンズにはこれと直交する方向に拡散する拡散カットが施されて成る車両用灯具において、少なくとも前記アウターレンズに施される拡散カットが、凸シリンドリカルレンズカットと凹シリンドリカルレンズカットとが交互に配置された構成とされ、且つ、それぞれのレンズカット間が滑らかに接続されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 前記凸シリンドリカルレンズカットと凹シリンドリカルレンズカットとにはレンズピッチに変更が行われている部位が設けられていることを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用灯具に関するものであり、詳細にはターンシグナルランプ、ストップ/テールランプなど主として信号用の灯火を発するために用いられる車両用灯具の構成に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の車両用灯具の構成の例を示すものが図5および図6であり、先ず、図5に示す車両用灯具90においては、水平方向に拡散する反射鏡拡散カット91aが施された反射鏡91が採用され、光源92からの光をこの車両用灯具90を車両に取付けた状態において水平方向にのみ拡散し、上下方向には平行光線を生じるものとされている。
【0003】そして、アウターレンズ93には凸のシリンドリカルレンズカットとしたアウターレンズ拡散カット93aが水平方向に軸を有するようにして密接して形成され、垂直方向に光を拡散して所望の配光特性が得られるものとされている。尚、前記反射鏡91に垂直方向に光を拡散する反射鏡拡散カットが施された場合には、アウターレンズ93に施されるアウターレンズ拡散カットは水平方向に拡散を行うものとされる。
【0004】また、図6に示す車両用灯具80においては、反射鏡81は拡散カットが設けられることはなく光源82からの光を平行光線として反射するものとされ、これに代わりインナーレンズ83が設けられ水平方向に拡散するインナーレンズ拡散カット83aが設けられている。よって、アウターレンズ84には図5のものと同様なアウターレンズ拡散カット84aが設けられ、車両用灯具80としての配光特性が得られるものとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の車両用灯具90、80においては、アウターレンズ93、84が密接された凸のシリンドリカルレンズカットであるので、隣り合うレンズカット同士が接合する部分の曲率が不連続となり、この部分がアウターレンズ93、84を透過して接合線93b、84bとして強く認識されるものとなって、例えば車体の形状に沿わせるように形成したアウターレンズ93、84の全体形状に対する認識が薄れるものとなり、車両デザインとの整合牲が低下する問題点を生じている。
【0006】また、上記したレンズカット同士が接合する接合線93b、84bが強く認識されることで、点灯時においても非点灯時においてもこの接合線93b、84bが視線を遮るものとなって、アウターレンズ93、84全体の透明感が損なわれ、観視者にいわゆる平面的な印象を与えるものとなって品質感が低下する問題点も生じ、これらの点の解決が課題とされるものとなっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来の課題を解決するための具体的な手段として、反射鏡もしくはインナーレンズに一方向への拡散を行う拡散カットが施されアウターレンズにはこれと直交する方向に拡散する拡散カットが施されて成る車両用灯具において、少なくとも前記アウターレンズに施される拡散カットが、凸シリンドリカルレンズカットと凹シリンドリカルレンズカットとが交互に配置された構成とされ、且つ、それぞれのレンズカット間が滑らかに接続されていることを特徴とする車両用灯具を提供することで課題を解決するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1に符号1で示すものは本発明に係る車両用灯具であり、この車両用灯具1は光源2と反射鏡3とアウターレンズ4とで構成され、この実施形態では反射鏡3に水平方向に光を拡散する反射鏡拡散カット3aが施されている(従来例の図5参照)ものとして説明を行う。また、この実施形態においても垂直、水平方向は車両用灯具1を車体に取付けたときを基準とする。
【0009】従って、アウターレンズ4にはシリンドリカルレンズカットとしたアウターレンズ拡散カット41が水平方向に軸を有するようにして密接して形成されるものとなり、垂直方向に光を拡散させるものとなるが、本発明により前記アウターレンズ拡散カット41は図2に断面図で示すように凸シリンドリカルレンズカット41aと、凹シリンドリカルレンズカット41bとが交互に配置されたものとされている。
【0010】ここで、上記凸シリンドリカルレンズカット41aと凹シリンドリカルレンズカット41bとの光学的な特性について説明を行うと、反射鏡3には水平方向にのみに光を拡散する反射鏡拡散カット3aが施されているので、アウターレンズ4には平行光線が入射しているものとなる。
【0011】前記凸シリンドリカルレンズカット41aは水平方向には光学的作用を行わず垂直方向にのみ収束作用を行うものであるので、反射鏡からの平行光線に対し車両用灯具1の照射方向前方に一旦ライン状の焦点を結び、以後は拡散光として照射方向に向かうものとなる。
【0012】他方の凹シリンドリカルレンズカット41bはアウターレンズ4に入射した平行光線を直ちに拡散光として照射方向に向かわせるものとなり、結果として、凸シリンドリカルレンズカット41aも凹シリンドリカルレンズカット41bも垂直方向に光を拡散して照射方向に向かわせる同じ作用が得られるものとなる。
【0013】ここで、凸シリンドリカルレンズカット41aと凹シリンドリカルレンズカット41bとを接続する接続点Pに注目してみると、両レンズカット41a、41bを隣り合わせることで、双方の傾斜は同じ方向となる。従って、両レンズカット41a、41bの曲率の調整、両レンズカット41a、41b間のピッチの調整、あるいは、接続点Pにおける傾斜度合いの僅かな調整など適宜な手段で、接続点Pにおいて、曲率、傾斜などに急変を生じることのない滑らかな接続が可能となる。
【0014】このことは即ち、前記接続点Pに対して視覚的に強く意識される接合線を生じないものとすることが可能となるものであり、アウターレンズ4の面を観視したときには接合線に煩わされることなくアウターレンズ4全体の形状が認識されるものとなる。また、接合線がないことで視線が遮られずアウターレンズ4は透明感が向上したように見えるものとなる。
【0015】以上は、反射鏡3に反射鏡拡散カット3aが施されているときの例で説明したが、本発明は図3に示すように反射鏡3には拡散カット3が設けられず、これに代わりインナーレンズ拡散カット51が施されたインナーレンズ5が設けられたときにも同様に実施が可能である。
【0016】尚、上記インナーレンズ5を設けるときには、このインナーレンズ5に設けられるインナーレンズ拡散カット51もアウターレンズ4と同様に凸シリンドリカルレンズカット51aと凹シリンドリカルレンズカット51bとで構成することも自在であり、このようにすることで一層に車両用灯具1の透明感は向上するものとなる。
【0017】図4に示すものは本発明の更に別の実施形態であり、上記でも説明したように本発明によるアウターレンズ拡散カット41、インナーレンズ拡散カット51においては隣り合う拡散カット間での接合線が表れないものであるので、煩わしさを増すことなく、アウターレンズ拡散カット41および/あるいはインナーレンズ拡散カット51のピッチを変えることでアウターレンズ4を見るときの見栄えを変えることが可能となる。
【0018】この実施形態は、アウターレンズ拡散カット41を車両用灯具1の上下幅の中心に向かうほどピッチが徐々に狭く成るように設定すると共に、インナーレンズ拡散カット51も車両用灯具1の左右幅の中心に向かうほどピッチが徐々に狭く成るように設定したときの例で示したものであり、このようにすることで、車両用灯具1の点灯時、非点灯時の共に従来にない斬新な見栄えを与えることが可能となる。
【0019】尚、実際の実施では前記でも説明したように図4のようににアウターレンズ拡散カット41とインナーレンズ拡散カット51の接合線が見えることはなく、光の屈折による明暗などにより紋様が表れるものであるが、ここでは理解を容易にするために接合線により模式的に表示している。
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように本発明により、少なくともアウターレンズに施される拡散カットが、凸シリンドリカルレンズカットと凹シリンドリカルレンズカットとが交互に配置された構成とされ、且つ、それぞれのレンズカット間が滑らかに接続されている車両用灯具としたことで、アウターレンズ面に拡散カット間の接合線が表れないものとし、この接合線が強く意識されてアウターレンズ全体か画一的に見えデザインを損なったり、あるいは視線が遮られて透明感が失われるなどを解決し、この種の車両用灯具の見栄えを向上させ、品質感を向上させるという極めて優れた効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【出願日】 平成10年11月13日(1998.11.13)
【代理人】 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開2000−149619(P2000−149619A)
【公開日】 平成12年5月30日(2000.5.30)
【出願番号】 特願平10−323693