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【発明の名称】 LED及びこれを用いた照明装置
【発明者】 【氏名】米田 賢治

【要約】 【課題】狭窄型LEDに有効な利用用途を提供するとともに、組立が極めて簡単でかつ正確に行えるとともに、コンパクト化や高性能化が可能な照明装置を実現する。

【解決手段】発光面21を有したLED素子2を透明体3内に埋設してなるLED1から射出される光を、光ファイバ4の光導入端41から導入し、光導出端42から導出して照明に利用するようにしたものであって、LED素子2にその発光面21の略一点が発光する狭窄型のものを用いるとともに、光ファイバ4を挿入可能なファイバ挿入穴5を、その底面51がLED素子2の発光面21に近接するように、前記透明体3に設け、光ファイバ4を前記ファイバ挿入穴5に挿入して固定するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】発光面を有したLED素子を透明体内に埋設してなるものであって、前記LED素子に、前記発光面の略一点が発光する狭窄型のものを用いるとともに、前記透明体に、光ファイバを挿入可能なファイバ挿入穴を、その底面がLED素子の発光面に近接するように設けたことを特徴とするLED。
【請求項2】請求項1記載のLEDに設けられたファイバ挿入穴に光ファイバの光導入端を挿入し、該LEDから射出される光を前記光ファイバの光導出端から導出して照明に利用するようにしたことを特徴とする照明装置。
【請求項3】LED素子の発光面と光ファイバの光導入端との間に、LED素子から射出される光を屈折させる光屈折部を設けてなることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】光屈折部が、ファイバ挿入穴の底面を凸状に膨出した曲面状に形成してなるものであることを特徴とする請求項3記載の照明装置。
【請求項5】複数のLEDを基板上に敷き詰め、各LEDにそれぞれ光ファイバを配設していることを特徴とする請求項2、3または4記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、狭窄型のLED素子を具備するLED、および工場での製品検査等に用いられる照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の照明装置として、多数のLEDを基板に敷き詰め、各LEDに光ファイバをそれぞれ取り付けるとともに、これら光ファイバを束ねて光ファイバ束とし、この光ファイバ束の他端から光を射出可能に構成したものを、本願発明者は開発している。係る照明装置は、コンパクトで長寿命等、数々の利点を有するものである。
【0003】しかして、従来、この種の照明装置を組み立てる際には、各LEDの表面に光ファイバを1本毎に樹脂接着剤等を用いて取り付けていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような方法で光ファイバを取り付けるためには、多大な労力と時間が必要となり、組み立てコストが嵩むだけでなく、1本1本の光ファイバをLEDに取り付ける際の取付位置精度にばらつきが生じて、LEDから射出される光を効率的に光ファイバに導くことが難しいという問題点があった。
【0005】また、従来のLEDは発光面積がある程度大きく、光ファイバを細径のものにすると、LEDと光ファイバとの間での光量ロスが増大するため、光ファイバに細径のものを用い難かった。したがって、照明光度を高めるためにLEDの数を増やすと、光ファイバ束の径が大きくなるため、上記組み立てコストの増大とあいまって、一定以上に照明光度を高められないという問題点が生じ得た。
【0006】一方、近時、狭窄型LEDと称され、図8、図9に示すように、LED素子2を構成するチップに電流阻止層22を形成し、この電流阻止層22の形成されていない部位のみを発光させるようにしたものが開発されている。このものは、電流阻止層22の形状により、発光面21のうち、例えば径が50μmという極めて小さな部分24から発光させることが可能で、ほとんど点光源とみなせるような発光状態を具現化し得るものである。なお同図中符号23は電流供給のための配線である。しかして、このような狭窄型LEDの有効な使用方法について模索が行われていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、係る問題点を解決すべくなされたものであって、LEDを構成する透明体に光ファイバを挿入できるファイバ挿入穴を設けておくことによって、光ファイバを極めて簡単にかつ正確に取り付けられるようにするとともに、点発光するという狭窄型のLED素子の特徴を生かし、該LED素子から射出される光を、細径の光ファイバに効率よく導き得るようにすることを主たる目的としている。
【0008】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明に係るLEDは、発光面を有したLED素子を透明体内に埋設してなるものであって、前記LED素子に、発光面の略一点が発光する狭窄型のものを用いるとともに、前記透明体に、光ファイバを挿入可能なファイバ挿入穴を、その底面がLED素子の発光面に近接するように設けたことを特徴とする。
【0009】このようなものであれば、狭窄型のものの特徴である点発光できるという点を有効に利用して、射出した光を、細径の光ファイバに効率よく導入できるようになる。したがって、例えば多数のLEDにそれぞれ光ファイバを取り付けこれら光ファイバの光導出端を束ねた場合に、単位面積あたりの光量を増大させて光をより集中させることができるようになる。また、かかる場合には、光ファイバの取付位置決めを正確に行わなければならないが、透明体にファイバ挿入穴が形成されているので、光ファイバを簡単かつ正確に位置合わせして取り付けることが可能となる。したがって組立作業の軽減にも寄与し得る。
【0010】係るLEDを有効に利用した実施態様としては、LEDに設けられたファイバ挿入穴に光ファイバの光導入端を挿入し、該LEDから射出される光を前記光ファイバの光導出端から導出して照明に利用するようにした照明装置が挙げられる。狭窄型のLEDが点発光源とみなせることを利用して、より効率的にLED射出光を光ファイバ内に導くには、LED素子の発光面と光ファイバの光導入端との間に、LED素子から射出される光を屈曲させる光屈折部を配設してなるものが好ましい。点発光源であれば、LED素子から射出される光の大半を、例えば凸レンズのような簡単な構成の光屈折部で、非常に細径の平行光とすることができ、ファイバ内部に導入される光量を大幅に増大させることができるからである。この場合に光屈折部はできるだけLED素子の発光面に近接させることが光量ロスを軽減する上で好ましい。
【0011】光屈折部を簡単に形成できる具体的実施態様としては、光屈折部が、ファイバ挿入穴の底面を凸状に膨出させてなるものであることが望ましい。照明装置のコンパクト化等を実現するには、複数のLEDを基板上に敷き詰め、各LEDにそれぞれ光ファイバを配設しているものが好適である。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例を、図1から図9を参照して説明する。本実施例による照明装置は、工場の製品検査等に用いられるものであり、図1に示すように、光源Lを内蔵する装置本体8と、被検査物に光を照射するための照明用部材9と、装置本体8及び照明用部材9間を連結し、光源Lから射出された光を照明用部材9に導くための光ファイバ束10とを具備してなる。
【0013】光源Lは、図2に示すように、複数のLED1をプリント基板7上に敷き詰めるように実装してなるものである。実装されるLED1の数は、要求される照明光度により変わることはいうまでもないが、例えば本実施例ではその数を200程度に設定している。プリント基板7には、各LED1に電源を供給するための図示しない電源ラインが敷設されている。また、放熱のために、図1に示すように、プリント基板7の裏側にはヒートシンク11が貼着してあり、装置本体8内に外気を強制的に導入循環させるためのファン12を取り付けてある。さらに、この装置本体8内には、図示しないが、この他に、電源装置や、この電源供給をオン/オフするためのスイッチ等が内蔵されている。また、本実施例では、LED1の光量調整を、電源をパルス化してそのオン/オフ時間の比を変えて調整するといういわゆるPWM方式により行っている。
【0014】LED1は表面実装型と称されるもので、図3に示すように、発光面21を有するLED素子2を透明体3に封入してなるものである。LED素子2は、先に説明したが、図8、図9に示すようにその発光面21が極めて小さい狭窄型チップを主体として構成されているものである。透明体3は、例えば直方体形状のエポキシ樹脂製のものである。しかして、この透明体3の底部中央にLED素子2は埋設されている。
【0015】光ファイバ束10は、光ファイバ4を束ねてなるものである。光ファイバ4は、例えばその径h1が0.25mmの細径タイプのもので、その素材としてはプラスティックやガラス等の一般的なものを用いている。係る光ファイバ4は、光導入端41に導入される光のうち、ファイバ軸に対して所定角度範囲(例えば60度)内の光のみしか伝達できない特性を有するしかして、本実施例では、この透明体3の表面中央部に開口し、底面51をLED素子2の直上近傍に位置させたファイバ挿入穴5を設けている。このファイバ挿入穴5は、LED素子2の発光面21に対し略垂直に形成されたものであって、光ファイバ4を略隙間なく挿入できるように、その径h2が略0.25mm程度に設定してある。また、その底面51は、中央が盛り上がるように膨出する曲面形状にしてあり、凸レンズ作用を営む光屈折部6が構成されるようにしている。そして、LED素子2から射出される光(図4中点線で示す)がこの光屈折部6において屈折して略平行光となるように設定されている。光ファイバ4は、図4に示すようにその光導入端41が、ファイバ挿入穴5の底面51に略接触するまで、このファイバ挿入穴5に挿入されて接着剤AT等で固定される。
【0016】このような構成であれば、点発光が可能な狭窄型のLED1を用い、かつ光屈折部6を可及的にLED素子2の発光面21に近接させているので、LED素子2から射出される光の大半を、簡単な構成の光屈折部6で、非常に細径の略平行光とすることができる。したがって、光ファイバ4に従来より細径(0.25mm径)のものを採用しても、この光ファイバ4に、LED射出光を極めて効率良く導入することができる。したがって、光導出端42から射出される光の単位面積当たりの光量を増大できることとなり、LED1の数を増やしても、光ファイバ束10の径を大きくすることなく照明光度を高めることができるようになる。逆に、LED1の数が同数であれば、従来の装置に比べ光ファイバ束10の径をより小さくすることができるようになる。
【0017】さらに、このような構成であると、光ファイバ4をLED1に取り付けるための位置精度が悪いと、取付部分での光量ロスが大きくなり、致命的な問題点となるが、LED1を構成される透明体3に、ファイバ挿入穴5が形成されているので、LED1に光ファイバ4を簡単かつ正確に位置合わせして取り付けることが可能であり、組立工程の削減を図りつつ、LED素子2と光ファイバ4の光導入端41との間で生じる光量ロスを大きく低減することができる。
【0018】なお、本発明は上記実施例に限られるものではない。例えば、光屈折部を別体に形成した凸レンズとし、ファイバ挿入穴の底面と、光ファイバの光導入端の間に挟み込ませるように配設しても構わない。また、光量的には十分である場合など、光ファイバ4の光導入端41とLED素子2との間でのロスが問題にならない場合は、図5、図6に示すようにファイバ挿入穴5の底面51を平面にし、光屈折部を設けないようにしたものでも構わない。
【0019】LEDは、例えばラジアルタイプと称される砲弾型のものや、その他種々の形状のものを適用可能で、ファイバ挿入穴を形成することにより、上記実施例と同様の効果を奏し得る。加えて、図7に示すように、LED1を、複数のLED素子2を一の透明体3によりモールドし、各LED素子2に対応させてファイバ挿入穴5を設けてなるものとしてもよい。
【0020】さらに言えば、係るLEDは照明装置のみならず、センサ等にも好適に適用しうる。その他、各部の構成は図示例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、狭窄型のものの特徴である点発光できるという点を有効に利用して、LEDから射出した光を、従来では用いることができなかった細径の光ファイバに効率よく導入できるようになる。したがって、例えば多数のLEDにそれぞれ光ファイバを取り付けこれら光ファイバの光導出端を束ねた場合に、単位面積あたりの光量を増大させて光をより集中させることができるようになる。また、かかる場合には、光ファイバの取付位置決めを正確に行わなければならないが、透明体にファイバ挿入穴が形成されているので、光ファイバを簡単かつ正確に位置合わせして取り付けることが可能となる。したがって光ファイバの取付作業の軽減にも寄与し得る。
【0022】また、係るLEDに設けられたファイバ挿入穴に光ファイバの光導入端を挿入し、該LEDから射出される光を前記光ファイバの光導出端から導出して照明に利用するようにした照明装置であれば、上述した利点を有効に活用できる。すなわち、多数の光ファイバを束ねて光ファイバ束とし、光ファイバ束の光導出端から光を導出して照明するような場合に、従来と同一径の光ファイバ束とするのであれば、照明光度を無理なく増大させることができ、従来と同一の照明光度を維持するのであれば光ファイバ束の径をより小さくできるようになる。また、組立作業を簡単化できることから、コストダウンも可能になる。
【0023】LED素子の発光面と光ファイバの光導入端との間に、LED素子から射出される光を屈曲させる光屈折部を配設してなるものであれば、狭窄型のLEDが点発光源とみなせることを有効に利用して、より効率的にLED射出光を光ファイバ内に導くことができる。点発光であれば、LED素子から射出される光の大半を、例えば凸レンズのような簡単な構成の光屈折部で、非常に細径の平行光とすることができ、ファイバ内部に導入される光量を増大させることができるからである。この場合に光屈折部はできるだけLED素子の発光面に近接させることが光量ロスを軽減する上で好ましい。
【0024】光屈折部が、ファイバ挿入穴の底面を凸状に膨出させてなるものであれば、光屈折部を、専用のレンズ等を用いることなく簡単に形成することができ、また、光屈折部をLED素子の発光面に可及的に近づけることが容易にできる。さらに、コスト的にも有利であるという効果も奏する。
【出願人】 【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
【出願日】 平成10年11月11日(1998.11.11)
【代理人】 【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
【公開番号】 特開2000−149608(P2000−149608A)
【公開日】 平成12年5月30日(2000.5.30)
【出願番号】 特願平10−320145